JPH0670804B2 - 有料道路の料金収受用端末機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、有料道路の通行料金に対するキャッシュレス
システムに使用して好適な有料道路の料金収受用端末機
に関する。

［従来の技術］ 一般に、多区間の有料道路における通行料金収受システ
ムには、磁気カードを利用した料金収受システムが採用
されている。この磁気カード方式は、料金所入口および
料金所出口に通行券処理機を設置して、料金所入口の料
金収受員は上記通行券処理機から入口料金所情報および
車種情報などが記録された通行券を発行して有料道路利
用者に手渡し、料金所出口の料金収受員は有料道路利用
者から上記通行券を受け取って通行券処理機に挿入す
る。そうすると、この通行券処理機により通行券に記録
された情報と出口料金所情報とから当該車両の通行料金
が算出されるので、利用者はこの料金を現金で支払うも
のとなっている。

しかるに、この磁気カード方式では有料道路利用者は現
金を持参しなければならない上、料金所入口および出口
にて必ず一旦停車しなければならず、交通渋滞の原因に
なっていた。また、有料道路企業体側にとっても料金所
入口および出口に料金収受員を配置しなければならず、
省人化の妨げになっていた。

そこで、通行料金のキャッシュレス化，および料金所入
口，出口の無人化をはかり得、かつノンストップで通行
可能な有料道路の料金収受システムとして、AVI（Autom
atic Vehicle Identification）方式が提案されてい
る。このAVI方式は、有料道路利用者の車両に車載機を
搭載し、かつ有料道路の出入口あるいは所定位置に上記
車載機からの無線情報を読取り可能な路上機を設置し、
上記車載機を搭載した車両が路上機を設置した有料道路
上を走行したならば、路上機により車載機からの情報を
読取ってセンタにて料金収受処理を行ない、通行料金は
後日徴収するようにしたものである。

一方、最近では銀行カード，クレジットカードなどの各
種キャッシュレスカードが普及しており、これらカード
を用いてキャッスレスで物品の購入ができるようになっ
ている。この場合、カード利用者は物品購入時にカード
を販売員に手渡し、販売員はカードをカードリータにか
けて料金収受処理を行ない、後日銀行などから販売金額
を徴収する。

［発明が解決しようとする問題点］ そこで、本出願人は、上述した商品取引におけるキャッ
シュレスシステムをAVI方式による有料道路の料金収受
システムに適用した発明を既に提案済である［特願昭59
−197970号（特開昭61−75989号公報参照）］。

しかしながら、この従来提案のものは、キャッシュレス
カードとして磁気カードを用いたものであった。このた
め、磁気カードはIC（集積回路）が組み込まれたICカー
ドに比べてセキュリティ性が低いので、これを高めるた
めには車両に搭載される料金収受用端末機で免許証の情
報を読取り、この免許証情報により路上機側で本人照合
を行う等の付加機能が必要であった。また、磁気カード
はICカードに比べて情報記憶容量が小さいので、通行料
金の履歴情報は前記料金収受用端末機に内蔵された使用
履歴一時記憶回路で記憶していた。このため、料金収受
用端末機は履歴情報を印書するための印書装置も備えて
いた。

本発明はこのような事情に基いてなされたものであり、
その目的とするところは、キャッシュレスカードとして
機能するICカードを使用して有料道路の通行料金をノン
ストップで別納処理できる有料道路の料金収受用端末機
を提供することにある。

［問題点を解決するための手段］ 本発明は、通行料金をキャッシュレスカードにより別納
処理するようにした有料道路を通行する車両に搭載され
る有料道路の料金収受用端末機において、キャッシュレ
スカードとして機能するICカードが着脱自在に挿着され
るICカード挿着部と、このICカード挿着部に挿着された
ICカードに記録されている情報を読取るカード情報読取
り手段と、通行料金の計算に必要な情報を記憶する情報
記憶手段と、この情報記憶手段により記憶された情報と
カード情報読取り手段により読取られたICカード情報と
を有料道路上の所定位置に設置された路上機に無線送信
し、かつ上記路上機から無線伝送される料金収受情報を
受信する無線通信手段と、この無線通信手段により受信
した料金収受情報をICカード挿着部に挿着されているIC
カードに送出するカード書込み手段とを備えたものであ
る。

［作用］ このような構成の有料道路の料金収受用端末機であれ
ば、キャッシュレスカードとして機能するICカードを用
いて有料道路の通行料金の別納処理が可能となる。従っ
て、セキュリティー性を高めるための付加機能が不要で
ある。

また、通行料金の履歴情報は着脱自在のICカードに送出
されてICカード内のメモリに書込まれる。従って、ICカ
ード内の履歴情報を別置きの印書装置でプリントアウト
することが可能となり、端末機自体に印書装置を接続す
る必要もない。

［実施例］ 第１図（ａ）（ｂ）は本発明の一実施例である料金収受
用端末機10の外観構成を示す正面図および側面図であ
る。端末機本体11の表面には表示部12とキーパッド13と
が設けられており、上面にはカード挿入口14が形成さ
れ、裏面内部には送受信アンテナ15が内蔵されている。
表示部12は有料道路の出入口あるいはその途中に設置さ
れている路上機から受信した情報および上記路上機へ送
信すべき情報を表示するものである。キーパッド13は０
〜９までのテンキーおよび各種ファンクションキーから
なり、利用者固有の暗証番号を入力するものである。カ
ード挿入口14は銀行カード，クレジットカードなどのキ
ャッシュレスカードとして使用されるICカードが挿入可
能となっている。送受信アンテナ15は端末機10と前記路
上機との間で無線通信手段によりデータ伝送を行なうた
めのアンテナである。

第２図は上記端末機10の内部構成を示す側面図である。
図中21はカード奥当り部であって、図示しないバネの作
用によりカード挿入方向（図中矢印Ａ方向）に引張られ
ており、手動でカード挿入口14からICカード22を挿入す
るとカード22が当接し、上記カード22とともに内部に押
込まれる。奥当りセンサ23は上記カード奥当り部21の位
置情報からICカード22の挿入を検知するものであって、
このセンサ23によりカード挿入が検知される位置までIC
カード22を挿入すると、電極24がICカード22の電極部と
接触するものとなっている。また、このとき、ロック機
構25の爪が上部に移動してカードの排出を抑制し、ICカ
ード22は本体11の内部に挿着される。なお、挿着された
ICカード22は図示しないロック解除機構を作動させるこ
とによりロック機構25が解除されてカード挿入口14から
外部へ排出されるようになっている。ここに、前記カー
ド挿入口14,カード奥当り部21,奥当りセンサ23,ロック
機構25及びロック解除機構はICカード22が着脱自在に挿
着されるICカード挿着部を構成する。

26は端末機10の主制御部である。

第３図は本実施例における制御ブロック図である。端末
機10と前記ICカード装着部に装着されたICカード22との
間は接点部31にて接続され、データ授受および電源供給
が行なわれる。切換回路32は、前記送受信アンテナ15の
送信動作または受信動作を切換制御するものであり、前
記送受信アンテナ15にて受信された路上機からの信号は
切換回路32を介して増幅回路33にて増幅され、復調回路
34にて復調された後、送受信制御回路35に与えられる。
送受信制御回路35は路上機からの信号をCPU36に送信す
る機能と、CPU36からの信号を送受信アンテナ15に送信
する機能とを有するものであり、この送受信制御回路36
から送信されたCPU36からの信号は、変調回路37にて変
調され、増幅回路38にて増幅された後、前記切換回路32
を介して送受信アンテナ15から路上機へ送信される。前
記CPU36は端末機10とICカード22間および端末機10と路
上機間とのデータのやりとりを制御するものであり、端
末機10から路上機への送信データ、および路上機から端
末機10への受信データはメモリ39にて一時記憶される。
40は読込み・書込み制御回路であって、ICカード22から
の情報を前記CPU36に取込む機能と、端末機10からの情
報をメモリ39から読出してCPU36を介してICカード22に
送出する機能とを有する。41は端末機10およびICカード
22の駆動電源となる電池である。

一方、ICカード22は通常のものであり、CPU42,メモリ43
および端末機10とのデータ送受信を行なう送受信インタ
ーフェース44から構成されている。

次に、本実施例の端末機10が搭載した車両が出入口に路
上機の設置された有料道路を通行する場合の動作につい
て説明する。有料道路利用者は有料道路に進入する前に
ICカード挿入口14からICカード22を挿入する。そして、
奥当りセンサ23によりカード挿入が検知されるまでICカ
ード22を挿入すると、電極24とICカード22の電極部とが
接触して電気的に通電状態となり、相互間のデータのや
りとりが可能となる。また、ロック機構25によってカー
ド排出が抑制される。

この状態で、有料道路利用者はキーパッド13から利用者
固有の暗証番号を入力する。そうすると、この暗証番号
情報はCPU36の制御によりメモリ39の所定領域に一時記
憶される。その後、当該車両が有料道路の料金所入口に
進入すると、路上機から問合せ信号が端末機10に与えら
れ、この問合せ信号に応じて端末機10からはICカード情
報と暗証番号情報とが路上機に送信される。すなわち、
ICカード22のメモリ43に格納されているICカード情報は
CPU42の作用により送受信インタフェース44,接点部31,
読込み・書込み制御回路40を介して端末機10のCPU36に
取り込まれ、さらに、送受信制御回路35を介して変調回
路37にて変調され、増幅回路38にて増幅された後、切換
回路32の作用により送受信アンテナ15から路上機へ送信
される。また、端末機10のメモリ39に一時記憶された暗
証番号情報は前記CPU36の作用により読出され、以後上
記と同様にして送受信アンテナ15から送信される。

路上機においては、端末機10から受信した暗証番号情報
およびICカード情報を比較検討して本ICカード22が正当
なものであるか否かを判断し、正当なものである場合に
は、路上機情報（入口料金所番号など）を端末機10に送
信する。この路上機情報は送受信アンテナ15にて受信さ
れ、切換回路32を介して増幅回路33にて増幅され、復調
回路34にて復調された後、送受信制御回路35の作用によ
りCPU36に取り込まれる。そして、この路上機情報は上
記CPU36の作用によりメモリ39の所定領域に書込まれ
る。

その後、当該車両が料金所出口に差掛かると、路上機か
らの問合せ信号に応じて端末機10からはメモリ39に記憶
されている料金所入口番号情報と車種情報とがCPU36の
作用により送受信アンテナ15から送信される。そうする
と、路上機は車種情報および料金所出入口番号から通行
料金を算出し、料金情報を銀行，クレジット会社などの
当該ICカード22が所属する企業体のセンタに送信する。
また、上記料金情報は前記本体11にも送信され、必要に
応じてCPU36の作用により表示部12に表示される。

なお、有料道路利用者がICカード22を用いて預金の引出
しあるいは物品の購入等を行なう場合には、本体11から
ICカード22を抜き取って使用すればよい。

このように、本実施例によれば、キャッシュレスカード
として使用されるICカード22を用いて有料道路の通行料
金をキャッシュレスで支払うことができる。従って、IC
カード22は磁気カードに比べてセキュリティー性が高い
ので、当該端末機10で免許証の情報を読取り、この免許
証情報により路上機側で本人照合を行う等の付加機能を
不要にできる。また、ICカード22は磁気カードに比べて
情報記憶容量が大きいので、通行料金の履歴情報を記録
することができる。このため、この使用履歴が記録され
たICカード22を端末機10から抜取って別置きの印書装置
に挿着し、カード上の使用履歴情報をプリントアウトす
ることが可能であり、当該端末機10に履歴情報を印書す
るための専用の印書装置を搭載する必要がなくなる。

なお、ICカード内蔵のメモリに予め金額と通行区間とを
設定することで区間回数券として使用するようにしたIC
カードに対しても、本発明の料金収受端末機を使用でき
るのは言うまでもないことである。

［発明の効果］ 以上詳述したように、本発明によれば、キャッシュレス
カードとして機能するICカードを使用して有料道路の通
行料金をノンストップで別納処理することができ、従っ
てセキュリティー性を高めるための付加機能や通行料金
の履歴情報を打ち出すための専用の印書装置を不要にで
き、磁気カードを使用するものに比べて低コスト化及び
小型・軽量化を図り得る有料道路の料金収受用末端機を
提供できる。

【図面の簡単な説明】

第１図（ａ）（ｂ）ないし第３図は本発明の一実施例を
示す図であって、第１図（ａ）（ｂ）は外観構成を示す
正面図および側面図、第２図は内部構成を示す側面図、
第３図は制御ブロック構成を示す系統図である。 11……端末機本体、12……表示部、13……キーパッド、
14……カード挿入口、15……送受信アンテナ、21……カ
ード奥当り部、22……ICカード、23……奥当りセンサ、
24……電極、25……ロック機構、26……主制御部、36,4
2……CPU、39,43……メモリ。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−75989（ＪＰ，Ａ) 特開 昭58−62784（ＪＰ，Ａ) 特開 昭60−218189（ＪＰ，Ａ) 特開 昭60−256889（ＪＰ，Ａ) 特開 昭62−44898（ＪＰ，Ａ) 特開 昭62−42292（ＪＰ，Ａ) 特開 昭61−270195（ＪＰ，Ａ)

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】通行料金をキャッシュレスカードにより別
   納処理するようにした有料道路を通行する車両に搭載さ
   れる有料道路の料金収受用端末機において、 前記キャッシュレスカードとして機能するICカードが着
   脱自在に挿着されるICカード挿着部と、このICカード挿
   着部に挿着された前記ICカードに記録されている情報を
   読取るカード情報読取り手段と、前記通行料金の計算に
   必要な情報を記憶する情報記憶手段と、この情報記憶手
   段により記憶された情報と前記カード情報読取り手段に
   より読取られたICカード情報とを前記有料道路上の所定
   位置に設置された路上機に無線送信し、かつ上記路上機
   から無線伝送される料金収受情報を受信する無線通信手
   段と、この無線通信手段により受信した料金収受情報を
   前記ICカード挿着部に挿着されているICカードに送出す
   るカード書込み手段とを具備したことを特徴とする有料
   道路の料金収受用端末機。