JPH0671751A - 装飾模様付き熱可塑性エラストマーシートおよび該シートからなる積層体 - Google Patents

装飾模様付き熱可塑性エラストマーシートおよび該シートからなる積層体

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JPH0671751A
JPH0671751A JP22847992A JP22847992A JPH0671751A JP H0671751 A JPH0671751 A JP H0671751A JP 22847992 A JP22847992 A JP 22847992A JP 22847992 A JP22847992 A JP 22847992A JP H0671751 A JPH0671751 A JP H0671751A
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Koji Yamashita
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 シボ流れの発生が少なく、外観、感触等に優
れた装飾模様付き熱可塑性エラストマーシートおよび該
シートからなる積層体を提供する。 【構成】 熱可塑性エラストマーからなるシートに、軟
化点、融点又は真空成形温度以上の温度で装飾模様を付
与してなることを特徴とする装飾模様付き熱可塑性エラ
ストマーシートおよび該シートからなる積層体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は装飾模様付き成形体に用
いられる熱可塑性エラストマーシートに関する。さらに
詳しくはシボ流れ等に代表される装飾模様が損なわれる
程度が少なく、外観、感触等に優れ、かつ軟質ポリ塩化
ビニール、加硫ゴム等からの代替が可能な装飾模様付き
熱可塑性エラストマーシートおよび該シートからなる積
層体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性エラストマーは加硫工程が不要
であり、通常の熱可塑性樹脂の成形機で加工が可能と云
う特徴をいかして、自動車部品、家電部品或いは雑貨等
を始めとする工業製品の広い分野において用途が開発さ
れてきている。一方、従来より熱可塑性樹脂成形品に表
皮材を積層することにより、その美観、ソフト感を高め
高級化した成形品は広く知られており、その表皮材とし
て、クッション性付与のためにポリオレフィンやポリウ
レタンなどの発泡層に裏打ちされた軟質ポリ塩化ビニル
あるいは熱可塑性エラストマーなどが用いられている。
しかしながら、ポリ塩化ビニル表皮材は、比重が大きい
上に耐光性が劣っており、直射日光の当たる部材の表皮
に用いた場合は表面外観の低下が著しい。また、可塑剤
を多量に添加することによって軟質化しているために、
自動車内装用表皮材として用いた場合には可塑剤の影響
のため、フロントガラス等を曇らせるといった問題点が
ある。さらにポリ塩化ビニルはその構造上、燃焼させる
と塩酸ガスを発生するため、環境衛生上、廃棄物の焼却
処分ができないあるいは各種加工装置を腐食させるなど
の問題点もある。また、ポリ塩化ビニール以外の熱可塑
性エラストマーを表皮材とした場合はポリ塩化ビニール
が有する前述の問題の一部は解決されるものの、例えば
エンボスロールで凹凸模様の皮シボ等装飾模様がつけら
れた熱可塑性エラストマーシートを表皮材として用いた
真空成形品では、シボ流れ(装飾模様が崩れてしまうこ
と)が発生し外観、感触を損ねるため、さらに改良が求
められている。真空成形のなかでも凹引き真空成形は、
シボ模様が彫刻されたメス金型を使用し加熱軟化したシ
ートをメス金型上にクランプし、型内空気を吸引し大気
圧によりシートを型面に押し付けて成形し、賦形と同時
にシボ模様が付与されるためシボ流れの問題はそれほど
起こらない。一方、凸引き真空成形は、シボが彫刻され
ていないオス金型を使用し、シボが予め付与されたシー
トを加熱軟化し、型で押上げたのち真空吸引してシート
を型に密着して賦形するため、賦形時に熱と延伸により
シボ流れの問題が発生しやすい。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的はかかる
従来技術の課題を解決し、特に凸引き真空成形において
シボ流れの発生が少ない、高級感をさらに高めた装飾模
様付き熱可塑性エラストマーシートおよび該シートから
なる積層体を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記課題を
解決するため鋭意、検討の結果、シボ流れは一次加工、
即ちエンボスロールでシボ付けがなされた際に発生する
残留歪みが二次加工、即ち凸引き真空成形時に弾性回復
するために発生すること及び残留歪みを少なくした装飾
シートを用いることによりシボ保持性が著るしく改良さ
れることを見出し、本発明に到達した。すなわち、本発
明は、熱可塑性エラストマーからなるシートに、軟化
点、融点又は真空成形温度以上の温度で装飾模様を付与
してなることを特徴とする装飾模様付き熱可塑性エラス
トマーシートに関するものである。また、本発明は、該
装飾模様付き熱可塑性エラストマーシートに、ポリエチ
レン、ポリプロピレンおよびポリウレタンから選ばれる
発泡シートが積層されてなることを特徴とする積層体に
関するものである。以下本発明について具体的に説明す
る。
【0005】本発明で用いられる熱可塑性エラストマー
シートにつき具体的に詳述する。本発明で使用される熱
可塑性エラストマーシートは、部分架橋タイプ又は非架
橋タイプのいずれかであり、ポリ塩化ビニール系を除く
ポリオレフィン系、ポリスチレン系、ポリアミド系、ポ
リウレタン系、ポリエステル系等のものが用いられる
が、物性、経済性等を考慮すると部分架橋タイプのオレ
フィン系熱可塑性エラストマーが好適に用いられる。部
分架橋タイプのオレフィン系熱可塑性エラストマーと
は、オレフィン系共重合体ゴムとオレフィン系重合体の
混合物を有機過酸化物を用いて、動的熱処理を行い部分
架橋したものであり、以下にさらに具体的に詳述する。
好ましいオレフィン系熱可塑性エラストマーとしては、
100℃ムーニー粘度(ML1+4 100℃)が30〜3
50であるオレフィン系共重合体ゴム(A)100重量
部、並びに該共重合体ゴム100重量部当たり、オレフ
ィン系重合体(B)5〜150重量部および鉱物油系軟
化剤(C)0〜150重量部からなる混合物を部分架橋
してなるオレフィン系熱可塑性エラストマーである。ま
た、100℃ムーニー粘度(ML1+4 100℃)が80
〜350であるオレフィン系共重合体ゴム(A)100
重量部当り、鉱物油系軟化剤(C)を150重量部以下
含有する油展オレフィン系共重合体ゴム(D)40〜9
5重量%とオレフィン系重合体(B)5〜60重量%か
らなる混合物を部分架橋してなるオレフィン系熱可塑性
エラストマーも好適である。
【0006】本発明で使用される(A)オレフィン系共
重合体ゴムを構成するオレフィン系共重合体ゴムとは、
例えばエチレン−プロピレン共重合体ゴム、エチレン−
プロピレン−非共役ジエン共重合体ゴム、エチレン−1
−ブテン共重合体ゴム、エチレン−1−ブテン−非共役
ジエン共重合体ゴム、プロピレン−1−ブテン共重合体
ゴムの如く、オレフィンを主成分とする無定型ランダム
な弾性共重合体である。これらの中で、特にエチレン−
プロピレン−非共役ジエン共重合体ゴム(以下、「EP
DM」という。)が好ましい。非共役ジエンとしてはジ
シクロペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、シクロオ
クタジエン、メチレンノルボルネン、エチリデンノルボ
ルネン等がある。より具体的な例としては、プロピレン
含有量が10〜55重量%、好ましくは20〜40重量
%、非共役ジエン含有量が1〜30重量%、好ましくは
3〜20重量%のエチレン−プロピレン−非共役ジエン
共重合体ゴムが好ましい。プロピレン含有量が10重量
%より少ないと柔軟性が失われ、55重量%より多いと
機械的特性が低下して好ましくない。非共役ジエン含有
量が1重量%より少ないと機械的特性が低下し、30重
量%より多いと成形性が低下して好ましくない。
【0007】本発明において、オレフィン系共重合体ゴ
ム(A)の100℃ムーニー粘度(ML1+4 100℃)
は30〜350が好ましい。100℃ムーニー粘度(M
1+ 4 100℃)が、30より低いと機械的特性が失わ
れ、350より高いと成形品の外観が損なわれて好まし
くない。
【0008】本発明において使用される(B)オレフィ
ン系重合体として好ましいものは、ポリプロピレン又は
プロピレンと炭素数が2個以上のα−オレフィンとの共
重合体である。炭素数が2個以上のα−オレフィンの具
体例としてはエチレン、1−ブテン、1−ペンテン、3
−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、1−デセン、3
−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、
1−オクテン等がある。これらの重合体のメルトフロー
レートは 0.1〜100g/10分であり、好ましくは
0.5〜50g/10分の範囲である。メルトフローレー
トが 0.1g/10分より小さくても100g/10分よ
り大きくても加工性に問題点が生じてくる。
【0009】次に、本発明で使用される(C)鉱物油系
軟化剤とは、加工性の改良や機械的特性を改良する目的
で配合される高沸点の石油留分でパラフィン系、ナフテ
ン系又は芳香族系等があるが、パラフィン系が好ましく
用いられる。芳香族成分が多くなると汚染性が強くな
り、また耐光性も低下するので好ましくない。
【0010】本発明において(D)油展オレフィン系共
重合体ゴムは、オレフィン系共重合体ゴム(A)100
重量部当たり鉱物油系軟化剤(C)を150重量部以
下、好ましくは20〜150重量部、より好ましくは3
0〜120重量部含有するものである。共重合体ゴム
(A)の100℃ムーニー粘度(ML1+4 100℃)が
比較的大きい場合、鉱物油系軟化剤(C)を添加しない
場合は熱可塑性エラストマーとしての流動性が低く、特
に押出加工性や射出成形性が損なわれる。一方、150
重量部より多くなると可塑性が著しく増加して加工性が
悪くなり、その上、製品の機械的物性などの性能が低下
するので好ましくない。そして、油展オレフィン系共重
合体ゴム(D)の100℃ムーニー粘度(ML1+4 10
0℃)は、好ましくは30〜150、より好ましくは4
0〜100である。30より低いと機械的特性が失わ
れ、150より高いと成形加工が困難になる傾向にあ
る。
【0011】次にEPDMを例として油展オレフィン系
共重合体ゴム(油展EPDM)の性質および製造方法等
について述べる。ML1+4 100℃が80〜350と比
較的高いEPDMを用いて鉱物油系軟化剤を大量に配合
すると、柔軟性の確保と流動性の向上による加工性の改
良、及び機械的特性の改良を同時に満足させることの可
能なオレフィン系エラストマー組成物を得ることが出来
る。
【0012】一般にオレフィン系エラストマー組成物に
は流動性向上剤として鉱物油系軟化剤が用いられている
が、本発明者らの研究によれば、油展EPDMを用いな
い場合には、EPDM100重量部当たり鉱物油系軟化
剤を40重量部以上配合すると、エラストマー組成物表
面に軟化剤のブリードが発生し易く、製品の汚染、粘着
等がみられ好ましくない。しかし、例えばML1+4 10
0℃が80〜350のEPDM100重量部当たり15
0重量部以下の鉱物油系軟化剤が予め配合されている油
展EPDMを用いると、軟化剤のブリードが少なく、製
品の汚染や粘着が認められず、かつ破断強度、破断伸
び、圧縮永久歪みなどの物性の秀れたエラストマー組成
物を得ることが出来る。この鉱物油系軟化剤の配合比が
大きいにもかかわらず、軟化剤のブリードが認められな
いのは、比較的ムーニー粘度の高いEPDMを用いると
鉱物油系軟化剤の許容油展量の上限が上昇すること、及
び予め好適に加えられた軟化剤がEPDMの中に均一分
散する為等と考えられる。
【0013】EPDMの油展方法は公知の方法が用いら
れる。例えば、ロールやバンバリーミキサーのような装
置を用い、EPDMと鉱物油系軟化剤を機械的に混練す
る方法で油展する方法、あるいはEPDM溶液に所定量
の鉱物油系軟化剤を添加し、その後、スチームストリッ
ピング等の方法により脱溶媒して得る方法などがある。
このうち好ましい油展方法としてはEPDM溶液を用い
る方法であり、EPDM溶液は重合で得られるEPDM
溶液を用いる方が、操作が容易である。
【0014】(A)オレフィン系共重合体ゴム及び
(B)オレフィン系重合体からなる混合物を部分架橋さ
せる有機過酸化物としては、2,5−ジメチル−2,5
−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメ
チル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−
3、1,3−ビス(t−ブチルパ−オキシイソプロピ
ル)ベンゼン、1,1−ジ(t−ブチルパ−オキシ)
3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメ
チル−2,5−ジ(パーオキシベンゾイル)ヘキシン−
3、ジクミルパーオキシド等がある。これらの中では臭
気性、スコーチ性の点で特に2,5−ジメチル−2,5
−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンが好ましい。有
機過酸化物の添加量はオレフィン系共重合体ゴム(A)
とオレフィン系重合体(B)の合計100重量部に対し
て 0.005〜2.0 重量部、好ましくは0.01〜 0.6重量部の
範囲で選ぶことができる。0.005 重量部未満では架橋反
応の効果が小さく、2.0 重量部を超えると反応の制御が
難しく、又経済的にも有利ではない。
【0015】該有機過酸化物による部分架橋時に架橋助
剤として、N,N’−m−フェニレンビスマレイミド、
トルイレンビスマレイミドP−キノンジオキシム、ニト
ロベンゼン、ジフェニルグアニジン、トリメチロールプ
ロパン等のパーオキサイド架橋助剤、又はジビニルベン
ゼン、エチレングリコールジメタクリレート、ポリエチ
レングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロ
パントリメタクリレート、アリルメタクリレート等の多
官能性のビニルモノマーを併存させることが出来る。こ
のような化合物の配合により、均一且つ緩和な架橋反応
が起こり、機械的特性を向上させることが可能である。
架橋助剤の添加量はオレフィン系共重合体ゴム(A)と
オレフィン系重合体(B)の合計100重量部に対し
て、0.01〜4.0 重量部の範囲で選ぶことが出来る。好ま
しくは0.05〜2.0 重量部である。0.01重量部未満では効
果が現れ難く、4重量部を超えることは経済的に有利で
はない。
【0016】次に本発明において、装飾模様付き熱可塑
性エラストマーシートを得る工程は、上記熱可塑性エラ
ストマーからシートを成形する圧延工程と該シートに装
飾模様を付与するエンボス加工工程に大別され、オンラ
イン、オフラインいずれかの方式が用いられる。圧延工
程では押出し機で溶融混練された熱可塑性エラストマー
をTダイを介してカレンダーロール等のロールで圧延す
る方法とバンバリーミキサーで溶融混練された熱可塑性
エラストマーをウオーミングロール等を介してカレンダ
ーロール等で圧延する方法があり、いずれの場合もオレ
フィン系熱可塑性エラストマーの加工温度条件として
は、140〜250℃が好ましい。
【0017】圧延工程では適切な温度条件とバンク調整
により、厚み変動が小さく、表面状態の優れたエラスト
マーシートが得られる。又、圧延工程で、ポリエチレ
ン、ポリプロピレンおよびポリウレタンから選ばれる発
泡シートとの積層を同時に行なうこともできる。
【0018】次にエンボス加工工程(装飾模様を付与す
る工程)につき述べる。エンボス加工においては、装飾
効果以外にも感触、摩擦特性等の改善のために各種のシ
ボ(装飾模様)パターンが多用される。種類としては皮
シボ、梨地、ヘヤーライン等が挙げられるが、自動車内
装用途では種々の皮シボが多く用いられる。軟化点、融
点または真空成形温度以上に加熱した熱可塑性エラスト
マーからなるシートを、エンボスロールとパッキングロ
ール間で加圧し、エンボスロールの凹凸模様をシートに
転写させるが、この時の加熱方法としては蒸気、加熱油
等の熱源を用いて加熱されたエンボスロールを用いる方
法、又は熱風、赤外線、電熱等によりシートを加熱する
方法等があるが、いずれも本発明で使用可能である。
【0019】温度条件としては熱可塑性エラストマーの
軟化点、融点又は真空成形温度以上の温度とすることに
より、シボ保持性の良好な装飾模様付きシートが得られ
る。該温度条件は、オレフィン系熱可塑性エラストマー
シートでは、具体的には140〜250℃、好ましくは
150〜230℃である。特に高温条件下でシボ転写を
行なう場合、ロールへの粘着防止のため熱可塑性エラス
トマーに外部離型剤を添加することは効果がある。又、
ラミネーターエンボッサーを用いることにより、エンボ
スと同時にポリエチレン、ポリプロピレンおよびポリウ
レタンから選ばれる発泡シートを積層してなる積層体と
して得ることも可能である。
【0020】次に、このようにして得られた装飾模様付
き熱可塑性エラストマーシートを用いた凸引き真空成形
法につき説明する。該凸引き真空成形法としては、ドレ
ープ成形法、エアースリップ成形法、スナップバック成
形法、リバースドロー成形法等があり適宜、最適の成形
法が選択される。装飾模様付きオレフィン系熱可塑性エ
ラストマーシートの真空成形温度条件は、好ましくは1
30〜240℃、より好ましくは140〜230℃であ
る。 成形品は、オフライン方式で真空成形機を独立し
て用いて得られる場合が一般的であるが、後述する最終
製品を得るための成形機の金型が凸引き真空成形型を兼
ねたものを用いても良い。
【0021】次に、後述の最終製品を得るために、前記
凸引き真空成形品と芯材を一体化する方法としては、例
えば、射出成形、射出プレス成形、プレス成形、スタン
ピング成形等が挙げられ、芯材としては、溶融合成樹
脂、板状のスタンパブルシート又は木粉ボード等を加熱
軟化したもの或いはすでに予備賦形したものが用いら
れ、成形方法との組み合わせにより適宜、選択される。
又、クッション性を高めるためポリウレタンの注入発泡
成形も併用され得る。
【0022】一般に、上記凸引き真空成形品と芯材を一
体化して最終製品とした場合、製品表面の装飾模様が原
反(装飾模様付き熱可塑性エラストマーシート)に比し
著るしく損なわれ商品価値を低下するという不良現象が
より顕著に現われることから、本発明による改良効果は
かかる最終製品においても、顕著である。すなわち、前
記不良現象は、真空成形時に熱可塑性エラストマーシー
トを加熱した際、シート押出し〜シボ転写の工程で発生
した残留歪みの緩和により、原反のシボパターンに比し
シボの荒さおよび山と山の間隔が拡大することにより平
坦化してしまうこと(シボ流れ)に起因しており、本発
明による特定のエンボス加工条件では残留歪みの少ない
シートが得られることよりシボ保持率の良好な真空成形
品が得られ、最終製品においてもシボ流れが少ないとい
う顕著な効果をもたらすものである。
【0023】本発明による装飾模様付き熱可塑性エラス
トマーシートおよび該シートからなる積層体を用いた最
終製品としては、次に示す種々の工業製品がある。自動
車部品においては、自動車のインストルメントパネル、
コンソールボックス、アームレスト、ヘッドレスト、ド
アトリム、リアパネル、ピラートリム、サンバンザー、
トランクルームトリム、トランクリッドトリム、エアー
バック収納ボックス、シートバックル、ヘッドライナ
ー、グローブボックス、ステアリングホイールカバー、
天井材等の内装材が挙げられる。
【0024】家電・OA機器部品においては、テレビ、
ビデオ、洗濯機、乾燥機、掃除機、クーラー、エアコ
ン、リモコンケース、電子レンジ、トースター、コーヒ
ーメーカー、ポット、ジャー、食器洗い器、電気カミソ
リ、ヘアードライヤー、マイク、ヘッドホーン、ビュー
ティー器具、CD・カセット収納箱、パーソナルコンピ
ューター、タイプライター、映写機、電話、コピー機、
ファクシミリ、テレックス等のハウジング材に適する。
【0025】スポーツ用品分野においては、スポーツシ
ューズ装飾部品、各種球技のラケット・スポーツ機器・
用品のグリップ、自転車・二輪車・三輪車のサドル材等
に適する。建築・住宅部品においては、家具・机・椅
子、門・扉・塀、壁装飾材料・天井装飾材料・カーテン
ウォール等の材料、台所・洗面所・トイレ等の屋内用床
材、ベランダ・テラス・バルコニー・カーポート等の屋
内用床材、玄関マット・テーブルクロス・コースター・
灰皿敷等の敷物に適する。
【0026】その他の工業部品分野においては、例え
ば、電動工具類のグリップ、ホース、パッキング材料等
に適する。それ以外にも、かばん・ケース類・ファイル
・手帳・アルバム・文房具・カメラボディー・人形やそ
の他玩具等の材料、また、額の外枠に適している。
【0027】
【実施例】以下、実施例によって本発明の内容を具体的
に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定され
るものではない。尚、これらの実施例および比較例にお
ける物性測定に用いた試験方法は以下の通りである。 (1)ムーニー粘度(ML1+4 100℃) ASTM D927−57Tに準拠して測定した。 (2)メルトフローレート(MFR):JIS K−72
10に準拠して測定した。230℃、2.16kg。
【0028】(3)表面荒さ 三豊(株)製 サーフコム554A型触針式表面粗さ計
を用いた。Rz:十点平均粗さ、Sm:平均山間隔、測
定距離:25mm、測定速度:0.3mm/sec 、カットオフ:
2.5mm以上。シボ保持率を数1により算出した。
【0029】
【数1】〔真空成形品Rz(Sm)〕/〔原反(真空成
形前貼合シート)Rz(Sm)〕×100 (%)
【0030】(4)外観 成形品のシボ保持性について肉眼観察した。 ◎:極めて良好 △:不良 ○:良好 ×:著しく不良
【0031】実施例1 EPDM−1〔エチレン−プロピレン−エチリデンノル
ボルネン(ENB)共重合体ゴム、ヨウ素価=10、プ
ロピレン含有量=30重量%、ML1+4 100℃=14
3〕の5重量%ヘキサン溶液中に、EPDM−1 10
0重量部当たり鉱物油系軟化剤(出光興産、ダイアナプ
ロセスオイルPW−380)40重量部を添加し、その
後スチームストリッピングで脱溶媒にて得られた油展E
PDM−1(ML1+4 100℃=78)70重量部とポ
リプロピレン−1(MFR= 2.0g/10分、ホモタイ
プ)30重量部及び架橋助剤としてN,N’−m−フェ
ニレンビスマレイミド(住友化学社製、スミファインB
M) 0.4重量部、更に光安定剤としてスミソーブ300
(住友化学社製)0.3 重量部、サノールLS−770
(三共社製) 0.2重量部、熱安定剤としてイルガノック
ス1010(チバ・ガイギー社製)0.2 重量部、ウルトラノ
ックス626(ボルグワーナー社製) 0.1重量部をバン
バリーミキサーで170〜200℃×7分混練した後、
押出機を用いてペレット状マスターバッチを作製した。
次いで該マスターバッチ100重量部当たり0.04重量部
の2,5−ジメチル−2,5ジ(t−ブチルパーオキ
シ)ヘキサン(以下「有機過酸化物」と記す)をヘンシ
ェルミキサーを用いて均一ブレンド操作を3分間行っ
た。このブレンド物を二軸混練押出機(日本製鋼所TE
X−44HC)を用いて、240〜260℃で約30秒
間動的熱処理を行ない、部分架橋してなる熱可塑性エラ
ストマーペレットを得た。
【0032】次いで、40mmφTダイシート加工機
(エンボスロールとして皮シボロールを装備)を用い
て、該熱可塑性エラストマーのシート成形と装飾模様
(皮シボ)の付与(転写)を逐次的に行い、次いでポリ
プロピレン発泡シート(東レ社製トーレペフPP−PP
SM15030 )を積層し、装飾模様付き熱可塑性エラスト
マーシートからなる積層体(貼合シート)を得た。貼合
シートにおける熱可塑性エラストマーシート(原反)の
厚みは 1.0mmとした。シボ転写時の皮シボロールの表面
温度は150℃(軟化点以上)であった。次に真空成形
機(ナカクラ企販(株)社製TF−16−VP形)と箱
形状のAl製オス金型を用いて、上記貼合シートの凸引
き真空成形を行い箱形状の真空成形品を得た。金型の形
状を図1に示した。図1の寸法の単位はmmである。こ
の時の加熱シートの表面温度(真空成形温度)は180
℃であった。
【0033】実施例2〜3 シボ転写時の皮シボロールの表面温度を、実施例2では
150℃を180℃(融点以上)に、実施例3では15
0℃を200℃(真空成形温度以上)に変更した以外は
実施例1と同様に実施した。
【0034】比較例1〜2 シボ転写時の皮シボロールの表面温度を、比較例1では
150℃を60℃に、比較例2では150℃を100℃
に変更した以外は実施例1と同様に実施した。
【0035】実施例4 油展EPDM−1に代えて、EPDM−2〔非共役ジエ
ン=エチリデンノルボルネン(ENB)、ヨウ素価=1
1、プロピレン含有量=30重量%、ML1+4100℃
=97〕100重量部当り、鉱物油系軟化剤20重量部
を添加して得られた油展EPDM−2を使用し、皮シボ
ロールの表面温度を150℃を180℃(融点以上)に
変更した以外は実施例1と同様に実施した。
【0036】比較例3 皮シボロールの表面温度を、180℃を60℃に変更し
た以外は実施例4と同様に実施した。実施例1〜4及び
比較例1〜3の評価結果を表1に示した。実施例1〜4
は比較例1〜3に比し、真空成形品の肉眼による判定で
のシボ残りも良好であった。又、シボ保持率も高かっ
た。
【0037】
【表1】
【0038】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば従来
技術の課題を解決し、特に凸引き真空成形においてシボ
流れの発生が少なく、高級感をさらに高めた装飾模様付
き熱可塑性エラストマーシートおよび該シートからなる
積層体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例において使用した、凸引き真空
成形用金型の形状を表わす図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08K 5/01 KEH 7242−4J C08L 23/02 LDD 7107−4J 23/16 LCY 7107−4J // B29C 51/10 7421−4F B29K 23:00 B29L 7:00 4F (72)発明者 小島 啓太郎 千葉県市原市姉崎海岸5の1 住友化学工 業株式会社内 (72)発明者 山下 康次 千葉県市原市姉崎海岸5の1 住友化学工 業株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱可塑性エラストマーからなるシートに、
    軟化点、融点又は真空成形温度以上の温度で装飾模様を
    付与してなることを特徴とする装飾模様付き熱可塑性エ
    ラストマーシート。
  2. 【請求項2】熱可塑性エラストマーが、100℃ムーニ
    ー粘度(ML1+4 100℃)が30〜350であるオレ
    フィン系共重合体ゴム(A)100重量部、並びに該共
    重合体ゴム100重量部当たり、オレフィン系重合体
    (B)5〜150重量部および鉱物油系軟化剤(C)0
    〜150重量部からなる混合物を部分架橋してなるオレ
    フィン系熱可塑性エラストマーである請求項1記載の装
    飾模様付き熱可塑性エラストマーシート。
  3. 【請求項3】熱可塑性エラストマーが、100℃ムーニ
    ー粘度(ML1+4 100℃)が80〜350であるオレ
    フィン系共重合体ゴム(A)100重量部当り、鉱物油
    系軟化剤(C)を150重量部以下含有する油展オレフ
    ィン系共重合体ゴム(D)40〜95重量%とオレフィ
    ン系重合体(B)5〜60重量%からなる混合物を部分
    架橋してなるオレフィン系熱可塑性エラストマーである
    請求項1記載の装飾模様付き熱可塑性エラストマーシー
    ト。
  4. 【請求項4】請求項1記載の装飾模様付き熱可塑性エラ
    ストマーシートに、ポリエチレン、ポリプロピレンおよ
    びポリウレタンから選ばれる発泡シートを積層してなる
    ことを特徴とする積層体。
  5. 【請求項5】装飾模様付き熱可塑性エラストマーシート
    が、凸引き真空成形用エラストマーシートである請求項
    1記載の装飾模様付き熱可塑性エラストマーシート。
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