JPH05132611A - 繊維用ポリエステル組成物 - Google Patents

繊維用ポリエステル組成物

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JPH05132611A
JPH05132611A JP32507791A JP32507791A JPH05132611A JP H05132611 A JPH05132611 A JP H05132611A JP 32507791 A JP32507791 A JP 32507791A JP 32507791 A JP32507791 A JP 32507791A JP H05132611 A JPH05132611 A JP H05132611A
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polyester
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Hironori Yamada
裕憲 山田
Munemitsu Kamiyama
統光 神山
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Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 製糸時には紡糸口金孔周辺に異物の堆積が少
なく工程安定性に優れ、且つ耐光性及び紫外線遮蔽効果
の良好な繊維を得るに適したポリエステル組成物を提供
すること。 【構成】 酸化ケイ素及び酸化アルミナからなる被覆層
を有する、下記〜を同時に満足する二酸化チタンを
1.0〜5.0重量%ポリエステルに配合する。結晶
形態がルチル型、被覆層の割合が1.0〜5.5重量
%、被覆層中のAl/Si(重量比)が1〜10、
平均粒径が0.25μm以下、粒径0.5μm以上の
粗大粒子量が2.0重量%以下

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐光性、紫外線遮蔽効
果に優れ、熱安定性の良好なポリエステル繊維を、極め
て安定して製造することの出来る、新規な繊維用ポリエ
ステル組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレートで代表され
るポリエステルは、優れた物理的、化学的性質を有し、
繊維、フイルム等の成形物として広く使用されている。
しかし、ナイロンに比べると耐光性が良好であるもの
の、特に耐光性が要求される分野に使用するには十分で
ない。
【0003】従来、ポリエステルの耐光性を改良する手
段として、耐光剤を含有させることが提案されており、
例えば、マンガン化合物で被覆した二酸化チタン(特公
昭40−15805号)、モノカルボン酸またはフェノ
ールの第2銅塩(イギリス特許第1,033,999
号)、可溶性のコバルト化合物(イギリス特許第1,1
21,221号)、リンの酸素酸のマンガン塩又はコバ
ルト塩(東ドイツ特許第102,714号)、紫外線吸
収剤(特公昭43−23328号)等を含有させること
が提案されている。
【0004】しかしながら、上記の如き耐光剤を含有さ
せても、自動車のシートベルトやマット等の高度な耐光
性が要求される繊維の分野においては、未だ耐光性が不
十分であったり、耐光性のレベルが十分であっても、紡
糸時に紡糸口金孔周辺部に異物が堆積し易く断糸も発生
し易いといった工程安定上の問題があった。
【0005】かかる問題点を解決するために、本発明者
らは、白色顔料として多用されている二酸化チタンは、
その結晶形態がルチル型のものは紫外線に対して特有の
吸収性を有し、且つ熱安定性及び安全衛生性も良好なこ
とから、先にかかる二酸化チタンを特定量配合したポリ
エステルを提案した(特開昭63−125564号公
報)。かかる方法によれば、紫外線吸収効果の向上した
ポリエステル繊維を安定に得ることができるものの、用
途によっては耐光性向上効果が未だ不十分であったり、
溶融紡糸時にポリマーが熱分解し易いといった問題があ
り、さらなる改善が望まれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の有する諸問題に鑑みなされたもので、その目的は、
耐光性特に紫外線遮蔽効果に優れ、且つ製糸時の工程安
定性に優れた繊維用ポリエステル組成物を提供すること
にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するため、特に耐光剤に注目して鋭意検討した結
果、特定の被覆層を有するルチル型二酸化チタンは、耐
光性、紫外線遮蔽効果に優れるとともに、溶融紡糸時の
ポリエステルの耐熱性を損うことがなく、紡糸時の断
糸、紡糸口金孔周辺部への異物堆積といったトラブルの
発生が減少して工程調子が良好となることを見い出し、
本発明に到達した。
【0008】すなわち、本発明は、溶融紡糸可能なポリ
エステルに対し、下記〜を同時に満足する、酸化ケ
イ素及び酸化アルミニウムからなる皮膜で被覆された二
酸化チタンが1.0〜5.0重量%配合されていること
を特徴とする繊維用ポリエステル組成物。 二酸化チタンの結晶形態がルチル型、 皮膜の重量が二酸化チタンの1.0〜5.5重量%、 皮膜中の酸化ケイ素及び酸化アルミナの存在比(Al
/Si:重量比)が1〜10、 被覆された二酸化チタンの平均粒径が0.25μm以
下、 粒径0.5μm以上の粗大粒子が全粒子重量の2.0
重量%以下、 である。
【0009】本発明でいうポリエステルは、テレフタル
酸を主たる酸成分とし、少なくとも1種のグリコール、
好ましくはエチレングリコール、トリメチレングリコー
ル、テトラメチレングリコールから選ばれた少なくとも
1種のアルキレングリコールを主たるグリコール成分と
するポリエステルを主たる対象とする。
【0010】また、テレフタル酸成分の一部を他の二官
能性カルボン酸成分で置換えたポリエステルであっても
よく、及び/又はグリコール成分の一部を主成分以外の
上記グリコール、もしくは他のジオール成分で置換えた
ポリエステルであってもよい。
【0011】ここで使用されるテレフタル酸以外の二官
能性カルボン酸としては、例えばイソフタル酸、ナフタ
リンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェノ
キシエタンジカルボン酸、β−ヒドロキシエトキシ安息
香酸、p−オキシ安息香酸、5−ナトリウムスルホイソ
フタル酸、アジピン酸、セバシン酸、1,4−シクロヘ
キサンジカルボン酸の如き芳香族、脂肪族、脂環族の二
官能性カルボン酸をあげることができる。
【0012】また上記グリコール以外のジオール化合物
としては例えばシクロヘキサン−1,4−ジメタノー
ル、ネオペンチルグリコール、ビスフェノールA、ビス
フェノールSの如き脂肪族、脂環族、芳香族のジオール
化合物及びポリオキシアルキレングリコール等をあげる
ことができる。
【0013】かかるポリエステルは任意の方法によって
合成したものでよい。例えばポリエチレンテレフタレー
トについて説明すれば、通常、テレフタル酸とエチレン
グリコールとを直接エステル化反応させるか、テレフタ
ル酸ジメチルの如きテレフタル酸の低級アルキルエステ
ルとエチレングリコールとをエステル交換反応させるか
又はテレフタル酸とエチレンオキサイドとを反応させる
かしてテレフタル酸のグリコールエステル及び/又はそ
の低重合体を生成させる第1段階の反応と、第1段階の
反応生成物を減圧下加熱して所望の重合度になるまで重
縮合反応させる第2段階の反応によって製造される。
【0014】本発明の繊維用ポリエステル組成物に用い
られる二酸化チタンは、結晶形態がルチル型であり、そ
の表面が特定量の酸化ケイ素(SiO2 )及び酸化アル
ミニウム(Al2 3 )からなる皮膜で被覆された、粒
径が小さく粗大粒子が極めて少ないものである。
【0015】すなわち、かかる二酸化チタンは、その結
晶形態がルチル型であり、平均粒径が0.25μm以
下、好ましくは0.10〜0.20μmであって、粒径
0.5μm以上の粗大粒子が全粒子重量に対して2.0
重量%以下であり、且つ該二酸化チタン表面がAl2
3 及びSiO2 からなる皮膜で被覆されていることが必
要である。
【0016】そして上記被覆層は、二酸化チタン粒子の
重量に対して1〜5.5重量%、好ましくは1〜4重量
%であることが必要であり、また被覆層中に含有される
アルミニウム原子とケイ素原子の比率Al/Siは1〜
10(重量比)の範囲内にある必要がある。
【0017】ただし、前記平均粒径及び粗大粒子量は、
下記の方法によって測定した。
【0018】(1)二酸化チタンの平均粒径 遠心粒径測定器(島津製作所製CP−50型)を用い得
られた遠心沈降曲線を基にして算出した。
【0019】すなわち、かかる遠心沈降曲線を基にして
粒径と全粒子重量に対する沈降粒子重量を表わした累積
重量粒度分布曲線から、沈降粒子重量が全粒子重量に対
して50重量%に相当する粒径を読み取りこの値を平均
粒径とした。
【0020】 (2)粗大粒子量二酸化チタンの平均粒径測定において
得られた沈降粒子の累積重量粒度分布曲線から、粒径
0.5μm以上の粒子の全粒子に対する割合を算出し
た。
【0021】ここで、二酸化チタンの結晶形態、平均粒
径、あるいは粗大粒子量の値が本発明で測定した範囲を
外れる場合には、紡糸時に単糸切れや断糸が発生し易
く、また紡糸口金孔周辺部に異物が堆積し易くなる等製
糸工程上の問題が生じ、且つ得られる繊維の耐光性及び
紫外線遮蔽効果も不十分となって本発明の目的を達成す
ることができない。
【0022】かかる平均粒径及び粗大粒子量の下限は特
に規定する必要はないが、これらの値の小さいものほど
製造コストが高くなり、また平均粒径があまりに小さく
なると、ポリエステル製造時に配合する際凝集して粗大
粒子量が増加する傾向となるため、平均粒径は0.1μ
m以上とすることが好ましい。
【0023】次に、上記二酸化チタンの表面は、前述の
とおりSiO2 及びAl2 3 を含有する皮膜で被覆さ
れていることが大切である。この被覆量が1.0重量%
未満の場合には、ポリエステル中への分散性が低下し、
粒径が0.5μm以上の粗大粒子量が増大した組成物し
か得られず、かかる組成物を製糸しても、単糸切れ、断
糸といった製糸工程上の問題を生じることとなる。一
方、被覆量が5.5重量%を越える場合には、粗大粒子
量の少ないものが得難くなるだけでなく、ポリエステル
中への分散性も不十分となって、前記と同様に製糸工程
上の問題が発生し易くなる。また、粗大粒子量が増加す
ることは、ポリエステル中への二酸化チタン粒子の分散
が悪化することを意味し、このため、得られる繊維の耐
光性及び紫外線遮蔽効果も低下することになる。
【0024】さらに本発明においては、該被覆層中に含
有されるアルミニウム原子量とケイ素原子量の比(重量
比)が特定範囲内にあることも大切であって、Al/S
iは1〜10とする必要がある。この範囲をはずれる
と、二酸化チタン粒子のポリエステル中への分散性が低
下し、粒径0.5μm以上の粗大粒子量が大巾に増加し
て前記と同様に製糸工程上の問題を生ずる。また、紡糸
口金孔周辺部に異物が堆積し易くなって、これに伴なう
種々のトラブルが発生し易くなる。
【0025】かかる二酸化チタンの配合量は、ポリエス
テルに対して1.0〜5.0重量%とする必要がある。
配合量が1.0重量%未満の場合には、本発明の目的と
する耐光性及び紫外線遮蔽効果が不十分となり、一方5
重量%を越える場合には、ポリエステル中の粗大粒子量
が増大し易くなり、前述と同様に単糸切れ、断糸、紡糸
口金孔周辺部への異物堆積といった製糸工程上の問題が
多発し、得られる繊維も機械的特性が低く、毛羽の発生
も多い品質の劣ったものとなり易いため好ましくない。
【0026】本発明の繊維用ポリエステル組成物は、ポ
リエステルを成形する以前の任意の段階で、上記に詳述
した二酸化チタンを添加配合することによって得られ
る。例えば、ポリエステルの重縮合反応完結以前の段階
で、該二酸化チタンを含有するスラリーを反応物に添加
した後重縮合反応を完結せしめる方法、ポリエステルに
該二酸化チタンを添加して二軸型押出機等により溶融混
練する方法、一旦かかる二酸化チタンを高濃度に含有す
る組成物(マスターチップ)を作成し、製糸時に該二酸
化チタンを含有しないポリエステルと溶融混練する、い
わゆるマスターバッチ法等によって容易に得ることがで
きる。
【0027】これらのうち、二酸化チタンスラリーを用
いる方法を例にあげて説明すると、まず該二酸化チタン
粉末をエチレングリコールの如き溶媒中で凝集粒子等の
粉砕処理を行ない、次いで沈降処理によって粗大粒子を
分離し更に濾過処理等の処理を組合せて処理したものを
用いることが好ましい。
【0028】かかる処理を具体的に説明すると、二酸化
チタン粉末とエチレングリコールとのスラリーをホモゲ
ナイザー及びサンドグラインダー粉砕機に通し、更に高
速回転するデカンター分級機及びフィルター(目開き1
μ)を通過せしめることによって、本発明で規定する二
酸化チタンが極めて容易に得られる。
【0029】本発明においては、前述の如きSiO2
びAl23 を含有する被覆層を有する二酸化チタンを
用いているので、高粘度状態のポリエステル中で攪拌・
混練される際に剪断応力が作用して、粒子分散性向上効
果が発現されているものと推定される。この分散効果
は、ポリエステル中に存在する元素長周期律表IIA族及
びVIII族の原子の合計量C(ポリエステルの全酸成分に
対する割合:モル%)とリン原子の含有量S(ポリエス
テルの全酸成分に対する割合:モル%)、及びポリエス
テル中に配合した二酸化チタンの配合量W(ポリエステ
ルに対する割合:重量%)とを特定範囲内に設定するこ
とにより、一層向上することを知見した。すなわち、
(C+S)/Wは0.01〜0.17の範囲内で、且つ
C/Sは0.5〜2.0の範囲内とすることによって、
二酸化チタンの分散性をより一層向上させることが可能
となる。
【0030】(C+S)/Wの値が0.01未満の場合
には、上記改善効果は小さくなり、一方0.17を越え
る場合には、二酸化チタンの凝集が発生し易くなって本
発明の目的を達成し難くなる傾向がある。また、C/S
の値が前記範囲外である場合にも同様に二酸化チタンの
凝集が発生し易くなることに加えて、C/Sの値が2.
0を越える場合には、ポリエステルの耐熱性が低下して
製糸時に重合度の低下が生ずる場合があり好ましくな
い。
【0031】ここでIIA族原子としては、Ca、Mg
を、VIII族原子としてはCo、Niを例示することがで
きる。これら原子をポリエステル中に存在せしめるため
には、ポリエステルを製造する際、例えば酢酸、プロピ
オン酸、酪酸等の脂肪族カルボン酸の金属塩の如き、エ
チレングリコールに可溶な化合物を用いればよい。
【0032】また、リン原子をポリエステル中に存在せ
しめるには、ポリエステルの製造時、特にエステル化反
応又はエステル交換反応終了時、三価あるいは五価のリ
ン化合物を添加した後、重縮合反応を完結せしめればよ
い。
【0033】かかるリン化合物のうち三価のリン化合物
としては、例えば亜リン酸、トリメチルホスファイト、
トリエチルホスファイト、トリブチルホスファイト、ジ
メチルホスファイト、ジエチルホスファイト、モノブチ
ルホスファイト、ジブチルホスファイト等の如き化合物
をあげることができる。これらの中では特に亜リン酸、
トリメチルホスファイト、トリエチルホスファイトが好
ましく用いられる。一方五価のリン化合物としては、リ
ン酸、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェー
ト、トリブチルホスフェートあるいはこれらトリアルキ
ルホスフェートとエチレングリコールとの反応生成物な
どをあげることができる。もちろん、これらのリン化合
物は混合して使用してもかまわない。
【0034】また、本発明の組成物には、本発明で規定
する二酸化チタンの他に、本発明の目的を損わない範囲
内で、艶消剤、顔料(例えばカーボンブラック)、酸化
防止剤(例えばヒンダードアミン系化合物、ヒンダード
フェノール系化合物)、紫外線吸収剤(例えばベンゾフ
ェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サシレ
ート系化合物)等を含有させてもよい。
【0035】
【発明の効果】以上に詳述した本発明の繊維用ポリエス
テル組成物を溶融紡糸して得られるポリエステル繊維
は、その繊維表面に存在する平均粒径0.5μm以上の
粗大粒子が100平方ミクロン当り4.0×W個以下
(W:二酸化チタン配合量)となり、且つその製糸安定
性も極めて安定したものとなる。
【0036】なお、ここでいう繊維表面の粗大粒子数
は、ポリエステル繊維の表面をアルゴン、クリプトン等
の不活性ガスによりエッチングした後、走査型電子顕微
鏡で1万倍に拡大した写真をとり、100平方ミクロン
当りの、縦と横の長さの平均値が0.5μm以上の二酸
化チタン粒子をカウントして求めたものである。
【0037】また、本発明の組成物から厚さ30μmの
フイルムを成膜した場合、得られるフイルムの波長36
0nmにおける光透過率が20%以下となり、本発明の
組成物から得られるポリエステル繊維は、紫外線遮蔽効
果が極めて大きく、耐光性も極めて優れたものとなる。
【0038】さらに、本発明の組成物は耐熱性に優れて
いるので、溶融紡糸時、ポリエステルの熱分解による重
合度低下等が小さく、単糸切れ、断糸、あるいは紡糸口
金孔周辺の異物堆積が少なくなっているので、極めて安
定した繊維生産を可能にすることができる。
【0039】
【実施例】以下実施例をあげて本発明をさらに詳細にす
る。なお、本実施例における各評価項目は、下記方法に
よった。
【0040】(ラップ率)ポリエステルを285℃で直
径0.3mmの紡糸ノズル30個を有する紡糸口金から吐
出量80g/分にて吐出し紡糸速度1200m/分で溶
融紡糸した。
【0041】得られた未延伸糸を延伸温度85℃、延伸
倍率3.5倍、延伸速度1100m/分で延伸して15
0デニール/30フィラメントの糸条を2.5kg巻とし
た。この際延伸ローラー上に単繊維の巻付きが生じた錘
数をラップ率として延伸錘数100錘当りの百分率で示
した。
【0042】(断糸率)ポリエステルを、285℃で直
径0.3mmの紡糸ノズル36個有する紡糸口金から吐出
量38g/分にて吐出し紡糸速度3000m/分で溶融
紡糸した。紡糸断糸発生率として1ドッフ2.5kg巻の
100ドッフ当りの断糸発生ドッフを100分率で示し
た。
【0043】(粗大粒子数)ポリエステル繊維の表面を
アルゴン又はクリプトン等の不活性ガスでエッチングし
た。このエッチングした繊維表面を走査型電子顕微鏡で
1万倍に拡大した写真をとり、100万平方ミクロン当
りの、縦と横の長さの平均値が0.5μm以上の二酸化
チタン粒子をカウントして求めた。
【0044】(360nm光透過率)温度285℃で厚
さ30μmのフイルムを成膜し分光光度計を使用して、
波長360nmにおける光透過率を測定した。
【0045】(ΔIV)溶融紡糸前後のポリエステルの
固有粘度を、オルソクロロフェノールを溶媒として35
℃で測定し、その差を求めた。
【0046】
【実施例1〜12、比較例1〜7】 (二酸化チタンスラリーの調製)表1に示す酸化ケイ素
及び酸化アルミニウムを含有する皮膜で被覆された二酸
化チタン粉末30部とエチレングリコール70部とを攪
拌しながら混合し、ホモゲナイザーを用いてスラリーを
調製した。
【0047】次にサンドグラインダー粉砕機にて上記二
酸化チタンのエチレングリコールスラリーを処理し、さ
らに高速回転するデカンター分級機により処理した後フ
ィルター(公称目開き1μ)にて濾過してエチレングリ
コールスラリーを作成した。このスラリーの平均粒径及
び粗大粒子数は表1に示す。
【0048】(ポリエステルの製造)ジメチルテレフタ
レート100部及びエチレングリコール70部に、ジメ
チルテレフタレートに対し表1及び2記載の触媒及び添
加剤を加え、150〜250℃でメタノールを留出しつ
つエステル交換反応を行なった。その際、前もって調製
しておいた前記二酸化チタン粒子のエチレングリコール
スラリーをポリエステル当り表1に記載の量添加した。
エステル交換反応終了後、トリメチルホスフェート25
部、エチレングリコール75部を密閉系で5時間、15
0℃で加熱還流させ調製したリン化合物のグリコール溶
液をトリメチルホスフェート換算でジメチルテレフタレ
ートに対して表1記載の量添加した。その後、更に重縮
合触媒として三酸化アンチモン0.030モル%を加
え、次いで得られた反応生成物を攪拌機及びグリコール
コンデンサーを設けた重縮合反応器に移し230℃から
280℃まで徐々に昇温するとともに常圧から徐々に減
圧に移行し、1Torr以下の高真空下で重縮合反応を
行なった。得られたポリマーを吐出口より吐出、水冷後
切断して二酸化チタン粒子が分散されたポリエチレンテ
レフタレートペレットを得た。
【0049】(製糸評価)このようにして得られたポリ
エステルポリマーを前述した2種類の紡糸速度で紡糸、
延伸性を評価した。その結果及び粗大粒子数、光透過率
を表2に示す。
【0050】
【表1】
【0051】
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D01F 6/92 Q 7199−3B

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融紡糸可能なポリエステルに対し、下
    記〜を同時に満足する、酸化ケイ素及び酸化アルミ
    ニウムからなる皮膜で被覆された二酸化チタンが1.0
    〜5.0重量%配合されていることを特徴とする繊維用
    ポリエステル組成物。 二酸化チタンの結晶形態がルチル型、 皮膜の重量が二酸化チタンの1.0〜5.5重量%、 皮膜中の酸化ケイ素及び酸化アルミナの存在比(Al
    /Si:重量比)が1〜10、 被覆された二酸化チタンの平均粒径が0.25μm以
    下、 粒径0.5μm以上の粗大粒子が全粒子重量の2.0
    重量%以下。
  2. 【請求項2】 ポリエステル中に存在する元素長周期律
    表のIIA族原子、VIII族原子及びリン原子の合計量(C
    +S)が、二酸化チタン微粒子の配合量Wに対して0.
    01<(C+S)/W<0.17であり、且つ前記IIA
    族原子及びVIII族原子の合計量Cとリン原子の量Sの比
    率が0.5<C/S<2.0である請求項1記載の繊維
    用ポリエステル組成物。但し、C及びSはポリエステル
    の全酸成分に対する割合(モル%)、Wはポリエステル
    に対する割合(重量%)を示す。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1471169A1 (en) * 2003-04-23 2004-10-27 Nan Ya Plastics Corporation Filament having ultraviolet ray hiding effect and fabric manufactured from said filament
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