JP3168311B2 - グルコシルサイクロデキストリン類の製造方法 - Google Patents
グルコシルサイクロデキストリン類の製造方法Info
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Description
リン類の製造方法に関する。より詳細にはグルコシル基
を側鎖として有するグルコシルサイクロデキストリン
[以下、G1-CDともいう。]、ジグルコシルサイクロデ
キストリン[以下、(G1)2-CDともいう。]及びトリグル
コシルサイクロデキストリン[以下、(G1)3-CDともい
う。]等のグルコシルサイクロデキストリン類(以下、
G1-CD類ともいう)の新規な製造法に関する。
う。)は、グルコースがα-1,4結合で連なった環状デキ
ストリンで、グルコース6,7,8個より成るそれぞれ
α,βおよびγ−CD(以下、これらをCD類ともいう。)
が良く知られている。
かもこの空洞内部が疎水性になっているため、包接作用
があり、各種油性物質を取り込む性質を有している。C
Dは、この性質を利用して不安定物質の安定化、揮発物
質の保持、異臭のマスキング、難・不溶性物質の可溶化
など、種々の用途が考えられ、食品工業、化粧品工業、
医薬品工業などの分野で広く使用されている。最近、医
薬品工業の分野では、薬剤の副作用を少なくするため、
糖質の細胞認識性に着目して、これをドラッグ・デリバ
リー・システムの薬剤運搬体の標識細胞へのセンサーと
して利用する研究が活発に行われている。
低いため(特にβ-CD)、最近ではCDの溶解度を改善す
るため、これらCDにα-1,6結合でグルコシル基やマルト
シル基、マルトオリゴシル基を結合させた分岐CDが合成
されている。
好であるなど、非分岐CDにはみられない特徴を持ってい
る。なかでもG1-CD類はマルトース以上のオリゴ糖がCD
に結合した分岐CDと比較すると酵素に対する安定性が高
く、かつ油性物質をよく包接するため、実用性が高い。
さらにグルコースが複数個結合した(G1)2-CD、(G1)3-CD
等の複分岐CDは酵素に対して著しく抵抗性があり、また
分子内部の変化、立体構造の特殊性等から新たな機能が
期待されている。
述するようないくつかの方法が提案されている。
を作用させた後に、CD類を除去して未反応のデキストリ
ンを分離し、この分岐の多いデキストリンを基質にして
サイクロデキストリン合成酵素を作用させて分岐CDを
得、グルコアミラーゼを作用させて分岐部分を切り揃
え、G1-CDを分離、調製する方法[澱粉科学、30巻、231
頁(1983)]。
プルラナーゼあるいはイソアミラーゼ等の枝切り酵素を
作用させ、逆合成反応によってマルトシル-CD(以下、G
2-CDともいう。)を調製し、その後グルコアミラーゼを
作用させてマルトシル部分を加水分解し、G1-CDにする
方法(特開昭61-197602、昭61-287901)。この方法にお
いては、マルトース以外の基質、例えばマルトトリオー
ス等のオリゴ糖を用いても、その基質に応じた分岐CDが
得られ、同様にグルコアミラーゼを作用させることによ
りG1-CDにすることができる。
たアミロ-1,6-グルコシダーゼを用いる方法(特開平4-1
79491)。この方法は、グルコースとCDを含む高濃度溶
液にアミロ-1,6-グルコシダーゼを作用させ、逆合成反
応によってG1-CDを調製するものである。
あるマルトシルサイクロデキストリン(以下、G2-CDと
もいう。)のみを製造する方法も報告されている(特開
平6-14789)。
ば、やの方法の様にプルラナーゼ、イソアミラーゼ
等の枝切り酵素を作用させ、G2-CDを調製し、その後G1-
CDを調製する方法では、G2-CD製造の反応が逆合成反応
であるため、反応が平衡に達し、通常では使用したCDに
対する分岐化率が50%前後(単分岐CD及び複分岐CDを含
む。)であり、更に、G1-CDを得るためには、続いてG2-
CDをグルコアミラーゼで処理しなければならない等、工
程が非常に煩雑でその収率も満足できるものではない。
ースが2つ以上ついた複分岐CDも生成されるためG1-CD
のみを単離するためにはコストがかかり実用的ではな
い。
る方法の場合においても、逆合成反応であるため、反応
が平衡に達してしまい、通常、使用したCDに対する分岐
化率がβ-CDの場合で70%、γ-CDの場合で54%と余りよ
くない。更に、兎筋肉や酵母菌体から調製できる酵素量
は非常に僅かであり、実用性に乏しい。また、この方法
で複分岐CDは僅かに調製されるだけであり、基質に分岐
CDを用いても同様にアミロ-1,6-グルコシオダーゼを作
用させても複分岐化率は20%前後と低い値となる。
題点に鑑み従来のG1-CD類の製造法を改良し、G1-CD類を
効率よく製造する方法を鋭意検討し、マルトースとCDを
基質として、枝切り酵素とマルトースに対する加水分解
作用が僅か或いは実質的に作用しないが、G2-CDのマル
トシル部分は加水分解する酵素とを併用することによっ
てこれらの問題点を解決することができることを知り、
本発明を完成した。
て、枝切り酵素とマルトースに対する加水分解作用が僅
か或いは実質的に作用しないが、G2-CDのマルトシル部
分は加水分解する酵素とを併用することを特徴とするG1
-CD類を製造する方法に関する。
つつG1-CDを効率よく製造する方法、及び複分岐CDを含
むG1-CD類を効率よく製造する方法をも包含する。
上、環状にα−1,4結合したオリゴ糖であり、環を形
成するグルコース残基の数により、α−(6個)、β−
(7個)、γ−(8個)CDとに類別され、これらは単独
で或いは混合して使用することができる。
ノトランスフェラーゼを作用させて、α-CD、β-CD、γ
-CD及びデキストリン等の混合糖液に、β-アミラーゼ、
枝切り酵素を作用させて、糖液中のデキストリン等をマ
ルトースに分解することにより得た、CDとマルトースを
含む混合物を基質として使用することもできる。
ル基を側鎖として有するグルコシルサイクロデキストリ
ン[以下、G1-CDともいう。]、2個のグルコシル基を
側鎖として有するジグルコシルサイクロデキストリン
[以下、(G1)2-CDともいう。]及び3個のグルコシル基
を側鎖として有するトリグルコシルサイクロデキストリ
ン[以下、(G1)3-CDともいう。]等をいう。
溶液を基質として枝切り酵素を作用させるが、そのマル
トース及びCDの濃度としては20〜80%であり、より好ま
しくは40〜70%である。
G1-CDを効率よく製造するためには、CDに対するマルト
ースの比率を2未満、より好ましくはその比率を1:0.
1〜1:1とする。
1-CD類を効率よく製造するためには、CDに対するマルト
ースの比率を2以上、より好ましくはその比率を1:3
〜1:10とする。
ても複分岐CDを効率よく調製することができる。
とCDを含有する溶液に作用させたときマルトシルCDを合
成する能力のあるものであればいずれでも使用でき、例
えばイソアミラーゼやプルラナーゼを挙げることができ
る。プルラナーゼとしてはクレブジエラ属由来、エアロ
バクター・エアロゲネス由来、バチルス属由来、エンテ
ロバクター・エアロゲネス由来などであり、イソアミラ
ーゼとしてはシュードモナス・アミロデラモサ由来など
が知られている。より好ましくはクレブジエラ属由来の
酵素(天野製薬製)やバチルス属由来の酵素(天野製薬
製)、シュードモナス・アミロデラモサ由来(林原生物
化学研究所製)が使用できる。
マルトースに対する加水分解作用が僅か或いは実質的に
作用しないが、G2-CDのマルトシル部分は加水分解する
酵素(以下、分岐水解酵素ともいう)としては例えばサ
ッカロマイコプシス・フィブリゲラ(Saccharomycopsis
fibuligera)IFO 1745より得ることができる。
る。例えば、ポリペプトン 1.0%、酵母エキス 0.5
%、マルトエキス 0.5%、可溶性澱粉 2.0%を含む培
地を用いて10〜40℃、0.5〜5日、通気攪拌培養するこ
とによって分岐水解酵素を含む培養液を得ることができ
る。得られた培養液を常法に従って精製したものが使用
できる。
ースに対する加水分解作用が僅かではあるが、マルトシ
ルサイクロデキストリンのマルトシル部分は加水分解す
る性質を有している。以下、このような性質を有する酵
素を酵素−Iともいう。
は各種の変種があり、G2-CDのマルトシル部分を分解す
る活性とマルトースを分解する活性が同程度である酵素
やG2-CDのマルトシル部分を分解する活性が比較的低い
酵素(通常酵素の5〜10分の1程度)、マルトースを実
質的に加水分解しない酵素等がある。
ccharomycopsis fibuligera)IFO 1745より得ることが
できる酵素−Iの至適pHは約5.5付近であり、至適温度
は約50℃付近である。また、温度安定性及びpH安定性は
比較的低かった。また、酵素−Iの可溶性澱粉に対する
作用と各種基質に対する作用の比較を表1に示す。
もののG2-CDのマルトシル部分にはよく作用する性質を
有する。また、酵素−Iと他のグルコアミラーゼ[リゾ
プス・ニベウス由来及びGNL(商品名:天野製薬
製)]の比較を表2に示す。
産する。CDとしてβ-CDやγ-CDを用いる場合には、使用
する分岐水解酵素中のこのCD分解性α−アミラーゼを失
活させることが望ましい。そのためには、例えば得られ
た培養液を0〜5℃でpH3.0、約2時間で処理すること
によって可能である。硫安を10%程度添加して同様に処
理すると約1時間で活性はほぼ消失する。
しくは4〜9であり、温度は10〜80℃、好ましくは30〜
70℃である。枝切り酵素及び分岐水解酵素を用いた反応
は5〜200時間であり、これらの枝切り酵素及び分岐水
解酵素の添加量としては反応が5〜200時間で終了する
ような量であればよく、反応の温度、時間によって変化
する。
分岐水解酵素によって速やかにG1-CDに変換され、枝切
り酵素の逆合成反応の平衡をずらすことができ、効率よ
くG1-CDが調製される。
作用する性質を有する酵素(即ち、酵素−I)を用いた
場合にはマルトースも徐々に分解する作用を持つため基
質におけるCDに対するマルトースの比率が比較的低い場
合には、枝切り酵素による複分岐化を押さえることがで
きる。よって、G1-CDを効率よく製造することができ
る。
であるがマルトースを実質的に分解しない酵素(以下、
酵素−IIとする)も見い出された。酵素−IIは酵素−I
と比較したとき、マルトシルサイクロデキストリンのマ
ルトシル部分を加水分解する活性を同一に合わせた場
合、マルトースの加水分解活性は5分の1以下である。
分解活性を検出できない酵素(以下、酵素−IIIとす
る)も見い出された。これらの酵素−I、酵素−II及び
酵素−IIIの何れもが本発明に使用することができる。
ブエス由来)ではマルトースに作用する活性とマルトシ
ルサイクロデキストリンのマルトシル部分に作用する活
性の比率(以下、G2:G2-α-CDと記す)は1:3.5であ
るが、本発明に用いる分岐水解酵素はマルトースに対す
る加水分解作用が実質的にはないか或いは全くないが、
マルトシルサイクロデキストリンのマルトシル部分は加
水分解する性質を有する。
22であり、酵素−IIではG2:G2-α-CD=1:120であ
る。
プシス・フィブリゲラ菌から検索されたが、酵素−II及
び酵素−IIIは新たに土壌から検索された新菌2種から
得られたものである。これらの菌株の酵素−II及び酵素
−IIIの産生能は著しく微弱である。酵素−IIと酵素−I
IIの産生量は0.1〜0.01u/mlと低いが、30L培養液を酵
素−Iと同様に部分精製、濃縮し、60u/mlの酵素−II液
10ml、60u/mlの酵素液3mlを得ることができた。
が比較的高い場合には複分岐化反応が進行してG1-CDの
みではなく(G1)2-CDや(G1)3-CDの様な複分岐グルコシル
サイクロデキストリンをも同時に製造することができ
る。
り反応が進行し、複分岐CDも効率よく調製される。ま
た、基質にCDの代わりに分岐CDを用いることによって、
複分岐CDを効率よく調製することもできる。
1にしてプルラナーゼに作用されないようにし、グルコ
シルサイクロデキストリンの収率を飛躍的に増加させる
もので、通常のグルコアミラーゼでもG2-CDのG2部分へ
の加水分解活性を保ちながらマルトースの加水分解を押
さえる反応条件を見いだせば、通常のグルコアミラーゼ
でも本発明の方法を適用できる。
ースの他に、分岐水解酵素によって加水分解されない
か、され難いものであれば種類を限定せず用いることが
できる。
リングルカトトランスフェラーゼ、β−アミラーゼ、プ
ルラナーゼ及び分岐水解酵素の混合酵素系を液化澱粉に
作用させることによってもグルコシルサイクロデキスト
リンの混合物を効率よく得ることができる。さらに、こ
れら酵素を固定化し、混合酵素系および/または単独直
列系システムを組み立て、本発明の方法を適用すること
もできる。固定化担体としては、セラミック、イオン交
換樹脂、その他酵素活性を発揮できるものであれば種類
を限定しない。
体クロマトグラフィー(HPLC)にかけて分析した。 HPLC分析条件 1.カラム :YMC-Polyamine II(分析用) 溶媒 :55%(w/w) アセトニトリル カラム温度:20℃ 流速 :0.7 ml/min 2.カラム :Inertsil ODS-2(分析用) 溶媒 :5〜10%(w/w) メタノール カラム温度:20℃ 流速 :0.7 ml/min 3.カラム :MCI-GEL CK-04S 溶媒 :水 カラム温度:85℃ 流速 :0.4 ml/min
α-CDを50mM pH 5.5酢酸緩衝液に溶解したもの)0.4ml
に0.1ml酵素液を添加して、45℃で30分間反応させる。
反応後酵素を失活させてから、生成したグルコースを定
量することによって測定した。酵素活性は1分間に1μmo
lのグルコースを生成する量を1単位(U)とした。
本発明はこれらに限定されるものではない。以下、特に
明記しない限り%はW/W%で示される。
omycopsisfibuligera)IFO 1
745を1.0W/V% ポリペプトトン、0.5W/
V%酵母エキス、0.5W/V% マルトエキス、2.
0W/V%可溶性澱紛で構成される倍地100mlに接
種後、振とうフラスコで30℃、1日間培養し、この培
養液30mlを同培地3Lを含むミニジャーに接種し
た。
℃、通気攪拌量1vvm;750rpmで行った。酵素−Iは培
養1日目から著量生産(6.2U/ml)され、2日(9U/ml)
〜3日(9.5U/ml)で最大生産量となった。
過膜で濃縮、30〜80%硫安飽和での塩析物を透析後凍結
乾燥したものを用いた。
は、培養液を0〜5℃でpH3.0にすることによってCD分解
性のα-アミラーゼのみを失活させ、同様にして凍結乾
燥して酵素−Iを得た。
1:0.7の基質を使用した場合 マルトース 7gとα-CD 10gを50mM酢酸緩衝液(pH 5.
5)17mlに溶解させた後、クレブジエラ由来のプルラナ
ーゼ(天野製薬製)200 単位/CDg及び実施例1で得られ
た酵素−Iを15 U/CDg添加して50℃、5日間反応させ
た。
のイオン交換樹脂で脱色、脱塩後、ODS樹脂カラムで分
岐CD類を得、濃縮、凍結乾燥によって粉体7gを得た。H
PLCでの分析の結果、α-CD 55%、G1-α-CD 45%であっ
た。
1:0.5の基質を使用した場合 マルトース 5gとβ-CD 10gを50mM酢酸緩衝液(pH 5.
5)15mlに溶解させた後、クレブジエラ由来のプルラナ
ーゼ(天野製薬製)200 単位/CDg及び実施例1で得られ
た酵素−Iを15 U/CDg添加して50℃、5日間反応させ
た。反応後、HPLC分析の結果、β-CD 57%、G1-β-CD 4
3%であった。
ストリングルカノトランスフェラーゼを作用させて得た
基質を用いた場合 液化馬鈴薯澱粉にBacillus macerans由来のサイクロデ
キストリン合成酵素(天野製薬製)を作用させて得た反
応液(糖濃度;30%、糖組成:α-CD 19%、β-CD 9
%、γ-CD 3%、デキストリンほか69%)100gにβ-ア
ミラーゼ、プルラナーゼを加え、50℃、24時間反応させ
て、反応物中のデキストリンをマルトースに分解した
後、濃縮して糖濃度約30%に調製した。
ナーゼ(天野製薬製)400 単位/CDg及び実施例1で得ら
れた酵素−Iを15 U/CDg添加して50℃、6日間反応させ
た。この反応液を加熱し酵素を失活後、HPLC分析の結
果、G1-CD類60%、CD類40%であった。
1:4の基質を使用した場合 マルトース40gとα-CD 10gを50mM酢酸緩衝液(pH 5.5)
30mlに溶解させた後、クレブジエラ由来のプルラナーゼ
(天野製薬製)200 単位/CDg及び実施例1で得られた酵
素−Iを15 U/CDg添加して50℃、5日間反応させた。
のイオン交換樹脂で脱色、脱塩後、ODS樹脂カラムで分
岐CD類を得、濃縮、凍結乾燥によって粉体7gを得た。H
PLCでの分析の結果、分岐CDは約97%(分岐CD/全CD)
で、α-CD 3%、G1-α-CD 67%、(G1)2-α-CD 30%であ
った。
1:8の基質を使用した場合 マルトース80gとβ-CD 10gを50mM酢酸緩衝液(pH 5.5)
40mlに溶解させた後、クレブジエラ由来のプルラナーゼ
(天野製薬製)200 単位/CDg及び実施例1で得られた酵
素−Iを15 U/CDg添加して50℃、5日間反応させた。反
応後、HPLC分析の結果、β-CD 17%、G1-β-CD 55%、
(G1)2-β-CD 24%、(G1)3-β-CD 4%であった。
場合 実施例6においてβ-CDに代えてα-CDを用いて同様にし
て操作して得られたG1-α-CD混合物(α-CD, 15%、G1-
α-CD, 56%、(G1)2-α-CD, 29%)32.5gとマルトース3
2.5gを50mM酢酸緩衝液(pH 5.5)25mlに溶解させた後、
クレブジエラ由来のプルラナーゼ(天野製薬製)200 単
位/CDg及び実施例1で得られた酵素−Iを15 U/CDg添加
して50℃、5日間反応させた。反応後、HPLC分析の結
果、α-CD 5%、G1-α-CD 25%、(G1)2-α-CD 65%、(G
1)3-α-CD 5%であった。
ストリングルカノトランスフェラーゼを作用させて得た
基質を用いた場合 液化馬鈴薯澱粉にBacillus macerans由来のサイクロデ
キストリン合成酵素(天野製薬製)を作用させて得た反
応液(糖濃度;30%、糖組成:α-CD 19%、β-CD 9
%、γ-CD 3%、デキストリンほか69%)100gにβ-ア
ミラーゼ、プルラナーゼを加え、50℃、24時間反応させ
て、反応物中のデキストリンをマルトースに分解した
後、濃縮して糖濃度約70%に調製した。更にマルトース
80gを添加した。
ラモサ由来のイソアミラーゼ(林原生物化学研究所製)
600単位/CDg及び実施例1で得られた酵素−Iを20 U/CD
g添加して、50℃、6日間反応を行った。
オン交換樹脂で脱色、脱塩後、ODS樹脂カラムでCD類を
得、濃縮、凍結乾燥によって粉体8.7gを得た。この粉体
の組成は分岐CD類75%、CD類25%であった。
5と同様にして、α-CD 2%、G1-α-CD 58%、(G1)2-
α-CD 40%を得ることができた。即ち酵素−IIを用いる
ことによって、より短期間で高収率のG1-CD類が生産さ
れた。
例6と同様にして、β-CD 9%、G1-β-CD 45%、(G1)2
-β-CD 36%、(G1)3-β-CD 10%を得ることができた。
キストリン合成酵素(天野製薬製)10単位/g澱粉、
β−アミラーゼ 10単位/g澱粉、プルラナーゼ 6
00単位/g澱紛、酵素−I 1単位/g澱粉の混合酵
素系を液化澱粉に作用させる(50℃、6日間)ことに
より、グルコシルサイクロデキストリンの混合物を生産
することができた。
1%、(G1)2-α-CD 3%、β-CD 6%、(G1)2-β-CD 1
%、γ-CD 2%、G1-γ-CD 2%、(G1)2-γ-CD 2%、
グルコース 60%、マルトース 6%であった。
のサイクロデキストリン合成酵素(天野製薬製)を作用
させて得た反応液(糖濃度;30%、糖組成:α-CD 19
%、β-CD 9%、γ-CD 3%、デキストリンほか69%)
100gにβ-アミラーゼ、プルラナーゼを加え、50℃、24
時間反応させて、反応物中のデキストリンをマルトース
に分解した後、濃縮して糖濃度約70%に調製した。更に
マルトース80gを添加した。
合、用いたCDに対する分岐化率は80〜90%(w/w)と従来
の技術と比較して、大幅に収率を向上させることができ
た。更に、収率が80%以上であるため、未反応のCDと分
岐CDの分画操作を省いても分岐CDの特性を出すことがで
きる。基質に調製分岐CDを基質に用いた場合、複分岐CD
を50%前後にすることができ、澱粉を出発原料に用いた
場合は、生成したCD、デキストリン等を分離することな
くそのまま原料として使用することができ、高収率でG1
-CDを得ることができる。また、反応基質の組成によ
り、グルコシル基が1分子のみ結合している分岐CDを効
率よく得ることができる。
Claims (4)
- 【請求項1】 サイクロデキストリンとマルトースを基
質として、枝切り酵素と、マルトースに対する加水分解
作用とマルトシルサイクロデキストリンに対する加水分
解作用の比率が1:10以上乃至1:50未満であるサ
ッカロマイコプシス・フィブリゲラ(Saccharomycopsis
Fibuligera)IFO 1745より得られる酵素とを同時に
作用させることを特徴とするグルコシルサイクロデキス
トリン類の製造方法。 - 【請求項2】 サイクロデキストリンとマルトースの比
率が2未満である基質に、枝切り酵素と、マルトースに
対する加水分解作用とマルトシルサイクロデキストリン
に対する加水分解作用の比率が1:10以上乃至1:5
0未満であるサッカロマイコプシス・フィブリゲラ(Sa
ccharomycopsis Fibuligera)IFO1745より得られる酵
素とを同時に作用させることを特徴とする複分岐の少な
いグルコシルサイクロデキストリン類の製造方法。 - 【請求項3】 サイクロデキストリンとマルトースの比
率が2以上である基質に、枝切り酵素と、マルトースに
対する加水分解作用とマルトシルサイクロデキストリン
に対する加水分解作用の比率が1:10以上乃至1:5
0未満であるサッカロマイコプシス・フィブリゲラ(Sa
ccharomycopsis Fibuligera)IFO1745より得られる酵
素とを同時に作用させることを特徴とする複分岐を含む
グルコシルサイクロデキストリン類の製造方法。 - 【請求項4】 澱粉類にサイクロデキストリングルカノ
トランスフェラーゼを作用させた後、β―アミラーゼを
作用させて得た反応生成物に、枝切り酵素と、マルトー
スに対する加水分解作用とマルトシルサイクロデキスト
リンに対する加水分解作用の比率が1:10以上乃至
1:50未満であるサッカロマイコプシス・フィブリゲ
ラ(Saccharomycopsis Fibuligera)IFO 1745より得
られる酵素とを同時に作用させることを特徴とするグル
コシルサイクロデキストリン類の製造方法。
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CN112941056B (zh) * | 2021-02-24 | 2022-11-18 | 长春大学 | 一种淀粉普鲁兰酶突变体及其应用 |
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1994
- 1994-08-22 JP JP22106294A patent/JP3168311B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH0856691A (ja) | 1996-03-05 |
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