JPH0787991A - サイクロデキストリンの製造法 - Google Patents

サイクロデキストリンの製造法

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JPH0787991A
JPH0787991A JP23832993A JP23832993A JPH0787991A JP H0787991 A JPH0787991 A JP H0787991A JP 23832993 A JP23832993 A JP 23832993A JP 23832993 A JP23832993 A JP 23832993A JP H0787991 A JPH0787991 A JP H0787991A
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JP
Japan
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butanol
methyl
reaction
pentanol
propanol
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JP23832993A
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English (en)
Inventor
Masao Karube
征夫 軽部
Nobuyuki Yoshida
信行 吉田
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Akebono Research and Development Centre Ltd
Original Assignee
Akebono Research and Development Centre Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 澱粉以外の基質からCDを効率よく製造す
る。 【構成】 グルコースの数が2〜10であるマルトオリ
ゴ糖とサイクロデキストリングルカノトランスフェラー
ゼとを、メタノール、エタノール、1−プロパノール、
2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、
2−メチル−1−プロパノール、tert−ブチルアル
コール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペ
ンタノール、2−メチル−1−ブタノール、3−メチル
−1−ブタノール、tert−ペンチルアルコール、3
−メチル−2−ブタノール、ネオペンチルアルコール等
のアルコール類、エチレングリコール、プロピレングリ
コール及びそのポリマー、ジメチルスルホキシド、アセ
トン等の親水性有機溶媒を含む溶液中で反応させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、サイクロデキストリン
の製造法に関し、詳しくは、マルトオリゴ糖類から効率
よくサイクロデキストリンを製造する方法を提供するも
のである。
【0002】
【従来の技術】サイクロデキストリン(以下、「CD」
という。)は、6〜12個のグルコースがα−1,4−
グルコシド結合により環状に結合した非還元性のマルト
オリゴ糖である。このようにCDは、環状構造をとって
いるが、その環の外周は親水性であり、空洞内が疎水性
であるという極めて特異な両性物質であって、その疎水
性空洞に各種油性物質の分子等を安定に包み込み、疎水
結合的に包接化合物を形成する機能を有している。
【0003】このことにより、不安定な物質の安定化、
香料、香辛料等の揮発性物質の不揮発化、難溶性、不溶
性物質の可溶化、粘着性物質の粉末化、魚臭、獣臭など
の不快臭や柑橘類の苦みのマスキング、乳化促進、色、
味等の物理化学的性質や反応性を変化させる等が可能で
あり、医薬品、食料、化粧品等に使用されるなど、幅広
い分野で利用されている。
【0004】従来よりCDは、工業的には、澱粉を基質
として、バチルス・マセランス(Bacillus macerans)
などの微生物が産生するCD生成酵素(サイクロデキス
トリングルカノトランスフェラーゼ:以下、「CGTa
se」という。)を利用した酵素反応によって、グルコ
ースが6個結合したα−CD、7個結合したβ−CD、
8個結合したγ−CDの単品あるいは混合物として生産
されている。
【0005】工業的には基質濃度が高い方が望ましい
が、反応液の粘度が高くなり、撹拌操作が困難になり、
反応率も低下する。そのため、予め澱粉をα−アミラー
ゼを用いた前処理により液化して粘度を下げ、これにC
GTaseを50℃付近で反応させるという方法もとら
れているが、これでは工程が煩雑となるという問題があ
った。
【0006】ところで、マルトースは、澱粉にβ−アミ
ラーゼを作用させることにより製造される安価な二糖類
であり、高純度グルコースの製造など各種製糖工業の精
製過程における廃液中にも多く含まれているにもかかわ
らず、その用途が、各種食品の甘味料としてや、あるい
は、高純度のものが点滴などの医薬用として使用される
等に限られてしまうもののひとつである。
【0007】このような必ずしも有効利用されていない
マルトース、あるいはマルトオリゴ糖類を基質として、
高付加価値オリゴ糖であるCDを酵素的に且つ効率的に
生産する方法が開発れることは、CDの効率的生産、あ
るいは資源の有効利用という点から望ましいことであ
る。
【0008】しかし、これまでのところ、澱粉を基質に
用いれば、上述のように効率が上がらないという問題を
抱えながらも、澱粉以外の基質を用いたCGTaseに
よるCDの生産は報告されてはいない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記観点から
なされたものであり、澱粉以外の基質からCDを効率よ
く製造する方法を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するために鋭意研究を行った結果、親水性有機溶媒
存在下で、原料基質としてマルトオリゴ糖を用い、CG
Taseを作用させると、CDが効率的生成することを
見出し、本発明に至った。
【0011】すなわち本発明は、グルコースの数が2〜
10であるマルトオリゴ糖とCGTaseとを、親水性
有機溶媒を含む溶液中で反応させることを特徴とするC
Dの製造法である。
【0012】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
CDの製造法は、親水性有機溶媒存在下でマルトオリゴ
糖にCGTaseを作用させることを特徴とする。
【0013】原料基質であるマルトオリゴ糖としては、
重合度2〜10程度のものが好ましく、これらは単独で
も混合物でも使用できる。入手のしやすさ、製造コスト
等の点からマルトースが特に好ましい。
【0014】CGTaseとしては、通常のCDの工業
生産に使用されるバチルス・マセランス(Bacillus mac
erans)、バチルス・メガテリウム(Bacillus megateri
um)、バチルス・サーキュランス(Bacillus circulan
s)、バチルス・ステアロサーモフィルス(Bacillus st
earothermophilus)等が産生する酵素が挙げられる。こ
れらの酵素は、種々の反応を触媒するが、本発明におい
ては、それらの反応のうち、分子内転移反応(環化反
応)、分子間転移反応(不均化反応)を利用してCDを
生成させる。
【0015】親水性有機溶媒としては、メタノール、エ
タノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−
ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパ
ノール、tert−ブチルアルコール、1−ペンタノー
ル、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−メチル
−1−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、te
rt−ペンチルアルコール、3−メチル−2−ブタノー
ル、ネオペンチルアルコール等のアルコール類、エチレ
ングリコール、プロピレングリコール及びそのポリマ
ー、ジメチルスルホキシド、アセトン等の1種あるいは
2種以上の混合物が挙げられる。
【0016】上記有機溶媒の反応液中の濃度は、好まし
くは5〜40vol%、さらに好ましくは10〜20vol%
であり、水あるいは緩衝液と混合して撹拌しながら反応
を行う。
【0017】マルトースを基質とした場合には、基質濃
度は5〜25(W/V)%が好ましい。反応時間は、溶媒
の種類や濃度等によって異なるが、反応時間が60時間
を大きく越えると生成量が減少することがあリ、通常は
10〜60時間程度が好ましい。また、反応液のpHは
4〜7が好ましく、5〜6がさらに好ましい。
【0018】CGTaseの至適温度は50℃付近であ
り、本発明においては通常は30〜50℃で反応を行う
のが好ましい。生成したβ−CDは、疎水性有機溶媒の
添加により沈殿として、あるいは高速液体クロマトグラ
フィー等により分離することができる。
【0019】上記方法でCDの合成を行うと、α−CD
とβ−CDの混合物として得られる。
【0020】
【作用】マルトオリゴ糖にCGTaseを水系で作用さ
せると、分子間転移反応により、グルコースの単量体〜
8量体(マルトオクタオース)程度までのマルトオリゴ
糖に変化する。ここで、6量体以上のオリゴ糖は分子内
転移反応によりCDとなる可能性を有するが、系中に同
時にマルトオリゴ糖が存在するため、生成したCDは速
やかに開環転移反応により分解され、系中にはほとんど
残らない。
【0021】この反応を、親水性有機溶媒を加えた系で
行うと、開環転移反応が抑制され、CDが反応系中に蓄
積する。
【0022】
【実施例】以下に、本発明の実施例を説明する。尚、以
下の実施例で使用したCGTaseは、天野製薬(株)
から市販されているBacillus macerans由来のもの(商
品名コンチザイム) を用い、基質1gに対して300
U(Tilden-Hudson単位:J.Bacteriol. 43, 527 (194
2))使用した。尚、この酵素は、澱粉を基質とした場合
には、主としてα−CDを生成する。反応は、50mM
酢酸緩衝液(pH5.2)に水溶性有機溶媒を加えた系
に、マルトースとCGTaseを加え、50℃で数十時
間マグネチックスターラで攪拌することにより行った。
【0023】反応生成物の分析は、反応液を100℃5
分の加熱処理によりCGTaseを失活させ、さらに反
応副産物であるマルトオリゴ糖を分解するために反応液
をグルコアミラーゼで処理した後に、HPLC(高速液
体クロマトグラフィー)により行った。グルコアミラー
ゼは、生化学工業(株)から市販されているRizopusniv
eus由来のものを使用した。HPLCは、カラムにASAHI
PAK NH2P-50(旭化成製)を用いて行い、α−CD及び
β−CDの標準物質のピークの位置と面積を指標とし
て、反応生成物中のそれぞれの生成率(原料のマルトー
スに対する生成したCDの重量%)を算出した。
【0024】
【実施例1】水溶性有機溶媒として、エタノール、ブタ
ノール、ペンタノールを使用し、これらの濃度を0〜3
0vol %の間で変化させてCD合成反応を18〜48時
間行った。尚、マルトースの濃度は20重量%とした。
【0025】反応生成物中のCDの生成率を図1に示
す。それぞれCD生成量が最大になる時間でプロットし
た。この結果に示されるように、3種のいずれのアルコ
ールを用いた場合ともCDの最大生成率は約6%に達
し、本発明によりマルトオリゴ糖からCDを製造できる
ことが明らかである。尚、エタノールでは約20%、ブ
タノール及びペンタノールでは約10%以上の濃度で、
高い生成率が得られた。
【0026】
【実施例2】エタノール濃度15%、マルトース濃度2
0%でCD合成反応を行ない、反応生成物中のCDを経
時的に分析した。その結果、図2に示すように、α−C
D及びβ−CDが生成することがわかった。生成量は、
α−CDでは24時間ほどで最大となり、その後徐々に
減少した。一方、β−CDは48時間ほどで最大となっ
た。
【0027】
【実施例3】ブタノール濃度15%、マルトース濃度2
0%でCD合成反応を行ない、反応生成物中のCDを経
時的に分析した。図3に示すように、α−CD、β−C
Dともに48時間ほどで生成量は最大となり、その後徐
々に減少した。
【0028】
【実施例4】ペンタノール濃度15%、マルトース濃度
20%でCD合成反応を行ない、反応生成物中のCDを
経時的に分析した。図4に示すように、α−CD、β−
CDともに48時間ほどで生成量は最大となり、その後
徐々に減少した。
【0029】
【発明の効果】本発明により、澱粉以外の基質からCD
を効率よく製造できる。また、本発明によると、α−C
Dに加えてβ−CDが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 アルコール濃度とCD生成率との関係を示す
図。
【図2】 反応時間に対するCD生成率を表す図。
【図3】 反応時間に対するCD生成率を表す図。
【図4】 反応時間に対するCD生成率を表す図。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 グルコースの数が2〜10であるマルト
    オリゴ糖とサイクロデキストリングルカノトランスフェ
    ラーゼとを、親水性有機溶媒を含む溶液中で反応させる
    ことを特徴とするサイクロデキストリンの製造法。
  2. 【請求項2】 前記マルトオリゴ糖がマルトースである
    請求項1記載のサイクロデキストリンの製造法。
  3. 【請求項3】 前記親水性有機溶媒が、メタノール、エ
    タノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−
    ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパ
    ノール、tert−ブチルアルコール、1−ペンタノー
    ル、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−メチル
    −1−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、te
    rt−ペンチルアルコール、3−メチル−2−ブタノー
    ル、ネオペンチルアルコール等のアルコール類、エチレ
    ングリコール、プロピレングリコール及びそのポリマ
    ー、ジメチルスルホキシド、アセトンから選ばれること
    を特徴とする請求項1又は2記載のサイクロデキストリ
    ンの製造法。
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