JPH0673104A - β−サイクロデキストリンの製造法 - Google Patents
β−サイクロデキストリンの製造法Info
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- JPH0673104A JPH0673104A JP4226156A JP22615692A JPH0673104A JP H0673104 A JPH0673104 A JP H0673104A JP 4226156 A JP4226156 A JP 4226156A JP 22615692 A JP22615692 A JP 22615692A JP H0673104 A JPH0673104 A JP H0673104A
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- reaction
- cyclodextrin
- cyclohexane
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-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12P—FERMENTATION OR ENZYME-USING PROCESSES TO SYNTHESISE A DESIRED CHEMICAL COMPOUND OR COMPOSITION OR TO SEPARATE OPTICAL ISOMERS FROM A RACEMIC MIXTURE
- C12P19/00—Preparation of compounds containing saccharide radicals
- C12P19/18—Preparation of compounds containing saccharide radicals produced by the action of a glycosyl transferase, e.g. alpha-, beta- or gamma-cyclodextrins
Abstract
(57)【要約】
【目的】 澱粉以外の基質からβ−サイクロデキストリ
ンを効率よく製造する。 【構成】 グルコースの数が2〜10であるマルトオリ
ゴ糖とサイクロデキストリングルカノトランスフェラー
ゼとを、β−サイクロデキストリン溶液に過剰量加えた
ときにβ−サイクロデキストリンの50%以上を沈澱さ
せる有機溶媒を含む溶液中で共存させ、40℃よりも低
い温度で反応を行う。
ンを効率よく製造する。 【構成】 グルコースの数が2〜10であるマルトオリ
ゴ糖とサイクロデキストリングルカノトランスフェラー
ゼとを、β−サイクロデキストリン溶液に過剰量加えた
ときにβ−サイクロデキストリンの50%以上を沈澱さ
せる有機溶媒を含む溶液中で共存させ、40℃よりも低
い温度で反応を行う。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、サイクロデキストリン
の製造法に関し、詳しくは、澱粉以外の原料から効率よ
くβ−サイクロデキストリンを製造する方法を提供する
ものである。
の製造法に関し、詳しくは、澱粉以外の原料から効率よ
くβ−サイクロデキストリンを製造する方法を提供する
ものである。
【0002】
【従来の技術】サイクロデキストリン(以下、「CD」
という。)は、6〜12個のグルコースがグルコシド結
合で環状に結合した非還元性のマルトオリゴ糖である。
CDとしては、グルコースが6個結合したα−CD、7
個結合したβ−CD、8個結合したγ−CDが、単品あ
るいは混合物として工業的に生産されている。CDは、
環の外周は親水性であり、空洞内は疎水性である両性物
質であって、その疎水性空洞に各種の分子等を安定に包
み込む包接機能を有している。
という。)は、6〜12個のグルコースがグルコシド結
合で環状に結合した非還元性のマルトオリゴ糖である。
CDとしては、グルコースが6個結合したα−CD、7
個結合したβ−CD、8個結合したγ−CDが、単品あ
るいは混合物として工業的に生産されている。CDは、
環の外周は親水性であり、空洞内は疎水性である両性物
質であって、その疎水性空洞に各種の分子等を安定に包
み込む包接機能を有している。
【0003】このため、揮発性物質の不揮発化や、不快
臭のマスキング等が可能であり、医薬品、食料、化粧品
等に使用されるなど、幅広い分野で利用されている。
臭のマスキング等が可能であり、医薬品、食料、化粧品
等に使用されるなど、幅広い分野で利用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】CDは、従来、澱粉を
基質としたCD生成酵素(サイクロデキストリングルカ
ノトランスフェラーゼ:以下、「CGTase」とい
う。)による酵素反応により得られている。工業的には
基質濃度が高い方が望ましいが、反応液の粘度が高くな
り、攪拌操作が困難になり、反応率も低下する。そのた
め、予め澱粉をα−アミラーゼを用いた前処理により液
化して粘度を下げる方法もあるが、工程が煩雑となる。
基質としたCD生成酵素(サイクロデキストリングルカ
ノトランスフェラーゼ:以下、「CGTase」とい
う。)による酵素反応により得られている。工業的には
基質濃度が高い方が望ましいが、反応液の粘度が高くな
り、攪拌操作が困難になり、反応率も低下する。そのた
め、予め澱粉をα−アミラーゼを用いた前処理により液
化して粘度を下げる方法もあるが、工程が煩雑となる。
【0005】また、反応生成物は、α、β、γ型のCD
の混合物として得られ、主として利用されているβ−C
Dを得ようとする場合には精製が必要となり、収率も低
下する。一方、澱粉以外の基質を用いたCGTaseに
よるCDの生産は報告されていない。
の混合物として得られ、主として利用されているβ−C
Dを得ようとする場合には精製が必要となり、収率も低
下する。一方、澱粉以外の基質を用いたCGTaseに
よるCDの生産は報告されていない。
【0006】本発明はかかる観点からなされたものであ
り、澱粉以外の基質からβ−CDを効率よく製造する方
法を提供することを課題とする。
り、澱粉以外の基質からβ−CDを効率よく製造する方
法を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するために鋭意研究を行った結果、原料基質として
高濃度のマルトオリゴ糖を用い、CGTaseを作用さ
せると、β−CDのみが生成されることを見出し、本発
明に至った。
解決するために鋭意研究を行った結果、原料基質として
高濃度のマルトオリゴ糖を用い、CGTaseを作用さ
せると、β−CDのみが生成されることを見出し、本発
明に至った。
【0008】すなわち本発明は、グルコースの数が2〜
10であるマルトオリゴ糖とサイクロデキストリングル
カノトランスフェラーゼとを、β−サイクロデキストリ
ン溶液に過剰量加えたときにβ−サイクロデキストリン
の50%以上を沈澱させる有機溶媒を含む溶液中で共存
させ、40℃よりも低い温度で反応を行うことを特徴と
するβ−サイクロデキストリンの製造法である。
10であるマルトオリゴ糖とサイクロデキストリングル
カノトランスフェラーゼとを、β−サイクロデキストリ
ン溶液に過剰量加えたときにβ−サイクロデキストリン
の50%以上を沈澱させる有機溶媒を含む溶液中で共存
させ、40℃よりも低い温度で反応を行うことを特徴と
するβ−サイクロデキストリンの製造法である。
【0009】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
CDの製造法は、有機溶媒存在下でマルトオリゴ糖にC
GTaseを作用させることを特徴とする。
CDの製造法は、有機溶媒存在下でマルトオリゴ糖にC
GTaseを作用させることを特徴とする。
【0010】原料基質であるマルトオリゴ糖としては、
重合度2〜10程度のものが好ましく、これらは単独で
も混合物でも使用できる。入手のしやすさ、製造コスト
等の点からマルトースが特に好ましい。
重合度2〜10程度のものが好ましく、これらは単独で
も混合物でも使用できる。入手のしやすさ、製造コスト
等の点からマルトースが特に好ましい。
【0011】CGTaseとしては、通常のCDの工業
生産に使用されるBacillus macerans、Bacillus megate
rium、 Bacillus circulans等が産生する酵素が挙げら
れる。この酵素は、種々の反応を触媒するが、本発明に
おいては分子内転移反応(環化反応)、分子間転移反応
(不均化反応)によりβ−CDが生成する。
生産に使用されるBacillus macerans、Bacillus megate
rium、 Bacillus circulans等が産生する酵素が挙げら
れる。この酵素は、種々の反応を触媒するが、本発明に
おいては分子内転移反応(環化反応)、分子間転移反応
(不均化反応)によりβ−CDが生成する。
【0012】有機溶媒としては、β−CDと比較的強く
包接体を形成するものがよく、シクロヘキサン、シクロ
オクタン、シクロドデカン等の環状炭化水素類、ベンゼ
ン、エチルベンゼン、o−キシレン、m−キシレン、p
−キシレン、o−ジクロロベンゼン、ナフタレン、アン
トラセン等の芳香族化合物類、テトラクロロエチレン、
クロロホルム等のハロゲン化合物類等の1種あるいは2
種以上の混合物が挙げられる。これらの中では、シクロ
ヘキサンが特に好ましい。
包接体を形成するものがよく、シクロヘキサン、シクロ
オクタン、シクロドデカン等の環状炭化水素類、ベンゼ
ン、エチルベンゼン、o−キシレン、m−キシレン、p
−キシレン、o−ジクロロベンゼン、ナフタレン、アン
トラセン等の芳香族化合物類、テトラクロロエチレン、
クロロホルム等のハロゲン化合物類等の1種あるいは2
種以上の混合物が挙げられる。これらの中では、シクロ
ヘキサンが特に好ましい。
【0013】上記有機溶媒の反応液中の濃度は、好まし
くは30〜80vol%、さらに好ましくは40〜60vol
%であり、水あるいは緩衝液と混合して攪拌しながら反
応を行う。
くは30〜80vol%、さらに好ましくは40〜60vol
%であり、水あるいは緩衝液と混合して攪拌しながら反
応を行う。
【0014】マルトースを基質とした場合には、基質濃
度が40(W/V)%を越えるとβ−CDの生成量が頭打
ちになるので、これ以下の範囲で合成を行うことが収率
の点から好ましい。同様に、反応開始60時間前後で生
成量は最大により、反応時間が60時間を大きく越える
と生成量が減少するので、これ以下で行うことが望まし
い。また、反応液のpHは4.5〜8が好ましく、5〜
7がさらに好ましい。
度が40(W/V)%を越えるとβ−CDの生成量が頭打
ちになるので、これ以下の範囲で合成を行うことが収率
の点から好ましい。同様に、反応開始60時間前後で生
成量は最大により、反応時間が60時間を大きく越える
と生成量が減少するので、これ以下で行うことが望まし
い。また、反応液のpHは4.5〜8が好ましく、5〜
7がさらに好ましい。
【0015】CGTaseの至適温度は50℃付近であ
るが、40℃を越えた温度で反応を行うとCDは生成し
ないので、これよりも低い温度、好ましくは25℃以
下、さらに好ましくは10℃以下で反応を行う。
るが、40℃を越えた温度で反応を行うとCDは生成し
ないので、これよりも低い温度、好ましくは25℃以
下、さらに好ましくは10℃以下で反応を行う。
【0016】生成したβ−CDは、有機溶媒と包接体を
形成して沈澱するので、反応液や未反応基質と容易に分
離することができる。
形成して沈澱するので、反応液や未反応基質と容易に分
離することができる。
【0017】
【作用】マルトオリゴ糖にCGTaseを作用させる
と、分子間転移反応により、グルコースの単量体〜8量
体(マルトオクタオース)程度までのマルトオリゴ糖に
変化する。ここで、6量体以上のオリゴ糖は分子内転移
反応によりCDとなる可能性を有するが、系中に同時に
マルトオリゴ糖が存在するため、生成したCDは速やか
に開環転移反応により分解され、系中にはほとんど残ら
ない。
と、分子間転移反応により、グルコースの単量体〜8量
体(マルトオクタオース)程度までのマルトオリゴ糖に
変化する。ここで、6量体以上のオリゴ糖は分子内転移
反応によりCDとなる可能性を有するが、系中に同時に
マルトオリゴ糖が存在するため、生成したCDは速やか
に開環転移反応により分解され、系中にはほとんど残ら
ない。
【0018】この反応を、CDと包接体を形成して反応
生成物を沈澱を生成させるような有機溶媒を加えた系で
行うと、環化反応により生成したCDは酵素の作用を受
けにくくなり、反応系中に蓄積する。
生成物を沈澱を生成させるような有機溶媒を加えた系で
行うと、環化反応により生成したCDは酵素の作用を受
けにくくなり、反応系中に蓄積する。
【0019】さらに、本発明においては40℃以下で反
応を行うことによりCDが生成されるが、これは、40
℃以下にすることによりCDと有機溶媒との包接体がよ
り安定に存在するためであると考えられる。
応を行うことによりCDが生成されるが、これは、40
℃以下にすることによりCDと有機溶媒との包接体がよ
り安定に存在するためであると考えられる。
【0020】
【実施例】以下に、本発明の実施例を説明する。尚、以
下の実施例で使用したCGTaseは、天野製薬(株)
から市販されているBacillus macerans由来のもの(商
品名コンチザイム)を用い、基質1gに対して300U
(Tilden-Hudson単位:J.Bacteriol. 43, 527 (1942))
使用した。この酵素は、澱粉を基質とした場合には、主
としてα−CDを生成する。
下の実施例で使用したCGTaseは、天野製薬(株)
から市販されているBacillus macerans由来のもの(商
品名コンチザイム)を用い、基質1gに対して300U
(Tilden-Hudson単位:J.Bacteriol. 43, 527 (1942))
使用した。この酵素は、澱粉を基質とした場合には、主
としてα−CDを生成する。
【0021】反応生成物の分析に使用したグルコアミラ
ーゼは、生化学工業(株)から市販されているRizopus
niveus由来のものを使用した。
ーゼは、生化学工業(株)から市販されているRizopus
niveus由来のものを使用した。
【0022】
【実施例1】シクロヘキサン−水系でのマルトースを基
質としたCDの製造について説明する。
質としたCDの製造について説明する。
【0023】50mM酢酸緩衝液(pH5.2)0.5
mlに対し、シクロヘキサンの量を変えてCDの製造を
行った。反応は、基質濃度20%、7.5℃で、攪拌し
ながら66時間行った。
mlに対し、シクロヘキサンの量を変えてCDの製造を
行った。反応は、基質濃度20%、7.5℃で、攪拌し
ながら66時間行った。
【0024】反応生成物の分析は、カラムにASAHIPAK N
H2P-50(旭化成製)を用いたHPLC(高速液体クロマ
トグラフィー)により行った。図1に、シクロヘキサン
無添加で反応させたもの(A)と、シクロヘキサンを
0.4ml添加して反応を行ったもの(B)のクロマト
グラムを示した。Bの17.857分の位置に、Aには
みられないピークが認められ、このピークは、β−CD
の標準物質のピークと保持時間が一致した。
H2P-50(旭化成製)を用いたHPLC(高速液体クロマ
トグラフィー)により行った。図1に、シクロヘキサン
無添加で反応させたもの(A)と、シクロヘキサンを
0.4ml添加して反応を行ったもの(B)のクロマト
グラムを示した。Bの17.857分の位置に、Aには
みられないピークが認められ、このピークは、β−CD
の標準物質のピークと保持時間が一致した。
【0025】また、これらの試料にグルコアミラーゼを
加え、直鎖のマルトオリゴ糖を分解したもののクロマト
グラフを図2に示した。尚、CDはグルコアミラーゼで
は分解されない。β−CDの標準物質と一致したピーク
はDでは残存し、これらの結果からこのピークがβ−C
Dであることがわかった。
加え、直鎖のマルトオリゴ糖を分解したもののクロマト
グラフを図2に示した。尚、CDはグルコアミラーゼで
は分解されない。β−CDの標準物質と一致したピーク
はDでは残存し、これらの結果からこのピークがβ−C
Dであることがわかった。
【0026】上記ピーク面積を指標とし、各反応のβ−
CDの生成率(%)を算出した結果を図3に示す。ま
た、シクロヘキサンの濃度(反応液の総容量に対するシ
クロヘキサンの容量%)に対し、β−CDの最大生成率
を1.0としたときの相対生成量を、図4に示した。
CDの生成率(%)を算出した結果を図3に示す。ま
た、シクロヘキサンの濃度(反応液の総容量に対するシ
クロヘキサンの容量%)に対し、β−CDの最大生成率
を1.0としたときの相対生成量を、図4に示した。
【0027】これらの結果から、基質にマルトースを用
い、シクロヘキサン−水系でCGTaseを作用させる
ことにより、β−CDが生成することがわかる。また、
シクロヘキサンの濃度は30〜80%、特に40〜60
%が好ましいことがわかった。
い、シクロヘキサン−水系でCGTaseを作用させる
ことにより、β−CDが生成することがわかる。また、
シクロヘキサンの濃度は30〜80%、特に40〜60
%が好ましいことがわかった。
【0028】
【実施例2】次に、本発明に使用できる溶媒の検索を行
った。α−CD、β−CD、γ−CDの各1%溶液に、
過剰量の有機溶媒を添加し、室温で数分攪拌した後、水
相の上清をHPLCで分析することにより沈澱量を測定
した。すべて沈澱したものを沈澱生成率100とした。
尚、常温で固体のものは、ヘキサンに溶解させて用い
た。
った。α−CD、β−CD、γ−CDの各1%溶液に、
過剰量の有機溶媒を添加し、室温で数分攪拌した後、水
相の上清をHPLCで分析することにより沈澱量を測定
した。すべて沈澱したものを沈澱生成率100とした。
尚、常温で固体のものは、ヘキサンに溶解させて用い
た。
【0029】さらに、各溶媒44.4%で実施例1と同
様に反応を行い、反応時の沈澱の有無及び沈澱物の分析
を行った。結果を表1に示す。
様に反応を行い、反応時の沈澱の有無及び沈澱物の分析
を行った。結果を表1に示す。
【0030】
【表1】
【0031】この結果から、β−CDを約50%以上沈
澱させる有機溶媒を用いて反応を行うと、β−CDが生
成することがわかった。
澱させる有機溶媒を用いて反応を行うと、β−CDが生
成することがわかった。
【0032】
【実施例3】基質濃度を変えて、β−CDの合成を行っ
た。酵素量も基質重量に対して一定(300U/g)となるよう
にした。有機溶媒にはシクロヘキサン(44.4%)を
用い、実施例1と同様の条件で48時間反応を行った。
結果を図5に示す。
た。酵素量も基質重量に対して一定(300U/g)となるよう
にした。有機溶媒にはシクロヘキサン(44.4%)を
用い、実施例1と同様の条件で48時間反応を行った。
結果を図5に示す。
【0033】この結果から、マルトース濃度が高くなる
にしたがって、β−CDの生成量が増加することがわか
った。但し、30%を越えると生成量は頭打ちになる。
にしたがって、β−CDの生成量が増加することがわか
った。但し、30%を越えると生成量は頭打ちになる。
【0034】
【実施例4】マルトース(20%)を基質としたβ−C
Dの合成におけるpHの影響を調べた。有機溶媒にはシ
クロヘキサン(44.4%)を用い、緩衝液には、pH
4〜5では50mM酢酸緩衝液を、pH6〜8では50
mMリン酸緩衝液を使用した。結果を図6に示す。
Dの合成におけるpHの影響を調べた。有機溶媒にはシ
クロヘキサン(44.4%)を用い、緩衝液には、pH
4〜5では50mM酢酸緩衝液を、pH6〜8では50
mMリン酸緩衝液を使用した。結果を図6に示す。
【0035】この結果から、pH5〜8が好ましいこと
がわかった。
がわかった。
【0036】
【実施例5】さらに、β−CDの合成反応における反応
時間とβ−CDの生成量との関係を調べた。基質にはマ
ルトース(20%)を用い、シクロヘキサン30mlと
100mM酢酸緩衝液(pH6.0)24mlとの混合
系で、7.5℃で反応を行った。結果を図7に示す。
時間とβ−CDの生成量との関係を調べた。基質にはマ
ルトース(20%)を用い、シクロヘキサン30mlと
100mM酢酸緩衝液(pH6.0)24mlとの混合
系で、7.5℃で反応を行った。結果を図7に示す。
【0037】この結果から、反応開始60時間前後でC
D生成量は最大となり、その後、徐々に減少することが
わかった。
D生成量は最大となり、その後、徐々に減少することが
わかった。
【0038】
【実施例6】β−CDの合成反応における温度の影響を
調べた。基質にはマルトース(20%)、有機溶媒には
シクロヘキサン(44.4%)を用い、50mMリン酸緩衝
液(pH6)との混合系で、温度を変えて48時間反応を行
った。結果を図8に示す。
調べた。基質にはマルトース(20%)、有機溶媒には
シクロヘキサン(44.4%)を用い、50mMリン酸緩衝
液(pH6)との混合系で、温度を変えて48時間反応を行
った。結果を図8に示す。
【0039】この結果から、40℃ではβ−CDの合成
反応は起こらず、40℃を越えない温度で反応が起こる
ことがわかった。
反応は起こらず、40℃を越えない温度で反応が起こる
ことがわかった。
【0040】
【発明の効果】本発明により、澱粉以外の原料からβ−
CDを製造することが可能となった。本方法は、原料が
高濃度でも反応液の粘度が高くならないので、前処理を
必要としない。また、反応生成物がβ−CDのみである
ので、精製操作が簡便である。
CDを製造することが可能となった。本方法は、原料が
高濃度でも反応液の粘度が高くならないので、前処理を
必要としない。また、反応生成物がβ−CDのみである
ので、精製操作が簡便である。
【図1】 β−CD合成反応後のクロマトグラム。Aは
シクロヘキサン無添加、Bは添加したものである。
シクロヘキサン無添加、Bは添加したものである。
【図2】 グルコアミラーゼ処理したβ−CD合成反応
物のクロマトグラム。Cはシクロヘキサン無添加、Dは
添加したものである。
物のクロマトグラム。Cはシクロヘキサン無添加、Dは
添加したものである。
【図3】 反応液に対するシクロヘキサンの量とβ−C
Dの生成率との関係を示す図。
Dの生成率との関係を示す図。
【図4】 シクロヘキサン濃度とβ−CDの相対生成量
との関係を示す図。
との関係を示す図。
【図5】 基質濃度とβ−CDの生成率との関係を示す
図。
図。
【図6】 β−CD合成におけるpHの影響を示す図。
【図7】 β−CDの生成量と反応時間との関係を示す
図。
図。
【図8】 β−CDの生成率と反応温度との関係を示す
図。
図。
Claims (4)
- 【請求項1】 グルコースの数が2〜10であるマルト
オリゴ糖とサイクロデキストリングルカノトランスフェ
ラーゼとを、β−サイクロデキストリン溶液に過剰量加
えたときにβ−サイクロデキストリンの50%以上を沈
澱させる有機溶媒を含む溶液中で共存させ、40℃より
も低い温度で反応を行うことを特徴とするβ−サイクロ
デキストリンの製造法。 - 【請求項2】 前記マルトオリゴ糖がマルトースである
請求項1記載のβ−サイクロデキストリンの製造法。 - 【請求項3】 前記有機溶媒が、シクロヘキサン、シク
ロオクタン、ベンゼン、エチルベンゼン、o−キシレ
ン、m−キシレン、p−キシレン、o−ジクロロベンゼ
ン、テトラクロロエチレン、クロロホルム、シクロドデ
カン、ナフタレン、アントラセンから選ばれることを特
徴とする請求項1又は2記載のβ−サイクロデキストリ
ンの製造法。 - 【請求項4】 前記有機溶媒の濃度が20〜80Vol%
である請求項1〜3のいずれか一項に記載のβ−サイク
ロデキストリンの製造法。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4226156A JPH0673104A (ja) | 1992-08-25 | 1992-08-25 | β−サイクロデキストリンの製造法 |
US08/211,920 US5556775A (en) | 1992-08-25 | 1993-08-25 | Method of producing β-cyclodextrin |
PCT/JP1993/001193 WO2004099260A1 (ja) | 1992-08-25 | 1993-08-25 | ß-サイクロデキストリンの製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4226156A JPH0673104A (ja) | 1992-08-25 | 1992-08-25 | β−サイクロデキストリンの製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0673104A true JPH0673104A (ja) | 1994-03-15 |
Family
ID=16840745
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4226156A Pending JPH0673104A (ja) | 1992-08-25 | 1992-08-25 | β−サイクロデキストリンの製造法 |
Country Status (3)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US5556775A (ja) |
JP (1) | JPH0673104A (ja) |
WO (1) | WO2004099260A1 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007173136A (ja) * | 2005-12-26 | 2007-07-05 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | リチウムイオン二次電池の充電方法 |
CN100381472C (zh) * | 2006-05-26 | 2008-04-16 | 陕西省微生物研究所 | 用淀粉直接制备麦芽糖基-β-环糊精的方法 |
JP2008255333A (ja) * | 2007-02-22 | 2008-10-23 | Rohm & Haas Co | 複合体の製造方法 |
Families Citing this family (3)
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