JP2002349760A - 吊り金具 - Google Patents

吊り金具

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JP2002349760A
JP2002349760A JP2001161668A JP2001161668A JP2002349760A JP 2002349760 A JP2002349760 A JP 2002349760A JP 2001161668 A JP2001161668 A JP 2001161668A JP 2001161668 A JP2001161668 A JP 2001161668A JP 2002349760 A JP2002349760 A JP 2002349760A
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long screw
hole
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hanging
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JP2001161668A
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Masakazu Matsui
正和 松井
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SATSUKI KOGYO KK
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SATSUKI KOGYO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の吊り金具を改良し、より作業性の高い
吊り金具を提供することを課題とする。 【解決手段】 吊り金具1は、係止部材2、本体部材
3、支持部材4によって構成され、係止部材2の内部に
本体部材3が格納されている。係止部材2には中央に貫
通孔2aが形成され、その内側に、係止突起15が突出
している。係止部材2は本体部材3に対して回転自在で
あるが、離脱することはない。係止部材2の貫通孔2a
に寸切りボルトを挿入するべく軸方向に押圧すると、係
止突起15は、弾性変形して寸切りボルトのネジ溝を飛
び越え、本体部材3が所定の位置に取り付けられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は天井等の高所から垂
下した長尺のネジに接続することにより、パイプなどの
他部材を吊り下げる吊り金具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】工場や多層階建ての家屋では、電線管や
排水管等のパイプを天井から吊り下げて配管する場合が
多い。そして電線管等のパイプを天井から吊り下げるに
は、天井の一部に寸切りボルトと称される長尺のネジを
取付け、当該寸切りボルトに吊り金具を取付けて行われ
る。すなわち従来、天井等の高所に設けられ、垂下した
寸切りボルトにパイプなどの他部材を吊り下げるために
は、図5に示すような吊り金具50が用いられている。
吊り金具50は正面視が略円形であり、配管等が挿通さ
れる挿通部51が形成されている。そして挿通部51を
構成する円弧の一部が外側に突出して寸切りボルトを取
り付けるための係止部53が形成されている。
【0003】吊り金具50はパイプなどの長尺物を吊り
金具50の挿通部51に挿通し、ナット52a,52b
を天井から垂下された寸切りボルト54にねじ込むこと
により高所に固定する構成である。吊り金具50はナッ
ト52a,52bのねじ込み量を調整することにより吊
り下げるパイプの高さを調整できる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】吊り金具50は前記し
たようにパイプ等の他部材を任意の高さの位置に取り付
けることができる。しかし吊り金具50は、高所に設け
られた寸切りボルトにナット52a,52bをねじ込む
必要があり作業に相当の手間を要するという問題があっ
た。また実際にパイプ等の長尺物を高所に取り付け施工
する際には、強度等の観点から、多数の吊り金具により
長尺物を支持する場合が多い。そのため作業の自由度が
低い高所において、多数の吊り金具を高所に取り付ける
必要があり、より簡便で作業性の高い吊り金具が必要と
されている。
【0005】また、例えばクーラのドレン配管や下水管
等の様に、重力によって液体を流すパイプを吊り下げる
場合には、円滑に液体を流すために、パイプは流れ勾配
をつけて吊り下げられる。従来の配管施工においては、
配管に勾配を持たせるためには、寸切りボルトの長さを
あらかじめ調整しておく必要があり、寸切りボルトの取
り付け後に、配管の高さを微調整するには非常に困難を
伴うという問題を有する。そこでこれらの諸問題を解決
すべく、本発明においては従来の吊り金具をさらに改良
し、より作業性の高い吊り金具を提供することを課題と
する。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記した課題を解決する
ために発明された請求項1に記載の発明は、長尺のネジ
と係合する係止部と、他部材を支持する支持部を有し、
垂下された長尺のネジに係止部が係合して他部材を吊り
下げる吊り金具において、前記係止部は、長尺のネジが
挿通され且つ回転可能な孔部と、当該孔部に設けられた
弾性変形可能な突起部を有し、長尺のネジを孔部に挿入
するべく軸方向に押圧すると、前記突起部は弾性変形し
てネジ溝を飛び越え、所定の位置のネジ溝と係合し、さ
らに孔部を回転させることによって突起部はネジ溝に沿
って移動することを特徴とする吊り金具である。
【0007】本発明の吊り金具においては、係止部に設
けられた孔部に長尺のネジを挿通すると、孔部に設けら
れた突起部が弾性変形してネジ溝を飛び越え所定の位置
のネジ溝と係合するため、吊り金具は挿通方向と逆の方
向には移動せず、所定の位置に固定される。また孔部を
回転し、孔部に設けられた突起部をネジ溝に沿って移動
させることにより、吊り金具の取り付け位置を微調整で
きる。
【0008】請求項2に記載の発明は、長尺のネジと係
合する係止部と、他部材を支持する支持部を有し、垂下
された長尺のネジに係止部が係合して他部材を吊り下げ
る吊り金具において、係止部と支持部の間に延伸部が設
けられ、係止部の軸線延長上に相当する位置の延伸部に
筒状部が形成され、長尺のネジの先端部分が当該筒状部
に保持されることを特徴とする吊り金具である。
【0009】本発明の吊り金具においては、係止部と支
持部の間に延伸部が設けられ、延伸部には筒状部が設け
られる。また、当該筒状部は係止部の軸線延長上に相当
する位置に、長尺のネジが挿通可能な大きさで形成され
る。係止部を介して相通された長尺のネジの先端部分が
当該筒状部において保持されるため、吊り金具は一定の
姿勢を維持できる。
【0010】請求項3に記載の発明は、長尺のネジと係
合する係止部が設けられた本体部と、他部材を支持する
支持部を有し、垂下された長尺のネジに係止部が係合し
て他部材を吊り下げる吊り金具において、支持部は本体
部とは別体であり、支持部と本体部の一方には鉤状の突
起が設けられ、他方には突起と係合する開口又は凹部が
形成されていることを特徴とする吊り金具である。
【0011】本発明の吊り金具においては係止部が設け
られた本体部と、他部材を支持する支持部が別体である
ため、垂下された長尺のネジへの本体部の取り付けと、
他部材への支持部の取り付けを別途に行うことができ、
作業が簡便に行える。また、本体部と支持部は支持部と
本体部の一方に設けられた鉤状の突起と、他方に設けら
れた開口あるいは凹部を係合するだけで一体化できるた
め、パイプ等の他部材の取り付け作業が簡易に行える。
【0012】請求項4に記載の発明は、本体部は、二枚
の板体が略平行に配された平行部を有し、当該平行部に
突起と係合する開口又は凹部が形成され、支持部は、前
記平行部に挿入される二枚の板状部を有し、さらに当該
板状部の一部が切り起こされて鉤状の突起が形成されて
いることを特徴とする請求項3に記載の吊り金具であ
る。
【0013】本発明の吊り金具の本体部には二枚の板体
が略平行に配された平行部が、また支持部には二枚の板
状部があり、支持部の板状部には鉤状の突起が、本体部
の平行部には前記した鉤状の突起と係合可能な開口又は
凹部が設けられている。よって、本体部と支持部は、平
行部に板状部を挿入し前記した開口又は凹部に鉤状の突
起を係合させるだけで一体化できる。
【0014】請求項5に記載の発明は、長尺のネジと係
合する係止部と、他部材を支持する支持部を有し、垂下
された長尺のネジに係止部が係合して他部材を吊り下げ
る吊り金具において、前記係止部は、長尺のネジが挿通
され且つ回転可能な孔部と、当該孔部に設けられた弾性
変形可能な突起部を有し、長尺のネジを孔部に挿入する
べく軸方向に押圧すると、前記突起部は弾性変形してネ
ジ溝を飛び越え、所定の位置のネジ溝と係合し、さらに
孔部を回転させることによって突起部はネジ溝に沿って
移動可能であり、係止部と支持部の間に延伸部が設けら
れ、係止部の軸線延長上に相当する位置の延伸部に筒状
部が形成され、長尺のネジの先端部分が当該筒状部に保
持され、さらに支持部は本体部とは別体であり、支持部
と本体部の一方には鉤状の突起が設けられ、他方には突
起と係合する開口又は凹部が形成されていることを特徴
とする吊り金具である。
【0015】本発明の吊り金具によれば、係止部の孔部
より長尺のネジを挿通するだけで、係止部の内部に設け
られた突起部が長尺のネジのネジ溝に係合し、吊り金具
が長尺のネジに固定される。そのため、本発明の吊り金
具によれば、吊り金具を固定するためのネジ止めが不要
であり、容易に吊り金具を固定できる。また、孔部を回
転することにより突起部がネジ溝に沿って移動可能であ
るため、本発明の吊り金具は取り付け位置の微調整が容
易である。また、支持部と本体部が別体であるため、長
尺のネジへの本体部の取り付けと、他部材への支持部材
の取り付けを別途に行うことができ、作業効率の向上が
図られる。さらに、支持部と本体部の一方には鉤状の突
起が、他方には開口又は凹部が形成されているため、支
持部と本体部を一体化は、鉤状の突起を開口又は凹部に
係合するだけでよく、作業効率がより一層向上する。ま
た、係止部と支持部の間の延伸部は、係止部の軸線延長
上に相当する位置に筒状部が形成された構造であり、当
該筒状部は長尺のネジの先端部分を保持可能な大きさで
ある。よって係止部を介して挿入した長尺のネジを前記
筒状部に保持することにより、本発明の吊り金具に、長
尺のネジに垂直方向の外力が作用しても、長尺のネジが
筒状部に当接するため吊り金具は一定の姿勢を維持でき
る。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、さらに本発明の実施形態に
ついて詳述する。なお、以下において上下の位置につい
ては、実際に天井等の高所に設けられた寸切りボルト
(長尺のネジ)に吊り金具を取り付けた場合の姿勢を基
準とする。図1(a)は本実施形態の吊り金具1の斜視
図であり、同(b)は(a)の係止部の拡大図であり、
(c)は(a)のA−A断面図であり、同(d)は
(c)の拡大図である。図2は吊り金具1の構成部材の
一つである係止部材2の正面断面図であり、図3は吊り
金具1の構成部材の一つである本体部材3の正面断面図
であり、図4は吊り金具1の構成部材の一つである支持
部材4の正面断面図である。図1において2は吊り金具
1の係止部材、3は本体部材、4は支持部材である。吊
り金具1は係止部材2の内部に本体部材3が格納され、
さらに本体部材3の下部に支持部材4が連結された構成
である。
【0017】以下、係止部材2、本体部材3、支持部材
4を構成部材とする吊り金具1の構造および作用につい
て順次、具体的に示す。図2は本発明の吊り金具の係止
部材2の正面断面図である。係止部材2は外部ナット1
0、内部ナット11および係止ワッシャ12より構成さ
れ、中心に孔部2aがありその内部に係止突起15が突
出した構造となっている。
【0018】具体的には外部ナット10は金属製の部材
であり、外観は六角状であり、貫通した孔部孔が形成さ
れている。そして貫通孔の一端(上端)には貫通孔の内
部方向に直角な内フランジ13を有する。一方、係止部
材2の他端であって外周部分の位置には、外部方向に直
角な外フランジ14を有する。さらに外部ナット10の
貫通孔の内面には、ネジ加工が施されている。
【0019】また、内部ナット11は金属製の部材であ
り、形状が外径が外部ナット10の内径に相当する大き
さの略円筒形であり、内部ナット11の外壁にはネジ加
工が施されている。さらに内部ナット11の中央には貫
通孔11aが設けられている。
【0020】係止ワッシャ12は弾性変形可能な金属製
の環状体であり、中心部を切り起こすことにより係止突
起15が設けられた構成である。係止突起15は、図1
(b)の様に4か所に設けられている。係止部材2は内
部ナット11の端面と外部ナット10の内フランジ13
により、係止突起15の先端が外フランジ14側に向く
ように、係止ワッシャ12を挟み込んだ構成であり、外
部ナット10の内部に内部ナット11を外フランジ14
側からねじ込むことにより係止ワッシャ12の位置が固
定される。係止部材2は、前記した様に外部ナット10
と内部ナット11および係止ワッシャ12が組み合わさ
れ、全体として中央に孔部2aが形成されている。そし
て孔部2aの内側に、係止突起15が突出している。
【0021】図3は本体部材3の正面断面図である。本
体部材3は鋼板を略「T」字型に折り曲げ加工した中空
の部材であり、大別すると上方から格納部20と延伸部
21と支持部材連結部22から構成される。本体部材3
の格納部20は前記した鋼板を折り曲げ加工し作成され
る水平方向の壁面である格納部上面23および格納部下
面24と垂直方向の壁面である格納部側面25a,25
bにより構成される。格納部上面23の中央には前記し
た係止部材2の外部ナット10の外形よりも大きく、外
部ナット10に設けられた外フランジ14が通過できな
い程度の大きさの孔が設けられ、係止部材突出孔26が
構成されている。
【0022】また本体部材3の延伸部21は、互いに平
行した中央部側面27a,27bにより構成される。中
央部側面27a,27bには図1(a)に示すように、
寸切りボルトの挿入方向、すなわち垂直方向に長く外部
方向に突出した凸部が設けられ、筒状部28が構成され
る。さらに具体的には、筒状部28は水平方向の断面
が、寸切りボルトの外周に当接するかそれより僅かに大
きい程度の中央部側面27に設けられた外部方向に突出
した凸部である。前記した筒状部28の中心軸は、係止
部材突出孔26の中心軸と一致する。
【0023】本体部材3の下端部に支持部材連結部22
が互いに平行した支持連結部側面29a,29bにより
構成される。支持連結部側面29a,29bはそれぞれ
一部が切り欠かれることにより開口部30a,30bが
設けられている。また本体部材3の支持部材連結部22
の側面あって、下端部近傍の位置においては、支持連結
部側面29a,29b同士が接合部29cによって接合
されている。従って支持連結部側面29a,29b同士
の間隔は開かない。
【0024】次に支持部材4について説明する。図4は
本発明の吊り金具1の支持部材4の正面断面図である。
支持部材4は一枚の鋼板を折り曲げ加工して作られたも
のであり、挿通部40および連結部41a,41bと連
結部41a,41bの一部が切り起こされた係合部42
a,42bにより構成される。さらに具体的には、挿通
部40は一部が開口し断面形状が略円形の構造を有し、
連結部41a,41bは前記した挿通部40の開口端を
挿通部40の外部方向に折り曲げることにより構成され
る。また、さらに連結部41a,41bは端部に向かう
に従い互いの間隔が徐々に狭くなる構成である。また、
係合部42a,42bは相対する連結部41a,41b
の一部が端部が下側(挿通部40側)を向くように切り
起こされることにより構成される鉤状の突起であり、切
り起こされることによって鉤状となっている。
【0025】本発明の吊り金具1は上記した係止部材
2、本体部材3および支持部材4をそれぞれ組み合わせ
た構成である。より具体的には、係止部材2は本体部材
3の上部に設けられた格納部20に格納される。格納部
20に格納された係止部材2は、外部ナット10の先端
側(フランジ13側)の端部が、本体部材3の格納部上
面23の中心に設けられた係止部材突出孔26より露出
した構成である。なお、係止部材3は外部ナット10の
外フランジ14が前記係止部材突出孔26に引っかか
り、本体部材3の格納部20より外れない構造である。
すなわち本発明の吊り金具1では、係止部材2が本体部
材3の格納部20に係合し、係止部材2は本体部材3に
対して回転自在であるが、離脱することはない。また係
止部材2は係止部材突出孔26より露出した構成であ
り、係止部材2の下部に位置する筒状部28の中心軸
は、係止部材突出孔26の中心軸と一致するから、係止
部材2の軸線延長上に相当する位置の延伸部21に筒状
部28がある。
【0026】さらに本体部材3と支持部材4は、本体部
材3の支持連結部側面29に設けられた開口部30a,
30bに支持部材4の連結部41a,41bに設けられ
た係合部42a,42bを嵌合することにより一体化さ
れる。
【0027】続いて、本発明の吊り金具1を用いてパイ
プ等の他部材を垂下された寸切りボルト54に取り付け
る作業手順を説明する本発明の吊り金具1においては係
止部材2を格納部20に格納した本体部材3と支持部材
4は別体である。そのため、吊り金具1を用いた他部材
の取り付けにおいては、垂下された寸切りボルトへの本
体部材3の取り付けと、パイプ等の他部材への支持部材
4の取付をそれぞれ行い、さらに本体部材3と支持部材
4を一体化することで行われる。
【0028】まず、係止部材2が格納部20に格納され
た本体部材3に、垂下した寸切りボルト54を所定の位
置まで挿通する。すなわち係止部材2の貫通孔2aに寸
切りボルト54を挿入する。具体的には、係止部材2の
貫通孔2aに寸切りボルト54を挿入するべく軸方向に
押圧する。このとき、係止部材2の内部に突出している
係止突起15は、寸切りボルト54の挿入・押圧方向に
対して順方向に突出しているので、寸切りボルト54の
押圧力によって係止部材2の係止突起15は逃げる。そ
のため係止部材2の係止突起15は、弾性変形して寸切
りボルト54のネジ溝を飛び越える。逆に説明すると、
係止部材2の係止突起15は所寸切りボルトの溝の部分
に当接しながら移動し、所定の位置まで係止部材2が挿
通されると、その位置のネジの溝に係止突起15が嵌ま
り込み、本体部材3が所定の位置に取り付けられる。
【0029】すなわち本実施形態では、係止部材2を回
転させることなく、吊り金具1を所定の高さに取り付け
ることができる。そして係止突起15は、先端が外フラ
ンジ14側に向くように取り付けられているため、挿通
方向と逆方向への移動に対してはストッパーとして機能
し、本体部材3の落下が防止される。
【0030】続いて、パイプ等の他部材を支持部材4の
挿通部40に挿通する。そしてパイプを挿通した支持部
材4の連結部41a,41bを、既に垂下した寸切りボ
ルトの所定の位置に取り付けた本体部材3の下部に設け
られた支持部材連結部22の支持連結部側面29a,2
9bの間に挿入する。ここで連結部41a,41bは端
部に向かうに従い、互いの間隔が徐々に狭くなる構成で
あり、先端側が尖っている。そのため連結部41a,4
1bの挿入は容易である。また前記した様に、支持連結
部側面29a,29bは、接合部29cによって接合さ
れており、両者の間隔は開かないので、連結部41a,
41bは挿入されるに連れて平行に近い状態となる。
【0031】またこのとき、支持部材4の連結部41
a,41bに設けられた係合部42a,42bは、本体
部材3の支持部材連結部22に設けられた開口部30
a,30bと係合し、本体部材3と支持部材4が連結さ
れる。
【0032】続いて係合部材2を寸切りボルトを中心軸
として回転することにより、係止突起15を寸切りボル
トの溝に沿って移動させ、係合部材2の取り付け位置の
微調整を行う。すなわち係合部材2は、本体部材3に対
して回転可能であるから、係合部材2を回転することに
より内部の係止突起15を寸切りボルトの溝に沿って移
動し、係合部材2が昇降する。こうして吊り金具1を用
いた垂下した寸切りボルトへの他部材の取り付け作業が
完了する。
【0033】本実施形態の吊り金具1においては、各構
成部材は金属製であるが、樹脂により成形されたもので
あっても良い。また、係止部材2は樹脂により一体成形
されたものであっても良い。また本実施形態の吊り金具
1では、係合部材2を外部ナット10、内部ナット11
および係止ワッシャ12の三者によって構成したが、内
部ナット11を略して外部ナット10に係止ワッシャ1
2を直接溶接してもよい。またより簡単な構造として、
鍛造等の方法によって貫通孔を有する部材の内部に弾性
変形可能な突起部を一体成形してもよい。また上記した
実施形態では、支持部材4の一部を切り起こして係合部
42a,42bを設け、本体部材3側にこれと係合する
開口部30a,30bを設けたが、支持部材4側に開口
を設け、本体部材3側に係合部を設けてもよい。また開
口部30a,30bに代わって凹部を設けても同様の作
用効果が期待できる。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の吊り金具
では、係止部に設けられた孔部に弾性変形可能な突起部
が設けられているので、長尺のネジを係止部に設けられ
た孔部に挿通すると、孔部に設けられた突起部が弾性変
形してネジ溝を飛び越え、所定の位置のネジ溝と係合す
る。そのため本発明の吊り金具では、長尺のネジを係止
部の孔部に挿入するだけで垂下した長尺のネジに固定す
ることができ、大幅な作業効率の向上が図られる。また
係止部材を回転するだけで本体部材の取り付け位置の微
調整を行うことができ、さらに作業効率を向上する効果
がある。
【0035】また、本発明の吊り金具の本体部材には筒
状部が設けられているため、長尺のネジを当該筒状部に
収容することにより、長尺のネジに対して吊り金具の姿
勢を一定に維持できる効果がある。
【0036】さらに、本発明の吊り金具を構成する支持
部材および本体部材はそれぞれ係合部およびこれと係合
する開口等が設けられた構成であり、支持部材と本体部
材の連結は、支持部材を本体部材に挿入し前記係合部に
対係合部を係合させるだけで良く、作業効率を向上する
効果がある。
【0037】よって本発明の吊り金具を用いると、長尺
物を高所に取り付けるためのネジ止めが不要であり、作
業効率の大幅な向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本実施形態の吊り金具1の斜視図であ
り、同(b)は(a)の係止部の拡大図であり、(c)
は(a)のA−A断面図であり、同(d)は(c)の拡
大図である。
【図2】本発明の吊り金具の係止部材の正面断面図であ
る。
【図3】本発明の吊り金具の本体部材の正面断面図であ
る。
【図4】本発明の吊り金具の支持部材の正面断面図であ
る。
【図5】従来の吊り金具の正面断面図である。
【符号の説明】
1 吊り金具 2 係止部材 2a 孔部 3 本体部材 4 支持部材 11a 貫通孔 21 延伸部 12 係止ワッシャ 15 係止突起 28 筒状部 30a,30b 開口部 42a,42b 係合部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長尺のネジと係合する係止部と、他部材
    を支持する支持部を有し、垂下された長尺のネジに係止
    部が係合して他部材を吊り下げる吊り金具において、前
    記係止部は、長尺のネジが挿通され且つ回転可能な孔部
    と、当該孔部に設けられた弾性変形可能な突起部を有
    し、長尺のネジを孔部に挿入するべく軸方向に押圧する
    と、前記突起部は弾性変形してネジ溝を飛び越え、所定
    の位置のネジ溝と係合し、さらに孔部を回転させること
    によって突起部はネジ溝に沿って移動することを特徴と
    する吊り金具。
  2. 【請求項2】 長尺のネジと係合する係止部と、他部材
    を支持する支持部を有し、垂下された長尺のネジに係止
    部が係合して他部材を吊り下げる吊り金具において、係
    止部と支持部の間に延伸部が設けられ、係止部の軸線延
    長上に相当する位置の延伸部に筒状部が形成され、長尺
    のネジの先端部分が当該筒状部に保持されることを特徴
    とする吊り金具。
  3. 【請求項3】 長尺のネジと係合する係止部が設けられ
    た本体部と、他部材を支持する支持部を有し、垂下され
    た長尺のネジに係止部が係合して他部材を吊り下げる吊
    り金具において、支持部は本体部とは別体であり、支持
    部と本体部の一方には鉤状の突起が設けられ、他方には
    突起と係合する開口又は凹部が形成されていることを特
    徴とする吊り金具。
  4. 【請求項4】 本体部は、二枚の板体が略平行に配され
    た平行部を有し、当該平行部に突起と係合する開口又は
    凹部が形成され、支持部は、前記平行部に挿入される二
    枚の板状部を有し、さらに当該板状部の一部が切り起こ
    されて鉤状の突起が形成されていることを特徴とする請
    求項3に記載の吊り金具。
  5. 【請求項5】 長尺のネジと係合する係止部と、他部材
    を支持する支持部を有し、垂下された長尺のネジに係止
    部が係合して他部材を吊り下げる吊り金具において、前
    記係止部は、長尺のネジが挿通され且つ回転可能な孔部
    と、当該孔部に設けられた弾性変形可能な突起部を有
    し、長尺のネジを孔部に挿入するべく軸方向に押圧する
    と、前記突起部は弾性変形してネジ溝を飛び越え、所定
    の位置のネジ溝と係合し、さらに孔部を回転させること
    によって突起部はネジ溝に沿って移動可能であり、係止
    部と支持部の間に延伸部が設けられ、係止部の軸線延長
    上に相当する位置の延伸部に筒状部が形成され、長尺の
    ネジの先端部分が当該筒状部に保持され、さらに支持部
    は本体部とは別体であり、支持部と本体部の一方には鉤
    状の突起が設けられ、他方には突起と係合する開口又は
    凹部が形成されていることを特徴とする吊り金具。
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