JP3946532B2 - 間仕切りパネル及び間仕切りパネルの配置構造 - Google Patents

間仕切りパネル及び間仕切りパネルの配置構造 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、間仕切りパネル及び間仕切りパネルの配置構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
建物における室内の間仕切り壁は、一般に、木桟パネルを配置し、この木桟パネルに石膏ボードをビス等によって固定し、この石膏ボード上に壁紙(クロス)を貼り付けることで仕上げを行っている。この仕上げは、具体的には、石膏ボードのビス穴や継ぎ目部の凹凸をパテ処理によって平滑にして養生した後(パテを乾燥させた後)、壁紙の裏面に糊付けを行い、前記養生を行った石膏ボードに貼り付けていく作業となる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の間仕切り壁では、石膏ボードがビス等によって木桟パネルに固定されているため、リフォームを行なうときに、石膏ボードや木桟パネル等が廃材になってしまう。また、解体の際に粉塵を発生し、作業環境上好ましくない。また、配管や配線を間仕切り壁内に配置するのに都合のよい構造にはなっていない。
【0004】
この発明は、上記の事情に鑑み、配管や配線を施すのが容易であり、また、リフォーム等を行なうときにおいて、内装部材が廃材となってしまうのを極力回避することができる間仕切りパネル及び間仕切りパネルの配置構造を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明の間仕切りパネルは、上記の課題を解決するために、枠体にパネル体を固定して成り、前記枠体における縦部材の所定箇所にはパネル面に直交する方向にボルト挿通穴が形成されており、前記パネル体には前記ボルト挿通穴に対応する箇所にボルト頭部又はナットの収容用の穴が形成されていることを特徴とする。
【0006】
そして、この発明の間仕切りパネルの配置構造は、二枚の間仕切りパネルが互いの枠体側を向かい合わせ、前記ボルト貫通穴に挿通させたボルトを用いて間仕切りパネルが連結されたことを特徴とする。
【0007】
かかる構成であれば、二枚の間仕切りパネルが互いの枠体側を向かい合わせて配置されることで、パネル体間には枠体の厚みに対応した空間が形成されることになり、この空間を利用することで配管や配線が容易に行なえることになる。
【0008】
部屋内に配置された支柱部材の側面から突出して設けられた連結部材を前記枠体の縦部材にて挟み込むようにして二枚の間仕切りパネルを配置し、前記連結部材に形成された貫通穴にも前記ボルトを挿通させることで、間仕切りパネルを前記連結部材に固定してもよい。前記連結部材は前記支柱部材に着脱可能に設けられるのがよい。また、前記間仕切りパネルにおけるパネル体の縦縁が前記支柱部材の側面の略中央に位置するのがよい。また、間仕切りパネルは、タンス等の家具が取り付けられていてもよい。また、洗面器等の設備が取り付けられていてもよい。
【0009】
間仕切りパネルがボルトによって連結される構造であるから、解体に際して間仕切りパネルが破損するといったことがなく、また、粉塵を発生するといったこともない。不要になった間仕切りパネルについては、そのままリユース(再活用)ができるし、廃棄するにしても、枠体とパネル部との分別が容易に行なえることになる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態の間仕切りパネル及び間仕切りパネルの配置構造を図1乃至図7に基づいて説明する。
【0011】
図1に示すように、H型鋼から成る梁1上に床パネル2…が配置されている。各床パネル2は例えば基準値P=910mmとすると、2P×2P角の大きさに設定されている。そして、床パネル2の角部及び辺部の中央に対応させてスタッド下側受け具3が予め設けられている。スタッド下側受け具3…の配置間隔は、1P間隔となる。床パネル2の四隅に切欠きを形成しておけば、床パネル2の角の突き合わせ箇所に凹部が形成され、この凹部にスタッド下側受け具3を配置しておくことができる。なお、床パネル2上には仕上げフロアー材4が置かれるのであるが、前記スタッド下側受け具3…に対応する箇所では、穴部を形成しておくと共にこの穴部を塞ぐ蓋状体を装着できるようにし、使用しないスタッド下側受け部材3…上を覆うようにすることができる。
【0012】
スタッド(支柱部材)5の下端部と前記スタッド下側受け具3との係合状態を示すと、図2(b)に示すごとくなる。また、天井側には、前記スタッド下側受け具3…の配置に対応して、図2(a)に示すように、スタッド上側受け具6が設けられており、任意のスタッド下側受け具3及びスタッド上側受け具6を利用してスタッド5を配置することができる。
【0013】
前記スタッド5は、上下端が閉鎖された鋼製の角筒材から成り、その上端面に角凸部5aを有し、下端面に突っ張り用ねじ機構5bを有している。そして、前記スタッド上側受け具6は前記角凸部5aに対応した角穴部6aを有し、前記スタッド下側受け具3は前記ねじ機構5bにおけるボルト51の先端が挿通される穴部3aを有している。
【0014】
突っ張り用ねじ機構5bについて説明する。スタッド5の下端閉鎖板52と増肉板53とナット54とは溶接等によって互いに固定されている。ボルト51はその頭部をスタッド5内に位置させ、ねじ部をスタッド5の下方向へ突出させている。ボルト51のねじ部に螺合させてあるナット55は当該ねじ部に溶接等によって固定されている。前記ナット55はスタッド下側受け具3の上面によって受け止められる。ナット55にスパナ等を装着して時計回りに回すと、ボルト51におけるねじ部の突出長さが長くなり、天井−床間でスタッド5の突っ張り状態が得られることになる。なお、突っ張り用ねじ機構5bにおいて、いわゆる早回しボルトを用いることで、スタッド5の取付作業の時短が図れる。
【0015】
図3は、間仕切りパネル7を示した図であって、左部分は裏面側を示し、右部分は表面側を示している。間仕切りパネル7は、軽量形鋼から成る枠部7aに当該枠部7aよりも幾分大きな石膏ボード7bを固定して成り、前記枠部7aにおける縦部材の所定箇所にはパネル面に直交する方向にボルト挿通穴71が形成されており、前記石膏ボード7bには前記ボルト挿通穴71に対応する箇所にボルト頭部又はナット収容用の貫通穴72が形成されている。枠部7aの一方の面に石膏ボード7bを接合したものである。また、石膏ボード7bの縁には断面コ字形状をなす金属製の縁取り枠7cが固定されている。
【0016】
図4(a)は、スタッド5に間仕切りパネル7を装着した状態を示した断面図である。間仕切りパネル7は、軽角形鋼から成る枠部7aの一方の面に石膏ボード7bを接合したものである。また、石膏ボード7bの縁には金属製の縁取り枠7cが固定されている。スタッド5にはパネル受け具8が装着される。2枚の間仕切りパネル7はその枠部7a側を互いに向け合って(内側にして)配置され、前記パネル受け具8における突出部8bを挟み込む。そして、このパネル受け具8及び枠部7a及び石膏ボード7bを貫通してボルト9が設けられる。前記ボルト9にその両側からナット10・10が装着されることによって、2枚の間仕切りパネル7はスタッド5に連結・固定されることになる。また、横方向に並ぶ二枚の間仕切りパネル7・7については、その石膏ボード7bの縦縁が前記スタッド5の側面の略中央に位置するように配置される。
【0017】
前記パネル受け具8は、図4(b)に示すように、略T字形状を成す。フランジ部8aはスタッド5の側面に当接する部分であり、このフランジ部8aの上部と下部にはボルト挿通穴8cが形成されている。また、突出部8bには、前記ボルト9が挿通されるボルト挿通穴8dが形成されている。
【0018】
ボルト挿通穴8c・8cには、フランジ部8aを挟み込むようにボルト11とナット12とを装着させておく。スタッド5の四側面の上部と中央部と下部には、図5に示すように、2つの係合穴5cを上下に並べて形成した係合穴対が形成されている。2つの係合穴5cの間隔はボルト挿通穴8c・8cの間隔に対応する。係合穴5cは上部大径穴部と下部小幅穴部とが連結されてなる。上部大径穴部は前記ナット12を挿通させる大きさを有し、下部小幅穴部はボルト11のねじ部より幾分広い幅を有する。ナット12を上部大径穴部から通してスタッド5内に位置させた後に下方にずらしてボルト11のねじ部を下部小幅穴部に位置させる。この状態でボルト11をインパクトレンチ等で締め込むことで、パネル受け具8がスタッド5に固定されることになる。
【0019】
間仕切りパネル7の表面に壁紙を直貼りしてもよいが、この実施形態では、縁取り枠7cに面ファスナーの雄側シートを貼付し、裏面に面ファスナーの雌側が形成された壁紙(間仕切りパネル7の大きさに対応するようにロールものから切り出す)を貼り付けることとしている。また、この実施形態では、壁紙は二以上の間仕切りパネル7・7に跨がることのないように装着しているが、跨がるように貼り付けることを排除するものではない。また、壁紙の裏面に着磁層を形成し、鉄製とした縁取り枠7cに磁力にて装着するようにしてもよい。
【0020】
また、間仕切りパネル7の下辺と仕上げフロアー材4との間には、図示しない巾木を装着する。この巾木についても接着剤等で固定するのではなく、ねじ等で間仕切りパネル7やスタッド5に装着する。
【0021】
以上説明したように、かかる発明の間仕切りパネル7においては、枠部7aにおける縦部材の所定箇所にパネル面に直交する方向にボルト挿通穴71が形成されており、前記石膏ボード7bには前記ボルト挿通穴71に対応する箇所にボルト頭部又はナット収容用の貫通穴72が形成された構成である。いわば、通常の間仕切りパネルを半分割したごとき構成である。そして、かかる発明の間仕切りパネルの配置構造は、二枚の間仕切りパネル7が互いの枠部7a側を向かい合わせ、前記穴71,72に挿通させたボルト9、及びナット10にて間仕切りパネル7が連結される。二枚の間仕切りパネル7・7における石膏ボード7b・7b間には枠部7aの厚みの略2倍の空間が形成されることになり、この空間を利用することで配管や配線が容易に行なえることになる。
【0022】
また、間仕切りパネル7・7がボルト9及びナット10によって連結される構造であるから、解体に際して間仕切りパネル7が破損するといったことがなく、また、粉塵を発生するといったこともない。不要になった間仕切りパネル7については、そのままリユース(再活用)ができるし、廃棄するにしても、枠部7aと石膏ボード7bとの分別が容易に行なえることになる。
【0023】
なお、間仕切りパネル7は、二枚組で間仕切り壁を成すことになるが、一枚の間仕切りパネル7を用いて部屋内壁とすることができる。すなわち、図1に示しているように、外壁20の内側箇所にスタッド5を配置し、このスタッド5に一枚の間仕切りパネル7を固定するだけで部屋内壁を構成できる。間仕切りパネル7を間仕切り壁及び部屋内壁の両方に使用する兼用構成により、コストの削減も図れることになる。
【0024】
また、間仕切りパネル7は、図6(a)に示すように、開口(窓用或いは通路用等)を有した形態とすることもでき、また、図6(b)に示す収納家具21付きの構成、或いは、図6(c)に示す洗面器22付きの構成等、設備付きの間仕切りパネルとすることができる。間仕切りパネル7では、前述のごとく、配管や配線を施すことができるから(一枚構成で部屋内壁とする場合でも)、設備付きの間仕切りパネルにおいて、配管や配線を間仕切り壁内あるいは部屋内壁裏面に配置させる構成を採用することができる。
【0025】
また、ボルト11に替えて、図7(a)に示すように、ボルト11Aを用いてもよい。このボルト11Aは、首部に四角形部を有しており、この四角形部は係合穴5cの下部小幅穴部の幅に対応している。四角形部が下部小幅穴部に係合することで、ボルト11Aの空回りが防止できる。また、図7(b)に示すボルト11Bを用いてもよい。このボルト11Bを用いる場合には、その頭部がスタッド5内に位置するようにする。ボルト11Bの先端部には六角穴が形成されており、この六角穴にレンチを差し込むことで、ボルト11Aの空回りが防止できることになる。
【0026】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明の間仕切りパネルによれば、配管や配線が容易に行なえる。また、二枚の間仕切りパネルがボルトによって連結される構造であるから、解体に際して間仕切りパネルが破損するといったことがなく、また、粉塵を発生するといったこともない。不要になった間仕切りパネルについては、そのままリユース(再活用)ができるし、廃棄するにしても、枠体とパネル部との分別が容易に行なえるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態における間仕切りパネル及び間仕切りパネルの配置構造を示した斜視図である。
【図2】同図(a)はスタッドの上端部及び受け具を示した斜視図であり、同図(b)はスタッドの下端部及び受け具を示した断面図である。
【図3】間仕切りパネルを示した図であって、左部分は裏面側を示し、右部分は表面側を示した図である。
【図4】同図(a)はスタッドと間仕切りパネルとの連結構造を示した断面図であり、同図(b)は間仕切りパネルを留めるための受け具を示した斜視図である。
【図5】スタッドと間仕切りパネルとの連結構造を示した斜視図である。
【図6】同図(a)乃至(c)は、間仕切りパネルの変形例を示した斜視図である。
【図7】同図(a)及び(b)は、ボルトの変形例を示した斜視図である。
【符号の説明】
1 梁
2 床パネル
3 スタッド下側下側受け具
5 スタッド
6 スタッド上側受け具
7 間仕切りパネル

Claims (3)

  1. 枠体にパネル体を固定して成り、前記枠体における縦部材の所定箇所にはパネル面に直交する方向にボルト挿通穴が形成されており、前記パネル体には前記ボルト挿通穴に対応する箇所にボルト頭部又はナットの収容用の穴が形成されている間仕切りパネルを用い、
    二枚の間仕切りパネルが互いの枠体側を向かい合わせ、前記ボルト貫通穴に挿通させたボルトを用いて間仕切りパネルが連結された間仕切りパネルの配置構造において、
    部屋内に配置された支柱部材の側面から突出して設けられた連結部材を前記枠体の縦部材にて挟み込むようにして二枚の間仕切りパネルを配置し、前記連結部材に形成された貫通穴にも前記ボルトを挿通させることで、間仕切りパネルを前記連結部材に固定したことを特徴とする間仕切りパネルの配置構造。
  2. 請求項1に記載の間仕切りパネルの配置構造において、前記連結部材は前記支柱部材に着脱可能に設けられたことを特徴とする間仕切りパネルの配置構造。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の間仕切りパネルの配置構造において、前記間仕切りパネルにおけるパネル体の縦縁が前記支柱部材の側面の略中央に位置することを特徴とする間仕切りパネルの配置構造。
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