JP3637086B2 - マンノシル−シクロデキストリンの製法 - Google Patents

マンノシル−シクロデキストリンの製法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、シクロデキストリン類の水酸基にα結合でマンノシル基が結合したマンノシル−シクロデキストリン類の製造方法に関する。詳しくは、酵素反応を利用するマンノースとシクロデキストリン類からの効率的なマンノシル−シクロデキストリン類の製造方法に関する。
本発明により得られるマンノシル−シクロデキストリン類は、食品工業,化粧品工業,医薬品工業などの分野で広く利用される。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
シクロデキストリン類(以下、CDと略記する。)は、グルコースがα−1,4結合で連なった環状デキストリンで、グルコース6,7,8個より成るそれぞれα−,β−およびγ−CDが良く知られている。さらに、最近ではCDの溶解度を改善するため、これらCDにα−1,6結合でグルコシル基やマルトシル基を結合させた分岐CDが合成されている。
【0003】
これらCDおよび分岐CDには分子内部に空洞があり、しかもこの空洞内部が疎水性になっているため、包接作用があり、各種油性物質等を取り込む性質を有している。
CDおよび分岐CDは、このような性質をもっているため、食品工業,化粧品工業,医薬品工業などの分野で広く使用されている。
【0004】
最近、医薬品工業の分野では、薬剤の副作用を少なくするため、糖質の細胞認識性に着目して、これをドラッグ・デリバリー・システムの薬剤運搬体の標識細胞へのセンサーとして利用する研究が活発に行われている。特に、ガラクトースは肝臓組織に、マンノースは肝臓実質細胞,肝臓非実質細胞,マクロファージに強い親和性を示すことが良く知られている。
【0005】
以前、我々は上述した現状に鑑み、シクロデキストリンとα−マンノシル糖化合物を含有する溶液に、α−マンノシル基転移酵素を作用させることによって、CDのグルコシル基の6位の水酸基にマンノシル基が結合しているマンノシル−CDの開発に成功している。また、マルトオリゴ糖とα−マンノシル糖化合物を含有する溶液に、α−マンノシル基転移酵素およびシクロデキストリン合成酵素を作用させることによって、同様のマンノシル−CDの開発に成功している。
【0006】
しかし、これらマンノシル基転移酵素の転移反応およびシクロデキストリン合成酵素の作用を利用して直接マンノシル−CDを合成する方法は、反応に用いる基質であるマンノシル糖化合物が高価であるために、コストの面に問題がある。また、マンノシル糖化合物は溶解度が低いものが多く、基質濃度が低く抑えられるため、転移効率が低い。その結果、収率,コストの面に問題がある。
したがって、本発明の目的はマンノシル−CDをより効率的な方法で製造する方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
このような事情に鑑み、本発明者は鋭意努力を重ねた結果、有機溶媒の存在下に、高濃度のマンノースとCDを含有する溶液にα−マンノシダーゼを作用させると、縮合反応によってCDのグルコース残基に直接マンノシル基が結合したマンノシル−CDを効率良く合成することを見出した。基質となるマンノースは比較的安価であり、高い溶解度を有する。その結果、収率,コストを格段に高めることが可能になった。また、基質濃度を高めることによって、α−マンノシダーゼの安定化、反応槽のコンパクト化も可能となった。したも、反応系の微生物汚染を軽減することができる。本発明は、これらの知見に基づいて完成されたものである。
【0008】
すなわち、本発明はマンノースとシクロデキストリン類を含有する有機溶媒の存在下にα−マンノシダーゼを作用させることを特徴とするシクロデキストリン類の水酸基にα結合で1個または数個のマンノシル基が結合しているマンノシル−シクロデキストリン類の製法を提供するものである。
【0009】
本発明で得られるマンノシル−シクロデキストリン(分岐CDと略記することがある。)は、CDの水酸基にα結合でマンノシル基が結合しているマンノシル−CDであり、CD1分子当たりマンノシル基1分子以上が結合している化合物をいう。これら分岐CDの代表的な構造式を図1のI〜III に示す。
【0010】
本発明の分岐CDは、有機溶媒の存在下、高濃度のマンノースとCDとを含有する溶液に、α−マンノシダーゼを作用させることによって得られる。本発明において反応に供するCDは、α−CD,β−CDおよびγ−CDのいずれでもよく、これらの混合物であってもよい。また、グルコシル−CD,マルトシル−CD,ガラクトシル−CDなど分岐側鎖を有するCDおよびその混合物や、前記のα−CDなどのCDとの混合物であってもよい。
【0011】
本発明に用いるα−マンノシダーゼとしては、マンノースとCDを含有する溶液に作用させたとき、マンノースとCDの縮合反応を触媒し、CDの水酸基にα結合でマンノシル基が結合しているマンノシル−CDを合成するものであれば、いずれも使用可能である。本発明に用いるα−マンノシダーゼは、自然界に広く分布しているものである。例えば、タチナタマメあるいはアーモンドなどの植物由来の酵素、サザエや肝臓(ウシ,ラット,ヒト)などの動物由来の酵素、さらにはアルスロバクター・オーレセンス,アスペルギルス・ニガーなどの微生物由来の酵素がよく知られている。本発明では植物由来の酵素が好適に用いられる。
【0012】
次に、本発明で使用する有機溶媒としては、通常メタノール,エタノール,プロパノール,アセトン,ヘキサン,アセトニトリル,シクロヘキサン,ジメチルスルホキシド,ジオキサン,ジエチレングリコール,ジメチルホルムアミド,ピリジン,テトラヒドロフランなど様々なものが挙げられ、その種類は特に限定されない。これらの中で好ましいものはメタノール,エタノール,アセトニトリル,ジメチルスルホキシド,ジオキサンである。
また、その濃度については、基質の濃度を著しく低下させない範囲で使用することが好ましく、マンノースとCDの縮合反応を触媒するα−マンノシダーゼを失活させない濃度であれば、特に限定されるものではない。通常は2〜50%(v/v)、好ましくは5〜20%(v/v)の濃度で使用する。
【0013】
本発明の反応系において、マンノースとCDを含む溶液(水溶液または懸濁液)は、CDの濃度が通常5〜70%(w/w),好ましくは20〜50%(w/w)であり、マンノースの濃度が通常20〜80%(w/w),好ましくは25〜70%(w/w)であることが適当である。また、CDに対するマンノースの比率(重量)は、使用するCDの種類によって異なるが、0.2〜20倍の範囲、好ましくは1〜10倍の範囲とするのが適当である。
【0014】
反応液のpHは3〜10、好ましくは4〜7、温度は25〜85℃、好ましくは50〜70℃に調整して反応させることが適当である。また、使用酵素量は反応時間と密接な関係があるので、通常は反応が1時間〜2週間、好ましくは6時間〜10日間で終了するような酵素量とすればよいが、これらに限定されるものではない。
【0015】
以上のような方法で反応させて得られた液を、高速液体クロマトグラフィーにかけて、CDへの反応生成物を分画・分取した後、酵素分解法およびFAB−MSによる分子量測定により構造解析を行なった結果、また既知のマンノシル−CDとの高速液体クロマトグラフィーの溶出時間から、該反応生成物は図1のI〜III に示す構造式で表される分岐CDであることを確認した。
【0016】
【実施例】
次に、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
(1)縮合反応
マンノース100mgおよびγ−CD100mgを、▲1▼10%(v/v)のメタノール、▲2▼10%(v/v)のエタノール、▲3▼10%(v/v)のアセトニトリル、▲4▼10%(v/v)のジメチルスルホキシドまたは▲5▼10%(v/v)のジオキサンを含む10mM 酢酸緩衝液(pH4.5)0.2mlに溶解させた後、タチナタマメのα−マンノシダーゼ(シグマ社製)を5単位加え、60℃にて3日間反応させた。
【0017】
反応終了後、酵素を熱失活させた溶液を高速液体クロマトグラフィーにかけて分析した。いずれの反応液も同様な溶出パターンを示し、それぞれ保持時間の一致する生成物A,B,Cが生成した。一例として▲1▼の反応液のクロマトグラムを図2に示した。この生成物を調製用HPLCで分取し、構造解析を行った。なお、比較例は有機溶媒を加えないこと以外は同様に処理した。
なお、HPLCの分析条件は以下の通りである。
Figure 0003637086
【0018】
また、酵素1単位は5mMのp−ニトロフェニル α−マンノシド(pH4.5)に40℃で10分間作用させたときに1分間に1μmolのp−ニトロフェノールが遊離する酵素量とした。
【0019】
得られた反応生成物の収量および生成率を第1表に示す。なお、生成率は用いたCDあたりのモル百分率として示した。
表から明らかなように、いずれの有機溶媒の使用によっても縮合生成物の収量および生成率共に向上した。
【0020】
【表1】
Figure 0003637086
【0021】
上記で単離された反応生成物A(図3)は、FAB−MS分析により分子量は1134であることがわかった。また、図4に示すように、このものはタチナタマメのα−マンノシダーゼにより完全に等モルのマンノースとα−CDに分解された。さらに、13C−NMR解析により、図5に示すように、α−CDのグルコシル基の6位の水酸基にα結合でマンノシル基が結合した化合物(図1の構造式I参照)であることが確認された。
【0022】
また、反応生成物BおよびC(図6)はいずれも、FAB−MS分析により分子量は1296であることがわかった。これらは、タチナタマメのα−マンノシダーゼにより完全に分解され、α−CDと2倍モルのマンノースを生成した。さらに、高速液体クロマトグラフィーの溶出パターンを考慮して、反応生成物BおよびCはα−CD1分子に対して2分子のマンノシル基が結合した化合物(図1の構造式IIとIII 参照)であることが確認された。
【0023】
【発明の効果】
本発明によれば、α−マンノシダーゼの縮合反応を利用して、CD分子中の水酸基にα結合でマンノシル基が結合しているマンノシル−CDを効率よく得ることができる。本発明の方法により得られるマンノシル−CDは、医薬品分野のほか食品分野,化粧品分野等における幅広い利用が期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明により得られる分岐CDの構造を示す。
【図2】 実施例1の反応液の高速液体クロマトグラフである。
【図3】 実施例1の反応生成物Aの高速液体クロマトグラフである。
【図4】 実施例1の反応生成物Aの酵素分解液の高速液体クロマトグラフである。
【図5】 実施例1の反応生成物Aの13C−NMR解析スペクトルである。
【図6】 実施例1の反応生成物BおよびCの高速液体クロマトグラフである。

Claims (3)

  1. マンノースとシクロデキストリン類を含有する有機溶媒の存在下にα−マンノシダーゼを作用させることを特徴とするシクロデキストリン類の水酸基にα結合で1個または数個のマンノシル基が結合しているマンノシル−シクロデキストリン類の製法。
  2. 有機溶媒がメタノール,エタノール,アセトニトリル,ジメチルスルホキシドおよびジオキサンのうちのいずれかである請求項1記載のマンノシル−シクロデキストリン類の製法。
  3. 有機溶媒を2〜50%(v/v)の濃度で用いる請求項1記載のマンノシル−シクロデキストリン類の製法。
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