JPH0670189B2 - 着色樹脂の水性分散体 - Google Patents

着色樹脂の水性分散体

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JPH0670189B2
JPH0670189B2 JP10918690A JP10918690A JPH0670189B2 JP H0670189 B2 JPH0670189 B2 JP H0670189B2 JP 10918690 A JP10918690 A JP 10918690A JP 10918690 A JP10918690 A JP 10918690A JP H0670189 B2 JPH0670189 B2 JP H0670189B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は着色樹脂の水性分散体に関する。さらに詳しく
は、建材、捺染、印刷用インキ、筆記具用インキなどに
好適に使用しうる着色樹脂の水性分散体に関する。
[従来の技術] 従来から印刷用インキ、筆記具用インキなどには水分散
顔料や水溶性染料などが用いられている。
しかしながら、水分散顔料は、ボールミル、サンドミル
などの分散機械によて顔料粒子を水中に細かく分散する
必要があるので、その工程が煩雑になるばかりでなく、
経時的に水分散顔料が凝集沈澱することがあるため、そ
の分散安定性がわるく、品質管理面に問題があった。
一方、水溶性染料は、水分散顔料と比して色数の豊富
さ、色相の鮮明さにすぐれたものであるが、染料自体が
水溶性が呈するものであるため、耐水性に劣り、かつ耐
光性もわるいという欠点がある。
そこで、前記水分散顔料および水溶性染料の欠点を解消
する方法として、特開平1−197582号公報に記載されて
いるように、共重合体ラテックスに染料ポリマーを吸着
させる方法が提案されているが、かかる方法によってえ
られた染料は、耐水性が向上したものであるとはいうも
のの、未だ耐溶剤性に劣り、また染料ポリマー自体が熱
可塑性のものであるため、熱可塑性塗料などの用途に不
向きのものであった。
[発明が解決しようとする課題] そこで、本発明者らは、前記水溶性染料の欠点である耐
水性、耐光性、耐薬品性および耐溶剤性を同時に改善
し、かつ水溶性染料が本来有する色数の豊富さ、色調の
鮮明さを損なうことなく、印刷用インキ、筆記具用イン
キのみならず、建材、捺染、染料などにも幅広く使用し
うる着色樹脂の水性分散体をうるべく鋭意研究を重ねた
結果、前記諸物性をすべて同時に具備することは勿論の
こと、種々の用途にも好適に使用しうる着色樹脂の水性
分散体をようやく見出し、本発明を完成するにいたっ
た。
[課題を解決するための手段] すなわち、本発明はメチルメタクリレート10〜90重量
%、グリシジルアクリレートおよび/またはグリシジル
メタクリレート1〜36重量%、メタクリロニトリル5〜
18重量%ならびにアクリル酸および/またはメタクリル
酸1〜36重量%からなる乳化共重合体を染料で着色して
なる平均粒子径が0.3μm以下の着色樹脂の水性分散体
に関する。
[作用および実施例] 本発明に用いられるメチルメタクリレートは、えられる
着色樹脂に硬質性を付与するとともに耐光性を向上せし
める成分として用いられるものである。前記メチルメタ
クリレートの使用量は、乳化共重合体中に10〜90%(重
量%、以下同様)、なかんづく20〜90%含有されるよう
に調整される。かかるメチルメタクリレートの使用量
は、10%未満であるばあいには、耐光性がわるくなり、
かつ隠蔽力も弱くなり、また90%をこえるばあいには、
他の成分量が少なくなった発色性がわるくなる傾向があ
る。なお、本発明においては、前記メチルメタクリレー
トのほかに硬質性を付与する成分として、たとえばメチ
ルアクリレート、エチルメタクリレート、スチレンなど
を乳化共重合体中に40%以下、好ましくは20%以下の量
で含有されるようにして用いてもよい。
本発明に用いられるグリシジルアクリレートおよび/ま
たはグリシジルメタクリレートは、染料の着色度を向上
せしめる成分として用いられるものである。前記グリシ
ジルアクリレートおよび/またはグリシジルメタクリレ
ートの使用量は、乳化共重合体中に1〜36%、なかんづ
く5〜32%含有されるように調整されるか、かかるグリ
シジルアクリレートおよび/またはグリシジルメタクリ
レートの使用量は、1%未満であるばあいには、着色濃
度が大きくならず、またアクリル酸および/メタクリル
酸のカルボキシル基との架橋の比率が小さくなって耐溶
剤性、耐薬品性などがわるくなり、また36%をこえるば
あいには、乳化重合を行なうことが困難となる。
本発明に用いられるメタクリロニトリルは、染料の着色
度および耐光性を向上せしめる成分として用いられるも
のである。前記メタクリロニトリルの使用量は、乳化共
重合体中に5〜18%、なかんづく10〜16%含有されるよ
うに調整される。かかるメタクリロニトリルの使用量
は、5%未満であるばあいには、えられる乳化共重合体
に染料が充分に吸着せず、また耐光性がわるく、色相が
不鮮明となり、また18%をこえるばあいには、乳化共重
合体の調製時の重合反応が遅くなり、また長期保存安定
性がわるくなる。
なお、本発明に用いられるメタクリロニトリルとよく似
た化合物として、アクリロニトリルがあるが、該アクリ
ロニトリルはメタクリロニトリルと比べて親水性が大き
くオリゴマーを生じやすく、粒子内での共重合性にも劣
るため、品質的に管理しにくいものである。また、アク
リロニトリルを用いたばあいには、着色が発生するた
め、本発明においては使用しえないものである。このよ
うに、本発明には、従来のアクリロニトリルを用いた共
重合体の欠点である着色に関する問題点を解決した点に
も1つの大きな特徴がある。
本発明に用いられるアクリル酸および/またはメタクリ
ル酸は、染料の発色性および鮮明度を向上せしめる成分
として用いられるものであるが、さらにグリシジルアク
リレートおよび/またはグリシジルメタクリレートと架
橋して耐薬品性および耐溶剤性を向上して強靭な乳化共
重合体を与える働きを有するものである。前記アクリル
酸および/またはメタクリル酸の使用量は、乳化共重合
体中に1〜36%、なかんづく5〜32%含有されるように
調整される。かかるアクリル酸および/またはメタクリ
ル酸の使用量は、1%未満であるばあいには、色相に鮮
明さがなくなり、また36%をこえるばあいには、乳化共
重合体がうることが困難となり、またえられた乳化共重
合体の耐水性がわるくなる。
なお、本発明においては、前記アクリル酸および/また
はメタクリル酸と前記グリシジルアクリレートおよび/
またはグリシジルメタクリレートのモル比は1:1である
ことがもっとも望ましいが、両者間である程度の部分的
な架橋を生ぜしめ、たとえば耐薬品性などの物性を向上
させるためには5:1〜1:5の範囲内にあることが好まし
い。
なお、本発明においては、たとえばジビニルベンゼン、
エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコー
ルジメタクリレートなどの二重結合を2個以上有し、エ
ポキシ基を含まない架橋性単量体の使用も考えられる
が、かかる架橋性単量体は、それ自体染料に対して染着
性がなく、着色度が低下するため、好ましくないもので
ある。また、たとえばβ−ヒドロキシエチルアクリレー
ト、β−ヒドロキシプロピルアクリレートなどのヒドロ
キシル基を含む不飽和単量体は、グリシジル基含有不飽
和単量体と架橋するが、カルボキシル基含有不飽和単量
体を用いたばあいと比べて、えられる乳化共重合体は、
発色性および鮮明度が劣るため、好ましくない。
以上のことから、本発明のごとく、アクリル酸および/
またはメタクリル酸を用いたばあいには、ヒドロキシル
基を含む不飽和単量体を用いたばあいよりも、染料に対
する親和性にすぐれた乳化共重合体がえられることがわ
かる。
本発明の着色樹脂の水性分散体に用いられる乳化共重合
体は、前記したごとく、メチルメタクリレート、グリシ
ジルアクリレートおよび/またはグリシジルメタクリレ
ート、メタクリロニトリルならびにアクリル酸および/
またはメタクリル酸から構成される。
前記乳化共重合体を調製するに際しては、通常の乳化重
合法を採用しうる。
前記乳化重合法の一例としては、たとえばイオン交換水
などの水性溶媒の存在下でチッ素気流中で40〜100℃に
加熱し、1〜5時間撹拌する方法などがあげられる。
アクリル酸および/またはメタクリル酸に含まれるカル
ボキシ基と、グリシジルアクリレートおよび/またはグ
リシジルメタクリレートに含まれるグリシジル基との架
橋反応は、前記乳化重合を行なっているあいだに進行す
ることが好ましい。したがって、かかる架橋反応を効果
的に進行させるために、たとえばジメチルアミノエタノ
ール、ジエチルアミノエタノールなどの架橋反応を進行
させる働きを有するアミン触媒を添加することが望まし
い。
乳化重合の際に用いられる界面活性剤としては、通常の
乳化重合の際に用いられているものであればとくに限定
はない。かかる界面活性剤の具体例としては、たとえば
ステアリン酸ナトリウム、オレイン酸カリウムなどの脂
肪酸塩;ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモ
ニウムなどのアルキル硫酸エステル塩;ドデシルベンゼ
ンスルホン酸ナトリウムなどのアルキルベンゼンスルホ
ン酸塩;アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウムなど
のアルキルナフタレンスルホン酸塩;アルキルジフェニ
ルエーテルジスルホン酸ナトリウムなどのアルキルジフ
ェニルエーテルジスルホン酸塩;ポリオキシエチレンア
ルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウムなどのポリオキ
シエチレンアルキル硫酸エステル塩;ナフタレンスルホ
ン酸ホルマリン縮合物、ポリカルボン酸系高分子界面活
性剤などの陰イオン系界面活性剤や、ポリオキシエチレ
ンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエー
テルなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル;ポリ
オキシエチレンノニルフェニルエーテルなどのポリオキ
シエチレンアルキルアリールエーテル;テトラオレイン
酸ポリオキシエチレンソルビットなどのポリオキシエチ
レンソルビトール脂肪酸エステル;ポリオキシエチレン
ソルビタンモノラウレートなどのソルビタン脂肪酸エス
テル;グリセロールモノステアレート、グリセロールモ
ノオレエートなどのソルビタン脂肪酸エステル;グリセ
ロールモノステアレート、グリセロールモノオレエート
などのグリセリン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレン
ステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレート
などのポリオキシエチレン脂肪酸エステルなどの非イオ
ン系界面活性剤などがあげられる。これらの界面活性剤
は、通常単独でまたは2種以上を混合して用いられる。
また、乳化重合の際に用いられる重合開始剤としては、
たとえば過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過酸化
水素水などがあげられる。なお、前記重合開始剤ととも
にたとえば亜硫酸水素ナトリウム、塩化第一鉄などの還
元剤を必要に応じて併用してもよい。
なお、本発明においては、前記乳化重合によってえられ
た乳化共重合体の数平均粒子直径(以下、平均粒子径と
いう)は、0.3μmをこえるばあいには、沈澱物が生じ
やすくなって経時安定性がわるくなる傾向にあるので、
平均粒子径は0.3μm以下であることが好ましい。
前記乳化共重合体の染料による着色は、常法によって行
ないうる。その方法の一例をあげれば、たとえば乳化重
合時に染料の存在下で乳化重合を行なう方法、えられた
共重合体をあとから染料で着色する方法などがあるが、
本発明はかかる方法のみに限定されうるものではない。
本発明に用いられうる染料としては、たとえばアゾ系、
オキサジン系、フタロシアニン系などの直接染料;スル
ホン基やカルボキシル基を有するアゾ系、アントラキノ
ン系、トリフェニルメタン系、ニトロ系、ニトロソキサ
ンテン系などの酸性染料;アミノ基またはその誘導基を
有するトリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、キ
サンテン系、アジン系、チアジン系、オキサジン系など
の塩基性染料;アゾ系、ニトロアリルアミン系、アント
ラキノン系などの分散染料などがあげられるが、本発明
はかかる例示のみに限定されるものではない。なお、前
記染料のほかにも、鮮明な色相を必要とする用途に対し
ては、螢光染料などを用いることができる。前記染料は
通常単独でまたは2種類以上を混合して用いられる。前
記染料の使用量は、その種類、えられた分散体の用途な
どによって異なるので一概には決定することができない
が、通常乳化共重合体(樹脂固形分)100重量部に対し
て0.1〜20重量部であることが好ましい。
本発明においては、たとえば分散体としての各種物性を
向上せしめるために、必要に応じて通常用いられている
たとえば防腐剤、防カビ剤、消泡剤、紫外線吸収剤など
の添加剤、水溶性有機溶剤、水溶性樹脂、エマルジョン
などのバインダー類を乳化重合する際に添加してもよ
い。
つぎに本発明の着色樹脂の水性分散体を実施例に基づい
てさらに詳細に説明するが、本発明はかかる実施例のみ
に限定されるものではない。なお、各実施例および比較
例中、「部」は「重量部」を意味する。
実施例1 還流管付反応容器にイオン交換水60部、ラウリル硫酸ナ
トリウム2部および過硫酸アンモニウム0.1部を仕込
み、混合攪拌しながらチッ素気流下で70℃まで昇温し
た。ついでメタクリロニトリル7部、メタクリル酸3
部、グリシジルメタクリレート1部、メチルメタクリレ
ート29部およびジメチルアミノエタノール0.1部の混合
物を分液ロートで3時間にわたって滴下し、さらに2時
間攪拌して反応を完結させた。
えられた乳化共重合体に染料としてベーシックイエロー
51(商品名:カヤクリルイエロー3G−S、日本化薬
(株)製)3部、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリ
ウム2部およびイオン交換水20部の混合物を常温にて加
え、2時間かけて徐々に90℃まで昇温して着色し、樹脂
固形分35.0%、粘度6.3cP、平均粒子径0.10μmの黄色
の着色樹脂の水性分散体をえた。
えられた着色樹脂の水性分散体の安定性、耐水性、耐光
性、耐薬品製、耐溶剤性および架橋の有無を下記の方法
にしたがって調べた。その結果を第1表に示す。
つぎに、この着色樹脂の水性分散体120部にエチレング
リコール50部およびイオン交換水130部を混合撹拌して
黄色の筆記具用水性イオンをえた。このインキを用いて
筆記試験を行なったところ、ペン先からの流出性および
ドライアップ性にすぐれ、また描画試験を行なったとこ
ろ、筆記500mでかすれはなかった。
(安定性) 50℃の恒温槽の中に、着色樹脂の水性分散体を密閉した
ガラス容器を入れ、6カ月間静置し、異常があるかどう
か目視にて確認し、安定性を評価した。
異常とは、沈澱物などの発生、増粘などの粘度変化が生
じた状態をいう。
表中、「○」は異常なし、「×」は異常ありを示す。
(耐水性) 着色樹脂の水性分散体をケント紙にバーコーターで塗工
し、乾燥させてその塗工紙を水に1分間浸漬し、溶出す
るかどうかを目視にて確認し、耐水性を評価した。
溶出とは、着色樹脂の水性分散体が塗工した紙から多少
にかかわらずにじみ出たことをいう。
表中、「○」は溶出なし、「×」は溶出ありを示す。
(耐光性) 耐水性試験で用いた塗工紙をカーボンアークフェードメ
ーターで紫外線の照射を行ない、JIS L−0841ブルース
ケール8等級を用いて退色度合いを目視にて確認し、以
下の判定基準にしたがって耐光性を評価した。
(判定基準) 1:色の変退色がブルースケール1級と同程度 2:色の変退色がブルースケール2級と同程度 3:色の変退色がブルースケール3級と同程度 4:色の変退色がブルースケール4級と同程度 5:色の変退色がブルースケール5級と同程度 6:色の変退色がブルースケール6級と同程度 7:色の変退色がブルースケール7級と同程度 8:色の変退色がブルースケール8級と同程度 なお、1〜3等級は、耐光性に劣り、実用的でないこと
を示す。
(耐薬品性) 耐水性試験で用いた塗工紙を1%塩酸水溶液(耐酸性)
および1%水酸化ナトリウム水溶液(耐アルカリ性)に
それぞれ1分間浸漬し、インキが溶出するかどうか目視
にて確認し、耐酸性および耐アルカリ性を評価した。
溶出とは、着色樹脂の水性分散体が塗工した紙から多少
にかかわらずにじみ出たことをいう。
表中、「○」は溶出なし、「×」は溶出ありを示す。
(耐溶剤性) 耐水性試験で用いた塗工紙をイソプロピルアルコールに
1分間浸漬し、溶出するかどうか目視にて確認し、耐溶
剤性を評価した。
溶出とは、着色樹脂の水性分散体が塗工した紙から多少
にかかわらずにじみ出たことをいう。
表中、「○」は溶出なし、「×」は溶出ありを示す。
(架橋判定) 着色樹脂の水性分散体を乾燥して粉末化し、テトラヒド
ロフラン200ml中に1.0g溶解し、紙を用いて過を行
ない不溶解分があるかどうかを調べて架橋の有無の判定
を行なった。わずかでも不溶解分があれば架橋している
と評価した。
実施例2 還流管付反応容器にイオン交換水60部、ポリオキシエチ
レンノニルフェニルエーテル1.5部、ドデシルベンゼン
スルホン酸ナトリウム1部および過硫酸カリウム0.1部
を仕込み、混合攪拌しながらチッ素気流下で80℃まで昇
温した。つぎにメタクリロニトリル5部、アクリル酸2
部、グリシジルメタクリレート3部、メチルメタクリレ
ート28部、スチレン2部およびジエチルアミノエタノー
ル0.1部の混合物を分液ロートで3時間にわたって滴下
し、さらに2時間撹拌して反応を完結させた。
えられた乳化共重合体に染料としてアシッドレッド52
(商品名:ソラーローダミンB、住友化学工業(株)
製)5部、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナ
トリウム7部およびイオン交換水20部の混合物を常温に
て加え、2時間かけて徐々に90℃まで昇温して着色し、
樹脂固形分39.0%、粘度9.8cP、平均粒子径0.22μmの
鮮明なピンク色の着色樹脂の水性分散体をえた。
えられた着色樹脂の水性分散体の安定性、耐水性、耐光
性、耐薬品性、耐溶剤性および架橋の有無を実施例1と
同様の方法にしたがって調べた。その結果を第1表に示
す。
さらに、この着色樹脂の水性分散体10部にレジューサ80
部と固着剤(アクリルエマルジョン)10部を混合攪拌し
たのち、シルクスクリーン法で綿布に印捺し、130℃で
3分間ベーキングを行なった。このものは耐ドライクリ
ーニング性、耐摩擦性などにすぐれたものであった。
実施例3 還流管付反応容器にイオン交換水60部、β−ナフタレン
スルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩2部および
過硫酸マンモニウム0.1部を仕込み、混合攪拌させなが
らチッ素気流下で90℃まで昇温した。つぎにメタクリロ
ニトリル3.0部、メタクリル酸7.5部、グリシジルメタク
リレート6.0部、メチルメタクリレート10.0部およびメ
チルアクリレート13.5部の混合物を分液ロートで1時間
にわたって滴下を行ない、さらに2時間撹拌して反応を
完結させた。
えられた乳化重合体に染料としてベーシックブルー54
(商品名:カチロンブルーBRLH、保土谷化学工業(株)
製)1部、ベーシックイエロー40(商品名:カチロンブ
リリアントフラビン10GFH、保土谷化学工業(株)製)
3部、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム4部および
イオン交換水20部の混合物を常温にて加え、2時間かけ
て徐々に90℃まで昇温して着色し、樹脂固形分38.0%、
粘度8.7cP、平均粒子径0.20μmの鮮明な緑色の着色樹
脂の水性分散体をえた。
えられた着色樹脂の水性分散体の安定性、耐水性、耐光
性、耐薬品性、耐溶剤性および架橋の有無を実施例1と
同様の方法にしたがって調べた。その結果を第1表に示
す。
さらに、この着色樹脂の水性分散体20部、アクリエルマ
ルジョン40部、オレフィン系ワックス乳化物1部、イソ
プロピルアルコール3部およびイオン交換水36部を混合
攪拌して印刷用水性インキをえた。この水性インキを用
いてライナー紙上にグラビア印刷したものは耐摩擦性、
機上安定性などにすぐれたものであった。
実施例4 還流管付反応容器にイオンィ交換水60部、アルキルナフ
タレンスルホン酸ナトリウム3部、染料としてディスパ
ースバイオレット77(商品名:カヤロンポリエステルバ
イオレット3RL−S、日本化薬(株)製)2部および過
硫酸カリウム0.1部を仕込み、混合攪拌しながらチッ素
気流下で80℃まで昇温した。つぎにメタクリロニトリル
7部、アクリル酸2部、グリシジルアクリレート2部お
よびメチルメタクリレート29部の混合物を分液ロートで
2時間にわたって滴下し、さらに2時間攪拌して反応を
完結させ、樹脂固形分38.5%、粘度9.0cP、平均粒子径
0.15μmの紫色の着色樹脂の水性分散体をえた。
えられた着色樹脂の水性分散体の安定性、耐水性、耐光
性、耐薬品性、耐溶剤性および架橋の有無を実施例1と
同様の方法にしたがって調べた。その結果を第1表に示
す。
さらに、この着色樹脂の水性分散体10部を紙パルプ100
部(LBKP:NBKP=1:1)に添加し、これをタッピ式角型シ
ートマシンにて抄造した。できあがった抄紙は、耐光
性、耐水性などにすぐれたものであった。
実施例5 還流管付反応容器にイオン交換水60部、ラウリル硫酸ナ
トリウム1部、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫
酸ナトリウム3部、ディスパースレッド60(商品名:ス
ミカロンレッドE−FBL、住友化学工業(株)製)5部
および過硫酸アンモニウム0.1部を仕込み、混合攪拌し
ながらチッ素気流下で90℃まで昇温した。つぎにメタク
リロニトリル5部、メタクリル酸5部、グリシジルアク
リレート5部およびメチルメタクリレート25部の混合物
を分液ロートで3時間にわたって滴下し、さらに2時間
攪拌して反応を完結させて樹脂固形分40.0%、粘度5.8c
P、平均粒子径0.18μmの赤色の着色樹脂の水性分散体
をえた。
えられた着色樹脂の水性分散体の安定性、耐水性、耐光
性、耐薬品性、耐溶剤性および架橋の有無を実施例1と
同様の方法にしたがって調べた。その結果を第1表に示
す。
さらに、この着色樹脂の水性分散体20部と水性アルキッ
ド樹脂80部を混合攪拌して赤色の水性塗料をえた。この
塗料を用いて電着焼付をしたものは平滑性、耐溶剤性、
密着性などにすぐれたものであった。
比較例1 反応容器にポリビニルアルコール10部、染料としてダイ
レクトオレンジ63部およびイオン交換水87部を仕込み、
20℃で1時間攪拌して橙色の水性分散体をえた。
えられた水性分散体の安定性、耐水性、耐光性、耐薬品
性、耐溶剤性および架橋の有無を実施例1と同様の方法
にしたがって判定した。その結果を第1表に示す。
比較例2 反応容器にスチレン‐マレイン酸樹脂8部、ベーシック
レッド144部およびイオン交換水88部を仕込み、50℃で
1時間攪拌することにより赤色の水性分散体をえた。
えられた水性分散体の安定性、耐水性、耐光性、耐薬品
性、耐溶剤性および架橋の有無を実施例1と同様の方法
にしたがって判定した。その結果を第1表に示す。
比較例3 還流管付反応容器にイオン交換水60部、ラウリル硫酸ナ
トリウム2部および過硫酸アンモニウム0.1部を仕込
み、混合攪拌しながらチッ素気流下で70℃まで昇温し
た。つぎにアクリロニトリル8部、アクリル酸4部およ
びスチレン28部の混合物を分液ロートで3時間にわたっ
て滴下し、さらに2時間攪拌して反応を完結させた。
えられた乳化共重合体に染料としてベーシックイエロー
513部、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム2部
およびイオン交換水20部の混合物を常温にて加え、2時
間かけて徐々に90℃まで昇温して着色させた。
えられた水性分散体の安定性、耐水性、耐光性、耐薬品
性、耐溶剤性および架橋の有無を実施例1と同様の方法
にしたがって調べた。その結果を第1表に示す。
[発明の効果] 本発明の着色樹脂の水性分散体は、従来の水溶性染料の
欠点である耐水性および耐光性に飛躍的にすぐれたもの
であり、加えて耐薬品性および耐溶剤性にもすぐれ、か
つ色数が豊富で色相が非常に鮮明であるため、たとえば
建材、捺染、印刷用インキ、筆記具用インキなどの着色
に有用であり、また、熱硬化性を有するものであるた
め、とくに熱架橋を必要とする分野にも有用であり、今
後種々の用途に幅広く使用されることが期待されるもの
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09D 17/00 PUJ 7415−4J

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】メチルメタクリレート10〜90重量%、グリ
    シジルアクリレートおよび/またはグリシジルメタクリ
    レート1〜36重量%、メタクリロニトリル5〜18重量%
    ならびにアクリル酸および/またはメタクリル酸1〜36
    重量%からなる乳化共重合体を染料で着色してなる平均
    粒子径が0.3μm以下の着色樹脂の水性分散体。
  2. 【請求項2】乳化共重合体がアクリル酸および/または
    メタクリル酸と、グリシジルアクリレートおよび/また
    はグリシジルメタクリレートのモル比が5:1〜1:5であ
    り、カルボキシル基とグリシジル基が部分的に架橋され
    たものである請求項1記載の着色樹脂の水性分散体。
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