JPH0670098B2 - 熱成形加工性および耐溶剤性に優れたアクリル樹脂シ−トの製造方法 - Google Patents

熱成形加工性および耐溶剤性に優れたアクリル樹脂シ−トの製造方法

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JPH0670098B2
JPH0670098B2 JP4350584A JP4350584A JPH0670098B2 JP H0670098 B2 JPH0670098 B2 JP H0670098B2 JP 4350584 A JP4350584 A JP 4350584A JP 4350584 A JP4350584 A JP 4350584A JP H0670098 B2 JPH0670098 B2 JP H0670098B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔技術分野〕 本発明は、熱成形加工性および耐溶剤性に優れたアクリ
ル樹脂シートの製造方法に関する。
〔従来技術〕
アクリル樹脂シートは、透明性、光沢、表面硬度、耐候
性、機械的強度、耐熱性などの性質が優れているので各
方面で広く使用されている。しかし、従来のアクリル樹
脂シートは、熱成形加工後にエタノール、塗料用シンナ
ーなどの有機溶剤と接触させた時、またポリエステル樹
脂でFRPバツクアツプ加工をした時などに、しばしばク
レージングやクラツクが発生し、アクリル樹脂の長所の
1つである優れた外観をそこなうという欠点がある。
また、アクリル樹脂シートを高温下で真空または加圧成
形して、伸度の大きな複雑な成形物品を得る場合、溶融
重合体の流れ性質によつて制限を受け、例えばコーナー
をもつ凹陥面のある物品を成形しようとすると、そのコ
ーナーのシートの肉厚が極端に薄くなつた成形物品(偏
肉した成形物品)ができてしまう。この問題の解決策と
しては前者の溶剤クラツクまたはクレージングについて
は、重合体の分子量を高くする方法があるが、分子量を
高くすると溶融粘度の増加をまねき成形加工が困難とな
る。
また後者の成形性については重合体の分子量を低くする
方法があるが、耐溶剤性を悪くさせる。シートをより高
温に加熱することにより伸度の大きな複雑成形品を得る
ことができるが、偏肉しない成形物品は得られないだけ
でなくシートが発泡したり帯色したりする。
したがつて、これまでに優れた熱成形加工性および耐溶
剤性を兼ね備えたアクリル樹脂シートは開発されていな
い。
〔発明の目的〕
本発明は、上記した現状に鑑み、熱成形加工性および耐
溶剤性に優れたアクリル樹脂シートを得る製造方法を提
供せんとするにある。
〔発明の構成〕
本発明の熱成形加工性および耐溶剤性にすぐれたアクリ
ル樹脂シートの製造方法は、メタクリル酸メチル単独ま
たはメタクリル酸メチル60重量%以上とアクリル酸エス
テル40重量%以下との単量体混合物を重合開始剤の存在
下で重合させてアクリル樹脂シートを製造するに当り、
あらかじめ単量体全量に対して0.001〜0.50重量%の重
合開始剤および0.01〜2.0重量%、好ましくは0.01〜0.7
0重量%の連鎖移動剤を添加し、70〜120℃の温度で5〜
50%の重合率のシロップを製造し、 次いで、その得られたシロップに対して0.02〜1.0重量
%の架橋剤および0.01〜0.50重量%の重合開始剤を添加
し、鋳型中で、まず40〜90℃の温水中で0.2〜10時間、
次いで90〜150℃で0.05〜4時間の熱処理を行う注型重
合により、架橋剤により架橋される幹重合体の重合度が
固有粘度[η]で0.05〜0.15(l/g)の範囲とすること
(架橋剤が存在しない状態で完全に重合した場合のシー
トの重合度が固有粘度[η]で0.05〜0.15(l/g)の範
囲となるような重合条件下で重合すること)を特徴とす
る熱成形加工性および耐溶剤性に優れたアクリル樹脂シ
ートの製造方法にある。
本発明のアクリル樹脂シートの製造方法は、シロツプの
重合とそのシロツプを鋳型中で注型重合してシートを製
造する工程とに大別できる。
シロツプの重合工程では、メタクリル酸エチル単独もし
くはメタクリル酸メチル60重量%以上とアクリル酸エス
テル40重量%以下との単量体混合物を連鎖移動剤および
重合開始剤の存在下で重合させる。
シロツプの重合でメタクリル酸メチルと混合して共重合
させるのに使用されるアクリル酸エステルとしては、ア
クリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブ
チル、アクリル酸2−エチルヘキシル等があげられる。
アクリル酸エステルの使用量としては、40重量%以下で
あり、40重量%をこえると耐熱性が低下する。
使用される連鎖移動剤としては、t−ブチルメルカプタ
ン、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプ
タン、t−ドデシルメルカプタン等のアルキルメルカプ
タン類;チオフエノール、チオナフトール等の芳香族メ
ルカプタン;チオグリコール酸およびチオグリコール酸
エチル、チオグリコール酸ブチル、チオグリコール酸オ
クチル、チオグリコール酸メトキシブチル、エトキシエ
チルチオグリコレート、ブトキシエチルチオグリコレー
ト、フエノキシエチルグリコレート、トリメチロールプ
ロパントリチオグリコレート、ペンタエリスリトールテ
トラチオグリコレート、メチレンビスブチルチオグリコ
レート等のチオグリコール酸エステル;β−メルカプト
プロピオン酸およびβ−メルカプトプロピオン酸メチ
ル、β−メルカプトプロピオン酸オクチル、β−メルカ
プトプロピオン酸メトキシブチル、トリメチロールプロ
パントリス−β−メルカプトプロピオネート、ペンタエ
リスリトールテトラ−チオプロピオネート等のβ−メル
カプトプロピオン酸エステルがあげられ、これらは1種
または2種以上を組み合わせて使用できる。連鎖移動剤
の使用量は、連鎖移動定数によつて範囲は異なるが、単
量体全量に対して0.01〜2.0重量%、好ましくは0.01〜
0.70重量%である。0.01重量%未満ではポリマーの重合
度が高くなり、高延伸の成形加工が困難となり、また2.
0重量%を超えると分子量が小さくなり、機械的強度が
低下するだけでなく重合速度が大巾に遅れる。なお重合
速度面では、連鎖移動剤の量が少なく連鎖移動定数の大
きい方、(たとえばアルキルメルカプタンではターシヤ
ルよりもノルマル)が有利である。
本発明の方法で使用される重合開始剤としては、ラウロ
イルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、ジ−イソ
プロピルパーオキシジカーボネート、ジ−n−ブチルパ
ーオキシジカーボネート等の過酸化物、ならびに2,2′
−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2′−アゾビス
(2,4−ジメチルバレロニトリル)、1,1′−アゾビス
(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、アゾビス
(2,4−ジメチル4メトキシバレロニトリル)等のアゾ
系化合物があげられる。これらの1種を単独でまたは2
種以上混合して使用される。重合開始剤の使用量は単量
体全量に対して0.001〜0.50重量%である。
シロツプへの重合は、上記単量体、連鎖移動剤および重
合開始剤の混合物を70〜120℃の温度で5〜50%の重合
率が得られるまで行なう。シロツプの重合に使用する反
応器としては公知のもの、たとえば管型、槽型等のもの
が使用でき、バツチもしくは連続して行うことができ
る。
注型重合によるシートの製造工程では、前記の得られた
シロツプに架橋剤および重合開始剤を添加混合して鋳型
中で架橋剤が存在しなければ〔η〕が0.05〜0.15(l/
g)の範囲の樹脂シートが得られる重合条件にて重合を
行う。本発明においてその〔η〕が0.05未満なる条件で
行なつた場合には、得られるシートの機械的強度の低下
による耐溶剤性が劣り、また〔η〕が0.15を超える場合
には、シートの成形加工が困難となる。
本発明のシートの製造工程における架橋剤が存在しなけ
れば、完全に重合したシートの〔η〕が0.05〜0.15とな
る重合条件の決定は、シートの製造において使用する単
量体の種類、連鎖移動剤の種類と量、重合開始剤の種類
と量および重合温度等により一概に限定できないが、シ
ロツプに架橋剤を添加しないブランクの注型重合試験で
容易に決定しうる。
ここでいうシートの〔η〕とは、試料をクロロホルム溶
液に溶解して0.1重量%溶液とし、この溶液を25℃に保
ち、オストワルド型粘度計の標線間流下秒数tと、クロ
ロホルムの流下秒数t0とを測定し、次式より〔η〕を算
出したものをいう。
但し、Cは試料濃度(g/)である。
本発明の注型重合において使用される架橋剤としては、
エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリ
コールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメ
タクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレ
ート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、ポ
リエチレングリコールジメタクリレート、プロピレング
リコールジメタクリレート、ジプロピレングリコールジ
メタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレ
ート等のグリコールジメタクリレート類;エチレングリ
コールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリ
レート、トリエチレングリコールジアクリレート、テト
ラエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレン
グリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジ
アクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、
ジプロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチル
グリコールジアクリレート等のグリコールジアクリレー
ト類;1,3−プロパンジオールジメタクリレート、1,4−
ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオ
ールジメタクリレート等のジオールジメタクリレート
類;1,3−プロパンジオールジアクリレート、1,4−ブタ
ンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ
アクリレート等のジオールジアクリレート類;トリメチ
ロールプロパントリメタクリレート、ペンタグリセロー
ルトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメ
タクリレート等の多官能メタクリレート類;トリメチロ
ールプロパントリアクリレート、ペンタグリセロールト
リアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレ
ート等の多官能アクリレート類;アリルメタクリレー
ト、アリルアクリレート、ジアリルマレート、ビニルメ
タクリレート、ジビニルベンゼン等があげられる。これ
らの架橋剤は1種または2種以上を組み合わせて使用で
き、その使用量は、使用シロツプ重量に対して0.02〜1.
0重量%の範囲である。架橋剤の使用量が0.02重量%未
満では偏肉しにくい成形物品が得られにくく、また1.0
重量%を超えるとシートがかたくなり、高延伸の成形加
工が困難となる。
また、注型重合において使用される重合開始剤は、前記
のシロツプの製造において用いるものが使用でき、その
使用量はシロツプ重量に対して0.01〜0.50重量%の範囲
である。
シートの製造に用いられる鋳型としては、強化ガラス、
クロムメツキ板、ステンレス板等の板状体と軟質の塩化
ビニル製ガスケツトで構成した鋳型および同一方向へ同
一速度で走行する一対のエンドレスベルトの相対する面
とその両側辺部において両エンドレスベルトと同一速度
で走行する連続したガスケツトとで構成される鋳型があ
げられる。
注型重合は、まず40〜90℃で0.2〜10時間、次いで90〜1
50℃で0.05〜4時間行うことにより達成できる。
本発明の製造方法によつて得られる樹脂シートの厚さは
1〜20mmの範囲である。本発明の製造方法においては、
必要に応じて着色剤、可塑剤、滑剤、離型剤、安定剤、
充填剤等も添加使用できる。
〔実施例〕
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。なお、
実施例における評価は次のような方法を用いて行なつ
た。
(1)熱成形加工性 (A)成形品コーナー部の曲げ半径(R)の測定300mm
×300mmのシートを赤外線ヒーターで、シートの両面を
規定温度まで加熱した後、直径220mm、高さ140mmの円筒
状金型を用いて真空成形を行ない、成形品のコーナー部
の曲げ半径(R)を求めた。
(B)成形領域 300mm×300mmのシートを赤外線ヒーターで、シートの両
面を規定温度まで加熱した後、下記の寸法を有する円筒
状金型を用いて真空成形を行ない、金型のH/Dと成形温
度との関係を測定してシートの成形領域を求めた。
金型寸法 直径(D)mm 220 高さ(H)mm 120,200,220,240 (2)伸度(%) シートより平行部幅3.7mm、平行部長さ10mmのダンベル
試片を作製し、80℃で40時間以上予備乾燥した後、クラ
ンプ間隔が25mmとなるようにセツトし、規定温度の雰囲
気下に10分間放置して、引張試験機(東洋ボールドウイ
ン社製)でシートが破断するまで延伸し、その伸度
(%)を求めた。
(3)耐溶剤性 (A)破断時間の測定 80℃で40時間以上予備乾燥した300mm×300mmのシートを
170℃×20分炉加熱したあと、任意の高さに調整できる
直径170mmの円筒金型を有する突上げ成形機で突上げ高
さ(H)30,50および70mmで成形した。
成形した上底部より40mm×25mmのサンプルを採取し、こ
のサンプルに140kg/cm2の応力をかけながら溶剤スチレ
ンを滴下させて、このサンプルの破断時間を測定した。
(B)FRPバツクアツプ時のクラツク発生状況 300mm×300mmのシートを赤外線ヒーターで、シートの両
面を規定温度まで加熱した後、円筒状金型を用いて前記
の成形領域(B)の成形領域で真空成形を行なつた。
この成形品の上底面および側面にチヨツプドストランド
マツトのガラス繊維を2枚置き、不飽和ポリエステル樹
脂エスターR253B−1(三井東圧化学(株)製、商品
名)100部にパーメツクN(日本油脂製、商品名、55
%、メチルエチルケトンパーオキサイド含有)1部を加
えた調製液250gをロールで均一塗布した。この作業を計
4回行なつて調製液1kgでガラス繊維8枚をこの成形品
にバツクアツプし、硬化時のシート側のクラツク発生を
調べ、クラツク発生領域を求めた。なお、この調製液は
30分でゲル化し、1時間で硬化した。
実施例1 メタクリル酸メチル96.5kgとアクリル酸2−エチルヘキ
シル3.5kgとからなる単量体混合物に、2,2′−アゾビス
(2,4−ジメチルバレロニトリル)100gおよびn−ドデ
シルメルカプタン80gを添加して、槽型の重合反応器に
入れ、90℃以上の温度で20分間加熱した後、室温に冷却
して重合体を28%含有するシロツプを得た。
次にこのシロツプ10kgに、2,2′−アゾビス(2,4−ジメ
チルバレロニトリル)8.0g、架橋剤としてエチレングリ
コールジメタクリレート15g、離型剤としてエアロゾー
ルOT(A.C.C社製、商品名)0.5gおよび安定剤としてチ
ヌビン−P(チバガイギー社製、商品名)2.0gを添加し
て減圧下で脱泡した。
この脱泡シロツプを強化ガラスと軟質のポリ塩化ビニル
製ガスケツトとで構成した鋳型中に注入し、70℃の水浴
中で40分間次いで120℃の熱風中で2時間重合させて板
厚3mmのシートを得た。なお、この重合条件においてシ
ロツプに架橋剤を添加しない場合で得られたシートの
〔η〕は0.11(/g)であつた。
実施例2 メタクリル酸メチル1,000kgに、2,2′−アゾビス(2,4
−ジメチルバレロニトリル)1,000gおよびn−ドデシル
メルカプタン2,000gを添加して、重合反応器に入れ、90
℃以上の温度で20分間加熱した後、室温に冷却して重合
体を27%含有するシロツプを得た。
このシロツプ1,000kgに、2,2′−アゾビス(2,4−ジメ
チルバレロニトリル)900g、架橋剤として1,3−ブチレ
ングリコールジメタクリレート2,300g、離型剤としてエ
アロゾールOT50gおよび安定剤としてチヌビン−P200gを
添加して減圧下で脱泡し、ベルトクリアランスを3.6〜
3.1mmに設定して対向して走行する2個のステンレス製
のエンドレスベルトとガスケツトからなる連続製板装置
の鋳型に注入し、70℃で50分次いで120℃で5分間加熱
重合せしめて板厚3mmのシートを得た。なお、この重合
条件においてシロツプに架橋剤を添加しない場合で得ら
れたシートの〔η〕は0.07(/g)であつた。
比較例1 メタクリル酸メチル100kgに、2,2′−アゾビス(2,4−
ジメチルバレロニトリル)65gを添加して実施例1と同
じ重合反応器に入れ、90℃以上の温度で10分間加熱した
後、室温に冷却して重合体を23%含有するシロツプを得
た。
次にこのシロツプ10kgに、2,2′−アゾビス(2,4−ジメ
チルバレロニトリル)8.0g、離型剤としてエアロゾール
OT0.5gおよび安定剤としてチヌビン−P2.0gを添加して
減圧下で脱泡した。この脱泡シロツプを強化ガラスと軟
質ポリ塩化ビニル製ガスケツトとで構成した鋳型中に注
入し、70℃の水浴中で40分間次いで120℃の熱風中で2
時間重合させて板厚3mmのシートを得た。このシートの
〔η〕は0.23(/g)であつた。
比較例2 比較例1と同じ条件で製造した重合体含有量23%のシロ
ツプ10kgに、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニ
トリル)8.0g、架橋剤としてエチレングリコールジメタ
クリレート20g、離型剤としてエアロゾールOT0.5gおよ
び安定剤としてチヌビン−P2.0gを添加して減圧下で脱
泡した。この脱泡したシロツプを実施例1と全く同じ重
合条件下で注型重合させて板厚3mmのシートを得た。
比較例3 メタクリル酸メチル96.5kgとアクリル酸2−エチルヘキ
シル3.5kgとからなる単量体混合物に、2,2′−アゾビス
(2,4−ジメチルバレロニトリル)100gおよびn−ドデ
シルメルカプタン80gを添加し、実施例1と同じ重合反
応器に入れ、90℃以上の温度で20分間加熱した後、室温
に冷却して重合体を28%含有するシロツプを製造した。
次にこのシロツプ10kgに、2,2′−アゾビス(2,4−ジメ
チルバレロニトリル)8.0g、離型剤としてエアロゾール
OT0.5gおよび安定剤としてチヌビン−P2.0gを添加して
減圧下で脱泡した。この脱泡シロツプを実施例1と全く
同じ重合条件下で注型重合させて板厚3mmのシートを得
た。このシートの〔η〕は0.11(/g)を有していた。
以上の実施例および比較例で得られたシートについて物
性を評価し、その結果を第1図〜第8図に示す。
〔発明の効果〕
本発明の製造方法によつて得られる樹脂シートは、従来
の一般シートと比べ、低温域で成形物品を容易に成形で
きるだけでなく、成形領域が広く、また伸度の温度依存
性が少ないことよりコーナーをもつ凹陥面のある物品に
成形してもそのコーナーがほとんど薄くならず(偏肉し
にくい)、さらにその成形物品は有機溶剤に対して耐溶
剤性が向上しているだけでなく、ポリエステル樹脂でFR
P加工した時にもクレージングやクラツクを発生させに
くいというすぐれた性能を有する。
【図面の簡単な説明】
第1図はシート温度と成形品の曲げ半径(R)との関係
を示す図、第2図はシートの成形領域を表わす図、第3
図はシート温度と伸度との関係を示す図、第4図はシー
トの耐溶剤性(破断時間)を示す図、第5図〜第8図は
成形品にFRPバツクアツプした時のクラツクの発生状況
を示す図である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】メタクリル酸メチル単独またはメタクリル
    酸メチル60重量%以上とアクリル酸エステル40重量%以
    下との単量体混合物を重合開始剤の存在下で重合させて
    アクリル樹脂シートを製造するに当り、あらかじめ単量
    体全量に対して0.001〜0.50重量%の重合開始剤および
    0.01〜2.0重量%の連鎖移動剤を添加し、70〜120℃の温
    度で5〜50%の重合率のシロップを製造し、次いで、そ
    の得られたシロップに対して0.02〜1.0重量%の架橋剤
    および0.01〜0.50重量%の重合開始剤を添加し、鋳型中
    で、まず40〜90℃の温水中で0.2〜10時間、次いで90〜1
    50℃で0.05〜4時間の熱処理を行う注型重合により、架
    橋剤により架橋される幹重合体の重合度が固有粘度
    [η]で0.05〜0.15(l/g)の範囲とすることを特徴と
    する熱成形加工性および耐溶剤性に優れたアクリル樹脂
    シートの製造方法。
  2. 【請求項2】連鎖移動剤がアルキルメルカプタン、芳香
    族メルカプタン、チオグリコール酸、チオグリコール酸
    エステル、β−メルカプトプロピオン酸およびβ−メル
    カプトプロピオン酸エステルから選ばれた少なくとも1
    種であることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の
    製造方法。
  3. 【請求項3】架橋剤がグリコールジメタクリレート、グ
    リコールジアクリレート、ジオールジメタクリレート、
    ジオールジアクリレート、多官能メタクリレート、多官
    能アクリレート、アリルメタクリレート、アリルアクリ
    レート、ジアリルマレート、ビニルメタクリレートおよ
    びジビニルベンゼンの中から選ばれた少なくとも1種で
    あることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の製造
    方法。
  4. 【請求項4】単量体全量に対して0.01〜0.70重量%の連
    鎖移動剤を添加し、その連鎖移動剤がノルマルアルキル
    メルカプタンの中から選ばれた少なくとも1種であるこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の製造方法。
  5. 【請求項5】鋳型が二枚の板状板とガスケットとで構成
    されたものであることを特徴とする特許請求の範囲第1
    項記載の製造方法。
  6. 【請求項6】鋳型が相対して同一方向へ同一速度で走行
    する一対のエンドレスベルトの相対する面とその両側辺
    部において両エンドレスベルトと同一速度で走行する連
    続したガスケットとで構成されたものであることを特徴
    とする特許請求の範囲第1項記載の製造方法。
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