JPH0671819A - 表面化粧板および表面化粧ブロック - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 配列されたセラミックス球状粒４が半埋設さ
れた表面３と、砂状骨材６が半埋設された裏面５とを有
する樹脂板２からなる表面化粧板１。この表面化粧板４
の裏面５上に、石材層８を積層して表面化粧ブロック７
として構成することもできる。 【効果】 本発明の表面化粧板および表面化粧ブロック
は、目地部が樹脂により形成されているので色彩の選択
の自由度が大きく、セラミックス球状粒が脱落しにく
い。また、耐候性、耐水性に優れた材質の樹脂を選択す
ることにより、長期に亙り美麗な装飾外観を維持するこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、建物の外壁、公共構造
物の壁面、建物の内部や周辺等の床面あるいは舗道等の
路面等を加飾するために用いられる表面化粧ブロックお
よびその中間製品としての表面化粧板に関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、建物の外壁、公共構造物の壁面、
建物の内部や周辺等の床面あるいは舗道等の路面のよう
な基盤面上に、各種のカラー装飾被覆が施されている。

【０００３】多様なカラー装飾被覆材料の一つとして、
多数のセラミックス球状粒が配列されて半埋設された装
飾表面を有するコンクリートブロックが知られている。
しかし、このコンクリートブロックではセラミックス球
状粒に対して目地部となるコンクリートの色調の選択に
は制限があった。また、コンクリート下地は耐水性に劣
り、目地部がエフローにより白化したり、球状粒がコン
クリートブロックから脱落したりする点で、耐久性にも
問題があった。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】そこで、コンクリート
に代え下地材に樹脂を使用することが検討された。しか
し、このコンクリートブロックの多くは構造材としても
機能させる必要があるため、施工基盤面からある程度の
厚みを必要とした。したがって、下地材の全量を樹脂と
した場合には高価となりコスト面で問題が生じた。ま
た、部分的に樹脂を使用した場合には、樹脂とコンクリ
ート等の石材との界面で剥離が生じやすかった。

【０００５】本発明の目的は、自由に色彩を選択でき、
長期に亙り美麗な装飾外観を維持することのできるセラ
ミックス球状粒が半埋設された表面化粧ブロックを提供
することにある。

【０００６】本発明の他の目的は、セラミックス球状粒
が脱落しにくく、基盤との接着力も大きい表面化粧ブロ
ックを提供することにある。

【０００７】本発明の更に他の目的は、上記の表面化粧
ブロックを製造するための中間製品としての表面化粧板
を提供することにある。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】すなわち本発明の表面
化粧板は、配列されたセラミックス球状粒が半埋設され
た表面と、砂状骨材が半埋設された裏面とを有する樹脂
板からなる。

【０００９】また、本発明の表面化粧ブロックは、上記
の表面化粧板の裏面上に、石材層が積層されてなる。

【００１０】

【作用】本発明の表面化粧板１は、図１に示されるよう
に、樹脂板２の表面３に配列された多数のセラミックス
球状粒４が半埋設され、裏面５には砂状骨材６が半埋設
されて構成される。また、この表面化粧板１の裏面５上
に、石材層８が積層されたものが本発明の表面化粧ブロ
ック７である。

【００１１】セラミックス球状粒４は、通常の磁器材料
を用いて製造されたものであるが、各種のケイ酸塩やケ
イ酸アルミニウム塩等の配合物が使用されてもよい。セ
ラミックス球状粒４は、ほぼ球状の形状を有し、その粒
径は２〜２０ｍｍ程度であり、８〜１０ｍｍ程度である
ことがより好ましい。セラミックス球状粒４は、樹脂板
２の表面３上にランダムに散在するのではなく、一定の
規則性の配列をもって配置されている。一定の規則性を
有せば、碁盤目配列等には限定されない。セラミックス
球状粒４の色彩は自由に選択可能であり、通常はその配
列と色調の変化によって図柄を有しているが、もちろん
無模様のものでもさしつかえない。

【００１２】このセラミックス球状粒４は、樹脂板２の
表面３に半埋設されている。ここでいう半埋設とは、球
状粒４がその粒径の１／３〜２／３の深さで樹脂板の表
面に埋設され、残部が表面から突出露出している状態を
いい、通常は球状粒４の粒径のほぼ半分の深さで埋設さ
れている。

【００１３】樹脂板２には、各種の樹脂が、熱可塑性、
熱硬化性に無関係に使用でき、例えばアクリル系樹脂、
エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等が例示され
る。中でも耐候性に優れたアクリル系樹脂が好ましい。
樹脂板は通常顔料等により着色されている。

【００１４】樹脂板の厚みは、最低限セラミックス球状
粒４が裏面に現われない厚みがあればよい。あまり厚い
と樹脂量が多くなり高価となるため好ましくない。使用
するセラミックス球状粒の粒径によっても左右される
が、通常その厚みは５〜２０ｍｍ程度である。

【００１５】樹脂板の形状やサイズは特に限定されずど
のような大きさでもよいが、施工時の作業性の観点か
ら、一辺が１５〜１００ｃｍ程度の矩形が好ましく、３
０〜６０ｃｍが特に好ましい。

【００１６】裏面５に半埋設する砂状骨材６は、粒径が
０．２〜５ｍｍ程度の骨材粒で、例えば硅砂５号、セラ
ミックス等が好ましい。この砂状骨材６は、その下部に
配設されるコンクリート等の石材層との接着性を高める
ための役割を担う部材であるため、アンカー効果をより
強力に発揮するためには、凹凸に富んだ形態のものであ
ることが好ましい。また、砂状骨材６は、裏面全体にラ
ンダムに散在させればよく、上記機能が発揮できる量で
あればその配設量は限定されない。砂状骨材についても
半埋設とは骨材粒子の一部が埋設されており、残部が裏
面から突出した状態で固定されている状態をいう。

【００１７】このような本発明の表面化粧材は、例えば
以下のようにして製造される。まず、セラミックス球状
粒４がポリプロピレンシート等に半埋設されたシートを
準備する。このようなシートは既に市販されている。こ
のシート上に液状樹脂を流して液状樹脂が幾分硬化した
時点で、砂状骨材を半硬化液状樹脂上に散布する。この
際、砂状骨材が半硬化液状樹脂表面で半埋設された状態
となり、かつ液状樹脂が硬化した後に際に砂状骨材から
脱落せずに十分な接着強度を有するように、砂状骨材の
散布時期を選択することが重要である。液状樹脂が硬化
した後、樹脂板からポリプロピレンシートを剥離除去し
てシートで覆われていたセラミックス球状粒４を樹脂板
の表面に露出させ、本発明の表面化粧板が得られる。

【００１８】このようにして得られた本発明の表面化粧
材１は、通常、砂状骨材が半埋設された裏面上に、石材
層が積層され、表面化粧ブロック７とされる。石材層８
は、プレキャストコンクリート、発泡コンクリート、セ
ッコウ等により形成される。表面化粧板上の砂状骨材に
よるアンカー効果により、この表面化粧材は、石材層と
強固に接着する。石材層の厚みは樹脂板の厚み、施工場
所等によっても変化するが、通常は１０〜５０ｍｍ程度
である。

【００１９】本発明の表面化粧ブロックは、表面化粧板
の樹脂が完全硬化する前に砂状骨材が半埋設された裏面
上にコンクリート等を流して石材層を積層し、石材層と
樹脂層とを同時に硬化一体化させ、中間製品としての表
面化粧板の形態を経ずに製造することもできる。しか
し、石材の重量が重いので、樹脂が完全硬化した表面化
粧板を製造した後、別途に施工現場に近い場所にて石材
層を積層して表面化粧ブロックを製造することもでき
る。

【００２０】本発明の表面化粧ブロックを用いたカラー
装飾被覆施工は、従来のコンクリートブロックを用いた
施工法とほとんど同様に実施することができ、基盤面上
の埃、油脂、水、泥等を除去清掃した後、基盤上に接着
用のコンクリート材等が塗工された表面上に敷き並べら
れる。目地、隅出し等の微細な修正については、樹脂板
に使用されている樹脂と同様な液状樹脂を使用するのが
よい。

【００２１】

【実施例】以下、実施例に基づき本発明の方法をより具
体的に説明する。 実施例１ 粒径１０ｍｍのセラミックス球状粒がポリプロピレンシ
ート等に碁盤目状に半埋設されたシート（３０ｍｍ×３
０ｍｍ）（セラシート、商品名、 (株) 香蘭社製）上
に、顔料が添加された液状樹脂（アクリル系シラップ）
を１０ｍｍ厚で塗布し、セラミックス球状粒を完全に液
状樹脂中に埋没させた。１０分後に硅砂（平均粒径０．
３ｍｍ）を１００ｇ／ｍ² の割合で散布した。次いで５
分後に硬化の進んだ硅砂の散布された液状樹脂の表面上
にコンクリートを厚が２０ｍｍになるよう流し込んだ。
液状樹脂、コンクリートが完全に固化した後、裏返して
ポリプロピレンシートを剥離し、表面化粧ブロックを得
た。

【００２２】この表面化粧ブロックは、セラミックス球
状粒と樹脂層間ならびに樹脂層とコンクリート層間の接
着力はいずれも強固で簡単には剥離しなかった。また、
この表面化粧ブロックは、従来のコンクリート製の表面
化粧ブロックと同様な施工法によりカラー装飾被覆材料
として使用することができた。

【００２３】

【発明の効果】本発明の表面化粧ブロックは、目地部が
樹脂により形成されているので色彩の選択の自由度が大
きく、セラミックス球状粒が脱落しにくく、耐候性、耐
水性に優れた材質の樹脂を選択することにより、長期に
亙り美麗な装飾外観を維持することができるので、セラ
ミックス球状粒が半埋設された表面化粧ブロックの適用
範囲が拡がった。また、本発明の表面化粧ブロックは、
樹脂が部分的に使用されているので、製造コストが従来
のコンクリートブロックと比較してもそれほど高価とな
らず、かつ、砂状骨材が境界面に埋没しているので樹脂
層と石材層との接着力も十分大きい。

【００２４】更に、表面化粧ブロックの中間製品として
の本発明の表面化粧板は、重量が表面化粧ブロックと比
較すると大幅に軽いので、施工現場に近い場所で表面化
粧ブロックを製造すれば、輸送コストが低減できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の表面化粧板の構造を表わす模式断面図
である。

【図２】本発明の表面化粧ブロックの構造を表わす模式
断面図である。

【符号の説明】

１ 表面化粧板１ ２ 樹脂板 ３ 表面 ４ セラミックス球状粒 ５ 裏面 ６ 砂状骨材 ７ 表面化粧ブロック ８ 石材層

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁵ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｂ３２Ｂ 33/00 7141−4Ｆ

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 配列されたセラミックス球状粒が半埋設
   された表面と、砂状骨材が半埋設された裏面とを有する
   樹脂板からなる表面化粧板。
2. 【請求項２】 請求項１記載の表面化粧板の裏面上に、
   石材層が積層されてなる表面化粧ブロック。