JPH0668492B2 - リウマチ因子の定量法 - Google Patents

リウマチ因子の定量法

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JPH0668492B2
JPH0668492B2 JP61062818A JP6281886A JPH0668492B2 JP H0668492 B2 JPH0668492 B2 JP H0668492B2 JP 61062818 A JP61062818 A JP 61062818A JP 6281886 A JP6281886 A JP 6281886A JP H0668492 B2 JPH0668492 B2 JP H0668492B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は,リウマチ因子の定量法に関し,特に,免疫ラ
テックス凝集法を利用するリウマチ因子の定量法に関す
る。
(従来の技術) リウマチ因子(Rheumatoid Factor;以下RFと略す)
は,慢性リウマチ様関節炎患者の血中に出現する物質
で,分子量約100万の巨大蛋白質といわれている。
RFの測定は,米国リウマチ協会の慢性関節リウマチ診
断の基準項目に指定されており,慢性関節リウマチ診断
の検査には臨床上不可欠とされている。
現在,RFの測定には,ラテツクス凝集反応を利用した
RF検査法やヒツジ赤血球を用いる受身血球凝集反応を
利用したRF・HA検査法が広く用いられている〔アク
タ・パス・マイクロビオル・スカンデイナビアン(Acta
Path. Microbiol.Scand.)第17巻第172頁,194
0年)。しかしながら,これらの測定法は定性反応であ
ることからRF値の変動を時間の経過と共に把握するの
が不可能であつたり,操作性の点でも欠陥があつた。
近年,検出法の進歩により血漿中の各種微量蛋白が定量
的に測定し得るようになりつつある。この検出法の一つ
が免疫比濁法である。免疫比濁法では,血漿蛋白のうち
比較的血中濃度の高いIgG,IgA,IgM,C3,C4,CRPが測定さ
れるが,感度面から低濃度,血漿蛋白の測定には限界が
あつた。
こういつた動向から低濃度の各種血漿蛋白の測定には免
疫ラテツクス凝集法が開発されてきている(特公昭58
−11575号公報,特開昭53−62826号公
報)。
(発明が解決しようとする問題点) 免疫ラテツクス凝集法はレーザー光を用いるので高感度
ではあるが,RFをこの方法を利用して定量する場合,
免疫反応(抗原−抗体反応)を速やかに行なわせるため
にポリエチレングリコールの存在下に該反応を行なわせ
るのが好ましい。しかし,この場合,良好な直線性を有
する検量線が得られず,従つて,定量に際し,検量線の
作成が煩雑になり,また,定量の精度が低下する問題が
ある。
(問題点を解決するための手段) 本発明は,試料及びヒトγ−グロブリンを感作した不溶
性担体を混合して混合液とし,該混合液中にトリアルキ
ルアミン、その塩及び第4級アンモニウム塩からなる群
から選ばれる少なくとも一種の水溶性化合物並びにポリ
エチレングリコールを共存させて抗原−抗体反応による
ラテックス凝集反応を起こさせて,光学的強度を測定
し,この測定値から試料中のリウマチ因子を定量するこ
とを特徴とするリウマチ因子の定量法に関する。
上記試料としては,血清等がある。
上記の不溶性担体としては,診断用ポリスチレン系ラテ
ツクス粒子等公知のものが使用でき,該担体にヒト−γ
グロブリンを物理的又は化学的に吸着させてヒト−γグ
ロブリンが感作された不溶性担体とされる。不溶性担体
は,測定感度向上の点から,粒径が0.05〜0.2μmであ
るのが好ましい。
この感作された不溶性担体は,上記混合液中に適宜の濃
度で使用されるが,吸光度の測定の容易さから0.05重量
%以下になるように使用されるのが好ましく,十分に反
応させる点からは0.01重量%以上が好ましい。
前記ポリエチレングリコールとしては,通常,平均分子
量が3,000以上のものが好ましい。分子量が大きくなる
とラテツクス凝集による光学的強度が大きくなる。ポリ
エチレングリコールは前記混合液中に,3重量%以下で
存在させるのが好ましい。ポリエチレングリコールの濃
度が高くなりすぎると感作された不溶性担体の非特異的
な凝集が起こりやすくなる。ポリエチレングリコール
は,前記混合液中に,0.5重量%以上の濃度で存在する
のが好ましい。少なすぎると反応促進の効果が小さい。
前記水溶性化合物としては,トリアルキルアミンとして
トリエチルアミン等,トリアルキルアミンの塩としてト
リエチルアミンの塩酸塩等及び第4級アンモニウム塩と
して塩化コリン,臭化コリン,塩化アセチルコリン,臭
化アセチルコリン,塩酸ベタイン等がある。これらの化
合物は,一種又は二種以上使用される。この水溶性化合
物は,前記混合液中に,適宜の濃度になるように使用さ
れるが,好ましくは0.1〜10重量%になるように使用
される。該水溶性化合物が少なすぎると添加することに
よる効果が小さく,多すぎると測定感度が低下しやすく
なる。
前記の感作された不溶性担体・ポリエチレングリコール
及び水溶性化合物は,適当な媒体に分散及び溶解して試
薬として使用するのが好ましい。
この場合,試薬としては,次の形態がある。
(1)感作された不溶性担体,ポリエチレングリコール及
び水溶性化合物を共に同一の媒体に分散又は溶解させた
試薬(1液のラテツクス試薬)。
(2)感作された不溶性担体を媒体に分散させた試薬(ラ
テツクス試薬) と ポリエチレングリコールと水溶性化合物を同じ媒体に溶
解した試薬 からなる2液型の試薬。
(3)感作された不溶性担体と水溶性化合物を共に同一の
媒体に分散又は溶解した試薬(ラテツクス試薬) と ポリエチレングリコールを溶解した試薬 からなる2液型の試薬。
(4)感作された不溶性担体を媒体に分散した試薬(ラテ
ツクス試薬), ポリエチレングリコールを媒体に溶解した試薬 と 水溶性化合物を媒体に溶解した試薬 からなる3液型の試薬。
これらのうち,(2)及び(3)の形態が最も好ましい。
前記において,媒体としては,リン酸緩衝液,グリシン
緩衝液,トリス塩酸緩衝液,グツド緩衝液等が好まし
く,pHを6〜10に調整したものが好ましい。
また,試薬には,適宜,牛血清アルブミン,塩濃度調整
のためのNaC等を溶解させてもよい。
前記1液のラテツクス試薬及び多液型のラテツクス試薬
において,感作された不溶性担体は,前記混合液中の濃
度が調整しやすくなるよう適宜の濃度で使用されるが,
0.1〜0.5重量%の濃度になるようにするのが,一般に使
用しやすい。前記のポリエチレングリコール及び水溶性
化合物は,1液のラテツクス試薬及び多液型の試薬にお
いて,前記混合液中での濃度が調整しやすくなるように
適宜の濃度で溶解される。
また,前記の媒体に,適宜,牛血清アルブミン,NaC
等を溶解させたものを,前記試薬と共に,液量調整の
ために使用してもよい。
本発明において,試料,前記の感作された不溶性担体,
ポリエチレングリコール及び前記水溶性化合物は適宜の
順序で混合され,混合液とされる。
上記抗原−抗体反応は,25〜37℃で行なうのが好ま
しく,反応中は恒温にするのが好ましい。この範囲をは
ずされると抗原−抗体反応が不安定になりやすい。さら
に,この反応は,30秒〜15分間行なわれるのが好ま
しい。30秒未満では,上記反応が不充分であり,吸光
度からRFを定量するのが困難になり,15分を越える
と短時間測定の長所が減じる。
上記ラテツクス凝集反応開始後,混合液の光学的強度が
適当な波長を選択して測定される。
ここで,光学的強度とは吸光度又は散乱光強度を意味す
る。波長は,通常500〜1,000nmの範囲から選択され
る。
光学的強度の測定は,反応開始後1回測定する方法〔終
末点測定(エンドポイントアツセイ),反応開始後の光
学的強度の増加を測定する方法〕及び反応開始後2回以
上測定し,その間の光学的強度の増加分又は単位時間当
りの増加分を求める方法並びに一定光学的強度に達する
までの時間を測定する方法のいずれも採用することがで
きる。
定量は,RF既知量の試料(例えばRF標準血清とその
希釈系列)について,前記の測定を行ない,その測定値
とRF量とから検量線を作成しておき,RF未知量の試
料について同一条件で測定した測定値から該検量線によ
つて対応するRF量を求めることによつて行なうことが
できる。
反応開始後,1回測定する方法で前記の2液型の試薬を
用いる場合には,さらに,次のようにして定量すること
ができる。
すなわち,試料について光学的強度(ET)を測定し,この
値から試料に起因する吸光度(ESB)とラテツクス試薬に
起因する吸光度を差し引き,算出強度(ERF)を求める。
ここで,試料に起因する光学的強度とは,例えば,上記
混合液の調整において,ラテツクス試薬の代わりに生理
食塩水を使用して得た液の光学的強度である。
ラテツクス試薬に起因する光学的強度とは,例えば上記
した混合液の調整において,試料の代わりに生理食塩水
を使用して得た液の光学的強度(ERB)から,上記した混
合液において試料及びラテツクス試薬の代わりに生理食
塩水を使用して得た光学的強度(EBB)を差し引いた値で
ある。
上記ET,ESB,ERB,EBBからRFに関する光学的強度ERF
次の式により求められる。
ERF=ET-ESB-(ERB-EBB) ERFからRFを定量する仕方は,前記の定量の仕方と同
様である。
(実施例) 次に試薬,測定方法,実測結果などに関連して本発明方
法を詳細に説明する。以下,%は重量%を意味する。
実施例1 1)試薬 i)希釈液 0.9%ポリエチレングリコール(平均分子量750
0),0.15M NaC,及び0.1%牛血清アルブミン
含有0.05Mリン酸緩衝液 ii)ラテツクス試薬 上記i)の希釈液からポリエチレングリコールを除き,
0.1M塩化コリンを溶解し,ヒトγ−グロブリンを感作
した粒径0.2μm以下のポリスチレン系ラテツクスを分
散させた試薬(ラテツクス濃度0.4重量%)。このラテ
ツクス試薬は0〜4℃で保存した場合には少なくとも1
2カ月間安定である。
2)測定方法 上記の表の4種の液を調製し,各液を37℃で10分間
恒温反応した後,570nmの波長吸光度を測定し,検体
血清(試料)の吸光度(ARF)を式 ARF=AT-ASB-(ARB-ABB) から算出する。検体血清としてリウマチ因子陽性血清
(上記RF二次標準血清)の1/5(24IU/d)
から5/5(120IU/d)まで5個の希釈系列を
用いて吸光度とRF値(IU/m)の検量線を作成し
た。測定は,日立自動分析装置705型(以下日立70
5形と略す)を用い,上記測定原理を適用した。
日立705形では分析法プログラムの2ポイントエンド
法を使用すると自動的に装置が上記測定法にもとづいて
演算し,測定結果を算出する。反応温度は25℃〜37
℃,測定波長は570nmを選択し,一波長測光を採用し
た。
3)実測結果 上記で得られた検量線を第1図にグラフ1として示す。
実施例2 実施例1において,ラテツクス試薬中の0.1M塩化コリ
ンを,0.12M塩化アセチルコリン,0.08M塩酸ベタイン
及び0.13Mトリエチルアミンに換えたこと以外は,実施
例1と同様に行なつた。それぞれの場合に,第1図のグ
ラフ1と同様の直線性に優れた検量線が得られた。
比較例1 実施例1における希釈液に,塩化コリンを含有させない
こと以外は,実施例1と同様に行なつた。得られた検量
線を第1図に,グラフ2として示す。
第1図から明らかなように,ポリエチレングリコールを
使用した場合に,検量線が直線性を示さない場合(グラ
フ2)でも,水溶性化合物(塩化コリン等)を使用する
ことにより,良好な直線性を有する検量線とすることが
できる。
(発明の効果) 本発明によれば,RFの測定において良好な直線を有す
る検量線が得られるため,検量線の作成が容易になり,
定量精度も向上する。
【図面の簡単な説明】
第1図は,実施例1及び比較例1で得られた検量線を示
す。 符号の説明 1……実施例1で得られた検量線 2……比較例1で得られた検量線

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】試料及びヒトγ−グロブリンを感作した不
    溶性担体を混合して混合液とし、該混合液中にトリアル
    キルアミン、その塩及び第4級アンモニウム塩からなる
    群から選ばれる少なくとも一種の水溶性化合物並びにポ
    リエチレングリコールを共存させて抗原−抗体反応によ
    るラテックス凝集反応を起こさせて、光学的強度を測定
    し、この測定値から試料中のリウマチ因子を定量するこ
    とを特徴とするリウマチ因子の定量法。
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