JPH067004B2 - ボイラ炉壁の作業装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明はボイラ炉壁の点検、補修、清掃等を行う作業装
置に関するものである。

［従来の技術］ 従来、ボイラの定期検査は、炉壁に対して足場を設け、
該足場に人間が上がり、手作業により炉壁を構成する炉
壁管に対して超音波装置等を用いて肉厚検査及び探傷検
査等を行っていた。

しかし、上記手作業によるボイラの定期検査では、能率
が悪く且つ作業に危険が伴うという問題及び、足場の設
置及び撤去に時間が掛かるという問題があり、結果とし
てボイラの運転停止時間が長くなり、又検査費用が多大
になっていた。

そこで上記問題点を解決するために第２図に示すよう
に、検査用のツール３を操作するためのマニプレータ４
を備えたロボット本体５を設け、該ロボット本体５に複
数の電磁石１を備えた中央吸着部２を取付け、ロボット
本体５に対し電磁石１を備えた第一吸着部６を伸縮可能
なアーム７を用いて取付け、ロボット本体５の第一吸着
部６と反対側に電磁石１を備えた第二吸着部８を伸縮可
能なアーム７を用いて取付けて、第一吸着部６及び第二
吸着部８を適宜伸縮してロボット本体５を炉壁９に対し
て尺取り虫状に昇降移動させながらツール３を用いて炉
壁９の検査を行うようにした炉壁検査ロボットが提案さ
れている。

［発明が解決しようとする課題］ しかしながら、炉壁９のように凹凸がある場合の移動に
は比較的有効である上記従来の炉壁検査ロボットでも、
昇降方式が尺取り虫方式であるため炉壁９を連続的に移
動することはできず、動きが遅いために定期検査には依
然として時間が掛る問題を有していた。

又、定期検査を行うボイラが例えば石炭焚きボイラのよ
うに炉壁９表面に灰等が付着している場合には確実に炉
壁９に吸着し得る保証がなく、脱落した場合には危険で
あるばかりでなく装置が損壊してしまう問題を有してい
た。

本発明は上述の実情に鑑み、炉壁を連続的に移動して、
容易に且つ短時間のうちに炉壁全面の検査を行い得ると
共に、炉壁表面に灰等の付着物がある場合でも脱落させ
ることなく確実に炉壁の点検、修理を行うことができ、
且つ横方向の作業位置の調節が容易なボイラ炉壁の作業
装置を提供することを目的とするものである。

［課題を解決するための手段］ 本発明は、上記技術的課題を解決しようとしたもので、
作業装置を具備し、マグネットにより炉壁に吸着して炉
壁の作業を行うようにした昇降ユニットと、該昇降ユニ
ットを昇降自在に炉壁上部から吊下げ支持する巻上装置
と、炉壁下部に設けたレールに沿って横行可能で且つ前
記昇降ユニットの受け部を有した横行ユニットとを備え
たことを特徴とするボイラ炉壁の作業装置にかかるもの
である。

［作用］ 従って、本発明では、昇降ユニットを巻上装置により昇
降させつつ炉壁の作業を行い、又昇降ユニットを横行ユ
ニットに載置して横行させることにより横方向の移動を
行わせ、再び昇降ユニットを昇降させて作業を行うこと
により、炉壁全面の作業を行う。

［実施例］ 以下本発明の実施例を図面を参照しつつ説明する。

第１図は本発明の一実施例を示すもので、図示しないボ
イラ天井壁の貫通孔からウインチ等の巻上装置10,11に
巻付けられたワイヤ等の吊り部材12を降ろして該吊り部
材12で昇降ユニット13を昇降自在に吊り下げる。

昇降ユニット13には、該昇降ユニット13を炉壁９に吸着
させるようにした所要の吸着力を有するマグネット14が
設けられており、更にボイラチューブの厚み検査、探傷
検査等の検査装置、補修装置、清掃装置、及びそれらの
装置に必要な各種ツール等が搭載されている。昇降ユニ
ット13は、炉壁９の垂直方向に延びるボイラチューブに
沿って垂直に昇降させるための案内部材13′を有してい
る。

又、前記炉壁９の下部には、横方向に延びる横行レール
15が取付けられ、該横行レール15には、該横行レール15
に沿って横行し、且つ前記昇降ユニット13を受けるため
のユニット受け部16を有した横行ユニット17を設ける。

更に、前記昇降ユニット13のマグネット14及び各種ツー
ルの作動制御及び横行ユニット17の横行制御を行うため
の制御装置18を所要位置に設け、該制御装置18と各ユニ
ット13,17との間をケーブル19にて接続する。

第１図において、昇降ユニット13をマグネット14により
炉壁９に所要の吸着力で吸着させた状態で巻上装置10,1
1を作動することにより、昇降ユニット13をその自重に
よって炉壁９に沿い昇降させるこができる。このとき、
昇降ユニット13は案内部材13′によりボイラチューブに
沿って垂直に昇降する。この昇降に伴い、制御装置18の
指示により、搭載された機器（図示せず）による点検、
補修、清掃等の各種作業を能率的に行うことができる。

又、昇降ユニット13による作業位置を横方向にずらす場
合は、昇降ユニット13を第１図の状態から下降させ、且
つマグネット14による吸着を切離して下部の横行ユニッ
ト17のユニット受け部16に収納させる。続いて、制御装
置18の指示により横行ユニット17を横行レール15に沿っ
て所要位置まで走行して停止させた後、再び巻上装置1
0,11により昇降ユニット13を昇降させて作業を行う。
又、上記横移動に際し、必要な場合には巻上装置10,11
の移動も行う。

上記したように、昇降ユニット13を巻上装置10,11で昇
降させ、又昇降ユニット13の横移動を横行ユニット17で
行うようにしたので、横移動を容易確実に行いながら、
昇降ユニット13を作業可能な最高速度で昇降させて作業
を行うことができるので、非常に能率的な作業を行うこ
とができる。

又、本発明では、昇降ユニット13を吊り部材12を介して
巻上装置10,11により昇降せるようにしているので、昇
降ユニット13が炉壁９から離れるようなことがあっても
昇降ユニット13が脱落するようなことを完全に防止し
て、作業上、装置上の高い安全性が保障される。

尚、本発明は上記実施例にのみ限定されるものではな
く、昇降ユニット13と横行ユニット17との間に互の保全
を容易確実にするための案内部材を設けるようにしても
良いこと、マグネットは電気式でも、永久磁石を用いた
ものでも良いこと、その他本発明の要旨を逸脱しない範
囲内において種々変更を加え得ること、等は勿論であ
る。

［発明の効果］ 上記したように、本発明のボイラ炉壁の作業装置によれ
ば、昇降ユニットをマグネットにより炉壁に吸着させつ
つ巻上装置による昇降を行わせて炉壁の作業を行うの
で、昇降ユニットを作業が可能な最高速度で昇降させて
作業能率を大幅に向上させることができ、且つ昇降ユニ
ットを横行ユニットに載置して横移動を行わせるので、
横方向の作業位置の調節を容易確実にしかも迅速に行わ
せることができ、しかも昇降ユニットは巻上装置に吊り
下げられているので脱落する心配がない等、種々の優れ
た効果を奏し得る。

【図面の簡単な説明】 第１図は本発明の装置の一実施例を示す説明図、第２図
は従来装置の一例を示す説明図である。 ９は炉壁、10,11は巻上装置、12は吊り部材、13は昇降
ユニット、14はマグネット、15は横行レール、16はユニ
ット受け部、17は横行ユニット、18は制御装置を示す。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】作業装置を具備し、マグネットにより炉壁
   に吸着して炉壁の作業を行うようにした昇降ユニット
   と、該昇降ユニットを昇降自在に炉壁上部から吊下げ支
   持する巻上装置と、炉壁下部に設けたレールに沿って横
   行可能で且つ前記昇降ユニットの受け部を有した横行ユ
   ニットとを備えたことを特徴とするボイラ炉壁の作業装
   置。