JPH09289A - 環状構造を有するグルカンの製造方法 - Google Patents

環状構造を有するグルカンの製造方法

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JPH09289A
JPH09289A JP15656495A JP15656495A JPH09289A JP H09289 A JPH09289 A JP H09289A JP 15656495 A JP15656495 A JP 15656495A JP 15656495 A JP15656495 A JP 15656495A JP H09289 A JPH09289 A JP H09289A
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Japan
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glucan
starch
cyclic
glucoside
reaction
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Withdrawn
Application number
JP15656495A
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English (en)
Inventor
Hiroki Takada
洋樹 高田
Takeshi Takaba
武史 鷹羽
Shigetaka Okada
茂孝 岡田
Yoshinobu Terada
喜信 寺田
Michiyo Yanase
美千代 柳瀬
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ezaki Glico Co Ltd
Original Assignee
Ezaki Glico Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 CGTaseを用いて、少なくとも16個の
α−1,4−グルコシド結合を有する環状構造を分子内
に1つ有するグルカンを製造する。 【構成】 α−1,4−グルコシド結合を有する糖類、
あるいはα−1,4−グルコシド結合と少なくとも1個
のα−1,6−グルコシド結合とにより構成される糖類
とCTGaseとを反応させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、澱粉加工工業における
原料、飲食用組成物、食品添加用組成物、あるいは生物
崩壊性プラスチック用の澱粉の代替物質として有用な、
グルカンあるいはその誘導体の製造方法に関する。
【0002】更に詳しくは、少なくとも16個のα−
1,4−グルコシド結合を有する環状構造を分子内に1
つ有するグルカンまたはその誘導体の製造方法に関す
る。
【0003】
【従来の技術】従来より、澱粉は、マルトース、水飴
類、またはサイクロデキストリンなどの製造のための原
料、飲食用組成物、食品添加用組成物、あるいは生物崩
壊性プラスチック用素材として用いられている高分子物
質である。しかし、既存の澱粉には、溶解性の低さ、老
化性、および高粘度という問題がある。
【0004】具体的には、澱粉は、一般的に水に対する
溶解度が低い。従って、澱粉を溶解するためには、加熱
処理、または、有機溶媒、酸、あるいはアルカリなどに
より処理を行うことが必要である。
【0005】溶解した澱粉もしくは糊化した澱粉は、迅
速に老化し、不溶性の沈澱を形成する。澱粉の老化は、
澱粉溶液の粘弾性、澱粉の接着性などの物性を変化させ
る、あるいは、澱粉質を含有する食品においては、保水
性、保形性、冷凍耐性、または消化性を低下させるなど
の問題を引き起こしている。
【0006】さらに、糊化した澱粉は、高い粘度を有す
る。これは、澱粉中のアミロペクチンが、房状構造が多
数連なった非常に長い分子であることに起因する。高粘
度であるため、澱粉を、マルトースあるいはサイクロデ
キストリンなどを製造するための原料として用いる場
合、取り扱いが困難であるという問題がある。例えば、
一定濃度以上の糊化した澱粉を用いた場合には、製造時
に輸送用のパイプが詰まることがある。
【0007】このように、既存の澱粉が有する上記性質
(溶解性の低さ、老化性、および高粘度)は、食品およ
びその他の産業において、澱粉の利用を制限するもので
あった。
【0008】そこで、これらの澱粉を低分子化させるこ
とにより、溶解性および耐老化性を向上させる研究が行
われ、ある程度は、老化を防止し得るようになった。し
かし、過剰な分子量低下を抑えることは困難であり、高
分子である本来の澱粉の持つ固有の性質を失うという問
題が生じた。さらに、これらの方法では、澱粉の還元力
が増加するため、タンパク質やアミノ酸などと混合して
加熱した際に、これらの物質との反応により、澱粉が着
色してしまうため、その用途は制限されていた。 一方
で、これらの澱粉を低分子化することなく、溶解性を向
上させる研究が行われ、澱粉のα−1,4−結合を切断
し、α−1,6−結合を転移反応により合成する酵素
(Q−酵素、EC 2.4.1.18)、すなわち枝作り酵素を澱
粉に反応させて、水溶性澱粉が得られている(特開昭6
0−75295号公報)。しかし、この方法で得られた
水溶性澱粉は、原料として用いた澱粉と同程度の分子量
を有する高分子物質であり、上記澱粉が有する問題点を
解決するものではなかった。
【0009】他方、上記澱粉の代替物として、D−グル
コースからなる環状の多糖類、すなわち環状グルカンを
使用することが考えられる。
【0010】この環状グルカンとしては、サイクロデキ
ストリン類が既に知られている。このサイクロデキスト
リン類は、通常、澱粉等にサイクロデキストリングルカ
ノトランスフェラーゼ(以下、CTGaseという)を
反応させて製造されていた。CGTaseは澱粉やマル
トオリゴ糖に作用する、糖転移反応を触媒する酵素で、
特に環状α−1,4−グルカンであるサイクロデキスト
リンを生産する酵素として、産業上利用されている。
【0011】従来考えられていたCGTaseの反応を
図1を用いて説明する。図1において、水平の直線およ
び曲線は、α−1,4−グルコシド結合でつながったグ
ルカンの鎖を示し、垂直の矢印は、α−1,6−グルコ
シド結合を示す(以下の模式図における水平の直線、曲
線、および垂直の矢印も同様である)。
【0012】図1Aに示すように、アミロース(12)
の様なα−1,4−グルカンに本酵素を作用させた場
合、本酵素はアミロース分子の非還元末端から6から8
個のグルコース鎖を認識してこの部分を環状化させるよ
うに転移反応を行い、元の基質からの最終的な産物は、
重合度6−8の環状マルトオリゴ糖(サイクロデキスト
リン)(19)と少量の非環状オリゴ糖(20)になる
と考えられていた。以下、サイクロデキストリンをC
D、重合度6、7、および8のサイクロデキストリンを
それぞれα−CD、β−CD、およびγ−CDとよぶ。
【0013】また、図1Bに示すようにアミロペクチン
(14)に作用させた場合も、アミロペクチン側鎖の非
還元末端の6から8個のグルコース鎖を認識してこの部
分を環状化させるように転移反応を行い、重合度6−8
の環状マルトオリゴ糖(サイクロデキストリン)(1
9)と非環状リミットデキストリン(21)になると考
えられていた。
【0014】それを裏付けるかのように、澱粉にCGT
aseを作用させることにより合成されたサイクロデキ
ストリンの重合度は通常6から8(α−CD、β−C
D、およびγ−CD)であった。さらに、重合度9から
15のサイクロデキストリン類も、上記と同様に澱粉か
らCGTaseにより合成されてはいるが、その収量は
極めて低い。
【0015】そこで、澱粉の代替となり得る分子量の大
きい環状グルカンの簡易な製造方法が望まれていた。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
を解決することを目的とするものである。既存の澱粉と
比較して、水に対する溶解度が高く、溶解した溶液の粘
度が低く、そして通常の澱粉に観察される老化が起こら
ないという優れた性質を有する、澱粉の代替物質として
有用な物質の新規な製造方法を提供することを目的とす
る。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意研究を重ねた結果、従来、重合度
が15のサイクロデキストリン(以下、CDという)ま
でしか生産しないと信じられていたCGTaseが、少
なくとも16個のα−1,4−グルコシド結合を有する
環状構造を分子内に1つ有するグルカンを高い収率で製
造し得ることを見いだして、本発明を完成させた。本発
明は、図2に示すようなCGTaseの新たな反応を発
見したことによるものである。
【0018】この新しいCGTaseの反応を図2で説
明する。図2は、CGTaseがアミロース(12)に
作用した場合、その反応初期においては、非還元末端か
ら重合度6−8の環状マルトオリゴ糖を生産するのでは
なく、はるかに大きな環状α−1,4−グルカン(1
3)を主として生産していることを示している。
【0019】従って、本発明は、少なくとも16個のα
−1,4−グルコシド結合を有する環状構造を分子内に
1つ有するグルカンの製造方法であって、α−1,4−
グルコシド結合を有する糖類と、サイクロデキストリン
グルカノトランスフェラーゼとを反応させる工程を含
む、方法である。
【0020】さらに、本発明は、少なくとも16個のα
−1,4−グルコシド結合を有する環状構造を分子内に
1つ有するグルカンの製造方法であって、α−1,4−
グルコシド結合とα−1,6−グルコシド結合とを有す
る糖類と、α−1,6−グルコシド結合のみを切断する
酵素と、サイクロデキストリングルカノトランスフェラ
ーゼとを反応させる工程を含む、方法である。
【0021】好適な実施態様においては、製造されるグ
ルカンが、少なくとも16個のα−1,4−グルコシド
結合を有する環状構造のみからなるグルカンである。
【0022】好適な実施態様においては、前記反応に使
用される糖類が有するアルコール性水酸基のうちの少な
くとも1つが、グルコシル化、ヒドロキシアルキル化、
アルキル化、アセチル化、カルボキシメチル化、硫酸
化、またはリン酸化されている。 好適な実施態様にお
いては、サイクロデキストリングルカノトランスフェラ
ーゼが、Alkalophilic Bacillus sp. A2-5a由来の酵素
である。
【0023】以下、本発明を詳細に説明する。
【0024】本発明に使用するCGTaseとしては、
周知の微生物由来のCTGase、あるいは市販のCT
Gaseが用いられ得る。CGTaseはそのまま、も
しくは、エンド型のα−1,4−グルコシド結合および
/またはα−1,6−グルコシド結合を切断する酵素が
含まれない程度に精製しても、用いられ得る。微生物由
来のCTGaseとしては、好適には、市販のBacillus
stearothrmophilus由来のCTGase(株式会社林原
生物化学研究所、岡山)、Bacillus macerans由来のC
TGase(商品名:コンチザイム、天野製薬株式会
社、名古屋)、あるいはAlkalophilic Bacillus sp. A2
-5a由来のCGTaseが用いられ得る。より好適に
は、Alkalophilic Bacillus sp. A2-5a由来のCGTa
seが用いられ得る。Alkalophilic Bacillus sp. A2-5
aは、特開平7-107972号に開示されているアルカリ域で
高い活性を有するCGTaseを産生する株であり、出
願人によって、工業技術院生命工学工業技術研究所に受
託番号(FERM P−13864)として寄託されている。
【0025】上記CTGaseは固定化されて用いられ
得る。固定化は、当業者に周知の方法で行われ得る。
【0026】本発明に使用する原料としては、α−1,
4−グルコシド結合を有する糖類が用いられ得る。この
ような糖類としては、澱粉が挙げられる。
【0027】澱粉としては、通常市販されている澱粉で
あればどのような澱粉でも用い得る。例えば、馬鈴薯澱
粉、甘藷澱粉、くず澱粉、タピオカ澱粉などの地下澱
粉、コーンスターチ、小麦澱粉、米澱粉などの地上澱粉
が用い得る。澱粉には、アミロペクチン、アミロースが
含まれ得る。
【0028】澱粉の部分分解物も好適に用いられ得る。
澱粉の部分分解物としては、上記澱粉を酵素や酸などで
部分加水分解したもの、澱粉の枝切り物が挙げられる。
例えば、重合度が600程度以上のアミロペクチン、重
合度が400程度以上のアミロースなどが原料として用
いられ得る。
【0029】また、原料としては、上記澱粉あるいは澱
粉の部分分解物等の誘導体も用いられ得る。例えば、上
記澱粉のアルコール性の水酸基の少なくとも1つが、グ
リコシル化、ヒドロキシアルキル化、アルキル化、アセ
チル化、カルボキシメチル化、硫酸化、あるいはリン酸
化された誘導体なども用いられ得る。さらに、これらの
2種以上の混合物も原料として用いられ得る。
【0030】本発明の原料としては、上記の澱粉であ
る、α−1,4−グルコシド結合のみを有する糖類、α
−1,4−グルコシド結合とα−1,6−グルコシド結
合とを有する糖類が使用され得る。
【0031】α−1,4−グルコシド結合のみを有する
糖類としては、アミロース、澱粉の部分分解物、澱粉枝
切り物、ホスホリラーゼによる酵素合成アミロース、マ
ルトオリゴ糖などが挙げられる。
【0032】α−1,4−グルコシド結合とα−1,6
−グルコシド結合とを有する糖類としては、澱粉、澱粉
の部分分解物、アミロペクチン、グリコーゲン、ワキシ
ー澱粉、ハイアミロース澱粉、可溶性澱粉、デキストリ
ン、澱粉加水分解物、ホスホリラーゼによる酵素合成ア
ミロペクチンなどのα−1,6−分岐構造を有する糖類
が挙げられる。
【0033】本発明のグルカンあるいはその誘導体の製
造方法における、上記原料とCGTaseとを反応させ
る工程は、少なくとも一つの環状構造を分子内に1つ有
するグルカンあるいはその誘導体を製造し得るpH、温
度などの反応条件で行い得る。上記原料の濃度(基質濃
度)も、反応条件を考慮して決定し得る。使用する酵素
量は、基質1gあたり、通常約1から約10、000単
位、好ましくは約1から約1、000単位、より好まし
くは約1から約500単位である。
【0034】例えば、反応時のpHは、通常約4から約
11である。反応速度、効率、酵素の安定性などの点か
ら、好ましくは約4.5から約10、さらに好ましくは
約5から約8である。反応温度は、約20℃から約90
℃、反応速度、効率、酵素の安定性などの点から、好ま
しくは約40℃から70℃である。基質濃度は、通常約
0.1%から50%程度、反応速度、効率、基質溶液の
取り扱い易さなどの点から、好ましくは、約0.1%か
ら約30%程度である。
【0035】上記の反応で、環状構造を分子内に一つ有
するグルカンが得られ得る。ここで、具体的に、本願発
明の方法で環状グルカンが生成していることを説明す
る。
【0036】図3に、CGTaseを酵素合成アミロー
スに作用させた際の、生産物の経時変化を示す。なお、
反応液中のCD量はα、β、γ−CDをそれぞれHPL
C法により定量して求めた。環状グルカン量はグルコア
ミラーゼにより分解されないグルコース量を測定して求
めた。CD以外の環状グルカン量は環状グルカン量から
CD量を差し引くことにより求めた。図3で明かなよう
に最終反応物は約70%のサイクロデキストリンと約3
0%の非環状マルトオリゴ糖(グルコースも含む)から
構成されており、CD以外の環状グルカンはほとんど存
在していない。しかし反応初期にはCDよりはむしろ、
CD以外の環状グルカンが主として生産されているこ
と、そしてこれらCD以外の環状グルカンは時間の経過
とともに減少し、CDが蓄積していくことがわかった。
【0037】さらに図3の各時点の生産物をグルコアミ
ラーゼ処理した後、ダイオネクス社の糖分析システム
(送液システム:DX300、検出端:PAD‐2、カ
ラム:CarboPacPA100)にかけ、分析し
た。溶出は、流速:1ml/min、NaOH濃度:1
50mM、酢酸ナトリウム濃度:0分−50mM、2分
−50mM、37分−350mM(Gradient
curve No.3)、45分−850mM、Gra
dient curve No.7)、47分−850
mMの条件で行った。図4に示したように、反応初期に
は重合度が少なくとも50以上である環状グルカンが主
として生産されており、この時点ではα、β、γ−CD
の生産は非常に微量である。しかし反応終期には、これ
らCD以外の環状グルカンのピークは消滅し、α、β、
γ−CDが主として検出されている。これらの結果は図
1で示したこれまで考えられていたCGTaseの反応
機構では説明不可能なものであり、その反応メカニズム
は図2に示した様であることを証明している。
【0038】CGTaseを用いた場合、得られる環状
構造を有するグルカン、もしくは環状構造のみを有する
グルカンの重合度は図3および4に示したように反応条
件(酵素量と反応時間)によって異なるので、適当な反
応条件を選択することにより、重合度16以上の環状構
造を有するグルカンを主に生産させ得る。
【0039】少なくとも16個のα−1,4−グルコシ
ド結合を有する環状構造のみからなるグルカンは、α−
1,4−グルコシド結合のみを有する糖類を原料として
用いれば、製造され得る。また、α−1,4−グルコシ
ド結合とα−1,6−グルコシド結合とを有する糖類を
使用しても製造され得る。この場合は、α−1,6−グ
ルコシド結合を切断するが、αー1,4ーグルコシド結
合を切断しない酵素で糖類を予め処理するか、CGTa
seと共存させて反応させることにより製造され得る。
あるいは、まず、α−1,4−グルコシド結合とα−
1,6−グルコシド結合とを有する糖類を使用して環状
構造を分子内に形成させた後、非還元末端からグルカン
を分解する酵素と、α−1,6−グルコシド結合を切断
するが、α−1,4−グルコシド結合を切断しない酵素
とを反応させることにより、少なくとも16個のα−
1,4−グルコシド結合を有する環状構造のみからなる
グルカンが製造され得る。
【0040】非還元末端からグルカンを分解する酵素と
しては、グルコアミラーゼが挙げられる。
【0041】α−1,6−グルコシド結合を切断する
が、α−1,4−グルコシド結合を切断しない酵素とし
ては、イソアミラーゼ、プルラナーゼが挙げられる。
【0042】上述の、少なくとも16個のα−1,4−
グルコシド結合を有する環状構造のみからなるグルカン
の製造方法を、図5に示す。還元末端(11)を有する
アミロース(12)とCGTaseとを反応させて、上
記α−1,4−グルコシド結合のみを有する環状グルカ
ン(13)を作成した後、グルコアミラーゼを添加して
非還元末端から順次加水分解を行う。次にエタノールを
加えて環状グルカンを沈澱として回収したのち凍結乾燥
し、α−1,4−グルコシド結合のみを有する環状グル
カン(13)を得る。
【0043】還元末端(11)を有するアミロペクチン
(14)とα−1,6−グルコシド結合を切断するイソ
アミラーゼとCGTaseを同時に、もしくはCGTa
seを作用させた後、イソアミラーゼを反応させて、上
記α−1,4−グルコシド結合のみを有する環状グルカ
ン(13)を作成した後、グルコアミラーゼを添加して
非還元末端から順次加水分解を行う。
【0044】上記で得られた環状構造を有するグルカン
は、その後、通常の、溶媒(例えば、メタノール、エタ
ノール)を用いる沈澱、膜分離、クロマト分離(例え
ば、ゲル濾過クロマトグラフィー、HPLC)等の当業
者に周知の分離方法で精製され得る。
【0045】本発明はまたCGTaseを用いるグルカ
ンの誘導体の製造方法にも関する。上記の方法に用いる
原料の糖類として、原料の糖類が有するアルコール性水
酸基のうちの少なくとも1つが、グルコシル化、ヒドロ
キシアルキル化、アルキル化、アセチル化、カルボキシ
メチル化、硫酸化、またはリン酸化されているものを使
用することにより、CGTaseによるグルカン誘導体
が製造され得る。誘導体化は、公知の種々の方法が用い
られ得る。例えば、リン酸化したグルカンは、上記で得
られたグルカンをジメチルホルムアミド中でオキシ塩化
リンと反応させて、得られ得る。
【0046】本発明の製造方法により得られたグルカン
が、環状構造を有することは、以下の(1)〜(5)の
性質で確認され得る。
【0047】(1)還元性末端、非還元性末端が、いず
れも検出できない。
【0048】(2)非還元性末端のα−1,4−グルコ
シド結合を加水分解するエキソ型アミラーゼであるβ−
アミラーゼ(生化学工業株式会社)およびグルコアミラ
ーゼ(東洋紡(株))では分解されない。
【0049】(3)澱粉中のα−1,6−グルコシド結
合を加水分解するイソアミラーゼとプルラナーゼ(いず
れも株式会社林原生化学研究所製)の併用、もしくはイ
ソアミラーゼとプルラナーゼとβ−アミラーゼとの併用
でも分解されない。
【0050】(4)澱粉分子内部のα−1,4−グルコ
シド結合を加水分解するエンド型アミラーゼであるα−
アミラーゼ(ナガセ生化学工業株式会社)により完全に
分解される。
【0051】(5)細菌糖化型α−アミラーゼ(ナガセ
生化学工業株式会社)で加水分解し、HPLCで分析す
ると、グルコース、マルトース、および若干量のマルト
トリオースのみが得られる。すなわち、α−1,4−グ
ルコシド結合以外の結合は存在しない。
【0052】前記還元末端数の定量は、Hizukuriら、Ca
rbohydr. Res. 94:205-213(1981)の改変パークジョンソ
ン法により、非還元性末端の定量はHizukuriら、Carboh
ydr.Res. 63:261-264(1978)の迅速スミス分解法により
行い得る。
【0053】前記エキソ型アミラーゼであるβ−アミラ
ーゼおよびグルコアミラーゼ、あるいは、イソアミラー
ゼ、プルラナーゼ、あるいはエンド型アミラーゼである
α−アミラーゼによる分解は、例えば、本発明の環状α
−1,4−グルカンを0.1%(W/V)となるように
蒸留水に溶解後、100μlをとり、上記分解酵素をそ
れぞれ適当量加え、30−45℃で数時間反応させる。
この反応物をDionex社製の糖分析システム(送液
システム:DX300、検出器:PAD−2、カラム:
Carbo Pac PA100)にかけ、分析し得る。
溶出は、例えば、流速:1ml/分、NaOH濃度:1
50mM、酢酸ナトリウム濃度:0分−50mM、2分
−50mM、37分−350mM、45分−850m
M、47分−850mMの条件で行い、重合度および生
じる糖を分析し得る。
【0054】環状α−1,4−グルカンの重合度は、ク
ロマトグラフィーを用いて測定し得る。一般的に、環状
多糖は同じ重合度の直鎖多糖とはクロマトグラフィーに
おける挙動が異なることが知られており、この性質を用
いて、環状であることの証明、および環状多糖の重合度
の決定が行われ得る。例えば、CTGaseを用いて反
応させて得られた環状α−1,4−グルカンを上記のD
ionex社の糖分析システムで分離し、シングルピー
クの画分を取得し得る。得られた画分が環状α−1,4
−グルカンであることを確認した後、例えば、0.1N
のHClで100℃、30分間、環状α−1,4−グル
カンを加水分解した後、分解により生じた種々の重合度
の直鎖のグルカンをDionex社の糖分析システムを
用いて分析し、重合度を決定し得る。詳細な分析方法
は、実施例で述べる。
【0055】なお、CGTaseの活性測定は、1.5
%可溶性澱粉溶液(20m M酢酸ナトリウムバッファ
ーでpH5.5に調整)をあらかじめ40℃に設定した
恒温槽にいれ、次いで、この溶液にCGTaseを加え
て反応を開始させる。10分問の反応の後、この反応溶
液(0.25ml)に0.5mlの0.5N酢酸−0.
5N HCl(5:1、v/v)溶液を添加し反応を停
止させる。この反応液0.1m lをとり、0.005
%12および0.05%KIを含有する溶液を加え、攪
拌し室温に20分間放置する。この溶液の660nmに
おける吸光度を測定する。このときCGTaseを添加
しないものをブランクとして調製し、同様の操作を行
う。活性1単位はこの条件下、1分間に10%の660
nmにおける吸光度の減少を生じる酵素量とした。
【0056】以下に実施例をあげて本発明を説明する
が、本発明はこの実施例にのみ限定されるものではな
い。
【0057】
【実施例】
(実施例1:CGTaseの調製)本実施例では、Alka
lophilic Bacillus sp. A2−5a由来のCGTase
を用いた。このCGTaseの生産株Alkalophilic Bac
illus sp. A2-5aは、特開平7-107972号にその性質等が
開示されており、出願人によって、工業技術院生命工学
工業技術研究所に受託番号(FERM P−13864)として寄託
されている。
【0058】Alkalophilic Bacillus sp. A2−5a
(以下、A2−5a株という)由来CGTaseの精製
方法は以下の通りである。A2−5a株をAL液体培地
(1%可溶性澱粉、4%コーンスティープリカー、0.
1%K2HPO4、0.02%MgSO4、7H2O、1%
Na2CO3、pH=10.0)で、33℃、24時間培
養後、遠心分離して培養液から菌体を除去した培養上清
を集めた。この培養上清1.6Lにデンプン20gを添
加し、4℃で16時間攪はんし、CGTaseをデンプ
ン粒子に吸着させた。これをカラムにつめ、カラムを1
00mlの22.8%硫酸アンモニウム溶液で5回洗浄
後、100mlの33mM Na2HPO4でCGTas
eを5回溶出させた。この溶出液に終濃度で57%とな
るように硫酸アンモニウムを添加し、生じた沈澱を回収
後、20mM Tris−塩酸バッファ一(pH7.
5)に対し透析した。この溶液全量を20mM Tri
s−塩酸バッファー(pH7.5)で平衡化したQ−セ
ファロースカラム(8ml)にロードし、0.4M N
aClを含んだ同緩衝液50mlで洗浄した後、同緩衝
液中のNaCl濃度を0.4Mから1Mに変化させるこ
とによりCGTaseを溶出した。活性画分を集めてA
2−5a株由来の精製CGTaseを得た。
【0059】(実施例2:CGTaseを用いたα−
1,4−グルコシド結合のみを有する環状グルカンの調
製)0.2%の酵素合成アミロースAS−30((株)
中埜酢店製)50mlと実施例1で調製したCGTas
e 36単位を、40℃の条件下30分間作用させた。
反応液を100℃で10分間加熱したのち、遠心分離に
より変性した酵素タンパクを除いた。上清50mlに1
00単位のグルコアミラーゼを添加し40℃で18時間
反応させ非環状のアミロースを除いた。再び反応液を1
00℃で10分問加熱したのち、遠心分離により変性し
た酵素タンパクを除き、その上清をODSカラム(Wa
ters社製、Sep・Pak C18)にかけ、カラ
ムを蒸留水で洗浄後、環状グルカンを50%メタノール
で溶出した。この溶出液を濃縮、凍結乾燥した。このよ
うにしてα−1,4−グルコシド結合のみを有する環状
グルカン57mgを得た。
【0060】このようにして得られた環状グルカンをダ
イオネクス社の糖分析システム(送液システム:DX3
00、検出器:PAD‐2、カラム:CarboPac
PA100)により分析した。溶出は流速:1ml/m
in,Na0H濃度:150mM、酢酸ナトリウム濃
度:0分−50mM、2分‐50mM、37分−350
mM(Gradient curve No.3)、4
5分‐850mM(Gradient curve N
o.7)、47分‐85mMの条件で行った。その結果
を図6に示す。
【0061】得られた数多くのピークの重合度を検討す
るため、最も早く溶出されたピークをAとし、それに続
くピークをそれぞれ順番にB、C、D、E、・・・・
R、S、T、およびUとした。市販の重合度6、7およ
び8のサイクロデキストリンを同じ分析条件で分析した
結果、それぞれの溶出位置が、ピークA、ピークEおよ
びピークDと一致することから、ピークAが重合度6、
ピークEが重合度7およびピークDが重合度8のサイク
ロデキストリンであることがわかった。
【0062】次に、ピークRからUの画分を分取し、こ
れを、0.1NのHClで100℃、30分間部分加水
分解し、上記と同じ条件でダイオネクス社の糖分析シス
テムで分析した。図7にその結果を示す。ピークRは、
酸により部分加水分解を受け、グルコースおよび重合度
が2から23の直鎖α−1,4−グルカンに分解され
た。この結果は、最も重合度の大きい直鎖のグルカン
(23の重合度)が、環状グルカンの重合度を表してい
ること、および、酸分解前(環状構造)のピークRは、
重合度20の直鎖のα−1,4−グルカンのあたりに溶
出されていることが明らかになった。このことは、上記
の加水分解条件で糖の重合度を決定できること、およ
び、同じ重合度でも、直鎖構造の方が環状構造よりも、
遅く溶出されるということを示している。同様の結果
が、残りのS、T、Uのピークについても得られた。
【0063】以上のことから、ピークR、S、T、U
は、いずれもα−1,4−グルコシド結合のみを有する
環状グルカンであり、その重合度は、それぞれ、23、
24、25および26であることがわかった。
【0064】さらに、図6のピークAからピークOまで
をまとめて分取し、この混合物を島津製作所製のレーザ
ーイオン化TOF−MS装置Kompact MaldiIに供し、
分子量の測定を行った。図8に示すように、15本のピ
ークが得られた。最も小さなピークの分子量995は、
重合度6の環状グルカンには、一致しないが、重合度6
の環状グルカンにナトリウムイオンが付加したものと一
致した。そして、それぞれのピークの分子量も、重合度
が1ずつ異なる環状構造を有するグルカンにナトリウム
イオンが付加したものの理論値と良く一致するが、直鎖
のグルカンにナトリウムイオンが付加したものの理論値
とは一致していない。
【0065】以上の結果から、ピークAからOは、重合
度6から20の環状α−1,4−グルカンであると結論
つけた。
【0066】これらの結果から、上記の方法で得られた
α−1,4−グルコシド結合のみを有する環状グルカン
は明らかに重合度16以上のα−1,4−グルカンを含
んでいることが明らかになったが、同時に低重合度(6
−15)の環状α−1,4−グルカンも含んでいること
も判明した。
【0067】そこで得られた環状グルカン全量を2ml
の蒸留水に溶解後、Superdex 30カラム(1
6mm x 500mm、ファルマシア製)を用いたゲ
ルろ過クロマトグラフィーを行った。溶出液は5mlず
つ別のチューブにとり、16以上の重合度の環状グルカ
ンのみを有する画分を集めた。この画分に10倍量のエ
タノールを加えてα−1,4−グルコシド結合のみを有
する環状グルカンを沈澱させた。沈澱は遠心分離して回
収後、凍結乾燥した。このようにして重合度16以上の
α−1,4−グルコシド結合のみを有する環状グルカン
29mgを得た。
【0068】(実施例3:実施例2の物質がα−1,4
−グルコシド結合のみを有する環状グルカンであること
の確認) (1)還元性末端、非還元性末端の定量 実施例2で得られた凍結乾燥サンプルの還元性末端の定
量は、Hizukuriら(1981)Carbohydr.Res:94:205‐213の
パークジョンソン変法によリ行った。非還元性末端の定
量は、Hizukuriら(1978) Carbohydr.Res:63:261‐264の
迅速スミス分解法により行った。その結果、還元性末
端、非還元性末端は、両者とも検出できなかった。
【0069】(2)エキソ型酵素およびα−1,6−グ
ルコシド結合分解酵素による消化 実施例2で得られた粉末を、0.1%(w/v)となる
ように蒸留水に溶解後、この水溶液100μ1に、以下
に示した澱粉分解酵素それぞれ1単位を加え40℃で2
時間反応させた。この反応物を、実施例2と同じ条件
で、ダイオネックス社の糖分析システムにかけて、分析
した。実施例2で得られた粉末は、澱粉分子の非還元性
末端のα−1,4−グルコシド結合を加水分解するエキ
ソ型アミラーゼであるβ−アミラーゼ(生化学工業株式
会社)およびグルコアミラーゼ(Toyobo C
o.,Ltd.)では分解されなかった。また、澱粉中
のα−1,6−グルコシド結合を加水分解するイソアミ
ラーゼ(株式会社林原生化学研究所)とプルラナーゼ
(株式会社林原生化学研究所)の併用、もしくはイソア
ミラーゼとプルラナーゼとβ−アミラーゼとの併用でも
分解されなかった。しかしこの粉末は、澱粉分子内部の
α−1,4−グルコシド結合を加水分解するエンド型ア
ミラーゼであるα−アミラーゼ(ナガセ生化学工業株式
会社)によリ完全に分解された。
【0070】(3)エンド型酵素による消化 実施例2で得られた凍結乾燥サンプルを0.1%(V/
V)となるように蒸留水に溶解後、この水溶液100μ
lに、細菌糖化型α−アミラーゼ(ナガセ生化学工業株
式会社)1単位を加え、40℃で2時間反応させた。こ
の反応物をHPLCで分析したところ、グルコース、マ
ルトース、および若干量のマルトトリオースのみが得ら
れた。このことから、上記実施例2で得られた粉末に
は、α−1,4−グルコシド結合以外の結合は存在しな
いことが証明され、得られた凍結乾燥サンプルが、α−
1,4−グルコシド結合のみを有する環状グルカンであ
ることがわかった。
【0071】(実施例4:α−1,4−グルコシド結合
のみを有する環状グルカンの調製)蒸留水で洗浄した酵
素固定化用担体キトパールBCW‐3503(富士紡績
(株))1gと、20mMの酢酸ナトリウム緩衝液(p
H5.5)を含むCGTase酵素液100単位(5m
l)を室温で2時間緩やかに攪はんしながらインキュベ
ートし、CGTaseを担体に吸着させた。この懸濁液
をろ過してから、ろ液のCGTase活性を測定したと
ころ、CGTase活性はほとんど検出されなかったた
め、大部分のCGTaseは担体に結合したものと考え
られた。このCGTase結合担体全量を、0.5%酵
素合成アミロース(AS−30)溶液10mlに加え、
pH5.5の条件で40℃で30分間反応させた。
【0072】反応液を遠心分離後、上清を100℃、5
分間処理し再び遠心した。上清にグルコアミラーゼ10
0単位を加えて50℃において3時間反応させた後、1
0倍量のエタノールを加えて、環状グルカンを沈澱させ
た。この沈澱を凍結乾燥し、α−1,4−グルコシド結
合のみを有する環状グルカン粉末を得た。得られた環状
グルカン全量を2mlの蒸留水に溶解後、Superd
ex30カラム(16mmX500mm、ファルマシア
製)を用いたゲル濾過クロマトグラフィーを行った。溶
出液は5mlのずつ別のチューブにとり、16以上の重合
度の環状グルカンのみを有する画分を集めた。この画分
に10倍量のエタノールを加えて、α−1,4−グルコ
シド結合のみを有する環状グルカンを沈澱させた。沈澱
を遠心分離して回収後、凍結乾燥した。このようにし
て、16以上の重合度の環状グルカンのみを有する環状
グルカン10mgを得た。
【0073】
【発明の効果】本発明のグルカンの製造方法により、従
来使用することができないと考えられていたCTGas
eをもちいて、非常に容易に、少なくとも16個のα−
1,4−グルコシド結合を有する環状構造を分子内に1
つ有するグルカンまたはその誘導体を製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来考えられていたCGTaseの反応を示す
模式図である。
【図2】本発明の製造方法ににおけるCGTaseの反
応を示す模式図である。
【図3】CGTaseを酵素合成アミロースに作用させ
た際の、生産物の経時変化を示す図である。
【図4】反応初期には重合度が少なくとも50以上であ
る環状グルカンが主として生産されていることを示す図
である。
【図5】少なくとも16個のα−1,4−グルコシド結
合を有する環状構造のみからなるグルカンの製造方法を
示す模式図である。
【図6】実施例2で得られたα−1,4−グルコシド結
合のみを有する環状グルカンをダイオネクス社の糖分析
システムにかけたときの結果を示す図である。
【図7】図6のピークRの画分を部分加水分解してダイ
オネクス社の糖分析システムで分析した結果を示す図で
ある。
【図8】図6のピークAからピークOまでの混合物の分
子量の測定をレーザーイオン化TOF−MSを用いて行
った時の結果を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 寺田 喜信 大阪府大阪市西淀川区野里1丁目30−4 江親寮 (72)発明者 柳瀬 美千代 兵庫県加古郡播磨町大中508−94

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも16個のα−1,4−グルコ
    シド結合を有する環状構造を分子内に1つ有するグルカ
    ンの製造方法であって、α−1,4−グルコシド結合を
    有する糖類と、サイクロデキストリングルカノトランス
    フェラーゼとを反応させる工程を含む、方法。
  2. 【請求項2】 少なくとも16個のα−1,4−グルコ
    シド結合を有する環状構造を分子内に1つ有するグルカ
    ンの製造方法であって、α−1,4−グルコシド結合と
    α−1,6−グルコシド結合とを有する糖類と、α−
    1,6−グルコシド結合のみを切断する酵素と、サイク
    ロデキストリングルカノトランスフェラーゼとを反応さ
    せる工程を含む、方法。
  3. 【請求項3】 前記グルカンが、少なくとも16個のα
    −1,4−グルコシド結合を有する環状構造のみからな
    るグルカンである、請求項1または2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記糖類が有するアルコール性水酸基の
    うちの少なくとも1つが、グルコシル化、ヒドロキシア
    ルキル化、アルキル化、アセチル化、カルボキシメチル
    化、硫酸化、またはリン酸化されている、請求項1ない
    し3いずれかに記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記サイクロデキストリングルカノトラ
    ンスフェラーゼが、Alkalophilic Bacillus sp. A2-5a
    由来の酵素である、請求項1ないし4いずれかに記載の
    方法。
JP15656495A 1995-06-22 1995-06-22 環状構造を有するグルカンの製造方法 Withdrawn JPH09289A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP2223942A1 (en) 2009-02-26 2010-09-01 Universität Leipzig Process for the preparation of cyclodextrins composed of more than eight glucose units
JP4850302B1 (ja) * 2009-09-03 2012-01-11 株式会社林原生物化学研究所 2−O−α−D−グルコシル−L−アスコルビン酸無水結晶含有粉末とその製造方法並びに用途

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP2223942A1 (en) 2009-02-26 2010-09-01 Universität Leipzig Process for the preparation of cyclodextrins composed of more than eight glucose units
WO2010097434A1 (en) 2009-02-26 2010-09-02 Universität Leipzig Process for the preparation of cyclodextrins composed of more than eight glucose units
JP4850302B1 (ja) * 2009-09-03 2012-01-11 株式会社林原生物化学研究所 2−O−α−D−グルコシル−L−アスコルビン酸無水結晶含有粉末とその製造方法並びに用途

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