JP2700423B2 - グルコシル―サイクロデキストリン類の製造方法 - Google Patents

グルコシル―サイクロデキストリン類の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はグルコシル−サイクロデキストリン類の製造
方法に関し、更に詳細には、グルコシル−α−サイクロ
デキストリン(以下「G1−α−CD」と略記する)、グル
コシル−β−サイクロデキストリン(以下「G1−β−C
D」と略記する)、グルコシル−γ−サイクロデキスト
リン(以下「G1−γ−CD」と略記する)等、あるいは、
グルコースがサイクロデキストリンに複数個分枝状に結
合した構造を有するジグルコシル−サイクロデキストリ
ン、トリグルコシル−サイクロデキストリン等のグルコ
シル−サイクロデキストリン類(以下「G1−CD類」と略
記する)の製造方法に関する。
(従来の技術) サイクロデキストリン(以下「CD」と略記する)はグ
ルコースが6個以上α−1,4−結合した環状オリゴ糖で
あり、6個のグルコース単位からなるα−CD、7個のグ
ルコース単位からなるβ−CD、8個のグルコース単位か
らなるγ−CDが主として知られている。
CDにはその構造上、分子に空洞があり、この空洞が疎
水性であるため、各種の油性物質を包接する。このた
め、不安定物質の安定化、揮発物質の保持、異臭のマス
キング等の特性を持っており、この性質を利用して、製
薬、化粧品、食品工業等の分野で利用されている。
しかし、これらのCDの溶解度は低く、α−CDで14、β
−CDで2、γ−CDで23程度である。特にβ−CDの溶解度
は著しく低いため、実用化の場合不利である。そこで、
その改良として元のCDより10倍以上の溶解性を示す分岐
CDの製造法が各種提案され、種々の用途に利用されてい
る。なかでも、G1−CD類は、マルトース以上のオリゴ糖
がCDに結合した分岐CDと比較すると酵素に対する強い抵
抗性を持ち、かつ油性物質をよく包接化するため、実用
性は高い。
G1−CD類の製造法として次のような方法が知られてい
る。
1)澱粉を液化後、サイクロデキストリングルカノトラ
ンスフェラーゼ(以下「CGT−ase」と略記する)を作用
させてCD類を合成後、反応液よりCD類と未反応の分岐デ
キストリンを分離し、この分岐デキストリンを基質にし
て多量のCGT−aseを作用させ分岐CDを製造する。次にグ
ルコアミラーゼを作用させ、G1−CD類を製造する。[澱
粉化学、30、231〜239(1983)] 2)サイクロデキストリンとマルトースの混合物にプル
ラナーゼを作用させて得たマルトシル−サイクロデキス
トリンの反応液にグルコアミラーゼを作用させ、G1−CD
類を製造する。[特開昭61−197602] 3)サイクロデキストリンとマルトトリオースの混合物
にイソアミラーゼを作用させて得たマルトトリオシル−
サイクロデキストリンの反応液にグルコアミラーゼを作
用させ、G1−CD類を製造する。[澱粉化学、33、119〜1
26(1986)] これら従来の方法は、高価なオリゴ糖を基質にして分
岐CDを製造後、酵素によってG1−CD類を製造するもの
で、多段階の酵素反応で行われ、しかも未反応のオリゴ
糖は分解され再利用が困難であるため、工程数及びコス
ト面で工業的に満足できる方法とは言いがたい。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明者は、上記の如き欠点に着目し種々研究を重ね
た結果、アミロ−1,6−グルコシダーゼ(以下「AG−as
e」と略記する)の縮合反応を利用することにより、1
段階の酵素反応でCDにグルコースを結合させることがで
きるとの知見を得、更に検討の結果、本発明を完成する
に至った。
(問題点を解決するための手段) 本発明はグルコースとCDを含む混合物にAG−aseを作
用させてG1−CD類を生成させ、生成したG1−CD類を反応
液から分離採取することからなる、G1−CD類の製造方法
である。また、本発明は、澱粉類にサイクロデキストリ
ン合成酵素を作用させた後グルコアミラーゼを作用させ
て得た反応生成物にアミロ−1,6−グルコシダーゼを作
用させることからなるG1−CD類の製造方法である。
本発明によれば、G1−CD類は次のごとくして製造され
る。即ち、グルコースとCDを含む基質濃度30〜85%溶液
にAG−aesを所定量加え、液の温度、pH等を酵素の好適
作用範囲に維持して、1〜10日間反応させ、G1−CD類を
生成し、ついで所望によりクロマトグラフィーなどの方
法によって反応液から分離採取することにより製造され
る。
また、本発明では、出発原料として澱粉類を用い、こ
れに公知の方法によりサイクロデキストリン合成酵素を
作用させて、α−CD、β−CD、γ−CD等のCDとデキスト
リン等の糖液混合物を製造し、次いで、このものに更に
グルコアミラーゼを作用させて、糖液中のデキストリン
糖をグルコースに分解することにより得たCDとグルコー
スを含む混合物に、前記と同様にAG−aseを作用させる
方法を用いることもできる。
本発明において原料として用いられるグルコース、CD
(α−CD、β−CD、γ−CD等)及びグルコアミラーゼ
は、いずれも市販の製品をそのまま使用することができ
る。
澱粉類としては、バレイショ、トウモロコシ、小麦等
由来の澱粉及びこれらを液化して得られる液化澱粉、澱
粉糖等を用いることができる。
サイクロデキストリン合成酵素としては、バチルス・
マセランス、バチルス・ステアロサーモフィラス、バチ
ルス・サーキュランス等サイクロデキストリンを生成可
能なものであれば種類を問わず使用できる。
本発明に用いられるAG−aseは、α−1,4−グルコシド
結合からなるグルカンの分枝α−1,6−グルコシド結合
に作用してグルコースを生成させる加水分解活性と逆反
応の転移作用を有する酵素で、酵母類の他、動物組織か
ら単離されている。[酵素ハンドブック、504、朝倉書
店(1983)] 通常、AG−ase酵素としては、酵母死菌体あるいは兎
筋肉の抽出酵素の精製純化したしたものまたは部分精製
した液状品、粉末等が用いられる。また、これらの酵素
は、架橋法、吸着法、包接法等の固定化技術を用いて固
定化酵素として使用できる。
これらAG−aseの使用量は、基質の品質あるいは反応
の実施形式により多少の違いはあるが、通常の場合、CD
1グラム当たり1×10-3単位以上用いられる。このAG−a
seの酵素活性は次の如き方法により測定される。即ち、
5%G1−β−CD溶液(G1−β−CDを50mM酢酸ナトリウム
緩衝液、pH5.0に溶解したもの)1.9mlに酵素液0.1mlを
加え、60分間、30℃で酵素反応させる。反応後、反応液
中に生成したグルコースを高速液体クロマトグラフィー
分析で測定する。
○測定条件 カラムサイズ;6.4φ×150mm 担体 ;YMC AM−312(山村科学株式会社製) 液相 ;エタノール:水=3.5:96.5 流速 ;1.5ml 検出器 ;示差屈折計ERC7520(エルマ光学株式
会社製) 酵素単位はこの条件で1分間に1μmoleのグルコース
を生成する酵素量を1単位とする。
本発明では、グルコース及びCDの使用量は、CDに対し
て通常、グルコース0.5〜10倍量、好ましくは1〜5倍
量用いられる。また、溶液の濃度は本発明の方法がAG−
aseの縮合反応を利用するものである関係上、一般的
に、原料基質の濃度が高いほど好ましく、したがって、
本発明における基質濃度は30〜85%、好ましくは50〜70
%で使用される。
本発明においては、反応はAG−aseの作用条件に適合
させて実施される。したがって、反応温度、pHなどは使
用されるAG−ase酵素の種類(起源)によって差はある
が、一般的に筋肉由来の酵素の場合は、25〜40℃、pH4
〜6、酵母由来の酵素の場合は、40〜70℃、pH4〜8で
行うのが好ましい。
生成したG1−CD類を反応液から分離するには、例えば
OSD担体を用いたCD類の吸着、溶出、分離クロマトグラ
フィー(特開昭63−227602)、あるいはイオン交換樹脂
を用いた分離クロマトグラフィーを用いることにより容
易に行うことができる。
(実施例) 次に、参考例及び実施例を示し、本発明を更に詳細か
つ具体的に説明する。
参考例1 兎の背筋肉350gをミンチ化し、EMバッファ−[5mMト
リス塩酸バッファー、pH7.2(0.5mM EDTA,10mM 2−メル
カプトエタノール含む)]300mlを加え、ホモジナイズ
(6,000rpm、10分)後、遠心分離(10,000rpm、20分)
し、上清液275mlを得た。次に硫安分画により粗精製を
行った。硫安濃度10〜40%で遠心分離(10,000rpm、20
分)により、沈殿物をEMバッファ中で一夜透析し、凍結
乾燥によりアミロ−1,6−グルコシダーゼ(AG−ase)の
粗酵素粉末1.85g(87.3単位)を得た。(47.2単位/g) 参考例2 酵母(オーレオバシディウムsp.SN−G42株、微工研菌
寄第8940号)培養液100mlを遠心分離(5,000rpm、5
分)し、菌体を透析して冷アセトンで処理した後、凍結
乾燥して酵母粉末15gを得た。この酵母のAG−ase酵素活
性は0.0897単位/gであった。
実施例1 グルコース100gとβ−CD20gを酢酸緩衝液(50mM,pH5.
5)50mlに煮沸溶解する。冷却後参考例1で得たAG−ase
液30ml(1.4単位)を加え、35℃で9日間反応させる。
終了後、この反応液を加熱し酵素を失った後、市販のイ
オン交換樹脂で脱色、脱塩し、糖の濃度を35%に調整し
た。
反応液の糖組成は、グルコース(81.9%)、ジグルコ
シル−β−CD(3.7%)、G1−β−CD(9.1%)、β−CD
(5.3%)であった。この糖液をPREPAPATIVE C 18(ウ
オーターズ社製、ODS型)300gを充填したカラムにSV=2
0で通液してCD類をカラムに吸着させ、更に1.8リットル
の水でカラムを水洗した。次に7%エタノール水溶液を
通液して、ジグルコシル−β−CD、G1−β−CD、β−CD
の順に溶離する溶出液を3分割した。分画物の糖組成は
表1の通りであった。G1−β−CD画分を濃縮乾固して高
純度G1−β−CD粉末4.2gを得た。
実施例2 グルコース400gとγ−CD80gを酢酸緩衝液(50mM,pH5.
5)200mlに煮沸溶解する。冷却後参考例2で得たAG−as
e50g(4.5単位)を加え、50℃で6日間反応を行った。
終了後、この反応液を加熱し酵素を失活した後、市販の
イオン交換樹脂で脱色、脱塩し、糖の濃度を35%に調整
した。この糖液をPREPAPATIVE C 18(ウオーターズ社
製、ODS型)1.5Kgを充填したカラムにSV=10で通液して
CD類をカラムに吸着させた後、水6.0リットルをカラム
に通液してグルコースを溶出する。次に10%エタノール
水溶液0.8リットルを通液して、CD類を溶出した。この
溶出液を濃縮乾固し粉末84.8gを得た。
粉末の糖組成は、トリグルコシル−γ−CD(3.3
%)、ジグルコシル−γ−CD(16.0%)、G1−γ−CD
(34.4%)、γ−CD(46.3%)であった。
実施例3 液化バレイショ澱粉にバチルス・マセランスのサイク
ロデキストリン合成酵素を作用させて得た反応液(糖濃
度;30%、糖組成α−CD18%、β−CD9%、γ−CD4%、
デキストリン他69%)100gにグルコアミラーゼ(生化学
工業株式会社製、16.8単位/mg)41mgを加え、40℃で72
時間反応させて、反応物中のデキストリンをグルコース
に分解した。反応後、酵素を加熱して失活させた後、濃
縮して糖濃度70%に調整した。
次に、この糖液に参考例1で得たAG−ase 1.5g(70.8
単位)を添加し、37℃で10日間反応を行い、G1−CD類を
生成させた。この反応液を加熱し酵素を失活後、水を加
えて糖濃度を30%に調整した糖液をイオン交換樹脂カラ
ム(強酸性陽イオン交換樹脂、Fe型)によるクロマトグ
ラフィーを行い、CD類とグルコースに分離した。分画し
たCD類の溶出部を更に混床式のイオン交換樹脂で脱色、
脱塩後濃縮、乾燥して粉末9.5gを得た。
粉末の糖組成はG1−CD類50.4%、CD−(α−、β−、
γ−CD)48.3%、その他1.3%であった。
(発明の効果) 本発明によれば、CDを原料に用いた場合は、1段階の
酵素反応で、また、澱粉を出発原料に用いた場合は、生
成したCD、デキストリン等を分離することなくそのまま
原料として使用することができ、しかも未反応物に変化
がないので回収して再利用が可能であることから、短い
工程で、安易な工程管理で、経済的に有利にG1−CD類の
製造が可能になる。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】サイクロデキストリンとグルコースの混合
    物にアミロ−1,6−グルコシダーゼを作用させることを
    特徴とするグルコシル−サイクロデキストリン類の製造
    方法。
  2. 【請求項2】澱粉類にサイクロデキストリン合成酵素を
    作用させた後グルコアミラーゼを作用させて得た反応生
    成物にアミロ−1,6−グルコシダーゼを作用させること
    を特徴とするグルコシル−サイクロデキストリン類の製
    造方法。
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