JPH066857B2 - ガラス取付用枠体 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、窓枠、戸框などを構成
する金属製または合成樹脂製の枠材にガラス板を挟着す
るためのビードを取付けたガラス取付用枠体に関するも
のである。

【０００２】なお、本明細書中、枠体および枠材とは、
窓枠と戸框などおよびこれらを構成する枠材と框材との
両方の部材をそれぞれ含むものとする。

【０００３】

【従来の技術】従来、例えば実開昭５６−４７１８４号
公報に示すように、合成樹脂製の枠材に、断面ほぼコ字
形のガラス嵌込部を形成し、この嵌込部の開口端部に、
前記枠材の室内、室外側板から相対向する板状の係合突
起を直角に突出させ、これらの係合突起に軟質材製のビ
ードの両先端部を係合させ、このビードを一体成形など
により前記枠材に予め工場などで固着したガラス取付用
枠体を構成しておき、その後、ガラス板の周縁部を前記
ガラス嵌込部に嵌め、ガラス板を前記ビードの両先端部
により挟着するものがあった。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】前述した従来の予めビ
ードを枠材に取付けたガラス取付用枠体は、ガラス板を
作業性よく取付けられるが、枠材に設けたガラス嵌合部
に突出した板状の係合突起にビードの両先端部が係合し
ているだけであるため、ガラス板のガラス嵌込部に対す
る着脱時に、ビードにガラス板挿入、引出方向への力が
加わると、ビードが枠材から外れやすく、そして、ビー
ドを室内、室外側ビードに２分割して、これらを枠材の
室内、室外側板に独立して固着すると、ビードが枠材か
らより外れやすくなるという問題点がある。

【０００５】そこで、枠材に予めビードを固着せず、ガ
ラス板の周縁部にビードを嵌めて、枠材のガラス嵌込部
にビードを介して嵌込支持することや、ガラス板周縁部
の室内、室外側面の一方のみを支持する一方のビードを
枠材に固定し、この状態でガラス板をガラス嵌込部に嵌
込んだ後、ガラス板周縁部の室内、室外側面の他方と枠
材との間に他方のビードを介挿することが行われるが、
これらはガラス板の枠体に対する着脱作業、とくに取付
作業が面倒になる。

【０００６】本発明は、前述した問題点を解決して、ガ
ラスの着脱時に、２分割した室内、室外側ビードが枠体
のガラス嵌込部から外れることがなく、また作業性よく
ガラス板を着脱でき、さらにビードを作業性よく枠材に
取付けることができる、ガラス取付用枠体を提供するこ
とを目的とするものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は、窓枠、戸框な
どを構成する枠材に、ガラス板を挟着するビードを取付
けたガラス取付用枠体において、前記枠材に断面ほぼコ
字形のガラス嵌込部を形成し、この嵌込部を形成する枠
材の室内、室外側板の先端部対向面に、前記嵌込部内に
基部が突出し、基部の突出端から嵌込部開口側に屈曲部
が屈曲した係合突起をそれぞれ形成し、前記屈曲部の先
端部に先端が尖った略三角形状の係合部を設け、室内、
室外側ビードを、前記係合部に係合させると共に、前記
係合突起の屈曲部を覆って、前記基部の嵌込部開口側面
にそれぞれ支持させたものである。

【０００８】

【作 用】本発明のガラス取付用枠体は、ガラス嵌
込部を形成する枠材の室内、室外側板の先端部対向面に
それぞれ形成した係合突起を、前記対向面の前記嵌込部
内に突出する基部から嵌込部開口側に屈曲部を屈曲さ
せ、これらの先端部に先端が尖った略三角状の係合部を
設けた構成とし、室内、室外側ビードを、前記係合部に
係合させると共に、係合突起の屈曲部を覆って、前記基
部の嵌込部開口側面にそれぞれ支持させたので、ガラス
板の着脱時において、枠材に対する挿入、引出方向への
外れや変位を阻止することができる。即ち、まずガラス
板の嵌込部底側への挿入時には、この挿入方向に室内、
室外側ビードに力が加わるが、これらのビードが枠材の
室内、室外側板に形成した係合突起の基部の嵌込部開口
側面に、支持されることにより、室内、室外側ビード
は、分割されているにも拘らず、枠材に対する挿入方向
への外れや変位を阻止することが可能である。また、ガ
ラス板の嵌込部開口側への引出時には、この引出方向に
内側、外側ビードに力が加わるが、これらのビードが係
合突起の係合部の嵌合部底側面に支持されることによ
り、前記両ビードが係合突起の屈曲部を覆っていること
もあって、室内、室外側ビードは、分割されていても、
枠材に対する引出方向への外れや変位を阻止できる。

【０００９】したがって、ビードを予め取付けた枠材の
ガラス嵌込部に対し、ガラス板を着脱するガラス取付用
枠体が有している、ガラス板の着脱が作業性よくできる
という利点を失うことなく、ガラス板の着脱時に、室
内、室外側ビードが枠材から外れたり、所定位置から変
位したりすることがなく、前記両ビードのガラス接触面
によってガラス板を確実に挟着できる。

【００１０】さらに、室内、室外側ビードは、枠材のガ
ラス嵌込部開口側から室内、室外側板にそれぞれ形成し
た係合突起に押込むことにより、これらの係合突起に作
業能率よく固着できる。

【００１１】

【実 施 例】以下、本発明の一実施例につき図１を参
照して説明する。図１は本発明の一実施例を示す要部の
横断面図である。

【００１２】図１において、（１）は戸框からなる枠体
を構成する枠材、具体的には竪框であり、竪框（１）は
アルミニウムの押出型材からなり、室内、室外側板（１
１）、（１１）と一体に基ウエブ（２）および補強ウエ
ブ（３）を形成し、前記枠体の外周側に位置する箱状部
（１６）の内周側に断面ほぼコ字状のガラス嵌込部
（４）を形成してある。

【００１３】ガラス嵌込部（４）は、基ウエブ（２）と
室内、室外側板（１１）、（１１）とによって形成し、
前記枠体の内周側に開口している。また、前記嵌込部
（４）の前記開口側に位置する室内、室外側板（１
１）、（１１）の先端部対向面には、係合突起（１
２）、（１２）を形成してある。係合突起（１２）、
（１２）は、室内、室外側板（１１）、（１１）から直
角に嵌込部（４）内に突出する基部（１３）、（１３）
と、これらの突出端から嵌込部（４）開口側に直角に屈
曲する屈曲部（１４）、（１４）と、屈曲部（１４）、
（１４）の先端部に設けた係合部（１５）、（１５）と
を一体に形成してある。係合部（１５）、（１５）は、
先端が尖った二等辺三角形状に形成してあり、末端すな
わち嵌込部（４）底側端が屈曲部（１４）、（１４）の
両側面からそれぞれ突出させてある。（７）、（７）は
塩化ビニルなどの合成樹脂またはネオプレンゴムその他
の合成ゴムの押出成形品からなる室内、室外側ビードで
あり、これらのビード（７）、（７）は、室内、室外側
板（１１）、（１１）に形成した係合突起（１２）、
（１２）の屈曲部（１４）、（１４）および係合部（１
５）、（１５）と対応する断面形状の係合溝（５）、
（５）を形成してある。

【００１４】室内、室外側ビード（７）、（７）は、図
１の矢印に示すように、竪框（１）に形成した嵌込部
（４）開口側から、係合溝（５）、（５）を係合突起
（１２）、（１２）に押込むことにより、これらに接着
剤によってそれぞれ固着してある。すなわち、前記ビー
ド（７）、（７）は係合突起（１２）、（１２）の係合
部（１５）、（１５）に係合させ、屈曲部（１４）、
（１４）の全体を覆って基部（１３）、（１３）の嵌込
部（４）開口側面にそれぞれ支持させてある。また、ビ
ード（７）、（７）は、一端面を室内、室外側板（１
１）、（１１）の先端と一致させ、他端面を基部（１
３）、（１３）と一致させてそれぞれ配設し、対向面に
ガラス接触面（６）、（６）を形成し、これらの先端部
には嵌込部（４）の開口に向かって相互間隔を拡げるガ
イド面（８）、（８）が形成してある。

【００１５】さらに、ガラス板（１０）の周縁部を嵌込
部（４）内に嵌挿し、ガラス板（１０）の室内、室外側
面を、室内、室外側ビード（７）、（７）を圧縮してこ
れらのガラス接触面（６）、（６）に接触させることに
より、前記ビード（７）、（７）で挟着させる。

【００１６】なお、本発明に係るガラス取付用枠体は、
上、下框などの戸框の枠材は勿論、窓枠の枠材について
も同様に形成可能である。また、室内、室外側ビード
は、工場から戸框、窓枠などの枠体を出荷する以前に、
戸框などの枠材に予め固着しておく。

【００１７】

【発明の効果】以上説明したとおり、本発明のガラス取
付用枠体は、ガラス嵌込部を形成する枠材の室内、室外
側板の先端部対向面にそれぞれ形成した係合突起を、前
記対向面の前記嵌込部内に突出する基部から嵌込部開口
側に屈曲部を屈曲させ、これらの先端部に先端が尖った
略三角状の係合部を設けた構成とし、室内、室外側ビー
ドを、前記係合部に係合させると共に、係合突起の屈曲
部を覆って、前記基部の嵌込部開口側面にそれぞれ支持
させたので、ガラス板の着脱時において、枠材に対する
挿入、引出方向への外れや変位を阻止することができ
る。即ち、まずガラス板の嵌込部底側への挿入時には、
この挿入方向に室内、室外側ビードに力が加わるが、こ
れらのビードが枠材の室内、室外側板に形成した係合突
起の基部の嵌込部開口側面に、支持されることにより、
室内、室外側ビードは、分割されているにも拘らず、枠
材に対する挿入方向への外れや変位を阻止することが可
能である。また、ガラス板の嵌込部開口側への引出時に
は、この引出方向に内側、外側ビードに力が加わるが、
これらのビードが係合突起の係合部の嵌合部底側面に支
持されることにより、前記両ビードが係合突起の屈曲部
を覆っていることもあって、室内、室外側ビードは、分
割されていても、枠材に対する引出方向への外れや変位
を阻止できる。

【００１８】したがって、ビードを予め取付けた枠材の
ガラス嵌込部に対し、ガラス板を着脱するガラス取付用
枠体が有している、ガラス板の着脱が作業性よくできる
という利点を失うことなく、ガラス板の着脱時に、室
内、室外側ビードが枠材から外れたり、所定位置から変
位したりすることがなく、前記両ビードのガラス接触面
によってガラス板を確実に挟着できるという効果があ
る。

【００１９】さらに、室内、室外側ビードは、枠材のガ
ラス嵌込部開口側から室内、室外側板にそれぞれ形成し
た係合突起に押込むことにより、これらの係合突起に作
業能率よく固着でき、ガラス取付用枠体を安価に提供で
きるという効果もある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のガラス取付用枠体の一実施例を示した
部分横断面図である。

【符号の説明】

（１） 戸框の竪框（枠材） （４） ガラス嵌込部 （７） ビード （１０） ガラス板 （１１） 側板 （１２） 係合突起 （１３） 基部 （１４） 屈曲部 （１５） 係合部

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 窓枠、戸框などを構成する枠材に、ガラ
   ス板を挟着するビードを取付けたガラス取付用枠体にお
   いて、前記枠材に断面ほぼコ字形のガラス嵌込部を形成
   し、この嵌込部を形成する枠材の室内、室外側板の先端
   部対向面に、前記嵌込部内に基部が突出し、基部の突出
   端から嵌込部開口側に屈曲部が屈曲した係合突起をそれ
   ぞれ形成し、前記屈曲部の先端部に先端が尖った略三角
   形状の係合部を設け、室内、室外側ビードを、前記係合
   部に係合させると共に、前記係合突起の屈曲部を覆っ
   て、前記基部の嵌込部開口側面にそれぞれ支持させたこ
   とを特徴とするガラス取付用枠体。
2. 【請求項２】 室内、室外側ビードは、一端面を枠材の
   室内、室外側板の先端と一致させて配設し、他端面を係
   合突起の基部のガラス嵌込部底側面と一致させて配設し
   たことを特徴とする請求項１のガラス取付用枠体。