JP3459331B2 - 分岐シクロデキストリンカルボン酸の製造法 - Google Patents

分岐シクロデキストリンカルボン酸の製造法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、分岐シクロデキス
トリンカルボン酸の製造法、特に、6−O−シクロマル
トヘプタオシル−(6→1)−α−D−グルコシル−
(4→1)−O−α−D−グルクロン酸またはその塩の
改良製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】分岐シクロデキストリンカルボン酸(以
下、分岐CyDカルボン酸と略す)またはその塩、とり
わけ分岐β−シクロデキストリンカルボン酸(以下、分
岐β−CyDカルボン酸と略す)またはその塩、特に、
6−O−シクロマルトヘプタオシル−(6→1)−α−
D−グルコシル−(4→1)−O−α−D−グルクロン
酸(以下、G2−β−CyDカルボン酸と略す)またはそ
の塩は、食品や医薬品の分野における可溶化剤として有
用であり、特開平7−76594号に開示されているよ
うに、分岐シクロデキストリンの1種であるマルトシル
−β−シクロデキストリン(以下、G2−β−CyDと略
す)を、糖類のヒドロキシメチル基(−CH2OH)お
よび/またはヘミアセタールOHを持つ炭素原子をカル
ボキシル基に酸化する能力を有するシュードグルコノバ
クター属に属する微生物を用いて微生物的に酸化して製
造される。
【0003】この方法は効率のよい製造法であるが、基
質となるG2−β−CyDは、例えば、マルトースとβ−
シクロデキストリン(以下、β−CyDと略す)に糖転
位作用を有する酵素を作用させて製造されており、式−
n−CH2OH(式中、Gはグルコース単位、nは1な
いし6の整数を示す)で表される基が、β−シクロデキ
ストリン環のグルコース単位の6−O位に1ないし8個
α−1,6結合した分岐β−シクロデキストリン(すな
わち、分岐β−CyD)や、未反応物質、その他のシク
ロデキストリン(以下、CyDと略す)誘導体との混合
物として得られるので、それから所望の分岐β−CyD
を単離、精製して上記の微生物酸化反応に付す必要があ
る。しかし、分岐CyDの単離、精製には時間や経費の
かかる非常に繁雑な操作が要求される。上記の方法で製
造される分岐β−CyDはコストが高く、それを用いて
酸化、単離、精製して製造される分岐β−CyDカルボ
ン酸も高価なものとなっており、工業的に有利な方法と
はいいがたい。したがって、高純度の分岐β−CyDカ
ルボン酸を効率よく製造するには、さらに製造法の改良
が要求されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の主な目的は、
可溶化剤、とりわけ医薬品の可溶化剤として有用な高純
度の分岐CyDカルボン酸を効率よく、工業的に有利に
得るのに有用な改良製造法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、このよう
な事情に鑑みて、目的とするG2−β−CyDカルボン酸
を高収率で得ることを目的に研究を重ねた。その結果、
分岐β−CyD混合物中のG2−β−CyD以外の含有さ
れる分岐β−CyD、例えば式中のnが2で表される基
が複数個β−シクロデキストリン環のグルコース単位の
6−O位に1ないし8個α−1,6結合した分岐β−シ
クロデキストリン(すなわち(G2)2−β−CyDなど)
の酸化反応中に枝切り酵素(例えばプルラナーゼ、イソ
アミラーゼ)を加えて一部末酸化の(6−O−α−グル
コニル(1→4)α−D−グルコシル)グルコシル(1
→4)α−D−グルコシルシクロデキストリン酸
【化1】 のα−1,6−グルコシド結合を切断することにより目
的とするG2−β−CyDカルボン酸が高収率で得られる
こと、換言すれば酸化能力を有する菌を作用させる反応
中に澱粉枝切り酵素を添加することにより、酸化基質原
料である分岐シクロデキストリン混合物中の一部未酸化
物のα−1,6−グルコシド結合を切断することにより
目的とするシクロデキストリンカルボン酸が高収率で得
られることを見出し、さらに検討を加え、本発明を完成
するに至った。
【0006】すなわち本発明は(1)2個以上の式−G
n−CH2OH(式中、Gはグルコース単位、nは1ない
し6の整数を示す)で表わされる基を有する分岐シクロ
デキストリンの酸化反応において、これらの基のうちの
1個が式−Gn−COOH(G,nは前記と同意義)で
表される基に酸化された時点で枝切り酵素を作用させて
残りの基を切断することを特徴とする1個の式−Gn
COOH(G,nは前記と同意義)で表される基を有す
る分岐シクロデキストリンカルボン酸の製造法である。
さらに、本発明は(2)式−Gn−CH2OH(式中、G
はグルコース単位、nは1ないし6の整数を示す)で表
される基が、シクロデキストリン環のグルコース単位の
6−O位に1ないし8個α−1,6結合した分岐シクロ
デキストリンの少なくとも2種を含有する分岐シクロデ
キストリンの混合物に酸化能力を有する微生物と枝切り
酵素とを作用させることを特徴とする、1個の式−Gn
−COOH(G,nは前記と同意義)で表わされる基を
有し、式−Gn−CH2OH(G,nは前記と同意義)で
表わされる基を有しない分岐シクロデキストリンカルボ
ン酸またはその塩の製造法、(3)nが1ないし3の整
数である上記(2)記載の製造法、(4)nが2である
上記(2)記載の製造法、(5)シクロデキストリン環
が、β−シクロデキストリンである上記(2)記載の製
造法、(6)基−Gn−CH2OHがシクロデキストリン
環のグルコース単位の6−O位に、1個,2個および3
個α−1,6結合した、実質的に3種の分岐シクロデキ
ストリンの混合物である上記(2)記載の製造法、
(7)枝切り酵素がプルラナーゼまたはイソアミラーゼ
である上記(2)記載の製造法および(8)分岐シクロ
デキストリンカルボン酸が6−O−シクロマルトヘプタ
オシル−(6→1)−α−D−グルコシル−(4→1)
−O−α−D−グルクロン酸である上記(2)記載の製
造法である。
【0007】本発明の製造法における分岐CyDの混合
物としては、目的が達成される限り特に限定するもので
はなく、例えば式−Gn−CH2OH(式中、Gはグルコ
ース単位、nは1ないし6の整数を示す)で表される基
が、シクロデキストリン環のグルコース単位の6−O位
に1ないし8個α−1,6結合した分岐CyDの少なくと
も2種含むものが用いられる。CyDとしては、α−Cy
D,β−CyD及びγ−CyDが通常用いられる。本発明
は特に、分岐β−CyDの混合物に好適に適用できる。
とりわけ、G2−β−CyDと、少なくとも他の1種の分
岐CyDを含むものなどが好ましく用いられる。その含
量や比率も特に限定するものではない。分岐CyD製造
における反応液、加熱処理反応、その濃縮物等を直接用
いることが好ましい。例えば分岐β−CyDの場合で
は、このような反応液等は、例えば、マルトシル−β−
シクロデキストリン、マルトトリオシル−β−シクロデ
キストリン、マルトテトラオシル−β−シクロデキスト
リン等の分岐β−CyD類、その他の反応生成物および
未反応原料を含有する。このような反応液としては、例
えば、特開平6−14789に記載の方法によって得ら
れる分岐シクロデキストリンの反応液が好ましく用いる
ことができる。特に、β−シクロデキストリンとマルト
ースとを含有する溶液にプルラナーゼまたはイソアミラ
ーゼを作用させて得られる分岐β−CyDの混合物が好
ましい。この時、G2−β−CyDの含有量が50%以下
のもの(例えば、40%程度しか含有していないもの)
も用いることができる。より好ましい混合液としては、
2−β−CyD 約30〜50%,−G2−CH2OHが
2ケ所で分岐した分岐CyD(以下、(G2)2−β−CyD
と略す)約30〜50%,−G2−CH2OHが3ケ所で
分岐した分岐CyD(以下、(G2)3−β−CyDと略す)
約20〜50%含有する混合液などが挙げられる。とり
わけ分岐β−CyDの含量が90%以上のもの、好まし
くは95%以上のものが好ましい。分岐α−CyD、分
岐γ−CyDもそれぞれ市場で入手でき、また公知方法
に従って入手できる。これらの低純度のものないしは混
合物も利用できる。
【0008】本発明では、このような分岐CyDの混合
物に酸化能力を有する微生物および枝切り酵素を作用さ
せて目的とする分岐CyDカルボン酸を高収率に得るこ
とができる。分岐CyD混合物の微生物酸化は、公知方
法、例えば特開平7−76594号に開示された方法な
どと同様な方法で行うことができる。すなわち、シュー
ドグルコノバクター属に属する微生物で、分岐CyDの
ヒドロキシメチル基(−CH2OH)基を特異的に酸化
しうる微生物を用いて、高収率、高選択的に分岐CyD
カルボン酸に酸化する。使用できるシュードグルコノバ
クター属に属する微生物としては、例えばシュードグル
コノバクター・サッカロケトゲネス菌、代表的には、ヨ
ーロッパ特許公開第221707号に記載されるシュー
ドグルコノバクター・サッカロケトゲネスK591s株
(FERM BP−1130、IFO14464)など
の菌株が代表例として挙げられる。酸化反応は、シュー
ドグルコノバクター属の微生物の菌体自体を作用させて
もよく、その処理物を用いてもよい。処理物としては、
例えば、これら微生物の培養液を用いることができる。
さらに、これらの微生物が産生する酵素を用いてもよ
い。シュードグルコノバクター属微生物の場合、通常、
酵素は菌体内に蓄積される。通常、菌体自体を用い、こ
れを分岐CyD混合物に接触、作用させてカルボン酸を
生成させるのが好都合である。菌体またはその培養液
は、例えば、特開昭64−85088号に記載の方法に
従って製造することができる。すなわち、スラントから
シード培養を行い、ついで本培養を行い、醗酵ブロスを
得ると共に、必要に応じて、この醗酵ブロスを遠心分離
し、沈澱物を集め、ついで、食塩水で数回洗浄し、得ら
れた沈澱を菌体反応に供することができる。培養は、p
H4〜9、好ましくはpH6〜8で行うことができる。
好適な培養温度は10〜40℃、好ましくは25〜35
℃である。
【0009】本発明においては、分岐CyDの粗製混合
物を水または水と混和できる溶媒に溶解または懸濁した
ものを用いて微生物と接触してもよい。使用する溶媒量
は反応を遅延させない範囲で選択すればよく、基質濃度
として、通常、0.1〜20%(w/v)、好ましくは
1〜5%(w/v)の範囲が効果的である。微生物によ
る酸化反応を行うのに好適な温度範囲は10〜40℃、
好ましくは25〜35℃である。また、反応は、好気的
条件下で行うのが好ましく、例えば、空気を0.1〜5
リットル/分で通気しながら、必要に応じて、50〜1
000rpm で撹拌することもできる。この反応は、pH
を調整するのが好ましい。通常、pH4〜9、好ましく
はpH6〜8の範囲で行うのが効果的である。pH調整に
用いる塩基は、反応を阻害しないものであれば、いずれ
でもよい。例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化第一
鉄などの無機塩、モルホリノエタンスルホン酸ナトリウ
ム、モルホリノエタンスルホン酸カルシウムなどの有機
塩なども使用できる。
【0010】かくして得られる微生物酸化反応液は、用
いた分岐CyD混合物の組成にもよるが、例えば、分岐
β−CyD混合物を酸化する場合、G2−β−CyDカル
ボン酸の他、少量の6−O−シクロマルトヘプタオシル
−(6→1)−α−D−グルコシル−(4→1)−O−
α−D−グルコシル−(4→1)−O−α−D−グルク
ロン酸(以下、G3−β−CyDカルボン酸と略す),−
G−G−COOHが2ケ所で分岐した分岐β−CyDカ
ルボン酸)(以下、(G2)2−β−CyDカルボン酸と略
す)及び−G−G−COOHが3ケ所で分岐した分岐β
−CyDカルボン酸(以下、(G2)3−β−CyDカルボ
ン酸と略す)等、その他の分岐β−CyDカルボン酸ま
たはその塩類、例えば、ナトリウム、カリウムのような
アルカリ金属との塩、マグネシウム、カルシウムのよう
なアルカリ土類金属との塩を含む。微生物酸化をpH調
整のため上記無機塩または有機塩(特に水酸化物)など
で中和しながら行う時は、通常、上記塩で得られる。塩
で得られた時は常法(例、カチオン交換樹脂との接触)
により、遊離のカルボン酸に変換できる。又、カルボン
酸で得られた時は、その塩に常法により変換することが
できる。次に枝切り酵素反応は、分岐CyD混合物の分
岐−G2−CH2OHの1個が酸化された時点で添加す
る。通常微生物酸化反応開始と同時に、あるいは一定時
間経過後にプルラナーゼあるいはイソアミラーゼを添加
し更にそのまま反応を継続させて行われ、一般に反応開
始後1〜6時間後、好ましくは2〜4時間後に添加する
のが好ましい。その添加量は反応液に対して0.1〜5
%(v/v)、好ましくは0.5〜3%(v/v)であ
る。酸化反応開始と同時に添加してもよく、この場合
は、酵素の添加量を少なくして、例えば0.05〜0.1
%(v/v)程度添加することによって反応を有利に進
行させることが出来る。枝切り酵素は、例えばプルナラ
ーゼ「アマノ」(天野製薬K.K.商品名)として入手す
ることが出来る。
【0011】澱粉枝切り酵素添加後の反応を行うのに好
適な温度範囲は10〜40℃、好ましくは25〜35℃
である。また反応は微生物酸化反応をも行うため好気持
的条件下で行うのが好ましく、例えば空気を0.1〜5
リットル/分で通気しながら必要に応じて50〜100
0rpm で撹拌することもできる。この反応は pHを調整
するのが好ましい。通常 pH4〜9、好ましくは pH6
〜8の範囲で行うのが効果的である。pH調整に用いる
塩基は反応を阻害しないものであればいずれでもよく、
微生物酸化反応にもちいられる中和剤も使用できる。か
くして得られた反応液から目的とするG2−β−CyDカ
ルボン酸を分離・精製するには、この濾液をイオン交換
体に負荷し、酸で溶出し、さらに溶出液を活性炭に負荷
しついで水と親水性有機溶媒との混合物で溶出するか、
または溶出液の pHを中性に調整した後、活性炭に負荷
し、ついで水で溶出することもできる。
【0012】
【発明の実施の形態】つぎに、参考例および実施例を挙
げて、本発明をさらに詳しく説明する。 参考例1 シュードグルコノバクター・サッカロケトゲネスK59
1s培養液の調製 以下の培地組成(培地組成中の「%」は、いずれもw/
v%である)を有する前培養培地を用いて、前培養を行
った。 成分 ラクトース 1 酵母エキス 1 硫酸アンンモニウム 0.3 コーンスティープリカー 3 炭酸カルシウム 2 炭酸カルシウム投入前に、30%(w/w)水酸化ナト
リウム水溶液でpH7.0に調整した上記前培養培地3
00mlを入れた1リットルの坂口フラスコにシュードグ
ルコノバクター・サッカロケトゲネスK591sを1白
金耳接種し、28℃にて、48時間振盪培養を行い、前
培養液とした。
【0013】得られた前培養液を以下の組成を有する種
培地で培養した。 成分 ラクトース 1 酵母エキス 1 硫酸アンンモニウム 0.3 コーンスティープリカー 3 炭酸カルシウム 2 アクトコール 0.05 シリコーン 0.05 炭酸カルシウム投入前に、30%(w/w)水酸化ナト
リウム水溶液でpH7.0に調整した上記種培地150リ
ットルを入れた200リットルのタンクに前培養液30
0mlを接種し、150rpmで撹拌しながら、120リッ
トル/分の通気条件下、32℃にて46時間培養し、種
培養液とした。
【0014】得られた種培養液全量を以下の組成を有す
る本培養培地で本培養した。 成分 コーンスティープリカー 2 酵母エキス 0.5 硫酸アンモニウム 0.3 硫酸第一鉄7水和物 0.1 ビタミンB2 1mg/リットル アクトコール 0.075 シリコーン 0.006 30%(w/w)水酸化ナトリウム水溶液でpH7.0に調整 グルファイナル 2(別滅菌) 塩化ランタニウム7水和物 0.01(別滅菌) 本培養培地1200リットルを入れた2000リットル
のタンクに種培養液全量を接種し、1000リットル/
分の通気条件下、100rpmで撹拌しながら、32℃に
て24時間培養し、本培養液を得た。得られた本培養液
を洗浄濃縮し、菌体を水に懸濁して、洗浄濃縮菌液(濃
縮度;約4倍)を得た。
【0015】参考例2 G2−β−CyD混合物200g(塩水港精糖(株)製、
分岐β−CyD含量98.2%、乾燥減量5.4%:G2
β−CyD 30%,G3−β−CyD 1%,(G2)2
β−CyD 44%,(G2)3−β−CyD 24%,その
他β−CyD 1%含有、以下、β−CyD混合物Aと称
する)を含有する水溶液1500mlと参考例1で得られ
た洗浄濃縮菌液500mlとを5リットルのジャーファー
メンターで、32℃にて、800rpmで撹拌しながら、
空気を1.6リットル/分で通気し、1N水酸化ナトリ
ウム溶液を滴下してpHを6.3に保持して、24時間反
応させて微生物酸化し、対応するカルボン酸に変換し
た。得られた反応液2リットルについて構造決定がなさ
れたG2−β−CyDカルボン酸をもちいてHPLC法で
分析・定量を行なったところ目的とするG2−β−CyD
カルボン酸が56gの収率で得られ、他のβ−CyD混
合物Aから(G2)2−β−CyDカルボン酸が86g、
(G2)3−β−CyDカルボン酸が46gが得られた。
尚、HPLC分析条件は、カラム;Asahipak NH2P−
50(4.6ID×250mmL)、移動相;CH3CN/
2O=48/50にPIC試薬を濃度0.005M/リ
ットルとなるように添加した。流速;0.8ml/分、検
出;RIである。
【0016】
【実施例】
実施例1 参考例2と同様にして得られたβ−CyD混合物A20
0gを含有する水溶液1500mlと参考例1で得られた
洗浄濃縮菌液500mlとを5リットルのジャーファーメ
ンターで、32℃にて800rpm で撹拌しながら、空気
1.6リットル/分で通気し、1N水酸化ナトリウム溶
液を滴下して pHを6.3に保持して微生物酸化を4時
間反応させた後プルラナーゼ(天野製薬)40mlを添加
し更に20時間反応をさせた。得られた反応液2リット
ルについて参考例2と同じHPLC法で分析・定量を行
なったところ、目的とするG2−β−CyDカルボン酸が
106gの高収率で得られた。
【0017】参考例3 実施例1および参考例2で得られた反応液それぞれ2リ
ットルを中空糸膜を用いてろ過して菌体を除き、ついで
中空糸膜を水で洗浄し、澄明な濾液それぞれ3.4リッ
トルを得た。この濾液それぞれ1.1リットルを強塩基
性アニオン交換樹脂ダイヤイオンPA−406(三菱化
学製)1000mlのカラムに通液した。水3.0リット
ルで洗浄後、30±5℃に加温した0.005N塩酸1
2リットルで溶出し、目的物のフラクションを集めた。
このフラクションを活性炭(特製 白鷺PLP炭武田薬
品工業(株)製)80gのカラムに通液し、水3.2リ
ットルで洗浄後、30%(v/v)イソプロパノール−
水2.4リットルで溶出し目的物のフラクションを集め
た。集めたフラクションを減圧濃縮し、イソプロパノー
ルを完全に除去した。得られた目的物の水溶液400ml
を1N水酸化ナトリウム溶液で pH7.2±0.5に調整
した。これを活性炭(特製 白鷺PLP炭武田薬品工業
(株)製)20gのカラムに通液した後、水500mlで
溶出し目的物のフラクションを得、該フラクションを1
N水酸化ナトリウム溶液で pH7.3±0.1に調整した
後、減圧濃縮し、凍結乾燥しG2−β−CyDカルボン酸
Na 塩の白色粉末を得た。実施例1の反応液からはG2
−β−CyDカルボン酸Na 塩が46.64g(純度10
0%)が得られた。参考例2の反応液からは目的物G2
−β−CyDカルボン酸Na 塩が24.64g(純度10
0%)が得られた。
【0018】
【発明の効果】本発明の製造法によれば、反応後繁雑な
分離・精製操作を要することなく目的物を高収率・高純
度で得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12P 19/00 - 19/64 C08B 37/16 BIOSIS/CA/WPIDS(ST N) JSTPLUS(JOIS)

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2個以上の式−Gn−CH2OH(式中、G
    はグルコース単位、nは1ないし6の整数を示す)で表
    わされる基を有する分岐シクロデキストリンの酸化反応
    において、これらの基のうちの1個が式−Gn−COO
    H(G,nは前記と同意義)で表される基に酸化された
    時点で枝切り酵素を作用させて残りの基を切断すること
    を特徴とする1個の式−Gn−COOH(G,nは前記
    と同意義)で表される基を有する分岐シクロデキストリ
    ンカルボン酸の製造法。
  2. 【請求項2】式−Gn−CH2OH(式中、Gはグルコー
    ス単位、nは1ないし6の整数を示す)で表される基
    が、シクロデキストリン環のグルコース単位の6−O位
    に1ないし8個α−1,6結合した分岐シクロデキスト
    リンの少なくとも2種を含有する分岐シクロデキストリ
    ンの混合物に酸化能力を有する微生物と枝切り酵素とを
    作用させることを特徴とする、1個の式−Gn−COO
    H(G,nは前記と同意義)で表わされる基を有し、式
    −Gn−CH2OH(G,nは前記と同意義)で表わされ
    る基を有しない分岐シクロデキストリンカルボン酸また
    はその塩の製造法。
  3. 【請求項3】nが1ないし3の整数である請求項1また
    は2記載の製造法。
  4. 【請求項4】nが2である請求項1または2記載の製造
    法。
  5. 【請求項5】シクロデキストリン環が、β−シクロデキ
    ストリンである請求項2記載の製造法。
  6. 【請求項6】基−Gn−CH2OHがシクロデキストリン
    環のグルコース単位の6−0位に、1個,2個および3
    個α−1,6結合した、実質的に3種の分岐シクロデキ
    ストリンの混合物である請求項1または2記載の製造
    法。
  7. 【請求項7】枝切り酵素がプルラナーゼまたはイソアミ
    ラーゼである請求項1または2記載の製造法。
  8. 【請求項8】分岐シクロデキストリンカルボン酸が6−
    O−シクロマルトヘプタオシル−(6→1)−α−D−
    グルコシル−(4→1)−O−α−D−グルクロン酸で
    ある請求項1または2記載の製造法。
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