JP3125460B2 - 積層成形体およびその製造方法 - Google Patents

積層成形体およびその製造方法

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JP3125460B2 JP04235515A JP23551592A JP3125460B2 JP 3125460 B2 JP3125460 B2 JP 3125460B2 JP 04235515 A JP04235515 A JP 04235515A JP 23551592 A JP23551592 A JP 23551592A JP 3125460 B2 JP3125460 B2 JP 3125460B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車内装材や電気製
品に用いられる外観の優れた積層表皮材層を有する熱可
塑性樹脂からなる積層成形体およびその製造方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来より熱可塑性樹脂成形品に表皮材を
積層することにより、その美観、ソフト感を高め高級化
した成形品は広く知られており、その表皮材として、ク
ッション性付与のためにポリオレフィンやポリウレタン
樹脂などの発泡体層に裏打ちされた軟質ポリ塩化ビニル
あるいは熱可塑性エラストマーなどが用いられている。
【0003】これらの表皮付き積層成形体を製造する方
法としては、予め熱可塑性樹脂を射出成形等の種々の成
形法により賦形した成形品の上に、表皮材を真空成形等
により賦形するか、もしくは同時賦形しながら、接着剤
を使用して接着積層化する方法がある。
【0004】また、別の方法としては、表皮材を成形用
の金型に配置し金型を閉じた後、加熱溶融した熱可塑性
樹脂を金型のゲートより金型内に射出して前記表皮材と
積層させ、冷却後金型を開いて成形品を取り出す方法も
知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
方法に関しては、次のような欠点があることが知られて
いる。
【0006】ポリ塩化ビニル表皮材は、比重が大きい上
に耐光性が劣っており、直射日光の当たる部材の表皮材
として用いた場合は表面外観や感触の低下が著しい。ま
た、可塑剤を多量に添加することによって軟質化してい
るために、自動車内装材として用いた場合には可塑剤の
影響のため、フロントガラスを曇らせる等の問題点があ
った。さらにポリ塩化ビニルは、その構造上、燃焼させ
ると塩酸ガスを発生するため、環境衛生上廃棄物の焼却
処分ができない、あるいは各種加工装置を腐食させるな
どの問題点もある。
【0007】オレフィン系熱可塑性エラストマーを表皮
材として用いた場合は、ポリ塩化ビニルの場合と比べて
上述のような問題点はないものの、傷が付き易いため成
形品の使用とともに表面の美観が損なわれてくる。
【0008】製造方法に関しては、接着剤を使用する方
法では、工程が複雑になり高価なものになる上、接着剤
として使用される溶剤、分散剤等による環境汚染の恐れ
もある。
【0009】射出成形法においては溶融樹脂が金型内に
射出され、表皮材に高温かつ高圧の溶融樹脂が接触し金
型表面に表皮材を強く押圧するため、表皮材表面の変色
や模様の変形が生じ外観が損なわれる。また、ソフト感
付与のために発泡体層を裏打ちした表皮材を用いた場合
も、同様の理由から発泡体層の潰れや破れが発生し、成
形品のクッション感の低下や美観の損なわれが認められ
る。熱可塑性エラストマーを表皮材にした場合において
も、これらの成形不良状態は多々認められる。
【0010】これらの外観不良等を防ぐ目的で、表皮材
を未閉鎖の雌雄金型間に配設し、該発泡体層と雌または
雄金型間に熱可塑性樹脂溶融体を供給し、雌雄金型を合
わせて表皮材と熱可塑性樹脂を貼合一体化することを特
徴とする積層成形体の製造方法を用い、表皮材の表面を
湿潤すること(特開昭64-61214号公報)、あるいは裏打
ち材の引張強度を増すことによって、成形過程における
表皮シートの温度上昇や変形量を抑制する方法が提案さ
れている(特開昭59-159342 号公報、特開平1-022545号
公報)。
【0011】しかしながら、表皮材シートを予め湿潤す
るという既に出来上がったシートに手を加えることは加
工工程を1段階増やすことになり、加工費の上昇を招い
てしまい、また、裏打ち材の引張強度を増す方法は、裏
打ち材の厚みを増すか別の適当なシートをさらに貼り合
わせる、あるいは発泡体層の場合は発泡倍率を低下させ
るといったことが考えられるが、いずれも材料費の上昇
を招くばかりでなく、該製造方法においては、表皮シー
トは上下金型間に位置するため、厚み変更前と同一金型
を用いて製造する場合、厚みを増すことは金型を閉じた
際、上下金型間がより離れる状態となり、供給する熱可
塑性樹脂溶融体の量も増やさなければ金型内の隅々まで
充填され難くなる。したがって、満足できる積層成形体
を得るためには、基材用熱可塑性樹脂の使用量を増や
す、あるいは製造時の圧力を高くする必要がある。その
結果、材料費や積層成形体の重量を増すことになった
り、表面外観を損なうことになり得る。これに対して、
金型の修正、変更によって対処するとしても、その変更
分等の費用負担が予想される。
【0012】また、特開平4-73112 号公報には、表皮材
を未閉鎖の雌雄金型間に配設し、発泡体層と雌または雄
金型間に熱可塑性樹脂溶融体を供給し、雌雄金型を合わ
せて表皮材と熱可塑性樹脂を貼合一体化することを特徴
とする積層成形体の製造方法に関して、発泡体層が裏打
ちされたオレフィン系熱可塑性エラストマーシートの場
合において、該熱可塑性エラストマーの引張強度と金属
面との摩擦抵抗を制御することによって、前述の成形不
良を解決することが示されている。しかしながら、この
方法では成形不良を解決することは出来るものの、オレ
フィン系熱可塑性エラストマーの傷が付き易いという問
題点は解決されておらず、実用性に欠けるものであっ
た。さらに、ゴム成分や軟化剤の多い柔軟な熱可塑性エ
ラストマーシート表面の摩擦抵抗は大きいため、よりソ
フト感の良好な積層成形体を得ることは困難であった。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
に鑑み鋭意検討の結果、表面に傷つき防止用コート材が
塗布され、かつ、発泡層が裏打ちされた引張強度の低い
柔軟な熱可塑性エラストマーシートを用いることによっ
て、発泡層の潰れを防ぎ、クリーン性、表面外観、ソフ
ト感および傷つき性の良好な積層成形体が得られること
を見いだし、本発明を完成した。
【0014】すなわち、本発明は、23℃における10
0%モジュラス(M100 )が10〜55Kg/cm2である
熱可塑性エラストマーからなる層に樹脂発泡体層を裏打
してなり、該エラストマーからなる層の表面にコート材
を塗布してなり,かつ、該表面と金属面との摩擦抵抗
(tan δ)が0.5未満である積層表皮材を、未閉鎖の
雌雄金型間に配設し、前記発泡体層と雌または雄金型間
に溶融熱可塑性樹脂または予熱した熱可塑性樹脂シート
を供給し、雌雄金型を合わせて該表皮材と熱可塑性樹脂
を貼合してなる積層成形体および該積層成形体の製造方
法であって、 上記熱可塑性エラストマーが(A)100
℃ムーニー粘度(ML 1+4 100℃)が200〜350
であるオレフィン系共重合体ゴム100重量部当たり、
鉱物油系軟化剤を60〜150重量部含有する油展オレ
フィン系共重合体ゴム60〜85重量部および(C)オ
レフィン系共重合体樹脂40〜15重量部からなる混合
物を部分的に架橋してなるオレフィン系熱可塑性エラス
トマーであることを特徴とする積層成形体および該積層
成形体の製造方法に関するものである。
【0015】本発明において表皮材として使用する熱可
塑性エラストマーは、オレフィン系熱可塑性エラストマ
ーであり、リサイクル性の観点から好ましい。
【0016】オレフィン系熱可塑性エラストマーとして
は、(A)100℃ムーニー粘度(ML1+4 100℃)
が200〜350であるオレフィン系共重合体ゴム10
0重量部当たり、鉱物油系軟化剤を60〜150重量部
含有する油展オレフィン系共重合体ゴム60〜85重量
部および(C)オレフィン系共重合体樹脂40〜15重
量部からなる混合物を部分的に架橋してなる熱可塑性エ
ラストマーが使用される。
【0017】以下本発明の好ましい態様(オレフィン系
熱可塑性エラストマー)について具体的に詳述する。本
発明において、上記オレフィン系熱可塑性エラストマー
(A)油展オレフィン系共重合体ゴムで使用されるオ
レフィン系共重合体ゴムとは、例えばエチレン−プロピ
レン系共重合体ゴム、エチレン−プロピレン−非共役ジ
エン系ゴム、エチレン−ブテン−非共役ジエン系ゴム、
プロピレン−ブタジエン系共重合体ゴムの如く、オレフ
ィンを主成分とする無定型ランダムな弾性共重合体であ
る。これらの中で、特にエチレン−プロピレン−非共役
ジエン系ゴムが好ましい。非共役ジエンとしてはジシク
ロペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、シクロオクタ
ジエン、メチレンノルボルネン、エチリデンノルボルネ
ン等があるが、特にジシクロペンタジエンおよび/また
はエチリデンノルボルネンが好ましい。
【0018】より具体的な例としては、プロピレン含有
量が10〜55重量%、好ましくは20〜40重量%、
ジシクロペンタジエンおよび/またはエチリデンノルボ
ルネン含有量が1〜30重量%、好ましくは3〜20重
量%のエチレン−プロピレン−ジシクロペンタジエンお
よび/またはエチリデンノルボルネン共重合体ゴムであ
る。プロピレン含有量が10重量%より少ないと柔軟性
が失われ、55重量%より多いと機械的特性が低下す
る。非共役ジエン含有量が1%より少ないと機械的特性
が低下し、30重量%より多いとシート加工性が低下す
る傾向にある。該オレフィン系共重合体ゴムの100℃
ムーニー粘度(ML1+4 100℃)は、(A)において
は200〜350、好ましは200〜300、より好ま
しくは220〜280である。
【0019】本発明においては、かかる比較的高いML
1+4 100℃を有するオレフィン系共重合体ゴム(A)
(以下「EPDM−A」という。)からなる熱可塑性エ
ラストマーを使用することにより、高度の機械的性質を
維持した上で、かつ、優れた柔軟性と加工性のバランス
を有するオレフィン系熱可塑性エラストマーが得られ
る。EPDM−AのML1+4 100℃が350より高い
と加工性が損なわれ成形品の外観不良を招く。
【0020】本発明において使用される(C)オレフィ
ン系重合体樹脂として好ましいものは、ポリプロピレン
系樹脂であり、該ポリプロピレン系樹脂として好ましい
ものは、ポリプロピレンおよび/又はプロピレンと炭素
数が2個以上のα−オレフィンとのランダムもしくはブ
ロック共重合体樹脂である。炭素数が2個以上のα−オ
レフィンの具体例としては、エチレン、1−ブテン、1
−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、
1−デセン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−
1−ペンテン、1−オクテン等がある。これらの重合体
のメルトフローレートは0.1〜50g/10分が好まし
く、より好ましくは0.5〜30g/10分の範囲であ
る。メルトフローレートが0.1g/10分より小さくて
も50g/10分より大きくてもシート加工性等に問題
点が生じてくる場合がある。
【0021】次に、本発明で使用される鉱物油系軟化剤
とは、加工性の改良や機械的特性を改良する目的で配合
される高沸点の石油留分でパラフィン系、ナフテン系又
は芳香族系等があるが、パラフィン系軟化剤が好ましく
用いられる。芳香族成分が多くなると汚染性が強くな
り、また耐光性も低下するので好ましくない。本発明に
おいてEPDM−Aを用いた油展オレフィン系共重合体
ゴム(油展EPDM−A)は、EPDM−A100重量
部当たり、鉱物油系軟化剤を60〜150重量部以下、
好ましくは60〜130重量部、より好ましくは70〜
120重量部含有するものである。
【0022】本発明におけるEPDM−Aは、通常のオ
レフィン系共重合体ゴムに比べ、100℃ムーニー粘度
(ML1+4 100℃)が比較的高いため、 鉱物油系軟
化剤が60重量部未満ではエラストマー組成物としての
流動性が低く、特に押出加工性やカレンダー加工性が損
なわれる。また、150重量部より多くなると可塑性が
著しく増加して加工性が悪くなり、その上、製品の物性
などの性能が低下するので好ましくない。そして、油展
EPDM−Aの100℃ムーニー粘度(ML1+4 100
℃)は、好ましくは30〜150、より好ましくは40
〜100である。30より低いと機械的特性が失われ、
150より高いと成形加工が困難になる傾向にある。
【0023】次にオレフィン系共重合体ゴム(EPD
M)を例として油展オレフィン系共重合体ゴム(油展E
PDM)の性質および製造方法等について述べる。ML
1+4 100℃が200〜350と比較的高いEPDMを
用いて鉱物油系軟化剤を大量に配合すると、柔軟性の確
保と流動性の向上による加工性の改良、及び機械的特性
の改良を同時に満足させることの可能なオレフィン系熱
可塑性エラストマー組成物を得ることが出来る。
【0024】一般にオレフィン系熱可塑性エラストマー
組成物には流動性向上剤として鉱物油系軟化剤が用いら
れているが、本発明者らの研究によれば、油展EPDM
を用いない場合には、EPDM100重量部当たり鉱物
油系軟化剤を40重量部以上配合すると、エラストマー
組成物表面に軟化剤のブリードが発生し易く、製品の汚
染、粘着等がみられ好ましくない。しかし、例えばML
1+4 100℃が120〜350のEPDM100重量部
当たり150重量部以下の鉱物油系軟化剤が予め配合さ
れている油展EPDMを用いると、通常の使用条件下で
は軟化剤のブリードが少なく、製品の汚染や粘着が認め
られず、かつ破断強度、破断伸び、圧縮永久歪みなどの
物性や、押出シート加工性、カレンダーシート加工性、
真空成形性などの秀れたエラストマー組成物を得ること
が出来る。この鉱物油系軟化剤の配合量が多いにもかか
わらず、軟化剤のブリードが認められないのは、比較的
ムーニー粘度の高いEPDMを用いると鉱物油系軟化剤
の許容油展量の上限が上昇すること、及び予め好適に加
えられた軟化剤がEPDMの中に均一分散する為等と考
えられる。
【0025】本発明において、EPDM−Aの油展方法
は公知の方法が用いられる。例えば、ロールやバンバリ
ーミキサーのような装置を用い、EPDM−Aと鉱物油
系軟化剤を機械的に混練する方法で油展する方法、ある
いはEPDM−A溶液に所定量の鉱物油系軟化剤を添加
し、その後、スチームストリッピング等の方法により脱
溶媒して得る方法などがある。このうち好ましい油展方
法としてはEPDM−A溶液を用いる方法であり、EP
DM−A溶液は重合で得られるEPDM−A溶液を用い
る方が、操作が容易である。
【0026】本発明において、油展EPDM−Aおよび
オレフィン系重合体樹脂(C)からなる混合物の配合割
合は各々次の通りである。すなわち、油展EPDM−A
50〜85重量部に対して、成分(C)は50〜15重
量部である。これらの混合物において、成分(C)オレ
フィン系重合体樹脂の量が15重量部より少ないと流動
性が低下して成形品の外観不良を招き、50重量部より
多いと柔軟性がなくなる傾向にある。
【0027】本発明において、上記各混合物を部分架橋
させる架橋剤としては有機過酸化物が好適である。該有
機過酸化物としては、2,5−ジメチル−2,5−ジ
(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル
−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、
1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベ
ンゼン、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)3,5,
5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチル−
2,5−ジ(パーオキシベンゾイル)ヘキシン−3、ジ
クミルパーオキシド等がある。これらの中では臭気性、
スコーチ性の点で特に2,5−ジメチル−2,5−ジ
(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンが好ましい。
【0028】有機過酸化物の添加量は、上記各混合物1
00重量部に対して0.01〜1.0重量部の範囲で選ぶこ
とが出来る。0.01重量部未満では架橋反応の効果が小
さく、1.0重量部を越えると反応の制御が難しく、又経
済的にも有利ではない。
【0029】本発明において熱可塑性エラストマーを製
造する際、有機過酸化物による部分架橋生成時に架橋助
剤として、N,N’−m−フェニレンビスマレイミド、
トルイレンビスマレイミド、P−キノンジオキシム、ニ
トロベンゼン、ジフェニルグアニジン、トリメチロール
プロパン、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメ
タクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレー
ト、トリメチロールプロパントリメタクリレート、アリ
ルメタクリレート等の化合物を配合することが出来る。
このような化合物の配合により、均一且つ緩和な架橋反
応と、共重合体ゴムとオレフィン系重合体との間で反応
が起こり、機械的特性を向上させることが可能である。
【0030】該架橋助剤の添加量は、上記各混合物10
0重量部に対して、0.01〜2.0重量部の範囲で選ぶこ
とが出来る。好ましくは0.05〜1.0重量部である。
0.01重量部未満では効果が期待し難く、1重量部を越
えることは経済的に有利ではない。
【0031】本発明において、前記各混合物を部分架橋
して熱可塑性エラストマー(A)を得る具体的製法につ
き以下説明する。油展EPDM−A、オレフィン系重合
体樹脂(C)及び有機過酸化物、必要に応じ更に架橋助
剤等を特定の割合で混合して得られた混合物を動的に熱
処理する。即ち溶融して混練する。混合混練装置として
は、非開放型バンバリーミキサー、二軸押出機等が用い
られる。混練温度は150℃〜300℃で1〜30分位
行えばよい。この製法においては、必要により、無機充
填剤、酸化防止剤、耐候剤、帯電防止剤、着色顔料等の
副資材を配合することが出来る。更に詳しくは、油展E
PDM−Aおよびオレフィン系重合体樹脂(C)、必要
により更に架橋助剤や前記副資材を所定の割合で配合
し、非解放型混練機のバンバリーミキサー等を用いて1
50〜250℃の温度範囲で充分混練均一化を図った
後、得られた組成物と有機過酸化物をタンブラー又はス
ーパーミキサー等の密閉式混合機で充分にブレンドす
る。次いで、このブレンド物を強混練力の得られる二軸
連続押出機等を用いて、200〜300℃で動的に熱処
理をして得ることが出来る。副資材は本組成物を製造す
るいかなる段階においても、加工時又は加工後の製品の
使用時においても配合することが可能である。
【0032】該副資材として、例えば帯電防止剤の具体
例としては、以下のようなものがある。すなわち、
(イ)第一級アミン塩、第三級アミン、第四級アンモニ
ウム化合物、ピリジン誘導体等のカチオン系のもの、
(ロ)硫酸化油,石ケン、硫酸化エステル油、硫酸化ア
ミド油、オレフィンの硫酸エステル塩類、脂肪アルコー
ル硫酸エステル塩、アルキル硫酸エステル塩、脂肪酸エ
チルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、
アルキルベンゼンスルホン酸塩、コハク酸エステルスル
ホン酸塩、リン酸エステル塩等のアニオン系のもの、
(ハ)多価アルコールの部分的脂肪酸エステル、脂肪ア
ルコールのエチレンオキサイド付加物、脂肪酸のエチレ
ンオキサイド付加物、脂肪アミノまたは脂肪酸アミドの
エチレンオキサイド付着物、アルキルフェノールのエチ
レンオキサイド付加物、アルキルナフトールのエチレン
オキサイド付加物、多価アルコールの部分的脂肪酸エス
テルのエチレンオキサイド付加物、ポリエチレングリコ
ール等の非イオン系のもの、(ニ)カルボン酸誘導体、
イミダゾリン誘導体等の両性系のものが一般に使用可能
であるが、特に非イオン系、中でもポリオキシエチレン
アルキルアミンやポリオキシエチレンアルキルアミドな
いしそれらの脂肪酸エステル、グリセリンの脂肪酸エス
テル等が好ましい。
【0033】上記の帯電防止剤は、単一の種類のものを
用いても、2種以上の混合物を用いても良い。また、そ
の添加量は本発明による熱可塑性エラストマー100重
量部に対し、約0.03〜2重量部、好ましくは約0.04
〜1重量部添加される。添加割合をこれ以上にすると、
表面への滲出、熱可塑性エラストマーの物性低下がおこ
り、好ましくない。この帯電防止剤の添加により、ショ
アーA硬度で45未満の非常に柔軟な成形品に於て、更
にベタツキ感のない成形品が得られる。また、ベタツキ
感及び軟化剤のブリードがなくなることによる埃等の付
着が減少すると同時に、帯電防止剤本来の働きである帯
電性が減少し、帯電による埃の付着も減少する。
【0034】一方、成形品表面の性状として、滑り性が
望まれる場合があるが、これに対しては高級脂肪酸アミ
ドを使用することができる。該高級脂肪酸アミドの具体
例としては、ラウリン酸アミド、パルミチン酸アミド、
ステアリン酸アミド、ベヘニン酸アミドなどの飽和脂肪
酸アミド、エルカ酸アミド、オレイン酸アミド、ブライ
ジン酸アミド、エライジン酸アミドなどの不飽和脂肪酸
アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、メチレンビ
スオレイン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミ
ド、エチレンビスオレイン酸アミドなどのビス脂肪酸ア
ミドなどが用いられる。
【0035】特に好ましい高級脂肪酸アミドとしては、
融点が約70℃から110℃の範囲の化合物である。上
記の高級脂肪酸アミドの添加量は、本発明による熱可塑
性エラストマー100重量部に対し、約0.03〜2重量
部、好ましくは約0.04〜1重量部添加される。添加割
合をこれ以上にすると、表面への高級脂肪酸アミドの滲
出、熱可塑性エラストマーの物性低下がおこり、好まし
くない。
【0036】このようにして得られたオレフィン系熱可
塑性エラストマーをシート成形加工する方法は、シート
成形加工を行う前の段階、すなわち、オレフィン系熱可
塑性エラストマーのペレットをバンバリーミキサー、単
軸押出機、あるいは2軸押出機のような混練装置を用い
て、混練操作を行ないペレット化したものを、シート成
形加工機の混練機で可塑化してシート化する方法あるい
は、シート成形加工機に附属の混練機(例えば押出機
や、ロールなど)にペレットブレンドの状態やそれぞれ
を単独で投入し、均一ブレンドされた後シート化する方
法等がある。これらのブレンドは150℃以上の温度と
ある程度の剪断応力があれば、簡単に均一組成とするこ
とができる。また、これらの操作の際、オレフィン系熱
可塑性エラストマー100重量部に対し、ポリプロピレ
ン系樹脂を70重量部以下配合して使用することもでき
る。ポリプロピレン系樹脂の配合使用は、シート加工性
や、シートの真空成形性などの加工性面で大きな利点が
あるが、柔軟性が低下するため70重量部を越えて配合
することは好ましくない。
【0037】本発明において、このようにして得られた
熱可塑性エラストマーからなる層(シート)に裏打ちさ
れる樹脂発泡体層は、ポタウレタンあるいはポリエチレ
ン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂等からな
るものが用いられるが、リサイクル性の観点からポリオ
レフィン系樹脂発泡体が好ましい。
【0038】さらに、熱可塑性エラストマーからなるシ
ート表面に塗布される傷つき防止用コート材は、ウレタ
ン系あるいはアクリル系コート材が好ましい。
【0039】これらを用いた積層表皮材の加工方法とし
ては、熱可塑性エラストマーをカレンダー法またはTダ
イ押出成形法等によって、前述の方法等によりシート加
工しながら、あるいは、した後樹脂発泡体層をラミネー
トし、その下流工程でグラヴィアコーター等のコート装
置を用いて、最外層となる熱可塑性エラストマー表面に
コート材を塗布するといった方法が挙げられる。
【0040】本発明において、熱可塑性エラストマーの
引張強度は、23℃における100%モジュラス(M10
0 ) が10〜55kg/cm2 、好ましくは15〜40kg/
cm2であり、かつ、コート材が塗布された後の表面と金
属面との摩擦抵抗(tan δ)の値は0.5未満、より好ま
しくは0.1〜0.49、さらに好ましくは0.3〜0.49で
ある。
【0041】M100 が10kg/cm2 未満では、表皮材の
延伸に対する強度が低すぎるため、成形の際、発泡体層
に過度の変形が加わり潰れが生じ、その結果表面外観を
損ない易い。M100 が55kg/cm2 を越えた場合は逆に
強度が高すぎるため、ソフト感が損なわれる上、積層表
皮材が変形し難く、金型内に過度に入り込むことによっ
て、成形体の表皮層に皺が発生し易い。
【0042】また、tan δが0.5を越えた場合は、金
型との滑り抵抗が大きくなり、積層表皮材が金型内に入
り込み難く、M100 が10kg/cm2 未満の場合と同様、
発泡体層の過度の変形による外観不良を生じ易い。
【0043】本発明においては、このようにして得られ
た積層表皮材を、未閉鎖の雌雄金型間に配設し、樹脂発
泡体層と雌または雄金型間に溶融熱可塑性樹脂または予
熱した熱可塑性樹脂シートを供給し、雌雄金型を合わせ
て該表皮材と熱可塑性樹脂を貼合することにより積層成
形体を得る。
【0044】本発明における熱可塑性樹脂としては、圧
縮成形、射出成形、あるいは押出成形において通常使用
されてる熱可塑性樹脂であれば、いずれも用いることが
出来る。
【0045】それらを例示すれば、高密度ポリエチレン
等各種ポリエチレン、ポリプロピレン、プロピレンを主
成分とする各種共重合体樹脂、HIPS、ABS樹脂等
各種スチレン系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹
脂、各種ポリマーアロイまたはこれらの混合物などが挙
げられる。しかしながら、これらの熱可塑性樹脂の中で
はリサイクル性等の観点からポリプロピレン等のオレフ
ィン系樹脂が好ましい。 これら熱可塑性樹脂には無機
充填剤、ガラス繊維等の各種充填剤、顔料、滑剤、帯電
防止剤、安定剤等の各種添加剤を必要に応じて配合する
ことが出来る。
【0046】また本発明では、溶融熱可塑性樹脂を供給
する代わりに、下金型の上に予熱した熱可塑性樹脂シー
トを供給し、型締め、加圧冷却して、該熱可塑性樹脂シ
ートからなる芯材層を賦形すると同時に、積層表皮材を
貼合一体化して積層成形体を得ることもできる。
【0047】以下、図面に基づき、本発明による積層成
形体の製造方法の一例を具体的に説明する。 〔1〕熱可塑性エラストマーシートからなる層を最外層
とする積層表皮材(5)を連続シートの形または適切な
大きさに切断して、雌金型(1)の上に設置する(図
1)。
【0048】〔2〕次いで雄金型(2)を降下させ、固
定枠(3)と雌金型(1)の間で積層表皮材(5)を適
度のクランプ力で保持した後、雄金型(2)と雌金型
(1)が未閉鎖の状態で、積層表皮材(5)と雌金型
(1)の間に溶融熱可塑性樹脂(6)を供給する(図
2)。溶融熱可塑性樹脂(6)の供給は雄金型内(2)
に設けられた溶融樹脂通路(図示せず)から行う。
【0049】〔3〕さらに伸縮装置(4)を作動させ
て、積層表皮材(5)を保持した状態で雄金型(2)と
固定枠(3)とを下降させると、溶融熱可塑性樹脂
(6)は、積層表皮材(5)を雄金型(2)に押圧しな
がら流動し、積層表皮材(5)の周縁が固定枠(3)と
雄金型(2)の間を滑りつつ、かつ、積層表皮材(5)
が伸びつつ雌金型(1)の凹部内に絞りこまれる。
【0050】〔4〕さらに雄金型(2)が下降し続ける
と、雌・雄両金型(1,2)が完全に型締めされ、積層
表皮材(5)と熱可塑性樹脂(7)が一体となって賦形
が完了する(図3)。
【0051】〔5〕冷却後雄金型(2)を上昇させ、積
層表皮材(5)と熱可塑性樹脂(7)が貼合された積層
成形体を取り出す。
【0052】本発明においては、通常、熱可塑性エラス
トマーからなる層の厚みが0.3〜1.0mmの積層表皮材を
20〜60℃の未閉鎖の雌雄金型間に配設し、該表皮材
の樹脂発泡体層側に、150〜250℃の溶融熱可塑性
樹脂または適度な温度のオーブン等で予熱した熱可塑性
樹脂シートを供給し、金型を閉鎖して、20〜150kg
/cm2 のプレス圧で成形することにより、表面外観およ
びソフト感共に良好な積層成形体を得ることが出来る。
【0053】以上は成形方法の一例を示したものであ
り、積層表皮材の予熱、予備賦形の有無、雌雄金型の位
置、表皮材固定枠の有無、溶融熱可塑性樹脂または予熱
した熱可塑性樹脂シートの供給方法、端末部の処理の型
構造等は本発明の範囲で自由に選択できる。
【0054】本発明による積層成形体の用途としては、
次の示す種々の工業部品がある。自動車部品において
は、自動車のインストルメントパネル、コンソールボッ
クス、アームレスト、ヘッドレスト、ドアトリム、リア
パネル、ピラートリム、サンバンザー、トランクルーム
トリム、トランクリッドトリム、エアーバック収納ボッ
クス、シートバックル、ヘッドライナー、グローブボッ
クス、ステアリングホイールカバー、天井材などの内装
材が挙げられる。
【0055】家電・OA機器部品においては、テレビ、
ビデオ、洗濯機、乾燥機、掃除機、クーラー、エアコ
ン、リモコンケース、電子レンジ、トースター、コーヒ
ーメーカー、ポット、ジャー、食器洗い器、電気カミソ
リ、ヘアードライヤー、マイク、ヘッドホーン、ビュー
ティー器具、CD・カセット収納箱、パーソナルコンピ
ューター、タイプライター、映写機、電話、コピー機、
ファクシミリ、テレックス等のハウジングに適する。
【0056】スポーツ用品分野においては、スポーツシ
ューズ装飾部品、各種球技のラケット・スポーツ機器・
用品のグリップ、自転車・二輪車・三輪車のサドル等に
適する。
【0057】建築・住宅部品においては、家具・机・椅
子、門・扉・塀、壁装飾材料・天井装飾材料・カーテン
ウォール等の材料、台所・洗面所・トイレ等の屋内用床
材、ベランダ・テラス・バルコニー・カーポート等の屋
内用床材、玄関マット・テーブルクロス・コースター・
灰皿敷などの敷物に適する。
【0058】その他の工業部品分野においては、例え
ば、電動工具類のグリップ・ホース、パッキング材料等
に適する。
【0059】それ以外にも、かばん・ケース類・ファイ
ル・手帳・アルバム・文房具・カメラボディー・人形や
その他玩具等の材料、また、額の外枠等に適している。
【0060】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明
するが、本発明はその主旨を越えない限りこれらの実施
例に何等制限されるものではない。尚実施例、比較例に
おける熱可塑性エラストマーの引張物性および摩擦抵抗
(tan δ)は次の方法により測定した。
【0061】熱可塑性エラストマーの引張物性 樹脂発泡体層を裏打ちせず得られた成形シートをJIS
K−6301に記載の3号ダンベルで打ち抜き、23℃、
50%RHの条件で24時間状態調整後、同条件で引張
試験機を用い引張速度200mm/分で引張試験を行い、
100%モジュラスを測定した。
【0062】摩擦抵抗(tan δ) 摩擦角測定機(東洋精機製)を使用して、長さ6.3cm、
幅10.0cm、高さ1.9cm、重さ1kgの表面がクロムメッ
キ処理された金属荷重を、熱可塑性エラストマーからな
る層に樹脂発泡体層が裏打ちされ、該エラストマー表面
にコート材が塗布された積層表皮材の表面に置いて、こ
の金属荷重が滑り始める角度(δ)を測定し、tan δで
表示した。この値は、小さいほど摩擦抵抗が小さいこと
を示す。
【0063】実施例1 エチレン−プロピレン−エチリデンノルボルネン共重合
体ゴム〔ムーニー粘度(ML1+4 100℃)=242、
プロピレン28重量%、ヨウ素価12〕100重量部当
たり、鉱物油系軟化剤(出光興産製:ダイアナプロセス
〔登録商標〕PW380)100重量部添加した油展E
PDM〔ムーニー粘度(ML1+4 100℃)=53〕8
0重量部、プロピレン−エチレンランダム共重合体樹脂
〔エチレン含量5重量%、MFR(230℃、2.16k
g)=1.3g/10分〕20重量部、架橋助剤(住友化
学工業(株)製:スミファインBM)0.4重量部をミク
ストロン〔(株)神戸製鋼所製:MIXTRON BB
−16〕を用いて10分間混練し、その後押出機を用い
て粒状組成物を得た。その組成物100重量部に対し
2,5−ジメチル−2,5−ジt−ブチルパーオキシヘ
キサンを0.04重量部加えたものを二軸混練機〔(株)
日本製鋼所製:TEX−44〕によって、220℃で1
分間動的に熱処理し、部分的に架橋された熱可塑性エラ
ストマーを得た。該熱可塑性エラストマーの引張物性は
次の通りであった。 M100 =20kg/cm2
【0064】この熱可塑性エラストマーを40mmφ押出
機を使用して、厚さ0.6mmでTダイ押出しする際、その
片面にポリオレフィン系樹脂発泡体シート((株)東レ
製:PPSM15030)を熱融着することにより二層
構造のシートとした。さらにその後、該エラストマーシ
ート表面コート処理の下塗剤としてハイコープUL−40
01(特殊色料工業(株))を1〜3μmの厚みで塗布
し、70℃で5分間乾燥し、さらに、ウレタンエラスト
マー系トップコート剤ハイコープVEU−684(特殊
色料工業(株))を2〜5μmの厚みで塗布、乾燥させ
ることによって積層表皮材を得た。この積層表皮材表面
の摩擦抵抗は次の通りであった。 tan δ=0.43 この積層表皮材を、未閉鎖の金型内に発泡体層側を下側
にして載置し(図1)、下金型に設けた樹脂通路を通じ
て、200℃の可塑化溶融したポリプロピレン(住友化
学工業(株)製:住友ノーブレン〔登録商標〕AZ56
4)を供給し(図2)、その後、金型を閉鎖し成形した
(図3)。樹脂発泡体層の潰れによる表面外観の損なわ
れ等がなく、ソフト感のある良好な状態の積層成形体が
得られた。
【0065】参考例1 実施例1において、油展EPDMとして、エチレン−プ
ロピレン−エチリデンノルボルネン共重合体ゴム〔ムー
ニー粘度(ML1+4 100℃)=143、プロピレン3
0重量%、ヨウ素価10〕100重量部当たり、鉱物油
系軟化剤(出光興産製:ダイアナプロセスPW380)
40重量部添加した油展EPDM〔ムーニー粘度(ML
1+4 100℃)=78〕70重量部を用い、プロピレン
−エチレンランダム共重合体樹脂30重量部とした他は
実施例1と同様に実施して熱可塑性エラストマーを得
た。
【0066】実施例 実施例1で得られた熱可塑性エラストマー50重量部
、参考例1で得られた熱可塑性エラストマー50重量
部を65mmφ押出機を用いて220℃で混練押出し、粒
状の熱可塑性エラストマーを得た。該熱可塑性エラスト
マーの引張物性は次の通りであった。 M100 =25kg/cm2 この熱可塑性エラストマーを用いて、実施例1と同様に
実施して積層表皮材および積層成形体を得た。この積層
表皮材表面の摩擦抵抗は次の通りであった。 tan δ=0.47 また、得られた積層成形体は樹脂発泡体層の潰れによる
表面外観の損なわれ等がなく、ソフト感のある良好なも
のであった。
【0067】実施例 実施例1において、油展EPDMを70重量部、プロピ
レン−エチレンランダム共重合体樹脂を30重量部とし
た他は実施例1と同様にして熱可塑性エラストマーを得
た。さらに、得られた熱可塑性エラストマー80重量部
とプロピレン−エチレンランダム共重合体樹脂20重量
部を65mmφ押出機を用いて220℃で混練押出し、粒
状の熱可塑性エラストマーを得た。該熱可塑性エラスト
マーの引張物性は次の通りであった。 M100 =52kg/cm2 この熱可塑性エラストマーを用いて、実施例1と同様に
実施して積層表皮材および積層成形体を得た。この積層
表皮材表面の摩擦抵抗は次の通りであった。 tan δ=0.39 また、得られた積層成形体は樹脂発泡体層の潰れによる
表面外観の損なわれ等がなく、良好なものであった。
【0068】実施例 実施例1において、下金型に設けた樹脂通路を通じて2
00℃の可塑化溶融したポリプロピレンを供給する代わ
りに、ポリプロピレンをマトリックス樹脂としガラス繊
維で強化した、ガラス繊維強化熱可塑性樹脂シート(ケ
ープラーシート社製、長さ12mmのガラス繊維を湿式
抄紙法で製造した、ガラス繊維含量40重量%、厚さ2
mmのシート)を210℃のオーブンで予熱して、厚さ
6mmになったシートを下金型の上に置き、その後金型
を閉鎖し成形した。得られた積層成形体は樹脂発泡体層
の潰れによる表面外観の損なわれ等がなく、ソフト感の
ある良好なものであった。
【0069】比較例1 実施例1において、コート材による表面コート処理を行
わなかった他は、実施例1と同様に実施した。この表皮
材の諸物性値は次の通りであった。 M100 =20kg/cm2 tan δ=1.20 得られた積層成形体には、成形変化の大きい箇所で樹脂
発泡体層の潰れによる外観不良が認められた。
【0070】比較例2 実施例において、熱可塑性エラストマーを60重量
部、プロピレン−エチレンランダム共重合体樹脂を40
重量部として粒状の熱可塑性エラストマーを得た他は実
施例と同様に実施した。この表皮材の諸物性値は次の
通りであった。 M100 =58kg/cm2 tan δ=0.41 得られた積層成形体は、樹脂発泡体層の潰れは無いもの
の、端部に皺が発生しており、外観の劣ったものであっ
た。
【0071】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、適
度な引張物性を有する熱可塑性エラストマーを最外層と
し、表面を傷つき防止等の目的でコート材を塗布し摩擦
抵抗を軽減した、樹脂発泡体層によって裏打ちされた積
層表皮材を用いることによって、従来に比べクリーン
性、軽量性、リサイクル性に優れ、低コトスでソフト感
の良好な積層成形体およびその製造方法を提供すること
が出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による積層成形体の製造工程において、
未閉鎖の雌雄金型間に積層表皮材を載置した状態の断面
図である。
【図2】本発明による積層成形体の製造工程において、
雄金型が下降中に溶融熱可塑性樹脂が供給された状態の
断面図である。
【図3】本発明による積層成形体の製造工程において、
雌雄金型間が閉鎖し賦形が完了した状態の断面図であ
る。
【符号の説明】
1 雌金型 2 雄金型 3 固定枠 4 伸縮装置 5 積層表皮材 6 溶融熱可塑性樹脂 7 熱可塑性樹脂
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山下 康次 千葉県市原市姉崎海岸5の1 住友化学 工業株式会社内 (72)発明者 臼井 信裕 大阪府高槻市塚原2丁目10番1号 住友 化学工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−73112(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00 B29C 43/00 - 43/58

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】23℃における100%モジュラス(M10
    0 )が10〜55Kg/cm2である熱可塑性エラストマー
    からなる層に樹脂発泡体層を裏打してなり、該エラスト
    マーからなる層の表面にコート材を塗布してなり,か
    つ、該表面と金属面との摩擦抵抗(tan δ)が0.5
    満である積層表皮材を、未閉鎖の雌雄金型間に配設し、
    前記発泡体層と雌または雄金型間に溶融熱可塑性樹脂ま
    たは予熱した熱可塑性樹脂シートを供給し、雌雄金型を
    合わせて該表皮材と熱可塑性樹脂を貼合してなる積層成
    形体であって、 上記熱可塑性エラストマーが(A)100℃ムーニー粘
    度(ML 1+4 100℃)が200〜350であるオレフ
    ィン系共重合体ゴム100重量部当たり、鉱物油系軟化
    剤を60〜150重量部含有する油展オレフィン系共重
    合体ゴム60〜85重量部および(C)オレフィン系共
    重合体樹脂40〜15重量部からなる混合物を部分的に
    架橋してなるオレフィン系熱可塑性エラストマーである
    積層成形体。
  2. 【請求項2】請求項1記載の積層表皮材を、未閉鎖の雌
    雄金型間に配設し、前記発泡体層と雌または雄金型間に
    溶融熱可塑性樹脂または予熱した熱可塑性樹脂シートを
    供給し、次いで雌雄金型を合わせて該表皮材と熱可塑性
    樹脂を貼合することを特徴とする積層成形体の製造方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100798158B1 (ko) * 2000-05-19 2008-01-28 인터내셔널 비지네스 머신즈 코포레이션 반도체 디바이스 제조 방법

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100798158B1 (ko) * 2000-05-19 2008-01-28 인터내셔널 비지네스 머신즈 코포레이션 반도체 디바이스 제조 방법

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