JPH067109A - 醗酵調味料類フレーバーの製法 - Google Patents
醗酵調味料類フレーバーの製法Info
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- JPH067109A JPH067109A JP3348467A JP34846791A JPH067109A JP H067109 A JPH067109 A JP H067109A JP 3348467 A JP3348467 A JP 3348467A JP 34846791 A JP34846791 A JP 34846791A JP H067109 A JPH067109 A JP H067109A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 醗酵調味料類の香気を亜臨界又は超臨界状態
の二酸化炭素で抽出し、嗜好性に優れた醗酵調味料類フ
レーバーを提供する。 【構成】 しょっつる、アンチョビーソース、ニョクマ
ム、ナムプラ等の醗酵調味料類を圧力50〜500kg
/cm2、温度約25〜約100℃の亜臨界もしくは超
臨界状態の二酸化炭素で抽出し、醗酵調味料類特有の香
気成分を変化させることなくそのままのバランスで採取
する。この新規な醗酵調味料類フレーバーは電子レンジ
調理用食品、調味料、ふりかけ、総菜類等の加工食品の
賦香に有用である。
の二酸化炭素で抽出し、嗜好性に優れた醗酵調味料類フ
レーバーを提供する。 【構成】 しょっつる、アンチョビーソース、ニョクマ
ム、ナムプラ等の醗酵調味料類を圧力50〜500kg
/cm2、温度約25〜約100℃の亜臨界もしくは超
臨界状態の二酸化炭素で抽出し、醗酵調味料類特有の香
気成分を変化させることなくそのままのバランスで採取
する。この新規な醗酵調味料類フレーバーは電子レンジ
調理用食品、調味料、ふりかけ、総菜類等の加工食品の
賦香に有用である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、飲食品類に嗜好性に富
んだ食欲をそそる醗酵調味料類のフレーバーを付与する
ことのできる新規な醗酵調味料類フレーバーの製法に関
する。更に詳しくは、本発明は、味噌、醤油、しょっつ
る、ニョクマム、ナムプラ等などの醗酵調味料類を亜臨
界又は超臨界状態の二酸化炭素によって抽出処理して得
られる新規な醗酵調味料類フレーバーの製法に関する。
んだ食欲をそそる醗酵調味料類のフレーバーを付与する
ことのできる新規な醗酵調味料類フレーバーの製法に関
する。更に詳しくは、本発明は、味噌、醤油、しょっつ
る、ニョクマム、ナムプラ等などの醗酵調味料類を亜臨
界又は超臨界状態の二酸化炭素によって抽出処理して得
られる新規な醗酵調味料類フレーバーの製法に関する。
【0002】
【従来の技術】醗酵調味料類には特有の醗酵風味があ
り、調味料などのフレーバーにアクセントをつける等の
目的で通常はそのままの形態で利用されている。一方、
例えば醗酵フレーバーの調合素材としては油性の香気成
分のみを分離採取したものが要求されている。従来、醤
油等の醸造調味料から香気成分を回収する方法として水
蒸気蒸留あるいは有機溶媒抽出法などが知られている。
しかしながら、水蒸気蒸留法によれば、該処理中の熱、
光、酸素等の因子によるフレーバーの劣化、油の酸化分
解によるオフフレーバーの生成等の不都合な変質、劣化
が避け難かった。また溶剤抽出法を採用した場合は、抽
出溶剤を除去する際に、香気成分の一部が揮散すること
も避け難く、従って得られるフレーバーは醗酵調味料類
本来の好ましい香気バランスを欠くという難点があり、
加えて残留溶剤も問題であった。更にこれらの方法によ
って採取されたフレーバーは、食品類に賦香するに足る
実用的な強度を有しないという重大な課題があった。
り、調味料などのフレーバーにアクセントをつける等の
目的で通常はそのままの形態で利用されている。一方、
例えば醗酵フレーバーの調合素材としては油性の香気成
分のみを分離採取したものが要求されている。従来、醤
油等の醸造調味料から香気成分を回収する方法として水
蒸気蒸留あるいは有機溶媒抽出法などが知られている。
しかしながら、水蒸気蒸留法によれば、該処理中の熱、
光、酸素等の因子によるフレーバーの劣化、油の酸化分
解によるオフフレーバーの生成等の不都合な変質、劣化
が避け難かった。また溶剤抽出法を採用した場合は、抽
出溶剤を除去する際に、香気成分の一部が揮散すること
も避け難く、従って得られるフレーバーは醗酵調味料類
本来の好ましい香気バランスを欠くという難点があり、
加えて残留溶剤も問題であった。更にこれらの方法によ
って採取されたフレーバーは、食品類に賦香するに足る
実用的な強度を有しないという重大な課題があった。
【0003】また、しばしば数十種類にも達することの
ある複数種の香料化合物を調合して醗酵調味料類様の香
味を有する調合香料組成物を得る試みもあり、ある程度
実用に供されている。このような調合香料組成物は、一
般に醗酵調味料類のフレーバー分析の結果に基づいて、
或いはそれに官能的修正を加えて、複数種の合成香味化
合物を調合することにより製造されるか、或いは前述の
エキス調製物、天然源動植物性可食材料の加水分解物や
蒸留物等に適宜複数種の合成香料化合物を添加するなど
して得られる調合香料組成物として利用されている。
ある複数種の香料化合物を調合して醗酵調味料類様の香
味を有する調合香料組成物を得る試みもあり、ある程度
実用に供されている。このような調合香料組成物は、一
般に醗酵調味料類のフレーバー分析の結果に基づいて、
或いはそれに官能的修正を加えて、複数種の合成香味化
合物を調合することにより製造されるか、或いは前述の
エキス調製物、天然源動植物性可食材料の加水分解物や
蒸留物等に適宜複数種の合成香料化合物を添加するなど
して得られる調合香料組成物として利用されている。
【0004】しかしながら、上記の如き調合香料組成物
は、前述のような醗酵調味料類そのものに比較してフレ
ーバーの強さが著しく大きく、少量を食品に添加すれば
十分であるという利点を有するが、反面醗酵調味料類の
香味にみられるような嗜好性に富んだ食欲をそそる且つ
デリケートで調和感の良くとれた丸みを有する香味を食
品に付与することは極めて困難であって、しばしば異質
感乃至違和感を伴った香味しか付与できない欠点があ
る。
は、前述のような醗酵調味料類そのものに比較してフレ
ーバーの強さが著しく大きく、少量を食品に添加すれば
十分であるという利点を有するが、反面醗酵調味料類の
香味にみられるような嗜好性に富んだ食欲をそそる且つ
デリケートで調和感の良くとれた丸みを有する香味を食
品に付与することは極めて困難であって、しばしば異質
感乃至違和感を伴った香味しか付与できない欠点があ
る。
【0005】一方、近年になってコーヒーからの脱カフ
ェイン、或いはホップエキス等の製造に超臨界状態のガ
スを用いて抽出することが実用化されている。また、例
えばバイオマス等の醗酵生成物を液化ガスで抽出する方
法及びその装置(特開昭60−66988号公報);糖
質原料をCO2の臨界圧力以上かつCO2の臨界温度以上
の雰囲気で発酵させて有機醗酵生成物を生産し、生産さ
れた生成物を醗酵糟内で超臨界状態のCO2抽剤で抽出
する工程と、生成物を抽出したCO2抽液を臨界圧力以
下に減圧してCO2とを分離するアルコール等の有機醗
酵生成物の生産、回収方法(特開昭62−115293
号公報)さらに酵素、薬品、食品等の醗酵生成物の醗酵
に伴う独特の臭気を液化炭酸ガスで抽出除去する醗酵生
産物の脱臭方法(特開昭61−227787号公報)等
が開示されている。
ェイン、或いはホップエキス等の製造に超臨界状態のガ
スを用いて抽出することが実用化されている。また、例
えばバイオマス等の醗酵生成物を液化ガスで抽出する方
法及びその装置(特開昭60−66988号公報);糖
質原料をCO2の臨界圧力以上かつCO2の臨界温度以上
の雰囲気で発酵させて有機醗酵生成物を生産し、生産さ
れた生成物を醗酵糟内で超臨界状態のCO2抽剤で抽出
する工程と、生成物を抽出したCO2抽液を臨界圧力以
下に減圧してCO2とを分離するアルコール等の有機醗
酵生成物の生産、回収方法(特開昭62−115293
号公報)さらに酵素、薬品、食品等の醗酵生成物の醗酵
に伴う独特の臭気を液化炭酸ガスで抽出除去する醗酵生
産物の脱臭方法(特開昭61−227787号公報)等
が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記した如く、醗酵調
味料類から有機溶媒抽出又は水蒸気蒸留などの従来法に
より得られるフレーバーは、醗酵調味料類本来の特徴的
な香気、嗜好性に欠け、更に加えて香味バランス、フレ
ーバーの強度、持続性にも欠ける難点があった。また、
醗酵生産物からアルコール、アセトン等の有用物質の回
収或いは生成物の脱臭等の抽剤に亜臨界もしくは超臨界
状態の二酸化炭素を利用することは知られているが、醗
酵調味料類から嗜好性の高いフレーバー成分を選択的に
バランスよく抽出し、これを着香料として利用しような
どということに関しては全く言及されたことはなく、ま
た示唆もされていない。
味料類から有機溶媒抽出又は水蒸気蒸留などの従来法に
より得られるフレーバーは、醗酵調味料類本来の特徴的
な香気、嗜好性に欠け、更に加えて香味バランス、フレ
ーバーの強度、持続性にも欠ける難点があった。また、
醗酵生産物からアルコール、アセトン等の有用物質の回
収或いは生成物の脱臭等の抽剤に亜臨界もしくは超臨界
状態の二酸化炭素を利用することは知られているが、醗
酵調味料類から嗜好性の高いフレーバー成分を選択的に
バランスよく抽出し、これを着香料として利用しような
どということに関しては全く言及されたことはなく、ま
た示唆もされていない。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の如き
従来方法に代えて、醗酵調味料類から亜臨界もしくは超
臨界状態の二酸化炭素を用いてフレーバー物質を抽出す
る方法を検討した。その結果、醗酵調味料類を亜臨界又
は超臨界状態の二酸化炭素によって抽出処理することに
よって、嗜好性に富み食欲をそそる且つデリケートで調
和のよくとれた極めて優れた且つユニークな持続性に富
んだ濃厚な醗酵調味料類フレーバーが製造できることを
発見した。従って、本発明の目的は極めて優れた且つユ
ニークな醗酵調味料類フレーバーを提供するにある。
従来方法に代えて、醗酵調味料類から亜臨界もしくは超
臨界状態の二酸化炭素を用いてフレーバー物質を抽出す
る方法を検討した。その結果、醗酵調味料類を亜臨界又
は超臨界状態の二酸化炭素によって抽出処理することに
よって、嗜好性に富み食欲をそそる且つデリケートで調
和のよくとれた極めて優れた且つユニークな持続性に富
んだ濃厚な醗酵調味料類フレーバーが製造できることを
発見した。従って、本発明の目的は極めて優れた且つユ
ニークな醗酵調味料類フレーバーを提供するにある。
【0008】本発明で利用することのできる醗酵調味料
類の代表的なものとしては、例えば秋田のしょっつる、
能登のいしり、さらに外国ではベトナムやカンボジアの
ニョクマム、タイのナムプラ、フィリピンのパティス、
中国の魚露、ヨーロッパで利用されるアンチョビーソー
ス等を挙げることができる。
類の代表的なものとしては、例えば秋田のしょっつる、
能登のいしり、さらに外国ではベトナムやカンボジアの
ニョクマム、タイのナムプラ、フィリピンのパティス、
中国の魚露、ヨーロッパで利用されるアンチョビーソー
ス等を挙げることができる。
【0009】また日本国内で製造されるイカ塩辛、カツ
オ塩辛、このわた、うるか等の塩辛類の他、韓国のジョ
ッカル、タイのカピ、インドネシアのトラシ、マレーシ
アのプラチャン等の動物材料醗酵調味料類を挙げること
ができる。
オ塩辛、このわた、うるか等の塩辛類の他、韓国のジョ
ッカル、タイのカピ、インドネシアのトラシ、マレーシ
アのプラチャン等の動物材料醗酵調味料類を挙げること
ができる。
【0010】また、我が国において広く利用されている
米味噌、麦味噌、豆味等の味噌類、濃口醤油、薄口醤
油、たまり醤油、白醤油等の醤油類;穀物酢、米酢、果
実酢等の食酢類等の植物材料醗酵調味料類を挙げること
ができる。その他にトーバンジャン、コチジャン、トラ
シイカン、ナピ等のそれぞれの民族、地方に伝統的な醗
酵調味料類を挙げることができる。
米味噌、麦味噌、豆味等の味噌類、濃口醤油、薄口醤
油、たまり醤油、白醤油等の醤油類;穀物酢、米酢、果
実酢等の食酢類等の植物材料醗酵調味料類を挙げること
ができる。その他にトーバンジャン、コチジャン、トラ
シイカン、ナピ等のそれぞれの民族、地方に伝統的な醗
酵調味料類を挙げることができる。
【0011】本発明の醗酵調味料類には、さらに野菜
類、根菜類、果実類等をそのまま或いは各種の香辛料を
加えて作られる塩漬、酢漬、味噌漬、糠漬、粕漬、醤油
漬、奈良漬等の漬物類;例えば、沢庵漬、ザウエルクラ
ウト、ピクルス、キムチ、ザーサイ、メンマ等の各種の
漬物類も包含することができる。
類、根菜類、果実類等をそのまま或いは各種の香辛料を
加えて作られる塩漬、酢漬、味噌漬、糠漬、粕漬、醤油
漬、奈良漬等の漬物類;例えば、沢庵漬、ザウエルクラ
ウト、ピクルス、キムチ、ザーサイ、メンマ等の各種の
漬物類も包含することができる。
【0012】本発明においては上記の如き醗酵調味料類
を1種でも複数種でも、適宜に組み合わせて利用するこ
とができる。
を1種でも複数種でも、適宜に組み合わせて利用するこ
とができる。
【0013】本発明における亜臨界もしくは超臨界状態
の二酸化炭素とは、臨界温度(31.0℃)及び臨界圧
力(72.9atm)付近或いはそれを超える流体である。
本発明の醗酵調味料類香気成分抽出プロセスにおける抽
出塔内の二酸化炭素は、使用する醗酵調味料類の種類に
もよるが、一般的には、圧力約50〜500kg/cm
2、好ましくは、約60〜約300kg/cm2、同じく
抽出温度約25〜約150℃、好ましくは、約25〜約
100℃程度の範囲から選ばれた亜臨界もしくは超臨界
状態の二酸化炭素で実施される。
の二酸化炭素とは、臨界温度(31.0℃)及び臨界圧
力(72.9atm)付近或いはそれを超える流体である。
本発明の醗酵調味料類香気成分抽出プロセスにおける抽
出塔内の二酸化炭素は、使用する醗酵調味料類の種類に
もよるが、一般的には、圧力約50〜500kg/cm
2、好ましくは、約60〜約300kg/cm2、同じく
抽出温度約25〜約150℃、好ましくは、約25〜約
100℃程度の範囲から選ばれた亜臨界もしくは超臨界
状態の二酸化炭素で実施される。
【0014】本発明においては、上記のごとき亜臨界又
は超臨界状態の二酸化炭素抽出の際に、抽出助剤として
水及び/又はアルコール類を添加することができる。か
かるアルコール類としては、例えばメタノール、エタノ
ール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコー
ル、ブタノール、2−ブタノール、t−ブタノール等の
1価アルコール類;エチレングリコール、プロピレング
リコール、グリセリン、ソルビット、マルチット、キシ
リット、1,3−ブチレングリコール、1,2−ブチレ
ングリコール等のごとき多価アルコール類を例示するこ
とができる。これらのアルコール類は、単独もしくは任
意の混合物として利用することもできる。これらのアル
コール類の中で、特にエタノール、グリセリン及びこれ
らの任意の混合物をより好ましく例示することができ
る。
は超臨界状態の二酸化炭素抽出の際に、抽出助剤として
水及び/又はアルコール類を添加することができる。か
かるアルコール類としては、例えばメタノール、エタノ
ール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコー
ル、ブタノール、2−ブタノール、t−ブタノール等の
1価アルコール類;エチレングリコール、プロピレング
リコール、グリセリン、ソルビット、マルチット、キシ
リット、1,3−ブチレングリコール、1,2−ブチレ
ングリコール等のごとき多価アルコール類を例示するこ
とができる。これらのアルコール類は、単独もしくは任
意の混合物として利用することもできる。これらのアル
コール類の中で、特にエタノール、グリセリン及びこれ
らの任意の混合物をより好ましく例示することができ
る。
【0015】特に好ましい態様としては、水及びエタノ
ール及び/又はグリセリン、プロピレングリコールの組
み合わせがあげられる。この場合には得られたフレーバ
ーから上記溶媒を分離することなくそのまま各用途に供
することができ、分離時におけるフレーバーの散逸、風
味の変化などのトラブルが回避できる利点がある。
ール及び/又はグリセリン、プロピレングリコールの組
み合わせがあげられる。この場合には得られたフレーバ
ーから上記溶媒を分離することなくそのまま各用途に供
することができ、分離時におけるフレーバーの散逸、風
味の変化などのトラブルが回避できる利点がある。
【0016】上述の二酸化炭素抽出の際に添加する水或
いはアルコール類の使用量は、前記醗酵調味料類の種類
にもよるが、一般的には使用する醗酵調味料類に対して
約0.1〜1000重量%程度、好ましくは約1〜10
0重量%程度の範囲が挙げられる。また水とアルコール
類の混合物系で使用する場合の水とアルコール類との混
合割合は、使用する原料により任意に選択すればよい
が、通常は、水:アルコール=5:95〜70:30程
度の範囲がしばしば採用される。更にこれらの混合系の
溶媒の使用量は、上述の水或いはアルコール類の使用量
と同程度の範囲で使用される。
いはアルコール類の使用量は、前記醗酵調味料類の種類
にもよるが、一般的には使用する醗酵調味料類に対して
約0.1〜1000重量%程度、好ましくは約1〜10
0重量%程度の範囲が挙げられる。また水とアルコール
類の混合物系で使用する場合の水とアルコール類との混
合割合は、使用する原料により任意に選択すればよい
が、通常は、水:アルコール=5:95〜70:30程
度の範囲がしばしば採用される。更にこれらの混合系の
溶媒の使用量は、上述の水或いはアルコール類の使用量
と同程度の範囲で使用される。
【0017】以下、本発明の醗酵調味料類から濃厚な香
気成分を抽出する際の実施態様をさらに詳しく説明す
る。
気成分を抽出する際の実施態様をさらに詳しく説明す
る。
【0018】二酸化炭素は圧縮機を用いて、所定の圧力
まで圧縮し熱交換器を通して所定の温度にし、亜臨界も
しくは超臨界状態にして抽出塔へ導入する。抽出塔に
は,あらかじめ原料の醗酵調味料類と必要に応じて所定
の水及び/又はアルコール類を仕込んでおく。香気成分
を含有した二酸化炭素相を減圧弁を通して減圧し、セパ
レーターに導き、抽出物を二酸化炭素から分離する。使
用した水或いはアルコール類の一部はセパレーターの中
に留まるが、これらを分離することなくそのまま各種用
途に使用しても良いし或いは所望により一般的な方法で
分離して使用してもよい。二酸化炭素と抽出物の分離は
上記減圧法の他、例えば、温度変化法によってもよく、
また抽出塔を2系列として半連続的操作で行うこともで
きる。
まで圧縮し熱交換器を通して所定の温度にし、亜臨界も
しくは超臨界状態にして抽出塔へ導入する。抽出塔に
は,あらかじめ原料の醗酵調味料類と必要に応じて所定
の水及び/又はアルコール類を仕込んでおく。香気成分
を含有した二酸化炭素相を減圧弁を通して減圧し、セパ
レーターに導き、抽出物を二酸化炭素から分離する。使
用した水或いはアルコール類の一部はセパレーターの中
に留まるが、これらを分離することなくそのまま各種用
途に使用しても良いし或いは所望により一般的な方法で
分離して使用してもよい。二酸化炭素と抽出物の分離は
上記減圧法の他、例えば、温度変化法によってもよく、
また抽出塔を2系列として半連続的操作で行うこともで
きる。
【0019】このプロセスでは、一般的には初期抽出物
として軽質の香味成分を含有する部分が多く抽出される
ので、まずこの部分を所定量分離した後重質の香味成分
を含有する部分を分割抽出することも可能である。これ
ら任意の部分に分割して得られる抽出物は、そのまま単
独で使用しても良く、又任意の割合に混合して使用する
こともできる。
として軽質の香味成分を含有する部分が多く抽出される
ので、まずこの部分を所定量分離した後重質の香味成分
を含有する部分を分割抽出することも可能である。これ
ら任意の部分に分割して得られる抽出物は、そのまま単
独で使用しても良く、又任意の割合に混合して使用する
こともできる。
【0020】上記のごとくして得られた醗酵調味料類フ
レーバーに、所望により、糖類、デキストリン、サイク
ロデキストリン、澱粉、アラビアガム、ゼラチン、カゼ
イン、植物蛋白質及びこれらの混合物の如き任意の賦形
剤を添加することができ、かかる賦形剤を含有した醗酵
調味料類フレーバーを、例えば、ホモジナイザーを用い
て均質化処理して、乳状液として利用することができ、
更に該乳状液を噴霧乾燥、凍結乾燥のごとき任意の乾燥
手段により、粉末もしくは顆粒状とすることもできる。
レーバーに、所望により、糖類、デキストリン、サイク
ロデキストリン、澱粉、アラビアガム、ゼラチン、カゼ
イン、植物蛋白質及びこれらの混合物の如き任意の賦形
剤を添加することができ、かかる賦形剤を含有した醗酵
調味料類フレーバーを、例えば、ホモジナイザーを用い
て均質化処理して、乳状液として利用することができ、
更に該乳状液を噴霧乾燥、凍結乾燥のごとき任意の乾燥
手段により、粉末もしくは顆粒状とすることもできる。
【0021】また、上記の如くして得られる醗酵調味料
類フレーバーに、所望により他の動植物エキス、例えば
各種ハーブエキス、野菜エキス、カツオエキス、チキン
エキス等を配合することもでき、これらのエキスは溶媒
抽出によるものでも超臨界状態の二酸化炭素による抽出
物でもよい。更に本発明によって得られる醗酵調味料類
フレーバーに天然又は合成香料化合物を用いて調合した
同質又は異種の香気特性を有する調合香料を添加配合
し、更に特徴のある新規な香料組成物を調製することも
できる。
類フレーバーに、所望により他の動植物エキス、例えば
各種ハーブエキス、野菜エキス、カツオエキス、チキン
エキス等を配合することもでき、これらのエキスは溶媒
抽出によるものでも超臨界状態の二酸化炭素による抽出
物でもよい。更に本発明によって得られる醗酵調味料類
フレーバーに天然又は合成香料化合物を用いて調合した
同質又は異種の香気特性を有する調合香料を添加配合
し、更に特徴のある新規な香料組成物を調製することも
できる。
【0022】本発明よって得られる醗酵調味料類フレー
バーは、例えば、風味調味料、たれ類、液体調味料等の
調味料類;ふりかけ類、スープ類、調理食品、総菜類、
スナック類及び珍味類などの広い分野において利用する
ことができる。これらの飲食品又は調味料に対する配合
量としては、約0.0001〜約10重量%、好ましく
は、約0.005〜約2重量%の如き配合量を例示する
ことができる。
バーは、例えば、風味調味料、たれ類、液体調味料等の
調味料類;ふりかけ類、スープ類、調理食品、総菜類、
スナック類及び珍味類などの広い分野において利用する
ことができる。これらの飲食品又は調味料に対する配合
量としては、約0.0001〜約10重量%、好ましく
は、約0.005〜約2重量%の如き配合量を例示する
ことができる。
【0023】以下実施例により本発明の態様を更に詳し
く説明する。
く説明する。
【0024】
【実施例1】しょっつる1kgを内容量5リットルの抽
出塔に充填し、抽出温度40℃、圧力250kg/cm
2の二酸化炭素を用いて4時間抽出し、抽出ガスをセパ
レーターに導き40kg/cm2に減圧して抽出物を得
た。水層部を分離し4gの魚醤油フレーバーを得た(本
発明品1)。
出塔に充填し、抽出温度40℃、圧力250kg/cm
2の二酸化炭素を用いて4時間抽出し、抽出ガスをセパ
レーターに導き40kg/cm2に減圧して抽出物を得
た。水層部を分離し4gの魚醤油フレーバーを得た(本
発明品1)。
【0025】
【比較例1】実施例1において、二酸化炭素に代えてn
−ペンタン3kgを用いて抽出し、溶媒を回収して7g
の抽出物を得た(比較品1)。
−ペンタン3kgを用いて抽出し、溶媒を回収して7g
の抽出物を得た(比較品1)。
【0026】本発明品1と比較品1をそれぞれ菜種油に
て1000倍に希釈し、10名の官能検査員によって香
味を官能評価した結果、全員が比較品1に比べて本発明
品1の方がしょっつる特有の濃厚な風味が数倍強く、芳
醇で持続性に優れ調和のとれた香味を有していることを
認めた。
て1000倍に希釈し、10名の官能検査員によって香
味を官能評価した結果、全員が比較品1に比べて本発明
品1の方がしょっつる特有の濃厚な風味が数倍強く、芳
醇で持続性に優れ調和のとれた香味を有していることを
認めた。
【0027】
【実施例2】カツオ塩辛1kgを抽出塔に仕込み、抽出
温度40℃、圧力100kg/cm2の二酸化炭素を用い
て抽出し、分離塔内の温度35℃、圧力50kg/cm
2 の条件でフレーバー部分を分離し6gの抽出物を得た
(本発明品2)。得られた抽出物を10名の官能検査員
によって香味を官能評価した結果、本発明品2はカツオ
塩辛そのままの好ましい塩辛感、醗酵香気を有し、著し
く旨みとコク味があり、しかも濃厚でよく調和のとれた
優れたカツオ塩辛香味を有していることを認めた。
温度40℃、圧力100kg/cm2の二酸化炭素を用い
て抽出し、分離塔内の温度35℃、圧力50kg/cm
2 の条件でフレーバー部分を分離し6gの抽出物を得た
(本発明品2)。得られた抽出物を10名の官能検査員
によって香味を官能評価した結果、本発明品2はカツオ
塩辛そのままの好ましい塩辛感、醗酵香気を有し、著し
く旨みとコク味があり、しかも濃厚でよく調和のとれた
優れたカツオ塩辛香味を有していることを認めた。
【0028】
【実施例3】トーバンジャン500gをグリセリン50
g及び水100gと共に抽出塔に仕込み、抽出温度35
℃、圧力100kg/cm2 の二酸化炭素を用いて抽出
し、分離塔内の圧力を40kg/cm2 にして抽出物を
分離し、水層部を除去して8gの抽出物を得た。このも
のは従来品の有機溶媒による抽出物に比べ、著しく先立
ちの醗酵臭が強くコク味、丸味があり、しかも調和のと
れた良質なトーバンジャン特有の好ましい香味を示し、
優れた持続性を有していた。
g及び水100gと共に抽出塔に仕込み、抽出温度35
℃、圧力100kg/cm2 の二酸化炭素を用いて抽出
し、分離塔内の圧力を40kg/cm2 にして抽出物を
分離し、水層部を除去して8gの抽出物を得た。このも
のは従来品の有機溶媒による抽出物に比べ、著しく先立
ちの醗酵臭が強くコク味、丸味があり、しかも調和のと
れた良質なトーバンジャン特有の好ましい香味を示し、
優れた持続性を有していた。
【0029】
【実施例4】信州味噌500gを抽出温度25℃、圧力
150kg/cm2の二酸化炭素を用いて抽出し、抽出
ガスを分離塔に導き、温度25℃、圧力40kg/cm
2に下げて抽出物を分離し、水層部を除去して6gの抽
出物を得た。この抽出物は米味噌の香味をよく再現して
おりかつ香味に旨さとこく味をもつことが認められた。
150kg/cm2の二酸化炭素を用いて抽出し、抽出
ガスを分離塔に導き、温度25℃、圧力40kg/cm
2に下げて抽出物を分離し、水層部を除去して6gの抽
出物を得た。この抽出物は米味噌の香味をよく再現して
おりかつ香味に旨さとこく味をもつことが認められた。
【0030】
【実施例5】たまり醤油1kgを抽出温度35℃、圧力
200kg/cm2の二酸化炭素を用いて抽出し、分離
塔内の温度35℃、圧力40kg/cm2として抽出物
を分離し、水層部を除去して4gの抽出物を得た。この
抽出物を30重量%のアラビアガム水溶液240gを用
いて均質に乳化した後真空乾燥して醤油フレーバーパウ
ダー75gを得た。この醤油フレーバーパウダーを市販
の醤油ラーメンに0.5%添加し、10名の官能検査員
によって香味を官能評価した結果、全員が本発明品を添
加したものの方が無添加の市販品に比べ醤油特有の醸造
様香気が強く、また醤油特有の旨味のある風味が格段に
強く嗜好性が顕著に改善されていると判定した。
200kg/cm2の二酸化炭素を用いて抽出し、分離
塔内の温度35℃、圧力40kg/cm2として抽出物
を分離し、水層部を除去して4gの抽出物を得た。この
抽出物を30重量%のアラビアガム水溶液240gを用
いて均質に乳化した後真空乾燥して醤油フレーバーパウ
ダー75gを得た。この醤油フレーバーパウダーを市販
の醤油ラーメンに0.5%添加し、10名の官能検査員
によって香味を官能評価した結果、全員が本発明品を添
加したものの方が無添加の市販品に比べ醤油特有の醸造
様香気が強く、また醤油特有の旨味のある風味が格段に
強く嗜好性が顕著に改善されていると判定した。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、醗酵調味料類を亜臨界
または超臨界状態の二酸化炭素で抽出処理することによ
って、従来の水蒸気蒸留または有機溶媒抽出によって得
られる醗酵調味料類フレーバーとは比較にならない優れ
た醗酵調味料類の香気をそのままに採取することができ
る。
または超臨界状態の二酸化炭素で抽出処理することによ
って、従来の水蒸気蒸留または有機溶媒抽出によって得
られる醗酵調味料類フレーバーとは比較にならない優れ
た醗酵調味料類の香気をそのままに採取することができ
る。
Claims (1)
- 【請求項1】 醗酵調味料類を亜臨界又は超臨界状態の
二酸化炭素で抽出することを特徴とする醗酵調味料類フ
レーバーの製法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3348467A JPH067109A (ja) | 1991-12-05 | 1991-12-05 | 醗酵調味料類フレーバーの製法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3348467A JPH067109A (ja) | 1991-12-05 | 1991-12-05 | 醗酵調味料類フレーバーの製法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH067109A true JPH067109A (ja) | 1994-01-18 |
Family
ID=18397208
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3348467A Pending JPH067109A (ja) | 1991-12-05 | 1991-12-05 | 醗酵調味料類フレーバーの製法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH067109A (ja) |
-
1991
- 1991-12-05 JP JP3348467A patent/JPH067109A/ja active Pending
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