JPH0671623U - 壁構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目 的】 船室等の仕切壁を簡単に形成できる壁構造
を提供する。 【構 成】 壁板３ａ，３ｂを対向させて組立てた単位
壁体３であって、この単位壁体３の一方の縁部に、壁板
３ａ，３ｂに形成された平行部６，６ａを合わせて板状
の挿入部Ａを形成し、他方の縁部に構造物の内方に配置
された平行部８と、この平行部８に対面する傾斜部９と
からなる係合部Ｂを形成し、一枚の単位壁体３に係合部
Ｂに他の単位壁体３の挿入部Ａを挿入して組立てるよう
にした壁構造。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は壁構造、より詳しくはアルミ型材を使用した好適な壁構造に関するも のである。

【０００２】

【従来の技術】

一般に高速貨客船等は軽量化を計るためアルミ型材やアルミ板が使用される。 そしてこのようなアルミ構造物においては骨材である構造部材で枠体を形成し、 この枠体で形成された区画内にアルミ板を配置して壁体を構成することが行なわ れているが、この場合例えば大きな区画へアルミ板を取付ける場合には、従来は 木製の根太をあらかじめ配置し、この根太にアルミ板を取付けることが行なわれ ている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、スポット溶接等によりアルミ板を枠体に取付けた壁構造の場合には その位置合わせやスポット溶接作業に時間がかかるために作業効率が悪いものと なっている。特に、その壁構造が天井である場合においては作業性が著しく悪い という問題がある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は、前記従来の問題点を解決するためになされたものであって、壁板３ ａ，３ｂを対向させて組立てた単位壁体３であって、この単位壁体３の一方の縁 部に、壁板３ａ，３ｂに形成された平行部６，６ａを合わせて板状の挿入部Ａを 形成し、他方の縁部に構造物の内方に配置された平行部８と、この平行部８に対 面する傾斜部９とからなる係合部Ｂを形成し、一枚の単位壁体３に係合部Ｂに他 の単位壁体３の挿入部Ａを挿入して組立てるようにした壁構造を提供するもので ある。

【０００５】

【作 用】

本考案の壁構造２においては、先ず工場で単位壁体３が製造され、この単位壁 体３を構造物の建造現場に運び、その挿入部Ａを他の単位壁体３の係合部Ｂに嵌 入させて組立てるのである。

【０００６】

【実 施 例】

以下図１乃至図３に基づき本考案による壁構造の一実施例を説明する。図１は 壁構造の一部を示す正面図、図２は同一部の断面図である。 １は骨材としての構造部材である枠体（柱に相当する）であって、この枠体１ の間に壁体２が嵌合状態で組立てられている。この壁体２は複数の単位壁体３の 端部どうしを嵌合することによって構成されている。

【０００７】 詳述すれば、単位壁体３は図３に示されるように、壁板３ａと壁板３ｂとを対 向させて組立てたもので、壁板３ａは平板部４一辺に第１の屈曲部５を経て平行 部６を、他辺に第２の屈曲部７を経て平行部８を形成している。他方の壁板３ｂ は平板部４ａの一辺に第１の屈曲部５ａを経て平行部６ａを、他辺に第２の屈曲 部７ａを経て斜めの面で形成されている傾斜部９を形成している。

【０００８】 なお、図１及び図３に示すように平板部４，４ａの上下の縁部を内方に曲げて 平行部６，６ａを形成して（平行部８のような部分）両壁板３ａ，３ｂを合わせ 易いようにしている。また、この平行部６ａを板材に一体的に形成することによ って材料に無駄が発生する場合には、必要に応じてリブ等の支持部材を配置して ２枚の壁板３ａと３ｂを組立てやすいようにすると良い。

【０００９】 単位壁体３は、図３に示すように壁板３ａ，３ｂの端部の平行部６，６ａを２ 枚合わせにして固着して板状の挿入部Ａを形成し、他端の平行部８と傾斜部９を 対面させて係合部Ｂを形成している。なお、この係合部Ｂは前記挿入部Ａの板厚 分だけ開口するように形成されている。 単位壁体３どうしを組立てる場合には、図４のように１枚の単位壁体３の片縁 に形成されている平行部６と傾斜部９で形成された係合部Ｂのスリット内に他の 単位壁体３の挿入部Ａを挿入する。この嵌合作業の際、係合部Ｂの平行部６に挿 入部Ａの一面が案内され、他面で傾斜部９を矢印のように押し開きながら平行部 ８ａの面を傾斜部９で押圧する。

【００１０】 前記のようにして組立てられた壁体２は、係合部Ｂの平行部６で挿入部Ａを案 内するために単位壁体３の平板部４は平板状の平面を形成する。一方、平行部６ に対して傾斜している傾斜部９は挿入部Ａが挿入される際に図４の矢印のように 変形するが、この傾斜部９が戻った際にこの傾斜部９の先端部が平行部８ａの表 面に食いついた状態となり、一種のストッパー的に作用することになり、単位壁 体３は確実に連結されて組立てられることになる。

【００１１】 このように構成された単位壁体３は工場で規格に合ったサイズ等で製造されて ストックされる。そして船台等の構造物建造現場に運ばれ、ここで図４に示すよ うに一の単位壁体３Ｍの係合部Ｂへ隣接する他の単位壁体３Ｎの挿入部Ａが嵌入 され、係止部Ｂ内に挿入部Ａが挿入されて挿入部Ａの両面を平行部６と傾斜部９ とによって把持され、抜けることなく組立てられるものである。

【００１２】 図４に示すように、係合部Ｂの平行部８を基準としてこれで挿入部Ａの一面で ある平行部６を案内しながら受入れ、そして傾斜部９によって挿入部Ａを形成す る平行部６ａを押圧するために、この傾斜部９が挿入部Ａに食いついて単位壁体 ３どうしが確実に嵌合して組立てられ、簡単に脱出することができなくなる。

【００１３】

【考案の効果】

本考案による壁構造２は、壁板３ａ，３ｂを対向させて組立てた単位壁体３で あって、この単位壁体３の一方の縁部に、壁板３ａ，３ｂに形成された平行部６ ，６ａを合わせて板状の挿入部Ａを形成し、他方の縁部に構造物の内方に配置さ れた平行部８と、この平行部８に対面する傾斜部９とからなる係合部Ｂを形成し 、一枚の単位壁体３に係合部Ｂに他の単位壁体３の挿入部Ａを挿入して組立てる ように構成している。

【００１４】 従って、現場での組立作業が極めて簡単かつ容易でしかも迅速なものとなるた め、結果として工期を大巾に短縮させることができるという効果がある。 また、係合部Ｂは平行部８と傾斜部９とで構成されているために、平行部８で 単位壁体３の表面を一致させ、傾斜部９で食いつくように係止するので優れた平 面の壁構造を形成することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の壁構造の一実施例による一部を示す正
面図である。

【図２】図１の要部断面図である。

【図３】単位壁体の断面図である。

【図４】単位壁体の係合状態の説明図である。

【符号の説明】

１ 枠体 ２ 壁体 ３ 単
位壁体 ４ 平行部 ５ 第１の屈曲部 ６，６
ａ 平行部 ７ 第２の折曲部 ８ 平行部 ９ 傾
斜部 Ａ 挿入部 Ｂ 係合部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 壁板３ａ，３ｂを対向させて組立てた単
   位壁体３であって、この単位壁体３の一方の縁部に、壁
   板３ａ，３ｂに形成された平行部６，６ａを合わせて板
   状の挿入部Ａを形成し、他方の縁部に構造物の内方に配
   置された平行部８と、この平行部８に対面する傾斜部９
   とからなる係合部Ｂを形成し、一枚の単位壁体３に係合
   部Ｂに他の単位壁体３の挿入部Ａを挿入して組立てるよ
   うにした壁構造。