JP2003221475A - 真空成型用熱可塑性エラストマー組成物および真空成型体 - Google Patents

真空成型用熱可塑性エラストマー組成物および真空成型体

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JP2003221475A
JP2003221475A JP2002023207A JP2002023207A JP2003221475A JP 2003221475 A JP2003221475 A JP 2003221475A JP 2002023207 A JP2002023207 A JP 2002023207A JP 2002023207 A JP2002023207 A JP 2002023207A JP 2003221475 A JP2003221475 A JP 2003221475A
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Japan
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thermoplastic elastomer
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parts
elastomer composition
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Application number
JP2002023207A
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English (en)
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Takeshi Tominaga
武史 富永
Kazuyoshi Fuse
一芳 布施
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 皺が無く、シボ保持特性に優れる真空成型体
が得られる真空成型用熱可塑性エラストマー組成物、お
よび、該組成物からなり、皺が無く、シボ保持特性に優
れる真空成型体を提供すること。 【解決手段】 下記成分(A)および(B)を含有し、
成分(A)100重量部に対する成分(B)の含有量が
0.01〜5重量部である真空成型用熱可塑性エラスト
マー組成物、および、該成型用熱可塑性エラストマー組
成物を含有する真空成形体。 (A)熱可塑性エラストマー (B)アクリル変性フッ素系化合物

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、真空成型用熱可塑
性エラストマー組成物、真空成型用シートおよび真空成
型体に関するものである。更に詳しくは、本発明は、皺
が無く、シボ保持特性に優れる真空成型体が得られる真
空成型用熱可塑性エラストマー組成物、該組成物からな
り、皺が無く、シボ保持特性に優れる真空成型体に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性エラストマーは、加硫工程が不
要であり、通常の熱可塑性樹脂の成型機で加工が可能と
いう特徴を生かして、自動車部品、家電部品、ハウジン
グ、雑貨等の広い分野において用途が開発されている。
これら用途においては、製品の高級感を高めるために、
表面に装飾模様加工を施すこと、例えばシボ加工によ
り、製品に皮革状の風合いを出すことが行われている。
例えば、表面にシボ模様を有する成型体は、エンボスロ
ールなどにより熱可塑性エラストマーシートにシボ加工
した後、該シートを真空成型することにより製造するこ
とができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
熱可塑性エラストマーからなるシボ加工シートを真空成
型した場合、皺が入ったり、シボが浅くなることがあ
り、シボ模様が崩れるという問題が起きることがあっ
た。かかる状況のもと、本発明が解決しようとする課題
は、皺が無く、シボ保持特性に優れる真空成型体が得ら
れる真空成型用熱可塑性エラストマー組成物、および、
該組成物からなり、皺が無く、シボ保持特性に優れる真
空成型体を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の第一
は、(A)熱可塑性エラストマーおよび(B)アクリル
変性フッ素系化合物を含有し、成分(A)100重量部
に対する成分(B)の含有量が0.01〜5重量部であ
る真空成型用熱可塑性エラストマー組成物に係るもので
ある。また、本発明の第二は、上記真空成型用熱可塑性
エラストマー組成物からなる真空成型体に係るものであ
る。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる熱可塑性エラ
ストマーとは、オレフィン系樹脂とオレフィン系ゴムを
含有する組成物を、有機過酸化物の存在下または非存在
下で溶融混練して得られる組成物である。
【0006】本発明に用いられるオレフィン系樹脂と
は、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテ
ン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オ
クテン、1−デセンなどの炭素原子数2〜10のオレフ
ィン1種または2種以上から誘導される繰り返し単位を
50重量%以上含有する重合体であって、JIS K−
7121(1987)に従って測定した示差走査熱量測
定曲線において、90〜170℃の範囲に融解ピークが
存在し、さらに、JIS K−7122(1987)に
従って求めた該融解ピークの転移熱量が50〜130J
/gである重合体である。オレフィン系樹脂は、オレフ
ィン以外の単量体から誘導される繰り返し単位を含有し
ていてもよく、オレフィン以外の単量体としては、たと
えば、酢酸ビニルなどのビニルエステル化合物;アクリ
ル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メ
タクリル酸メチル、メタクリル酸エチルなどの不飽和カ
ルボン酸エステル;アクリル酸、メタクリル酸などの不
飽和カルボン酸があげられ、これらは、1種または2種
以上使用される。
【0007】オレフィン系樹脂としては、たとえば、エ
チレン単独重合体、プロピレン単独重合体、1−ブテン
単独重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン
−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合
体、エチレン−1−オクテン共重合体、プロピレン−1
−ブテン共重合体、プロピレン−1−ヘキセン共重合
体、プロピレン−1−オクテン共重合体、エチレン−プ
ロピレン−1−ブテン共重合体、エチレン−プロピレン
−1−ヘキセン共重合体、エチレン−プロピレン−1−
オクテン共重合体があげられ、これらは、1種または2
種以上組み合わせて使用される。また、これらは公知の
方法で製造することができる。
【0008】オレフィン系樹脂の中では、耐熱性を高め
る観点から、プロピレンから誘導される繰り返し単位の
含有量が80重量%以上であるプロピレン系重合体が好
ましい。該重合体のプロピレンから誘導される繰り返し
単位の含有量は、より好ましくは85重量%以上であ
り、更に好ましくは90重量%以上である。
【0009】オレフィン系樹脂のメルトフローレート
(MFR)は、成型体の強度を高める観点および成型体
の外観を高める観点から、好ましくは0.05〜100
g/10分であり、より好ましくは0.1〜70g/1
0分である。ここで、オレフィン系樹脂のメルトフロー
レート(MFR)は、JIS K−7210((199
9)に従って、温度230℃、荷重21.18Nで測定
される。
【0010】本発明に用いられるオレフィン系ゴムと
は、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテ
ン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オ
クテン、1−デセンなどの炭素原子数2〜10のオレフ
ィン1種または2種以上から誘導される繰り返し単位を
50重量%以上含有する重合体であって、JIS K−
7121(1987)に従って測定した示差走査熱量測
定曲線において、90〜170℃の範囲に融解ピークが
存在しない重合体である。オレフィン系ゴムは、オレフ
ィン以外の単量体から誘導される繰り返し単位を含有し
ていてもよく、オレフィン以外の単量体としては、たと
えば、ジシクロペンタジエン、5−エチリデン−2−ノ
ルボルネン,1,4−ヘキサジエン、1,5−ジシクロ
オクタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、5
−ビニル−2−ノルボルネンなどの炭素原子数5〜15
の非共役ジエン;1,3−ブタジエン、2−メチル−
1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2,3−
ジメチル−1,3−ブタジエンなどの炭素数4〜8の共
役ジエン;酢酸ビニルなどのビニルエステル化合物;ア
クリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチ
ル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチルなどの不
飽和カルボン酸エステル;アクリル酸、メタクリル酸、
マレイン酸などの不飽和カルボン酸があげられ、これら
は、1種または2種以上使用される。
【0011】オレフィン系ゴムとしては、たとえば、エ
チレン−プロピレン共重合体、エチレン−1−ブテン共
重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−
1−オクテン共重合体、エチレン−プロピレン−1−ブ
テン共重合体、エチレン−プロピレン−1−ヘキセン共
重合体、エチレン−プロピレン−1−オクテン共重合
体、エチレン−プロピレン−5−エチリデン−2−ノル
ボルネン共重合体があげられ、これらは1種または2種
以上組み合わせて使用される。また、これらは公知の方
法で製造することができる。
【0012】成型体の強度を高める観点から、オレフィ
ン系ゴムの中では、エチレンから誘導される繰り返し単
位を含有するエチレン系ゴムが好ましく、エチレン−α
−オレフィン共重合体、エチレン−α−オレフィン−非
共役ジエン共重合体がより好ましく、エチレン−α−オ
レフィン−非共役ジエン共重合体が更に好ましい。ここ
で、α−オレフィンとしては、入手容易性の観点から、
プロピレン、1−ブテンが好ましく、プロピレンがより
好ましい。
【0013】オレフィン系ゴムにおいて、エチレン単位
の含有量とα−オレフィン単位の含有量の重量比率(エ
チレン単位の含有量/α−オレフィン単位の含有量)
は、柔軟性の観点から、好ましくは90/10〜30/
70であり、より好ましくは85/15〜45/55で
ある。
【0014】オレフィン系ゴムのヨウ素価は、成型体の
強度を高める観点から、好ましくは5〜40である。
【0015】オレフィン系ゴムとしては、鉱物油系軟化
剤を添加した油展オレフィン系ゴムを用いても良い。油
展オレフィン系ゴムを用いる場合の伸展油の含有量は、
オレフィン系ゴム100重量部あたり通常20〜150
重量部である。鉱物油系軟化剤としては、油展ゴム調整
用に通常用いられる伸展油を使用することができ、たと
えば、パラフィン系鉱物油、ナフテン系鉱物油、芳香族
系鉱物油などの石油の高沸点留分(平均分子量が300
〜1500、流動点が0℃以下)をあげることができ
る。
【0016】オレフィン系ゴムの100℃のムーニー粘
度(ML1+4100℃)は、成型体の強度を高める観点
および成型体の外観を高める観点から、好ましくは20
〜350であり、より好ましくは30〜300である。
ここで油展オレフィン系ゴムの100℃のムーニー粘度
(ML1+4100℃)は、ASTM D−927−57
Tに従って、100℃で測定される。
【0017】オレフィン系樹脂、オレフィン系ゴムの配
合量としては、柔軟性、耐熱性の観点から、オレフィン
系樹脂とオレフィン系ゴムの合計量100重量%に対
し、好ましくは、オレフィン系樹脂の配合量は5〜95
重量%であり、オレフィン系ゴムの配合量は95〜5重
量%であり、より好ましくは、オレフィン系樹脂の配合
量は7〜70重量%であり、オレフィン系ゴムの配合量
は93〜30重量%であり、更に好ましくは、オレフィ
ン系樹脂の配合量は10〜50重量%であり、オレフィ
ン系ゴムの配合量は90〜50重量%である。なお、オ
レフィン系ゴムとして油展オレフィン系ゴムを使用した
場合は、伸展油を含んだオレフィン系ゴム量をオレフィ
ン系ゴムの配合量とする。
【0018】本発明に用いられる有機過酸化物として
は、通常、半減期が1分となる温度が150〜280℃
のものが使用され、たとえば、ジクミルペルオキシド、
ジ−t−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,
5−ジ−(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5−
ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキシ
ン−3、1,3−ビス(t−ブチルペルオキシイソプロ
ピル)ベンゼン、1,1−ビス(t−ブチルペルオキ
シ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、n−ブ
チル−4,4−ビス(t−ブチルペルオキシ)バレレー
ト、ベンゾイルペルオキシド、p−クロロベンゾイルペ
ルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシ
ド、t−ブチルペルオキシベンゾエート、t−ブチルペ
ルオキシイソプロピルカーボネート、ジアセチルペルオ
キシド、ラウロイルペルオキシド、t−ブチルクミルペ
ルオキシドがあげられ、これらを1種または2種以上組
み合わせて用いてもよい。これらの中でも、取り扱いの
容易性の観点で、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t
−ブチルペルオキシ)ヘキサンが好ましい。
【0019】有機過酸化物の配合量は、成型体の強度お
よび経済性の観点から、オレフィン系樹脂とオレフィン
系ゴムの合計量100重量部に対し、好ましくは0.0
01〜5重量部であり、より好ましくは0.005〜3
重量部であり、更に好ましくは0.01〜1重量部であ
る。
【0020】本発明に用いられるアクリル変性フッ素化
合物とは、アクリル基もしくはメタアクリル基を有する
単量体から誘導される繰り返し単位を主成分とする重合
体(d1)とテトラフルオロエチレンから誘導される繰
り返し単位を主成分とする重合体(d2)とを混合処理
したものである。混合処理は、公知の方法、例えば、方
法1:成分(d1)粒子と粒子径0.05〜1.0μm
の成分(d2)粒子とを固体状態で高速混合する方法、
方法2:成分(d1)粒子水性分散液と粒子径0.05
〜1.0μmの成分(d2)粒子水性分散液とを混合し
て凝固またはスプレードライする方法、方法3:成分
(d1)粒子水性分散液と粒子径0.05〜1.0μm
の成分(d2)粒子水性分散液とを混合した分散液中で
さらにエチレン性不飽和結合を有する単量体を重合した
後に凝固またはスプレードライする方法などを用いるこ
とができる。これらの中では、成型体の外観を高める観
点から、方法2、方法3が好ましい。
【0021】アクリル変性フッ素化合物において、アク
リル基もしくはメタアクリル基を有する単量体から誘導
される繰り返し単位を主成分とする重合体(d1)の含
有量は、アクリル基もしくはメタアクリル基を有する単
量体から誘導される繰り返し単位を主成分とする重合体
(d1)とテトラフルオロエチレンから誘導される繰り
返し単位を主成分とする重合体(d2)との合計量10
0重量%に対し、好ましくは60〜99.95重量%で
ある。
【0022】アクリル基もしくはメタアクリル基を有す
る単量体としては、例えば、メチルアクリレート、エチ
ルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロ
ピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチ
ルアクリレート、sec−ブチルアクリレート、2−メ
チルブチルアクリレート、3−メチルブチルアクリレー
ト、n−ヘキシルアクリレート、n−ヘプチルアクリレ
ート、n−オクチルアクリレート、2−エチルヘキシル
アクリレート等のアルキルアクリレート;エチレングリ
コールジアクリレート、1,2−プロピレングリコール
ジアクリレート、1,3−プロピレングリコールジアク
リレート、1,2−ブチレングリコールジアクリレー
ト、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,
4−ブチレングリコールジアクリレート、1,5−ジア
クリロキシペンタン、1,6−ジアクリロキシヘキサ
ン、1,12−ジアクリロキシドデカン等のジアクリレ
ート;1,2,3−プロピレングリコールトリアクリレ
ート等のトリアクリレート;メチルメタクリレート、エ
チルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、イ
ソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレー
ト、イソブチルメタクリレート、sec−ブチルメタク
リレート、2−メチルブチルメタクリレート、3−メチ
ルブチルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレー
ト、n−ヘプチルメタクリレート、n−オクチルメタク
リレート、2−エチルヘキシルメタクリレート等のアル
キルメタクリレート;エチレングリコールジメタクリレ
ート、1,2−プロピレングリコールジメタクリレー
ト、1,3−プロピレングリコールジメタクリレート、
1,2−ブチレングリコールジメタクリレート、1,3
−ブチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブチ
レングリコールジメタクリレート、1,5−ジメタクリ
ロキシペンタン、1,6−ジメタクリロキシヘキサン、
1,12−ジメタクリロキシドデカン等のジメタクリレ
ート;1,2,3−プロピレングリコールトリメタクリ
レート等のトリメタクリレートなどがあげられる。
【0023】アクリル基もしくはメタアクリル基を有す
る単量体から誘導される繰り返し単位を主成分とする重
合体(d1)は、アクリル基もしくはメタアクリル基を
有する単量体を1種あるいは2種以上重合することによ
り得られる。また、該重合は、必要に応じて他の単量体
との共重合を行ってもよい。
【0024】テトラフルオロエチレンから誘導される繰
り返し単位を主成分とする重合体(d2)としては、た
とえば、ポリテトラフロオロエチレン、テトラフルオロ
エチレン−ヘキサフルオロポリプロピレン共重合体、テ
トラフルオロエチレン−ペルフルオロビニルエーテル共
重合体、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、
テトラフルオロエチレン−プロピレン共重合体、ポリフ
ッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプ
ロピレン共重合、テトラフルオロエチレン−フッ化ビニ
リデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合、フッ化ビニ
リデン−クロロトリフルオロエチレン共重合体などがあ
げられ、これらの化合物を単独、もしくは2種類以上併
用して用いてもよい。これらの中では、入手容易性の簡
単から、テトラフロオロエチレンから誘導される繰り返
し単位が90重量%以上であるフッ素系重合体(d2)
が好ましい。
【0025】アクリル変性フッ素化合物の配合量は、成
型体の外観の観点から、オレフィン系樹脂とオレフィン
系ゴムの合計量100重量部に対し、0.01〜5重量
部であり、好ましくは0.05〜2.7重量部であり、
より好ましくは0.1〜2.5重量部である。また、ア
クリル変性フッ素化合物は、動的熱処理前に配合しても
よく、動的熱処理後に配合してもよい。
【0026】本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、
必要に応じて、酸化防止剤、耐候安定剤、帯電防止剤、
離型剤、難燃剤、金属石鹸、ワックス、防かび剤、抗菌
剤、フィラー、発泡剤などの添加剤を配合してもよい。
これらの添加剤は、動的熱処理前に配合してもよく、動
的熱処理後に配合してもよい。
【0027】本発明の動的熱処理とは、有機過酸化物存
在下で、溶融混練することをいう。本発明の熱可塑性エ
ラストマーは、動的熱処理により、単純ブレンドに比較
して、引張特性を高めることができる。動的熱処理装置
としては開放型のミキシングロール、非開放型のバンバ
リーミキサー、ニーダー、押出機等の公知のものを使用
することができる。また、動的熱処理の溶融混練は、混
練する全成分を一括して溶融混練を行ってもよいし、一
部の成分を混練した後に選択しなかった成分を加え溶融
混練を行ってもよい。
【0028】動的熱処理は、必要に応じて、有機過酸化
物と架橋助剤を併用して行ってもよい。該架橋助剤とし
てはN,N’−m−フェニレンビスマレイミド、トルイ
レンビスマレイミド、p−キノンジオキシム、ニトロベ
ンゼン、ジフェニルグアジン、トリメチロールプロパ
ン、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリ
レート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ト
リメチロールプロパントリメタクリレート、アリルメタ
クリレート等があげられ、これらの中でも、N,N’−
m−フェニレンビスマレイミド、トリメチロールプロパ
ントリメタクリレートが好ましい。
【0029】動的熱処理の温度は、通常、有機過酸化物
の半減期が1分以下となる温度であり、好ましくは15
0〜280℃、より好ましくは180〜260℃であ
る。動的熱処理する時間は、通常、有機過酸化物の半減
期以上となる時間であり、好ましくは1〜30分、より
好ましくは3〜20分である。
【0030】本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、
真空成型により各種成型体に成型され、たとえば、自動
車内装部品(たとえば、インストルメントパネル、コン
ソールボックス、アームレスト、ヘッドレスト、ドアト
リム、リアパネル、ピラートリム、サンバイサー、トラ
ンクルームトリム、トランクリッドトリム、エアバック
収納ボックス、シートバックル、ヘッドライナー、グロ
ーブボックス、ステアリングホイールカバー、天井材)
の表皮等、家電やOA機器(たとえば、テレビ、ビデ
オ、洗濯機、パーソナルコンピューター)の表皮、ハウ
ジング(たとえば、壁、天井、カーテンウォール)の表
皮などに使用される。特に、表面に装飾模様を有する用
途に好適である。
【0031】
【実施例】次に、本発明を実施例によって説明する。 [1]評価方法 (1)MFR JIS K−7210(1999)に従い、温度230
℃、荷重98.07Nで測定した。 (2)表面硬度 JIS K−6253(1997)に従い、ショアーA
硬度の測定を行った。 (3)破断強度、破断伸び JIS K−6251(1993)に従い、JIS3号
ダンベルで作製した試験片を用い、引張速度200mm
/minで測定した。
【0032】(4)真空成型品の外観(しわ) 真空成型機(ナカクラ企販株式会社製TF−16−VP
型)と箱形状のA1製オス金型により、シボ付きシート
の真空成型を行い、得られた真空成型品の外観(成型品
へのしわ発生状況)を目視にて以下のように判定した。
なお、該真空成型品を作製する際のシート加熱温度は1
60℃±20℃とした。 ○:しわが発生しなかった。 ×:しわが発生した。 (5)真空成型品のシボ保持特性 上記の方法により作製した真空成型品のシボ保持特性を
目視にていかのように判定した。 ○:原反に付与されたシボを極めて良好に保持してい
る。 △:原反に付与されたシボをほぼ良好に保持している。 ×:原反に付与されたシボが緩和され消えつつある。
【0033】[2]原料 オレフィン系樹脂 PP−1:エチレン−プロピレン共重合体(住友化学工
業株式会社製ノーブレン AY161C) PP−2:プロピレン重合体(住友化学工業株式会社製
ノーブレン H501) PE−1:エチレン−ヘキセン共重合体(住友化学工業
株式会社製スミカセンE FV401) 油展オレフィン系ゴム: EPDM:油展エチレン−プロピレン−ジエン共重合体
(住友化学工業株式会社製エスプレンEPDM E67
3) 有機化酸化物 2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキ
シ)ヘキサン(化薬アクゾ株式会社製) 架橋助剤 トリメチロールプロパントリメタクリレート(精工化学
製ハイクロスMP) 酸化防止剤 イルガノックス1010(チバ・スペシャリティ・ケミ
カルズ社製) 耐候安定剤 スミソーブ300(住友化学工業株式会社製) ワックス カオーワックス230−2(花王株式会社製) アクリル変性フッ素系化合物 メタブレンA−3000(三菱レイヨン株式会社製) 顔料 SPEC−817(住化カラー株式会社製)
【0034】[3]熱可塑性エラストマーの調整 表1に示した配合量のポリオレフィン系樹脂、オレフィ
ン系ゴム、架橋助剤、酸化防止剤、耐候安定剤及びワッ
クスを、バンバリーミキサーを用いて170〜200℃
で7分間混練を行い、裁断機を用いてペレットを作製し
た。次に、表1に示した配合量となる該ペレットと有機
過酸化物とを、タンブラーミキサーを用いて5分間ブレ
ンドした。このブレンド物を2軸混練押出機にて240
℃±20℃で60秒間動的熱処理を行い、動的熱処理さ
れた熱可塑性エラストマーを得た。
【0035】[4]シボ付き真空成型用シートの作製 実施例1〜2及び比較例1〜2 表2に示した配合量の熱可塑性エラストマー、オレフィ
ン系樹脂、アクリル変性フッ素系化合物および顔料を、
40mmφT−ダイシート加工機(エンボスロールとし
て皮シボロールを使用)により、樹脂温度200℃±2
0℃でシート成型することにより、シート厚み1mmの
シボ付き熱可塑性エラストマー組成物シートを得た。次
に、該シートの真空成型を行った。得られた熱可塑性エ
ラストマー組成物および真空成型体の評価結果を表2に
示す。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】 上記アクリル変性フッ素化合物欄における()内数値は
熱可塑性エラストマー100重量部に対するアクリル変
性フッ素化合物の重量部数を表す。
【0038】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明により、皺
が無く、シボ保持特性に優れる真空成型体が得られる真
空成型用熱可塑性エラストマー組成物、および、該組成
物からなり、皺が無く、シボ保持特性に優れる真空成型
体を提供することが出来た。更に、該組成物および該組
成物からなる真空成型体は、耐熱性、強度、柔軟性にも
優れうるため、自動車内装部品、家電、OA機器、ハウ
ジングの表皮などに使用され、特に、表面に装飾模様を
有する用途に好適に用いられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 23/08 C08L 23/08 33/08 33/08 // B29K 19:00 B29K 19:00 23:00 23:00 33:00 33:00 105:16 105:16 Fターム(参考) 4F070 AA12 AA16 AA24 AA32 AB16 AC56 AE08 BA02 BB08 GA05 4F071 AA13 AA15 AA20 AA27X AA33 AA71 AA88 AF60 AG28 AH03 AH11 AH12 BB13 BC07 BC09 4F208 AA03 AA09 AA16 AA21 AA45 AB19 MA01 MB01 MG11 4J002 AE05Y BB03W BB05W BB05X BB07W BB08W BB12W BB14W BB15W BB15X BB17W BD15Z BG05Z BG06Z EK016 EK036 EK046 EK056 EK086 FD146 FD150 GL00 GN00 GQ01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)熱可塑性エラストマーおよび
    (B)アクリル変性フッ素系化合物を含有し、成分
    (A)100重量部に対する成分(B)の含有量が0.
    01〜5重量部である真空成型用熱可塑性エラストマー
    組成物。
  2. 【請求項2】 成分(A)が、下記成分(a1)〜(a
    3)を含有し、成分(a1)および成分(a2)の合計
    量を100重量%として、成分(a1)の含有量は5〜
    95重量%であり、成分(a2)の含有量は95〜5重
    量%であり、成分(a1)および成分(a2)の合計量
    100重量部あたりの成分(a3)の含有量が0.00
    1〜5重量部である組成物を動的熱処理して得られる熱
    可塑性エラストマーである請求項1記載の熱可塑性エラ
    ストマー組成物。 (a1)オレフィン系樹脂 (a2)オレフィン系ゴム (a3)有機過酸化物
  3. 【請求項3】 成分(a1)がプロピレン系重合体であ
    る請求項2記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  4. 【請求項4】 成分(a2)が、エチレン系ゴム100
    重量部と鉱物油系軟化剤20〜150重量部からなり、
    ムーニー粘度(ML1+4100℃)が20〜350であ
    る油展エチレン系ゴムである請求項2または3に記載の
    熱可塑性エラストマー組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4いずれかに記載の熱可塑性
    エラストマー組成物を含有する真空成型体。
  6. 【請求項6】 請求項1〜4いずれかに記載の熱可塑性
    エラストマー組成物を含有し、表面に装飾模様を有する
    真空成型体。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006257332A (ja) * 2005-03-18 2006-09-28 Sumitomo Chemical Co Ltd 真空成型用熱可塑性エラストマ−組成物および積層体
JP2006282992A (ja) * 2005-03-07 2006-10-19 Sumitomo Chemical Co Ltd 熱可塑性エラストマー組成物の製造方法およびエアバッグカバー
JP2021152092A (ja) * 2020-03-24 2021-09-30 住友化学株式会社 熱可塑性エラストマー組成物

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