JPH0671636U - プレキャストコンクリートのパネルの取付金具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 極めて少ない点数の部品でしかも安定してパ
ネルを支持できる取付金具を提供する。 【構成】 主金具１と、ボルト２と、殺しプレート３
と、台座プレート４を有し、主金具は一端にパネルＰに
埋没されるアンカー部11とアンカー筋Ｓの挿通孔を有す
る突出片を備え、他端にボルトの旋通孔15を穿った接合
座部16を有する。ボルトは下端に曲面足部21を備え、旋
通孔に旋通されてパネルの荷重を鉄骨梁Ｂに伝える。殺
しプレートはボルトを緩通するボルト孔31を有し、台座
プレートはボルトの曲面足部を入れるルーズホール41を
有する。ボルトを殺しプレートに遊挿して接合座部の旋
通孔に下側から旋通し、鉄骨梁の上面に溶接した台座プ
レートのルーズホールにボルトの曲面足部を入れ、パネ
ルを所定位置に吊下した状態で殺しプレートを台座プレ
ートに溶接する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、プレキャストコンクリートのパネルを建築構造躯体に連結するため の連結金具に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

図３及び４に示したように、外壁を構成するプレキャストコンクリートパネル Ｐ’と建築構造躯体Ｂ’を接合する際に使用する接合金具５であって、本体５１ の一端にプレキャストコンクリートパネルＰ’内に埋設される突出したアンカー 部５２及びアンカー筋Ｓ’貫通孔５３を有する張出し部５４を、また他端には接 合座部５５を形成しこれにプレキャストコンクリートパネルＰ’に作用する外力 を支持するボルト５６螺貫用ねじ孔部５７を設けたものが存在する。

【０００３】 この接合金具５を躯体Ｂ’に接合するのに、ルーズホール５８のあいた台プレ ート５９、ボルト５６の挿通孔６０のあいた押えプレート６１、この押えプレー トから直立する壁板６２、この壁板の上部から押えプレート６１と平行に突出し その挿通孔６０と同一軸線上にボルトの挿通孔６３を有する支持板６４、この壁 板６２の支持板６４と反対側にあるリブ６５等が採用される。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

このような取付金具では部品点数が多く、大部分を工場生産によるにしてもそ の生産が大変で、しかも足場の悪い現場での取扱も厄介である。 本案は極めて少ない点数の部品でしかも安定してパネルを支持できる取付金具 を提供することを意図する。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案にかかる取付金具は、主金具と、ボルトと、殺しプレートと、台座プレ ートを有する。該主金具は一端にプレキャストコンクリートのパネルに埋設され るアンカー部とアンカー筋の挿通孔を有する突出片を備えかつ他端に該ボルトの 挿通孔を穿った接合座部を有している。 該ボルトは該パネルの荷重を鉄骨梁に伝えるためのもので下端に曲面足部を備 えかつ該旋通孔に旋通される。

【０００６】 該殺しプレートは該ボルトを緩通するボルト孔を有している。また、該台座プ レートは該ボルトの曲面足部を入れるルーズホールを有している。そして、該殺 しプレートにボルトを遊挿してしてこのボルトを接合座部の旋通孔に下側から旋 通し、鉄骨梁の上面のボルト受け位置付近に台座プレートを溶接し、ボルトの曲 面足部を台座プレートのルーズホールに入れてパネルを所定位置に吊下した状態 で殺しプレートを台座プレートに溶接する。

【０００７】

【作用】

主金具の接合座部にボルトが螺合し、このボルトはその下端の曲面足部が鉄骨 梁に載って台座プレートと殺しプレートによりその過度の移動を制限される。パ ネルは上端部で鉄骨梁に関し取付けられ、その重量はこのボルトを介して鉄骨梁 に支持される。地震や風圧等でパネルの下部がスエイしたり、ロッキングすると 、ボルトは下端の曲面足部で自由にその軸線の向きを変えてパネルの動きに追随 し、主金具がパネルと分離するのを防ぐ。

【実施例】

【０００８】 １は主金具、２はボルト、３は殺しプレート、４は台座プレートである。主金 具１は一端にプレキャストコンクリートのパネルＰに埋設されるアンカー部１１ と、アンカー筋Ｓの挿通孔１２を有する突出片１３を備えている。この主金具１ はまた他端のボス部１４にボルト２を旋通する旋通孔１５を穿った接合座部１６ を有している。

【０００９】 ボルト２はパネルＰの荷重を鉄骨梁Ｂに伝えるためのもので、下端に曲面足部 ２１を備え、主金具１の旋通孔１５に下方から曲面足部２１を下にして旋通され る。この曲面足部２１には鉄骨梁Ｂ上での滑りをよくするために金属、例えばス テンレス、製のキャップ２２を被せる。

【００１０】 殺しプレート３は中央にボルト２を緩通するボルト孔３１を有している。 台座プレート４は底壁のない箱状でボルト２の曲面足部２１を入れるルーズホ ール４１を有しており、殺しプレート３はこのルーズホール４１の開口を跨げる 寸法を有している。

【００１１】 パネルＰの下端部を鉄骨梁に関し取付ける場合は次のようにする。殺しプレー ト３にボルト２を遊挿してこのボルト２を接合座部１６の旋通孔１５に下側から 旋通する。鉄骨梁Ｂの上面のボルト２を受ける位置付近に台座プレート４を溶接 する。ボルト２の曲面足部２１を台座プレート４のルーズホール４１に入れ、ボ ルト２の出具合及び鉄骨梁Ｂ上での位置を調整し、コンクリートのパネルＰの上 端部を周知のやり方で上方の鉄骨梁の下面に取付ける。この状態で殺しプレート ３を台座プレート４に溶接する。

【００１２】 パネルＰはその重量を主金具１及びボルト２を介して鉄骨梁Ｂに支持され、パ ネルの移動に対してはボルト２の曲面足部２１が傾動したり、滑動したりして追 随する。

【００１３】

【考案の効果】

本考案によれば、主金具、ボルト、殺しプレート、及び台座プレートという数 少ない部品によってパネルの自重を鉄骨梁に支持させることができ、パネルの移 動に対してもボルトの曲面足部で傾動又は滑動して追随し、従ってパネルと主金 具のアンカー部との離別によるパネルの崩落等を防止できる。

【００１４】 請求項２によれば、ボルトと接合部の螺合面積が大となり、パネルの移動に対 しボルトを無理なく追随させることができ、ねじ部の破壊を防止できる。

【００１５】 請求項３によれば、金属製キャップが鉄骨梁面に載っているので、ボルトの傾 動や滑動を円滑にでき、かつボルト下端部の摩擦を防いでパネル支持位置の狂い の発生を防げる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案にかかるプレキャストコンクリートのパ
ネルの取付金具の具体例を示す一部切断側面図である。

【図２】同平面図である。

【図３】従来のプレキャストコンクリートパネルの接合
金具の部一切断側面図である。

【図４】同平面図である。

【符号の説明】

１ 主金具 ２ ボルト ３ 殺しプレート ４ 台座プレート Ｐ パネル １１ アンカー部 Ｓ アンカー筋 １２ 挿通孔 １３ 突出片 １４ ボス部 １５ 旋通孔 １６ 接合座部 Ｂ 鉄骨梁 ２１ 曲面足部 ２２ キャップ ３１ ボルト孔 ４１ ルーズホール

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 主金具(1)と、ボルト(2)と、殺しプレー
   ト(3)と、台座プレート(4)を有し、 該主金具(1)は一端にプレキャストコンクリートのパネ
   ル(P)に埋没されるアンカー部(11)とアンカー筋(S)の挿
   通孔(12)を有する突出片(13)を備えかつ他端に該ボルト
   (2)の旋通孔(15)を穿った接合座部(16)を有し、 該ボルト(2)は該パネル(P)の荷重を鉄骨梁(B)に伝える
   ためのもので下端に曲面足部(12)を備えかつ該旋通孔(1
   5)に旋通され、 該殺しプレート(3)は該ボルト(2)を緩通するボルト孔(3
   1)を有し、 該台座プレート(4)は該ボルト(2)の曲面足部(21)を入れ
   るルーズホール(41)を有し、 該殺しプレート(3)にボルト(2)を遊挿してこのボルト
   (2)を接合座部(16)の旋通孔(15)に下側から旋通し、鉄
   骨梁(B)の上面のボルト受け位置付近に台座プレート(4)
   を溶接し、ボルト(2)の曲面足部(21)を台座プレート(4)
   のルーズホール(41)に入れてパネル(P)を所定位置に吊
   下した状態で殺しプレート(3)を台座プレート(4)に溶接
   するようにしたことを特徴とするプレキャストコンクリ
   ートのパネルの取付金具。
2. 【請求項２】 該接合座部(16)の上面にその外径より小
   さくかつボルト旋通孔(15)の内径より大きいボス部(14)
   が形成されている請求項１記載のプレキャストコンクリ
   ートのパネルの取付金具。
3. 【請求項３】 該ボルト(2)の曲面足部(21)に金属製キ
   ャップが嵌装されている請求項１記載のプレキャストコ
   ンクリートのパネルの取付金具。