JPH10104233A - ヒトアンチトロンビンiiiの定量方法及び測定キット - Google Patents

ヒトアンチトロンビンiiiの定量方法及び測定キット

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JPH10104233A
JPH10104233A JP25892396A JP25892396A JPH10104233A JP H10104233 A JPH10104233 A JP H10104233A JP 25892396 A JP25892396 A JP 25892396A JP 25892396 A JP25892396 A JP 25892396A JP H10104233 A JPH10104233 A JP H10104233A
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JP
Japan
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antithrombin iii
human antithrombin
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solution
sample
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Application number
JP25892396A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Kuroda
広志 黒田
Yoshie Matsumoto
美枝 松本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 非特異的反応による凝集がなく、また、希釈
を必要としないにも関わらず広範囲において正確な測定
が可能な、高感度で迅速なヒトアンチトロンビンIII
の定量方法、測定キットを提供する。 【解決手段】 試料と、抗ヒトアンチトロンビンIII
抗体を感作した不溶性担体とを溶液中で混合して抗原抗
体反応による凝集反応を生じさせ、凝集反応に基づく吸
光度変化量を測定して検量線と照合することよりなるヒ
トアンチトロンビンIIIの定量方法であって、不溶性
担体は、ラテックス粒子であり、溶液中の不溶性担体の
濃度は、0.01〜1重量%であり、溶液中に、平均分
子量3000〜100万のポリエチレングリコール、及
び、平均分子量3000〜100万のポリビニルピロリ
ドンのうち少なくとも1種0.1〜5重量%が含有さ
れ、凝集反応は、恒温において、5秒〜15分間行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、試料中のヒトアン
チトロンビンIIIの高感度で迅速な定量方法、及び、
このヒトアンチトロンビンIIIの定量方法を実施する
ための測定キットに関する。
【0002】
【従来の技術】血液中に存在するヒトアンチトロンビン
IIIは、分子量約55000、アミノ酸残基数432
であり、糖鎖を13.4%含む糖タンパクである。この
ヒトアンチトロンビンIIIは、血液凝固の制御に関与
するプロテアーゼインヒビターであり、フィブリノーゲ
ンに作用して血液凝固を促進する酵素であるトロンビン
と結合することにより、血栓や血液凝固の主体であるフ
ィブリンの生成を抑制する。
【0003】このため、ヒトアンチトロンビンIII
は、血液中に血栓等が存在する場合には、消費され減少
する。従って、ヒトアンチトロンビンIIIを定量する
ことは、血栓症や全身的に血栓が多発する疾患である播
種性血管内凝固症候群(DIC)の診断等に有用であ
る。
【0004】ヒトアンチトロンビンIIIは、臨床的に
はその抗原量を測定すること及び酵素としての活性値を
測定することが有用である。抗原量を測定する方法とし
ては各種免疫的測定方法があり、酵素としての活性値を
測定する方法としては、「検査と技術」(22(5)、
(1994))の245頁に記載されているように、こ
の酵素の合成基質を用いてその消費量を測定する方法が
ある。
【0005】これらのうち、免疫的測定方法としては、
近年、反応系の微量化、感度の向上、反応時間の短縮等
を目的として、ラテックス凝集による免疫的測定方法が
開発されている。このようなラテックス凝集による免疫
的測定方法において用いられるラテックス凝集免疫試薬
としては様々なものが上市されている。
【0006】しかしながら、従来のラテックス凝集免疫
試薬は、非特異的反応による凝集がよく見られ、EIA
法等に比べると、特に低濃度域では正確に測定できない
等の問題があった。
【0007】また、一般に、免疫的測定方法は抗原抗体
反応を利用するため、その至適な測定範囲は狭く、従来
のラテックス凝集免疫試薬の測定範囲は、0.1〜2m
g/dl程度であった。しかしながら、ヒトアンチトロ
ンビンIIIの正常値は年齢、性差によって大きく異な
り、広範囲な正常値分布を有する。このため、従来のラ
テックス凝集免疫試薬を用いて検査を行うに際しては、
「医学と薬学」(29(2)、(1993))の411
〜417頁に記載されているように、煩雑な希釈操作が
必要とされ、不便であった。
【0008】4〜82mg/dlの範囲で測定が可能な
ラテックス凝集免疫試薬も開発されているが、このもの
も、広い測定範囲を達成するために検体を希釈している
ため、操作が煩雑であり、誤操作や、測定精度を下げる
原因となっていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
に鑑み、非特異的反応による凝集がなく、また、希釈を
必要としないにも関わらず広範囲において正確な測定が
可能な、高感度で迅速なヒトアンチトロンビンIIIの
定量方法、及び、このヒトアンチトロンビンIIIの定
量法を実施するための測定キットを提供することを目的
とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、試料中のヒト
アンチトロンビンIIIを定量するにあたり、上記試料
と、抗ヒトアンチトロンビンIII抗体を感作した不溶
性担体とを溶液中で混合して抗原抗体反応による凝集反
応を生じさせ、上記凝集反応に基づく吸光度変化量を測
定して検量線と照合することよりなるヒトアンチトロン
ビンIIIの定量方法であって、上記不溶性担体は、ラ
テックス粒子であり、上記溶液中の上記不溶性担体の濃
度は、0.01〜1重量%であり、上記溶液中に、平均
分子量3000〜100万のポリエチレングリコール、
及び、平均分子量3000〜100万のポリビニルピロ
リドンのうち少なくとも1種0.1〜5重量%が含有さ
れ、上記凝集反応は、恒温において、5秒〜15分間行
うものであり、上記吸光度変化量は、凝集反応に伴う吸
光度の増加量であるヒトアンチトロンビンIIIの定量
方法である。以下に本発明を詳述する。
【0011】本発明においては、試料中のヒトアンチト
ロンビンIIIを定量するにあたり、まず、試料と、抗
ヒトアンチトロンビンIII抗体を感作した不溶性担体
とを溶液中で混合して抗原抗体反応による凝集反応を生
じさせる。
【0012】上記試料としては特に限定されず、例え
ば、血清、血漿等が挙げられる。また、本発明のヒトア
ンチトロンビンIIIの定量方法は、これら以外の各種
の生体試料、非生体試料に適用することも可能である。
【0013】本発明においては、上記不溶性担体とし
て、粒径が比較的一定であり、また、工業的に一定の品
質、性能のものを大量生産することができるラテックス
粒子が用いられる。上記ラテックス粒子としては特に限
定されず、例えば、スチレン、塩化ビニル、アクリロニ
トリル、酢酸ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル
酸エステル等のビニル系モノマーの単一重合体や共重合
体;スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレ
ート−ブタジエン共重合体等のブタジエン系共重合体等
の微粒子等が挙げられる。これらのうち、抗体の吸着性
に優れており、かつ、生物学的活性を長期間安定に保持
できる等の理由から、ポリスチレン系のラテックス粒子
が好適に用いられる。
【0014】上記ラテックス粒子の粒径は、0.02〜
0.5μmが好ましい。小さすぎると、凍結乾燥を行っ
たときに分散が困難となり、大きすぎると、自己凝集が
進み、分散性が低下する。より好ましくは、0.05〜
0.2μmである。
【0015】上記不溶性担体は、抗ヒトアンチトロンビ
ンIII抗体が感作されたものである。上記抗ヒトアン
チトロンビンIII抗体としては特に限定されず、ポリ
クローナル抗体、モノクローナル抗体のいずれも使用す
ることができる。上記ポリクローナル抗体としては、ヒ
ト、ウサギ、ヤギ等の由来の動物種、グロブリン画分、
アフィニティ精製画分等の純度、Fab′、F(ab)
2等の処理方法等は制限されるものではない。上記不溶
性担体への上記抗ヒトアンチトロンビンIII抗体の感
作は、物理的又は化学的に吸着させる方法等により行う
ことができる。
【0016】本発明においては、上記試料と上記不溶性
担体とを溶液中で混合する。上記溶液としては特に限定
されず、例えば、リン酸緩衝液、グリシン緩衝液、トリ
ス塩酸緩衝液、グッド緩衝液等が挙げられる。
【0017】本発明においては、上記溶液中の上記不溶
性担体の濃度は、0.01〜1重量%である。低すぎる
と、凝集塊の形成が不充分であり、必要な感度が得られ
ず、高すぎると、バックグラウンドとしての吸光度が高
すぎ、正確な定量を行うことができないので、上記範囲
に限定される。好ましくは、0.02〜0.2重量%で
ある。
【0018】本発明においては、上記溶液中に、ポリエ
チレングリコール及びポリビニルピロリドンのうち少な
くとも1種が含有される。これらのものが上記溶液中に
含有されることにより、感度の向上及び反応の促進を図
ることができる。
【0019】上記ポリエチレングリコール及び上記ポリ
ビニルピロリドンの平均分子量は、それぞれ、3000
〜100万である。小さすぎると、感度の向上又は反応
促進の効果が不充分であり、大きすぎると、上記溶液へ
の溶解度が著しく低くなり、溶解性の点で問題が生じる
ので、上記範囲に限定される。好ましくは、ポリエチレ
ングリコールについては、4000〜3万、ポリビニル
ピロリドンについては、1万〜10万である。
【0020】上記溶液中の上記ポリエチレングリコール
及びポリビニルピロリドンのうち少なくとも1種の濃度
は、0.1〜5重量%である。低すぎると、感度が低
く、低濃度域での正確な測定ができず、高すぎると、非
特異的反応による凝集が生じ、正確な測定ができないの
で、上記範囲に限定される。好ましくは、ポリエチレン
グリコールについては、1〜4重量%、ポリビニルピロ
リドンについては、0.2〜3重量%である。
【0021】上記ポリエチレングリコール及び上記ポリ
ビニルピロリドンは、それぞれ、適宜な媒体に分散及び
溶解させて使用することが好ましい。この場合におい
て、上記不溶性担体と、上記ポリエチレングリコール及
びポリビニルピロリドンのうち少なくとも1種とを同一
の媒体に分散及び溶解させることにより1液型のラテッ
クス試薬として使用してもよく、また、それぞれ、別個
の媒体に分散及び溶解させることによりラテックス試薬
と溶液状試薬との2液型試薬として使用してもよい。
【0022】上記媒体としては特に限定されず、例え
ば、リン酸緩衝液、グリシン緩衝液、トリス塩酸緩衝
液、グッド緩衝液等が挙げられる。上記媒体のpHは、
5.5〜8.5が好ましい。より好ましくは、6.5〜
8.0である。
【0023】上記1液型のラテックス試薬中には、更
に、牛血清アルブミン、ショ糖、塩濃度調整のために塩
化ナトリウム等を適宜溶解させてもよい。また、上記ラ
テックス試薬と溶液状試薬との2液型試薬として使用す
る場合にも、それぞれに牛血清アルブミン、ショ糖、塩
濃度調整のために塩化ナトリウム等を適宜溶解させても
よい。
【0024】本発明においては、上記抗原抗体反応によ
る凝集反応は、恒温において行われる。好ましくは、2
5〜37℃である。また、上記凝集反応は、5秒〜15
分間行う。短すぎると、正確な測定ができず、長すぎる
と、非特異的反応による凝集が生じ、正確な測定ができ
ないので、上記範囲に限定される。
【0025】本発明においては、次に、上記凝集反応に
基づく吸光度変化量を測定して検量線と照合することに
より、ヒトアンチトロンビンIIIを定量する。上記吸
光度変化量は、凝集反応に伴う吸光度の増加量である。
【0026】上記吸光度変化量の測定の際の測定波長
は、通常、500〜1000nm、好ましくは、500
〜800nm、より好ましくは、550〜650nmの
範囲から適切な波長が選択される。上記吸光度変化量の
測定に用いられる測定装置としては、経時的に上記溶液
の吸光度を測定することできるものであれば特に限定さ
れず、例えば、汎用の生化学自動分析装置等が挙げられ
る。上記測定波長、検体量、試薬量等は、上記測定装置
に合わせて適宜選択することができる。
【0027】上記検量線と照合する具体的な方法として
は、例えば、ヒトアンチトロンビンIII標準血清及び
その希釈系列等のヒトアンチトロンビンIII既知量の
試料について、吸光度変化量の測定を行い、その測定値
とヒトアンチトロンビンIII量とから検量線を作成し
ておき、ヒトアンチトロンビンIII未知量の試料につ
いて同一条件で測定した吸光度変化量の測定値から上記
検量線において対応するヒトアンチトロンビンIII量
を求めることにより実施することができる。
【0028】本発明2は、抗ヒトアンチトロンビンII
I抗体を感作したラテックス粒子と、平均分子量300
0〜100万のポリエチレングリコール、及び、平均分
子量3000〜100万のポリビニルピロリドンのうち
少なくとも1種を含有する検体希釈用液とからなる本発
明1のヒトアンチトロンビンIIIの定量方法を実施す
るための測定キットである。
【0029】本発明2の測定キットを用いてヒトアンチ
トロンビンIIIを定量する具体的な方法としては、例
えば、吸光度変化量の測定に汎用の生化学自動分析装置
を使用するのであれば、本発明2の測定キットを所定の
位置にセットし、測定すべき試料及びヒトアンチトロン
ビンIII既知量の試料をセットし、適宜吸光度測定の
ための条件をセットすることにより実施することができ
る。また、吸光度変化量の測定に吸光度計を使用するの
であれば、本発明2の測定キット、測定すべき試料及び
ヒトアンチトロンビンIII既知量の試料を混合、攪拌
し、一定の時間経過後、その吸光度を測定することによ
り実施することができる。好ましくは、汎用の生化学自
動分析装置を用いる方法である。このような生化学自動
分析装置としては特に限定されず、例えば、7150型
自動分析装置(日立製作所製)、MIRA(COBAS
社製)等が挙げられる。
【0030】本発明のヒトアンチトロンビンIIIの定
量方法によれば、抗ヒトアンチトロンビンIII抗体を
感作した不溶性担体と試料とを溶液中で混合し、抗原抗
体反応を契機としたラテックス凝集反応を生ぜしめ、こ
の溶液の吸光度変化量を測定し、予め作成しておいた検
量線を用いて、濃度未知の試料中のヒトアンチトロンビ
ンIII量を正確に測定することができる。また、本発
明のヒトアンチトロンビンIIIの定量方法を実施する
ための測定キットを用いることにより、試料中のヒトア
ンチトロンビンIII量を正確に測定することができ
る。
【0031】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。
【0032】実施例1〜40、比較例1〜40 1)試薬及び材料 実施例1〜40及び比較例1〜40で使用した試薬及び
材料は以下の通りである。
【0033】ラテックス 平均粒径0.304μmのポリスチレンラテックス(固
形分10%(W/V)、積水化学工業社製)を用いた。ラテックス希釈用緩衝液 50mMのNa2 HPO4 と、50mMのNaH2 PO
4 とを、pH7.50になるように混合したものを用い
た。抗ヒトアンチトロンビンIII抗体 ヤギの抗血清からイムノグロブリン分画にまで精製した
ヤギ抗ヒトアンチトロンビンIII抗体(1mg/m
l)を用いた。
【0034】抗体希釈用緩衝液 ラテックス希釈用緩衝液を、抗体希釈用緩衝液として用
いた。ブロッキング用緩衝液 100mMのNa2 HPO4 と、100mMのNaH2
PO4 とを、pH7.40になるように混合し、ウシ血
清アルブミン(Bovine serum album
in、FractionV、Reagent Grad
e、MilesCorp.社製)を1%(W/V)にな
るように、また、NaN3 (試薬特級、ナカライテスク
社製)を0.1%(W/V)になるように添加したもの
を用いた。
【0035】血漿検体 血栓既往症を有する患者及び健常人の血漿を用いた。ヒトアンチトロンビンIII標準ヒト血清 ヒトプール血清から、アフィニティクロマトグラフィに
よりヒトアンチトロンビンIIIを除去した血清に対し
て、精密に秤量したヒトアンチトロンビンIII精製抗
原を添加し、40mg/dlのヒトアンチトロンビンI
II標準ヒト血清を調製した。更に、生理食塩水にて約
20、10、5、2.5mg/dlにそれぞれ希釈して
使用した。また、血液項目用標準血清を含まない、生理
食塩水のみのものを0mg/dlとした。
【0036】検体希釈用液(R1液) ブロッキング用緩衝液に、ポリエチレングリコール60
00(平均分子量7500、和光純薬工業社製)を3%
(W/V)になるように添加したものを用いた。SRID法 市販のアガロース培地を用いて、ヒトアンチトロンビン
III標準ヒト血清により検量線を製し、検体中のヒト
アンチトロンビンIIIの定量を行った。なお、抗体と
してはヤギポリクローナル抗体(DAKO社製)を用い
た。ヒトアンチトロンビンIII測定用ラテックス凝集免疫
試薬 市販のラテックス凝集免疫試薬(エルピアエースATI
II、ダイアヤトロン社製)を用いた。
【0037】2)方法 (1)ラテックス試薬の調製 平均粒径0.304μmのポリスチレンラテックス(固
形分10%(W/V))1容に、ラテックス希釈用緩衝
液3容を添加希釈し、2.5%(W/V)ラテックス液
とした。抗ヒトアンチトロンビンIII抗体は、タンパ
ク濃度が66.7μg/mlになるように抗体希釈用緩
衝液で希釈し、感作抗体液とした。2.5%(W/V)
ラテックス液200μ1を25℃のインキュベーター中
でマグネチックスターラーで攪拌しながら、抗体感作液
800μlを素早く添加し、25℃にて1時間攪拌し
た。その後、ブロッキング用緩衝液を2.0ml添加
し、25℃にて続けて2時間攪拌した。その後、15
℃、15000rpmにて15分間遠心分離した。得ら
れた沈殿にブロッキング用緩衝液4.0mlを添加し、
同様に遠心分離することにより、沈殿を洗浄した。洗浄
操作は3回行った。この沈殿にブロッキング用緩衝液を
2.0ml添加し、よく攪拌した後、超音波破砕機にて
分散処理を行い、固形分0.25%(W/V)のラテッ
クス試薬とした。このようにして調製したラテックス試
薬は4℃にて保存した。
【0038】(2)ラテックス試薬によるヒトアンチト
ロンビンIII量の測定 ラテックス試薬によるヒトアンチトロンビンIII量の
測定は、生化学用自動分析装置7150形(日立製作所
社製)を用いて行った。上記(1)で得られた固形分
0.25%(W/V)のラテックス試薬をそのままR2
液(固形分0.25%(W/V))とした。測定条件は
以下の通りである。
【0039】 検体容量 3μl 検体希釈液(R1液) 300μl 試薬(R2液) 100μl 測定波長 570nm 測定温度 37℃
【0040】試薬(R2液)を添加してから約80秒後
の吸光度と約320秒後の吸光度の差(△OD570)
を測定し、この吸光度の差を10000倍したものを吸
光度変化量とした。検体の代わりに既知濃度の血液項目
用標準血清で同様の測定を行って、予め検量線を作成し
ておき、上記検体の吸光度変化量を上記検量線に外挿し
て、検体中のヒトアンチトロンビンIII量を測定し
た。
【0041】(3)SRID法によるヒトアンチトロン
ビンIII量の測定 上記(2)で測定したすべての検体について、SRID
法を用いて、検体中のヒトアンチトロンビンIII量を
測定した。
【0042】(4)市販のラテックス凝集免疫試薬によ
るヒトアンチトロンビンIII量の測定 上記(2)で測定したすべての検体について、市販のラ
テックス凝集免疫試薬(エルピアエースATIII、ダ
イアヤトロン社製)を用いて、検体中のヒトアンチトロ
ンビンIII量を測定した。測定方法は、キット添付の
操作法に従い、専用機であるエルピア100を用いて行
った。
【0043】3)試験と結果 (1)実施例1〜40 血栓症既往症を有する患者及び健常人の血清を検体とし
て、上記2)の(2)ラテックス試薬によるヒトアンチ
トロンビンIII量の測定に従って、検体中のヒトアン
チトロンビンIII量を測定した。また、上記2)の
(3)SRID法によるヒトアンチトロンビンIII量
の測定に従って、検体中のヒトアンチトロンビンIII
量を測定した。これらの測定結果を、表1に示した。ま
た、表1に示したラテックス試薬によるヒトアンチトロ
ンビンIII量とSRID法によるヒトアンチトロンビ
ンIII量との相関を図1に示した。
【0044】(2)比較例1〜40 上記の血栓症既往症を有する患者及び健常人の血清を検
体として、上記2)の(4)市販のラテックス凝集免疫
試薬によるヒトアンチトロンビンIII量の測定に従っ
て、検体中のヒトアンチトロンビンIII量を測定し
た。これらの測定結果を、表2に示した。また、表2に
示した市販のラテックス凝集免疫試薬によるヒトアンチ
トロンビンIII量と表1に示したSRID法によるヒ
トアンチトロンビンIII量との相関を図2に示した。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】表1及び表2、並びに、図1及び図2から
明らかなように、本発明のヒトアンチトロンビンIII
の定量方法によって測定されたヒトアンチトロンビンI
II量は、SRID法によるヒトアンチトロンビンII
I量と、低濃度域においても高濃度域においてもよく一
致したが、市販のラテックス凝集免疫試薬によるヒトア
ンチトロンビンIII量は、SRID法によるヒトアン
チトロンビンIII量と、低濃度域及び高濃度域におい
て、必ずしも一致しなかった。以上の結果から、本発明
のヒトアンチトロンビンIIIの定量方法は、従来のラ
テックス凝集免疫試薬よりも高感度で、かつ、SRID
法よりも迅速、簡便な優れた定量法であることが確認さ
れた。
【0048】
【発明の効果】本発明のヒトアンチトロンビンIIIの
定量方法は、上述の構成からなるので、従来のラテック
ス凝集免疫試薬で見られたような検体中の共存物質によ
る非特異的反応を抑制し、かつ低濃度域でもSRID法
と同様の検出感度を示す。また、このヒトアンチトロン
ビンIIIの定量方法を実施するための測定キットを用
いることにより、迅速かつ簡便にヒト血清中のヒトアン
チトロンビンIIIを正確に定量することが可能とな
り、疾患の発見、病態の把握、治療方法の決定等に有効
に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1〜40において使用された検体中の、
ラテックス試薬によるヒトアンチトロンビンIII量
と、SRID法によるヒトアンチトロンビンIII量と
の相関を示す図である。縦軸は、SRID法によるヒト
アンチトロンビンIII量を表し、横軸は、ラテックス
試薬によるヒトアンチトロンビンIII量を表す。
【図2】比較例1〜40において使用された検体中の、
市販のラテックス凝集免疫試薬によるヒトアンチトロン
ビンIII量とSRID法によるヒトアンチトロンビン
III量との相関を示す図である。縦軸は、市販のラテ
ックス凝集免疫試薬によるヒトアンチトロンビンIII
量を表し、横軸は、SRID法によるヒトアンチトロン
ビンIII量を表す。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料中のヒトアンチトロンビンIIIを
    定量するにあたり、前記試料と、抗ヒトアンチトロンビ
    ンIII抗体を感作した不溶性担体とを溶液中で混合し
    て抗原抗体反応による凝集反応を生じさせ、前記凝集反
    応に基づく吸光度変化量を測定して検量線と照合するこ
    とよりなるヒトアンチトロンビンIIIの定量方法であ
    って、前記不溶性担体は、ラテックス粒子であり、前記
    溶液中の前記不溶性担体の濃度は、0.01〜1重量%
    であり、前記溶液中に、平均分子量3000〜100万
    のポリエチレングリコール、及び、平均分子量3000
    〜100万のポリビニルピロリドンのうち少なくとも1
    種0.1〜5重量%が含有され、前記凝集反応は、恒温
    において、5秒〜15分間行うものであり、前記吸光度
    変化量は、凝集反応に伴う吸光度の増加量であることを
    特徴とするヒトアンチトロンビンIIIの定量方法。
  2. 【請求項2】 抗ヒトアンチトロンビンIII抗体を感
    作したラテックス粒子と、平均分子量3000〜100
    万のポリエチレングリコール、及び、平均分子量300
    0〜100万のポリビニルピロリドンのうち少なくとも
    1種を含有する検体希釈用液とからなることを特徴とす
    る請求項1記載のヒトアンチトロンビンIIIの定量方
    法を実施するための測定キット。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014500500A (ja) * 2010-12-09 2014-01-09 オムリックス・バイオファーマシューティカルズ・リミテッド トロンビンを検出するためのイムノアッセイ
CN105223348A (zh) * 2014-05-26 2016-01-06 北京九强生物技术股份有限公司 人抗凝血酶iii的胶乳增强免疫比浊法检测试剂盒
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CN108291911A (zh) * 2015-10-30 2018-07-17 美迪恩斯生命科技株式会社 凝血酶-抗凝血酶复合体的测定试剂及测定方法

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