JPH0672180B2 - ポリエステル用粒子スラリーの調整方法 - Google Patents

ポリエステル用粒子スラリーの調整方法

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JPH0672180B2
JPH0672180B2 JP58245472A JP24547283A JPH0672180B2 JP H0672180 B2 JPH0672180 B2 JP H0672180B2 JP 58245472 A JP58245472 A JP 58245472A JP 24547283 A JP24547283 A JP 24547283A JP H0672180 B2 JPH0672180 B2 JP H0672180B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔技術分野〕 本発明はポリエステル用粒子スラリーの調整方法に関す
るものである。更に詳しくは凝集粒子がなく均一分散
し、かつポリエステルに添加した場合にポリマ中での凝
集を抑制又は防止できる粒子スラリーの調整方法に関す
るものである。
〔従来技術及びその問題点〕
今日工業的に製造されているポリエステル、特にポリエ
チレンテレフタレートは優れた物理的、化学的特性を有
しており、繊維、フイルム、その他の成形品として汎く
使用されている。しかしながらその優れた特性とは逆に
上記成形品を得る成形工程における工程通過性、表面処
理等の後加工工程、あるいは製品自体での取り扱い性の
面で滑り性が悪いため作業性の悪化、商品価値の低下と
いつた好ましくないトラブルの発生することが知られて
いる。これらのトラブに対して、ポリエステル中に微粒
子を含有せしめ、成形品の表面に適度の凹凸を与えて成
形品の表面滑性を向上させることが通常行なわれてい
る。このような微粒子として二酸化チタン、シリカ、タ
ルク、カオリン、炭酸カルシウム等のポリエステルに不
溶不活性な無機化合物を使用することが知られており、
通常ポリマ中での粒子の分散性をよくするため粒子のグ
リコールスラリーを調整し、ポリエステルの製造工程に
添加することが行なわれている。
しかしながら、これら無機化合物は一般にグリコールや
ポリエステルに対する親和性が不良で、スラリー中やポ
リエステルの製造時に凝集してしまうという欠点がある
こともよく知られている。ポリマ中に凝集粗大粒子が存
在すると紡糸時に糸切れの原因となつたり、またガイ
ド、口金摩耗等の問題が生じ、フイルムにおいては粗大
突起、フイシユアイ等の欠点の原因となり特に磁気テー
プ用フイルムに適用する場合にはドロツプアウト(記憶
の抜け)やS/N比の低下を引き起こすため、凝集粗大粒
子の生成抑制技術の開発がまたれている。かかる問題を
解決するため、スラリー調整時の分散効率を上げ、スラ
リーの分散性を向上する方法が提案されている。(特開
昭53−114894、特開昭53−124098、特開昭53−125495な
ど) しかしながら、これらの方法では使用する分散溶媒と無
機化合物の親和性の問題からスラリー中で再凝集し、必
ずしも凝集粗大粒子の除去効果が十分ではなく、さらに
はスラリー中の分散を良好にできたとしても重合反応系
に添加した場合に再凝集するなどの問題がありポリマ中
で凝集粗大粒子の生成を抑制することが十分ではなかつ
た。
一方、スラリーの調整時に分散剤を使用し、スラリー分
散性の向上をはかつたり(特公昭45−32150、特公昭45
−32151、特開昭51−68695、特開昭54−131694、特開昭
53−45396、特開昭56−88426など)スラリーを重合反応
系に添加する際、スラリーとともに分散剤を添加し、ポ
リマ中での分散性向上をはかる(特開昭48−66692、特
開昭53−14753、特開昭54−85298、特開昭56−110722な
ど)方法が提案されている。
しかしながら、ポリエステルは200〜300℃という高温で
反応を通常行うため、重合反応時、分散剤の劣化による
ポリマの着色、ポリマ品質の低下、異物の生成、分散剤
による重合反応系の汚染等の問題があつた。また分散剤
をスラリー調整時に使用する場合スラリーでの分散性が
向上しても重合系に添加した場合、ポリマ中での再凝集
が生じ必ずしも十分な効果は得られていない。
さらにポリマ中で分散性を向上するため、無機化合物を
有機化合物で表面改質する方法が提案されている。(特
開昭49−130448、特開昭54−139653、特開昭56−26958
など) しかしながら、これらの表面改質剤についても耐熱性が
不良でポリマの着色や重合反応の阻害、ポリマ品質の低
下などの問題があり、またポリマ中での分散状態の改良
には不十分であつた。
〔発明の目的〕 本発明の目的は上記した従来技術の欠点を改良し、無機
化合物微粒子をポリエステルの製造過程に添加した場
合、ポリマの着色や重合反応阻害、異物の生成などの問
題を生じることなくポリマに微分散され、かつ凝集粗大
粒子生成を防止することができた無機化合物粒子のスラ
リーの調整方法に関するものである。
さらに別の目的は、無機化合物粒子を均一分散させ、か
つスラリーの貯蔵時に無機化合物粒子の再凝集を防止
し、貯蔵安定性の優れた粒子スラリーを調整する方法に
関するものである。
〔発明の構成〕
本発明は平均一次粒子径が10μm以下の無機化合物粒子
をグリコールに分散して粒子スラリーを調整するに当
り、分散剤として一分子中に唯一個のリン原子を含むリ
ン化合物、および一般式R1R2R3N又はR1R2R3R4N
示されるアンモニア又はアミン化合物を使用することを
特徴とするポリエステル用粒子スラリーの調整方法であ
る(但し、式中R1〜R4は水素基又はC5以下の低級アルキ
ル基、X は水酸基、ハロゲンから選ばれる対イオンを
示す。) 本発明の平均一次粒子径が10μm以下の無機粒子とは二
酸化チタン、シリカ、アルミナ、ジルコニア等の金属酸
化物、カオリナイト、タルク、ゼオライト等の複合酸化
物、炭酸カルシウムなどの炭酸塩、リン酸リチウム、リ
ン酸カルシウム等のリン酸塩などの無機化合物で平均一
次粒子径が10μm以下のものをいい、特に酸化物炭酸
塩、アルミナおよびジルコニアが好ましい。中でも炭酸
カルシウム、アルミナおよびジルコニアが特に好まし
い。平均一次粒子径は10μm以下のものが使用され、粒
子が合成時10μm以下のものであればそのまま使用する
ことができ、一方10μm以上の平均一次粒子径を有する
合成無機化合物や天然無機化合物の場合は平均一次粒子
径を10μm以下になるよう粉砕、分級して使用される。
平均一次粒子径は好ましくは8μm以下、最も好ましく
は5μm以下のものが使用されるが、最大一次粒子径と
して50μm以下、より好ましくは30μm以下、最も好ま
しくは15μm以下である。平均一次粒子径が10μmより
大きいものをポリエステルに適用した場合には製糸時の
糸切れの原因となつたり、フイルムにおいては、粗大突
起の原因となり好ましくない。また最大一次粒子径が50
μmより大きい場合はやはり糸切れや粗大突起の原因と
なり好ましくない。本発明で使用するグリコールとして
はエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレ
ングリコール等を挙げることができ、これらの2種以上
を使用してもよいし、メタノール、エタノール等の低級
アルコールや水、トルエン、キシレン、ペンタン等の低
沸点溶媒を併用してもかまわない。特に好ましくはポリ
エステル製造原料として使用するグリコールと同一のグ
リコールを使用するのがポリマ品質の低下が少なく、ま
た工程汚染の防止や操作の容易性から望ましい。本発明
では分散剤として、一分子中に唯一個のリン原子を含む
リン化合物およびアンモニア又は低級アミン化合物が使
用される。好ましいリン化合物としては、リン酸、亜リ
ン酸、ホスホン酸、ホスフイン酸およびこれらの部分エ
ステル化合物を用いる。具体的には、リン酸、亜リン
酸、リン酸モノエチルエステル、リン酸メチルエチルエ
ステル、リン酸ジブチルエステル、メチルホスホン酸、
フエニルホスホン酸、モノメチルエステル等を挙げるこ
とができる。もちろん、これらのリン化合物の2種以上
を併用してもかまわない。この中でも、リン酸、亜リン
酸、酸性リン酸エステルが特に好ましい。また、本発明
ではもう一つの分散剤として一般式R1R2R3N又はR1R2R3R
4N (式中R1〜R4は水素基又はC5以下の低級アルキ
ル基、X は水酸基、ハロゲンから選ばれる対イオンを
示す)で示されるアミン化合物が使用される。具体的に
はアンモニア、メチルアミン、メチルエチルアミン、ト
リエチルアミン、テトラエチルアンモニウムハイドロキ
サイド、ジメチルプロピルアミンを挙げることができ
る。特に好ましいアミン化合物としては3級アミン、4
級アンモニウム化合物である。アルキル基の炭素数が6
以上であると重合時ポリマの着色等の問題が生じ好まし
くない。リン化合物とアンモニア又はアミン化合物の添
加は、スラリー調整時に別々に又は同時に添加してもか
まわないし、前もつて適当な溶媒中で混合し、添加する
方法も好適である。好ましいリン化合物/アンモニア又
はアミン化合物のモル比は5/1〜1/5であり、より好まし
くは2/1〜1/4、最も好ましくは1/1〜1/3である。モル比
が上記範囲外になると分散効果が不十分になり、ポリマ
中で再凝集するなどの問題が生じてくる。分散剤の添加
量はリン化合物とアミン化合物の総計として使用する無
機化合物粒子に対し重量比で1/1〜0.0001/1、好ましく
は0.5/1〜0.001/1、最も好ましくは0.3/1〜0.01/1であ
る。分散剤の添加量が重量比で1/1より多い場合には重
合速度の低下、ジエチレングリコールの副生量の増加等
の問題を生じ、0.0001/1より少ない場合には分散性改良
効果が小さい。スラリーはグリコール100重量部当り無
機化合物粒子を50〜0.01重量部、好ましくは30〜0.1重
量部、最も好ましくは20〜1重量部と分散剤を併用添加
し、分散することにより得ることができる。好ましい分
散機としては高速回転形分散機ロールミル、超音波分散
機、媒体撹拌形分散機を挙げることができる。中でも高
剪断型又は衝撃型の分散機がよりスラリー中の凝集粒子
を分散できるため好ましい。
またスラリー中に分散されずに存在する凝集粒子を除去
するため、200メツシユ以上、好ましくは400メツシユ以
上のフイルターでろ過する方法も好適に用いることがで
きる。本発明の無機化合物粒子を含有したグリコールス
ラリーはポリエステルの製造工程に添加される。ポリエ
ステルは通常テレフタル酸等の多価カルボン酸および/
又はそのエステル形成性誘導体と、エチレングリコール
等の多価アルコールとからエステル化、又はエステル交
換反応等で低重合体(プレポリマ)を製造し、次いで重
縮合反応を行なつて製造される。本発明の無機粒子グリ
コールスラリーは、ポリエステル製造工程の任意の時点
で添加することができる。好適にはエステル化又はエス
テル交換反応開始以前から重合反応中固有粘度が0.2を
越えない以前の段階で添加される。
〔発明の効果〕
本発明は上記したように微細無機粒子のグリコールスラ
リーを調整する際に分散剤として、特定のリン化合物と
アンモニア又はアミン化合物とを併用するものであり、
本発明の方法によつて次のような効果が発揮される。
(1) 分散されたスラリー中の粒子の再凝集を防止で
き、スラリーの安定性が向上する。
(2) ポリエステル中に添加した時の再凝集粗大化が
防止でき、ポリマ中の分散性が向上する。
(3) ポリマに添加した時の着色、劣化が小さく、色
調良好なポリマを得ることができる。
リン化合物とアンモニア又はアミン化合物のいずれか一
方の単独で使用する場合に比較して上記効果が発揮され
る理由は明確ではないが、リン化合物とアンモニア又は
アミン化合物を併用することにより、リン化合物とアン
モニア又はアミン化合物の塩又は付加物が形成され、こ
れらが無機化合物粒子の表面活性や溶媒およびポリマ等
との相互作用を良好に変化させるためであろうと推定さ
れる。
さらに、本発明の方法で得たポリマは、上記したごとく
凝集粗大粒子を含まない又は極めて少ない粒子の分散性
にすぐれたポリマであるため繊維、フイルム、成形品等
に成形する際、次のような効果が発揮される。
(1) 紡糸時の糸切れが少なく、また口金、ガイド等
の摩耗や脱落による汚染が小さい。
(2) 製糸製膜工程での目詰まりが少ない。
(3) フイルムでの粗大突起が少なく、脱落等による
白粉の発生を防止でき、製造工程の汚染が小さい。
(4) 凝集粗大粒子に基づく粗大突起が少なく、フイ
ルム表面の微細凹凸性、均一性が向上する。
以下本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。
なお実施例中の物性値は次のようにして測定した。
A. 平均粒子径 不活性無機微粒子粉末を光学顕微鏡又は電子顕微鏡で適
当な倍率で拡大して写真撮影し、得られた像から各一次
粒子の安定方向径を測定し、1000個の平均として求め
た。
B. 最大一次粒子径 平均粒子径と同様の方法で1000個の各一次粒子の最長径
を測定し、その中での最大径として求めた。
C. スラリー中の分散性 調整したスラリーをマイクロフイルター(大日本スクリ
ーン製)でろ過し、上物の粗粒もしくは凝集粒の定量
を行なう。さらに、スラリーを2枚のカバーグラス間に
はさみ顕微鏡観察して複数個の一次粒子を含み外輪状の
グリコール界面により囲まれた凝集部分を二次凝集粒子
として判定した。
D. スラリーの安定性 調整したスラリーを24時間静置する。スラリーを振とう
した後2枚のカバーグラス間にはさみ顕微鏡観察して二
次凝集粒子を評価する。
E. ポリマ中の粒子分散性 少量のポリマを2枚のカバーグラス間にはさみ280℃に
て溶融プレスし、急冷した後顕微鏡観察し、複数個の一
次粒子同志が凝集し、粒径の粗くなつた部分を粗大粒子
と判定した。
粒子の分散性については1mm2に存在する平均一次粒子径
の4倍又は10μmのいずれか大きい値を越える大きさの
粗大粒子を観察して次のように判定した。
1級:平均一次粒子径の4倍又は10μmの大きい方の値
を越える大きさの粗大粒子が10個/mm2未満存在する。
2級:平均一次粒子径の4倍又は10μmの大きい方の値
を越える大きさの粗大粒子が11〜30個/mm2存在する。
3級:平均一次粒子径の4倍又は10μmの大きい方の値
を越える大きさの粗大粒子が31〜50個/mm2存在する。
4級:平均一次粒子径の4倍又は10μmの大きい方の値
を越える大きさの粗大粒子が51個/mm2を越えて存在す
る。ポリマにおいて2級までは実用に供せられる。
実施例1 リン酸9.8部、テトラエチルアンモニウムハイドロオキ
サイド20%水溶液73.5部およびエチレングリコール5000
部を混合し、テトラエチルアンモニウム、−リン酸塩の
エチレングリコール溶液を調整した。重質炭酸カルシウ
ム(日東粉化工業(株)NS400、平均一次粒子径1.6μm
最大一次粒子径10μm)50部に、予め調整したテトラエ
チルアンモニウム−リン酸塩エチレングリコール溶液10
00部を加え、五十嵐機械(株)製サンドグラインダーを
用い3時間分散させた。分散終了後400メツシユ金網で
ろ過し、スラリーを調整した。得られたスラリーを顕微
鏡観察したところ凝集粒子は認められず10μmスクリー
ンろ過で粗粒量を測定した結果20ppm以下であつた。ま
た、得られたスラリーを24時間静置した後、2分間振と
うし顕微鏡観察した結果、凝集粒子は認められず静置前
と同じであつた。
ジメチルテレフタレート100部、エチレングリコール65
部、酢酸カルシウム、1水和物0.09部を精留塔および撹
拌装置を備えたエステル交換反応器に仕込み加熱撹拌し
て留出するメタノールを系外に留出させながら常法通り
エステル交換反応を行なつた。エステル交換反応終了後
三酸化アンチモン0.03部および調整したスラリー3部を
加えた。次いで重縮合反応器に移し、徐々に減圧、昇温
し、圧力0.1mmHg、温度285℃で約2時間重縮合反応を行
なつた。得られたポリエチレンテレフタレートの固有粘
度は0.650、ジエチレングリコールは1.0%、b値は4.0
であつた。ポリマ中の粒子分散状態を顕微鏡観察した結
果、凝集粒子は1個/mm2でスラリー中の分散状態とほぼ
同じである。このポリマを290℃で溶融押出しし、90℃
で縦方向に3.5倍、130℃で横方向に3.5倍延伸した後、2
20℃で熱処理し15μmの厚さのフイルムを作成した。こ
のフイルムをASTM−D−1894−63Tに準じて測定したフ
イルムの動摩擦係数は0.6、フイルムヘイズ5.6%、最大
表面粗さは0.25μmであつた。
比較実施例1 実施例1においてテトラエチルアンモニウムリン酸塩の
エチレングリコール溶液のかわりにエチレングリコール
を用いたほかは実施例1と全く同様にして重質炭酸カル
シウムスラリーを調整した。
得られたスラリーを顕微鏡観察したところ凝集粒子は25
個/mm2であり、10μmスクリーンによるスラリーろ過で
は目詰まりを生じろ過できなかつた。また得られたスラ
リーを24時間静置後、2分間振とうして顕微鏡観察した
結果、凝集粒子は55個/mm2で静置している間に凝集粒子
が増加した。
また、このスラリーを用いて実施例1と同様にポリマを
作成し、ポリマ中の分散状態を顕微鏡観察したところ、
凝集粒子は70個/mm2で、スラリー中の分散状態に比較し
て凝集粒子が多く生成していた。さらに実施例1と同様
にフイルムを作成して最大表面粗さを測定したところ0.
35μmと粗大突起が増加していた。
実施例2 重質炭酸カルシウムのかわりに平均一次粒子径40nm、最
大一次粒子径100nmの酸化ケイ素を用いた以外は実施例
1と同一の条件でエチレングリコール溶液を調整し、ポ
リエチレンテレフタレートを合成した。10μmスクリー
ンろ過後の粗粒量は100ppmであつた。
また、得られたポリエチレンテレフタレートの固有粘度
は0.644、ジエチレングリコールは1.1%、b値は5.3で
あり、ポリマ中の凝集粒子は21個/mm2であつた。作成し
たフイルムの動摩擦係数は1.1、フイルムヘイズは3.4
%、最大表面粗さは0.20μmであつた。
比較実施例2〜8 分散剤の種類をかえたほかは実施例1と全く同様にして
スラリーおよびポリマを作成した。得られたスラリーお
よびポリマ中での粒子の分散状態は表1に示す通り不良
なものであつた。
実施例3 焼成カオリナイト(SATINTONE#4;エンゲルハード・ミ
ネラルズ・アンド・ケミカルズ・コーポレーシヨン製、
平均一次粒子1.0μm最大一次粒子径10μm)20部に実
施例1で調整したタン酸テトラエチルアンモニウムエチ
レングリコール溶液400部を加えて混合し、超音波工業
(株)製超音波発生装置(USV−400F28S型)を用いて28
キロヘルツの超音波分散を1時間行なつた。分散終了後
20μmスクリーンでろ過しスラリーを調整した。得られ
たスラリーを顕微鏡観察したところ凝集粒子は3個/mm2
で分散性は1級であつた。また、得られたスリラーを24
時間静置した後、2分間振とうし顕微鏡観察した結果、
凝集粒子は3個/mm2で静置前と同じであつた。実施例1
と同様にポリマを作成し、ポリマ中の粒子の分散状態を
顕微鏡観察したところ凝集粒子は5個/mm2で分散状態は
良好であつた。
一方、分散剤を使用せずに同様にしてスラリーを調整し
たところ得られたスラリーは凝集粒子が4個/mm2で良好
であつたが、24時間静置後のスラリーは凝集粒子が55個
/mm2にまで増加し、スラリーの保存安定性が不良であつ
た。また分散剤に水酸化テトラエチルアンモニウムを5
%使用し、同様にしてスラリーを調整したところ得られ
たスラリーは凝集粒子が3個/mm2で良好であつたが、24
時間静置後のスラリーは35個/mm2で分散剤不使用よりは
改良されているが凝集粒子が増加し、保存安定性が不良
であつた。
実施例4 重質炭酸カルシウムのかわりに平均一次粒子径13nm、最
大一次粒子径35nmの酸化アルミニウムを用いた以外は実
施例1と同様の条件でエチレングリコール溶液を調整
し、ポリエチレンテレフタレートを合成した。10μmス
クリーン濾過後の粗粒量は50ppmであった。得られたポ
リエチレンテレフタレートの固有粘度は0.630、ジエチ
レングリコールは1.0%、b値は5.2であり、ポリマ中の
凝集粒子は2個/mm2であった。作成したフィルムの動摩
擦係数は1.3、フィルムヘイズ4.1%、最大表面粗さは0.
09μmであった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−57432(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平均一次粒子径が10μm以下の無機化合物
    粒子をグリコールに分散して粒子スラリーを調整するに
    当り、分散剤として一分子中に唯一個のリン原子を含む
    リン化合物、および一般式R1R2R3N又はR1R2R3R4N
    で示されるアンモニア又はアミン化合物を使用すること
    を特徴とするポリエステル用粒子スラリーの調整方法。 (但し、式中R1〜R4は水素基又はC5以下の低級アルキル
    基、X は水酸基、ハロゲンから選ばれる対イオンを示
    す。)
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