JPH1026622A - ヒトα−フェトプロテインの定量法および測定キット - Google Patents

ヒトα−フェトプロテインの定量法および測定キット

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JPH1026622A
JPH1026622A JP26181696A JP26181696A JPH1026622A JP H1026622 A JPH1026622 A JP H1026622A JP 26181696 A JP26181696 A JP 26181696A JP 26181696 A JP26181696 A JP 26181696A JP H1026622 A JPH1026622 A JP H1026622A
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JP
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afp
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latex
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JP26181696A
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Inventor
Yoshie Matsumoto
美枝 松本
Motohito Tamaki
元人 玉木
Hiroshi Kuroda
広志 黒田
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】非特異的反応による凝集がなく、低濃度域でも
正確な測定が可能な、高感度で迅速なヒトα−フェトプ
ロテインAFPの定量法を提供する。 【解決手段】抗AFP抗体を感作した不溶性担体と試料
を混合し、抗原−抗体凝集反応による反応液の吸光度変
化量を測定し、検量線を用いて未知試料のAFPを定量
するに当り、不溶性担体としてラテックス粒子を用い、
抗AFP抗体感作不溶性担体を凝集反応液中の濃度が
0.01〜0.08重量%になるように用い、平均分子
量3千〜百万のポリエチレングリコールおよび/または
平均分子量30万〜百万のポリビニルピロリドンを凝集
反応液中の濃度が0.1〜5重量%になるように加え、
不溶性担体と試料との反応を5秒〜15分間恒温で行
い、ラテックス凝集反応の進行に伴う吸光度の増加を測
定するAFPの定量法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は試料中のヒトα−フ
ェトプロテイン(以下AFPと略す)の高感度で迅速な
定量法、特にラテックス凝集比濁法を利用する定量法に
関し、また、該AFP定量法を利用したAFP測定用免
疫学的キットに関する。
【0002】
【従来の技術】AFPは1963年Abelevにより発見さ
れた、平均分子量64,000の代表的な癌胎児性タン
パクであり、胎生6週から血中に出現して胎生13週で
最高値を示し、出生時には低下する。AFPは、健康成
人血中にはほとんど認められないが、肝疾患ではしばし
ば血中に出現し、特に肝細胞癌では高値を呈する。AF
Pの推移は、腫瘍の状態を極めてよく反映することが認
められており、臨床検査分野では特に肝細胞癌に極めて
特異性の高い重要なマーカーとして広く用いられてきた
(小山研二ら、臨床成人病、16巻6号(1986)、
265〜269頁)。
【0003】従来、AFPの測定は定性法、半定量法な
どによって行われていたが、その後ラジオイムノアッセ
イ法やエンザイムイムノアッセイ法が広く普及し、数多
くの検討結果が報告されている。また、最近では反応系
の微量化、感度の向上、反応時間の短縮を目的として、
ラテックス凝集による免疫測定法を始めフェライト粒子
固相アッセイ、免疫蛍光測定法、免疫化学発光法などが
開発されている。特に、ラテックス凝集による免疫測定
法については、様々なラテックス凝集免疫試薬が市販さ
れている(大倉久直ら、臨床化学、24巻4号(199
5)、188〜195頁)。しかし、この方法では、非
特異的反応による凝集がよく見られ、ラジオイムノアッ
セイ法に比べると、特に低濃度域では正確に測定できな
いなどの問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来、AFPの正常値
は20ng/ml以下とされており、従ってほとんどの
ラテックス凝集免疫試薬の測定範囲は20〜1,000
ng/ml程度であった。しかし近年、画像診断の発達
と普及に伴って、早期の肝細胞癌が検出されるようにな
り、検出時の血清AFPレベルが低下したため、5ng
/ml程度までのAFPの検出感度が要求されるように
なって来た。これに伴い、0〜250ng/mlの範囲
で測定が可能なラテックス凝集免疫試薬が開発されてい
るが、これらの試薬は高感度を達成するため、特異性が
低下する傾向があるといわれている。特に、非特異的反
応による凝集が生じやすく、低濃度域での正確な定量が
困難になっている。
【0005】本発明の目的は、上記のごとき実情に鑑
み、非特異的反応による凝集がなく、低濃度域でも正確
な測定が可能な、高感度で迅速なAFPの定量法および
該AFPの定量法を利用した免疫学的キットを提供する
ことにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、抗AFP抗体
を感作した不溶性担体と試料を混合し、抗原−抗体反応
による凝集反応を生ぜしめ、該反応液の吸光度変化量を
測定し、予め濃度既知のAFPを試料として測定し、得
られた検量線を用いて、濃度未知の試料中のAFPを定
量するに当り、(1) 不溶性担体としてラテックス粒子を
用い、(2) 抗ヒトα−フェトプロテイン抗体を感作した
不溶性担体を、凝集反応を生ぜしめる反応液中の濃度が
0.01〜0.08重量%になるように使用し、(3) 平
均分子量3,000〜1,000,000のポリエチレ
ングリコールおよび/または平均分子量300,000
〜1,000,000のポリビニルピロリドンを、凝集
反応を生ぜしめる反応液中の濃度が0.1〜5重量%に
なるように添加し、(4) 不溶性担体と試料との反応を5
秒〜15分間、恒温で行い、(5) ラテックス凝集反応の
進行に伴う吸光度の増加を測定することを特徴とするA
FPの定量法である。
【0007】本発明はまた、上記該AFPの定量法を利
用して、AFPを定量するキットであって、(1) 抗ヒト
α−フェトプロテイン抗体を感作したラテックス粒子
と、(2) 平均分子量3,000〜1,000,000の
ポリエチレングリコールおよび/または平均分子量30
0,000〜1,000,000のポリビニルピロリド
ンを含む検体希釈用希釈液とからなるAFP測定用免疫
学的キットである。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の構成要件について
詳述する。
【0009】試料としては、血清、血漿などがある。
【0010】不溶性担体としては、ラテックス粒子を用
いる。粒子としては、粒径が比較的一定であり、一定の
品質、性能を有し、工業的に大量生産できる有機系微粒
子が好ましい。例えば、スチレン、塩化ビニル、アクリ
ロニトリル、酢酸ビニル、アクリル酸エステル、メタク
リル酸エステルなどのビニル系モノマーの単独重合体お
よび/または共重合体、スチレン−ブタジエン共重合
体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体などの
ブタジエン系共重合体などの微粒子が挙げられる。抗体
の吸着性に優れており、かつ生物学的活性を長期間安定
に保持できるなどの理由から、特にポリスチレン系のラ
テックス粒子が好ましい。不溶性担体への抗AFP抗体
の感作は、担体に抗体を物理的または化学的に吸着させ
る方法にて行う。不溶性担体としての粒子の粒径は、
0.05〜1μmであるのが好ましいが、特に好ましく
は、0.1〜0.4μmである。該粒径が0.05μm
未満であると、凍結乾燥を行ったときに粒子の分散が困
難になる。また、該粒径が1μmを超えると、自己凝集
が進み、分散性が低下する。
【0011】抗AFP抗体は、ポリクローナル抗体、モ
ノクローナル抗体のいずれでもよい。ポリクローナル抗
体の場合、由来の動物種(ヒト、ウサギ、ヤギなど)や
純度(グロブリン画分またはアフィニティ精製画分な
ど)は特に限定されず、また抗体の構造も限定されず、
抗体の構造についても、免疫グロブリン分子自体のほ
か、Fab' やF(ab)2 断片のような断片であって
もよい。
【0012】抗AFP抗体を感作した不溶性担体は、凝
集反応を生ぜしめる反応液中の濃度が0.01〜0.0
8重量%になるように使用する。該濃度が0.01重量
%未満であると、凝集塊の形成が不十分で、必要な感度
が得られない。また、該濃度量が0.08重量%を超え
ると、バックグラウンドとしての吸光度が高すぎ、正確
な定量が行えない。
【0013】反応液中に添加するポリエチレングリコー
ルとしては、感度向上または反応促進を目的として、
3,000〜1,000,000の平均分子量を有する
ものを用いる。ポリエチレングリコールの平均分子量が
3,000未満であると、感度向上または反応促進の効
果が不十分であり、また、ポリエチレングリコールの平
均分子量が1,000,000を超えると、媒体へのポ
リエチレングリコールの溶解度が著しく低くなり、溶解
性の点で問題が生じる。平均分子量3,000〜1,0
00,000のポリエチレングリコールは、凝集反応を
生ぜしめる反応液中の濃度が0.1〜5重量%になるよ
うに添加して使用する。該ポリエチレングリコール濃度
が0.1重量%未満であると、感度が低く、低濃度域で
の正確な測定ができない。また、該ポリエチレングリコ
ール濃度が5重量%を超えると、非特異的反応による凝
集が生じ、正確な測定ができない。
【0014】また、ポリエチレングリコールと同じ目的
で反応液中に添加するポリビニルピロリドンとしては、
300,000〜1,000,000の平均分子量を有
するものを用いる。ポリビニルピロリドンの平均分子量
が300,000未満であると、感度向上または反応促
進の効果が不十分であり、また、ポリビニルピロリドン
の平均分子量が1,000,000を超えると、媒体へ
のポリビニルピロリドンの溶解度が著しく低くなり、溶
解性の点で問題が生じる。平均分子量300,000〜
1,000,000のポリビニルピロリドンは、凝集反
応を生ぜしめる反応液中の濃度が0.1〜5重量%にな
るように添加して使用する。該ポリビニルピロリドン濃
度が0.1重量%未満であると、感度が低く、低濃度域
での正確な測定ができない。また、該ポリビニルピロリ
ドン濃度が5重量%を超えると、非特異的反応による凝
集が生じ、正確な測定ができない。
【0015】平均分子量3,000〜1,000,00
0のポリエチレングリコールおよび/または平均分子量
300,000〜1,000,000のポリビニルピロ
リドンは、それぞれ適当な水性媒体に分散および溶解し
て使用するのが好ましい。この場合、前記の抗体を感作
した不溶性担体とポリエチレングリコールおよび/また
はポリビニルピロリドンとは、同一の媒体に分散または
溶解して1液のラテックス試薬としてもよいし、また、
不溶性担体とポリエチレングリコールおよび/またはポ
リビニルピロリドンとを別個に水性媒体に分散または溶
解させて不溶性担体のラテックス試薬とポリエチレング
リコールおよび/またはポリビニルピロリドンの溶液状
の試薬(検体希釈用希釈液)との2液型試薬として使用
してもよい。好ましくは2液型の試薬を用いる。
【0016】ここで、水性媒体としては、リン酸緩衝
液、グリシン緩衝液、トリス塩酸緩衝液、グッド緩衝液
などが好ましい。水性媒体のpHは、好ましくは5.5
〜8.5、特に好ましくは6.5〜8.0である。
【0017】上記一液のラテックス試薬中には、さら
に、牛血清アルブミン、ショ糖、塩濃度調整用の塩化ナ
トリウムなどを適宜溶解させてもよい。また、ラテック
ス試薬と溶液状の試薬(検体希釈用希釈液)との2液型
試薬にも、それぞれに牛血清アルブミン、ショ糖、塩濃
度調整用の塩化ナトリウムなどを適宜溶解させてもよ
い。
【0018】不溶性担体と試料との反応は、抗原−抗体
反応およびそれに伴なうラテックス凝集反応であり、5
秒〜15分間、恒温で行う。反応時間が5秒未満である
と、正確な測定ができない。また、反応時間が15分を
超えると、非特異的反応による凝集が生じ、正確な測定
ができない。該反応は、特に25℃〜37℃で行うのが
好ましい。
【0019】吸光度測定について、ラテックス凝集反応
の進行に伴う吸光度の増加を測定する。吸光度測定は、
通常500〜1000nm、好ましくは500〜800
nm、特に好ましくは550〜650nmの範囲内で適
切な波長を選択して測定される。
【0020】測定に使用する機器は、経時的に反応液の
吸光度を測定しうるものであればよいが、汎用の生化学
自動分析装置が好ましい。上記の測定波長、検体量、試
薬量などは、装置に合わせて適宜選択できる。
【0021】AFPの定量は、AFP既知量の試料(例
えば、AFP標準血清とその希釈系列)について、前記
の測定を行い、その測定値とAFP量とから検量線を作
成しておき、AFP未知量の試料について同一条件で測
定した測定値から該検量線において対応するAFP量を
求めることによって行うことができる。
【0022】
【作用】上記のように、本発明によれば、抗AFP抗体
を感作した不溶性担体と試料を混合し、抗原−抗体反応
およびこれに伴なうラテックス凝集反応を生ぜしめ、該
反応液の吸光度変化量を測定し、予め作成した検量線を
用いて、濃度未知の試料中のAFP量を正確に測定する
ことができる。また、該AFPの定量法を利用して濃度
未知の試料中のAFP量を正確に測定するAFP測定用
免疫学的キットを提供することができる。
【0023】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。
【0024】1)試薬および材料 AFPの定量に用いる試薬および材料は以下の通りであ
る。
【0025】ラテックス:平均粒径0.304μmのポ
リスチレンラテックス(固形分10%(W/V)、積水
化学社製)を用いた。
【0026】ラテックス希釈用緩衝液:50mMのNa
2 HPO4 と50mMのNaH2 PO4 をpH7.50
になるように混合し、この混合液をラテックス希釈用緩
衝液として用いた。
【0027】抗AFP抗体:ウサギの抗血清からイムノ
グロブリン分画にまで精製したウサギ抗AFP抗体を用
いた。
【0028】抗体希釈用緩衝液:上記ラテックス希釈用
緩衝液を抗体希釈用緩衝液としても用いた。
【0029】ブロッキング用緩衝液:100mMのNa
2 HPO4 と100mMのNaH2PO4 をpH7.4
0になるように混合し、この混合液にウシ血清アルブミ
ン(Bovine serum albumin Fraction V 、Reagent Grad
e 、Miles Corp. 社製)を1%(W/V)になるよう
に、またNaN3 (試薬特級、ナカライテスク社製)を
0.1%(W/V)になるように添加したものを、ブロ
ッキング用緩衝液として用いた。
【0030】血清検体:肝細胞癌患者および健常人の血
清を用いた。
【0031】AFP標準品:ヒトプール血清から精製さ
れたAFP標準品(WHP標準品、90,890I.
U./ml、110.0μg/ml、DAKO社製)を
生理食塩水にて2,000、500、100、20およ
び5ng/mlにそれぞれ希釈して使用した。また、A
FP標準品を含まない生理食塩水だけのものを0ng/
mlとして用いた。
【0032】検体希釈用希釈液(R1−A液):ブロッ
キング用緩衝液に、ポリエチレングリコール6000
(平均分子量7,500、和光純薬社製)を3%(W/
V)になるように添加したものを検体希釈用希釈液(R
1−A液)として用いた。
【0033】検体希釈用希釈液(R1−B液):ブロッ
キング用緩衝液に、ポリビニルピロリドン(平均分子量
900,000、BASF社製)を0.5%(W/V)
になるように添加したものを検体希釈用希釈液(R1−
B液)として用いた。
【0034】AFP測定用ラジオイムノアッセイキッ
ト:市販のラジオイムノアッセイキット(α−フェト・
リアビーズ、ダイナボット社製)を用いた。
【0035】AFP測定用ラテックス凝集免疫試薬:市
販のラテックス凝集免疫試薬(エルピアエースAFP、
ヤトロン社製)を用いた。
【0036】2)調製および試験方法 (1) ラテックス試薬の調製 平均粒径0.304μmのポリスチレンラテックス(固
形分10%(W/V)1容に、ラテックス希釈用緩衝液
で3容を添加し、2.5%ラテックス液を得た。抗AF
P抗体は、タンパク濃度が50μg/mlになるように
抗体希釈用緩衝液で希釈し、抗体液とした。上記2.5
%(W/V)ラテックス液200μlを25℃のインキ
ュベーター中でマグネチックスターラーで攪拌しなが
ら、ここへ上記抗体液800μlを素早く添加し、25
℃にて1時間攪拌した。その後、ブロッキング用緩衝液
を2.0ml添加し、25℃にて続けて2時間攪拌し
た。次にこの混合液を15℃、15,000rpmにて
15分間遠心分離した。得られた沈澱にブロッキング用
緩衝液4.0mlを添加し、上記と同様に遠心分離をす
ることにより、沈澱を洗浄した。洗浄操作は3回行っ
た。この沈澱にブロッキング用緩衝液を2.0ml添加
し、よく攪拌した後、超音波破砕機にて分散処理を行
い、固形分0.25%(W/V)のラテックス試薬を得
た。このようにして調製したラテックス試薬を4℃にて
保存した。
【0037】(2) ラテックス試薬によるAFP量の測定 ラテックス試薬によるAFP量の測定は、生化学用自動
分析装置7150形(日立製作所社製)を用いて行っ
た。上記操作(1) で得られた固形分0.25%(W/
V)のラテックス試薬をそのままR2液(固形分0.2
5%(W/V))とした。測定条件は以下の通りであ
る。
【0038】 検体容量 20μl 検体希釈用希釈液(R1−A液またはR1−B液) 210μl ラテックス試薬(R2液) 30μl 測定波長 570nm 測定温度 37℃
【0039】試薬(R2液)を添加してから約80秒後
の吸光度と約320秒後の吸光度の差(ΔOD570)
を測定し、この吸光度の差を10,000倍したものを
吸光度変化量とした。
【0040】検体の代わりに既知濃度のAFP標準品を
用いて上記と同様の測定を行って、予め検量線を作成し
ておき、上清検体の吸光度変化量を上記検量線に外挿し
て、検体中のAFP量を算出した。
【0041】(3) ラジオイムノアッセイ法によるAFP
量の測定 上記操作(2) で測定したすべての検体について、市販の
ラジオイムノアッセイキット(α−フェト・リアビー
ズ、ダイナボット社製)を用いて、検体中のAFP量を
測定した。測定方法は、キット添付の操作法に従って行
った。
【0042】(4) 市販のラテックス凝集免疫試薬による
AFP量の測定 上記操作(2) で測定したすべての検体について、市販の
ラテックス凝集免疫試薬(エルピアエースAFP、ヤト
ロン社製)を用いて、検体中のAFP量を測定した。測
定方法は、キット添付の操作法に従い、生化学用自動分
析装置7150形(日立製作所社製)を用いて行った。
【0043】3)試験と結果 (1) 実施例1〜50 肝細胞癌患者および健常人の血清を検体として、検体希
釈用希釈液(R1−A液)を用い、上記2)の操作(2)
「ラテックス試薬によるAFP量の測定」に従って、検
体中のAFP量を測定した。また、上記2)の操作(3)
「ラジオイムノアッセイ法によるAFP量の測定」に従
って、検体中のAFP量を測定した。これらの測定結果
は、表1に示すとおりである。また、表1に示したラテ
ックス試薬によるAFP量とラジオイムノアッセイ法に
よるAFP量との相関を図1に示す。
【0044】(2) 実施例51〜100 検体希釈用希釈液(R1−A液)の代わりに検体希釈用
希釈液(R1−B液)を用いた点の除いて、実施例1〜
50と同様にして、検体中のAFP量を測定した。これ
らの測定結果は、表1に示すとおりである。また、表1
に示したラテックス試薬によるAFP量とラジオイムノ
アッセイ法によるAFP量との相関を図2に示す。
【0045】(3) 比較例1〜50 上記の肝細胞癌患者および健常人の血清を検体として、
上記2)の操作(4) 「市販のラテックス凝集免疫試薬に
よるAFP量の測定」に従って、検体中のAFP量を測
定した。これらの測定結果は、表2に示すとおりであ
る。また、表2に示した市販のラテックス凝集免疫試薬
によるAFP量と表1に示したラジオイムノアッセイ法
によるAFP量との相関を図3に示す。
【0046】表1、表2、図1、図2および図3から明
らかなように、本発明のラテックス試薬によって測定さ
れたAFP量は、ラジオイムノアッセイ法によるAFP
量と、低濃度域においてもよく一致したが、市販のラテ
ックス凝集免疫試薬によるAFP量は、ラジオイムノア
ッセイ法によるAFP量と、低濃度域および高濃度域に
おいて、必ずしも一致しなかった。
【0047】以上の結果から、本発明によるAFP定量
法は、従来のラテックス凝集免疫試薬よりも高感度で、
しかもラジオイムノアッセイ法よりも迅速、簡便な優れ
た定量法であることが確認された。
【0048】
【表1】
【表2】
【0049】
【発明の効果】本発明のAFPの定量法および該AFP
の定量法を利用した免疫学的キットの構成は上記の通り
であるので、従来のラテックス凝集免疫試薬で見られた
ような検体中の共存物質による非特異的反応を抑制し、
かつ低濃度域でもラジオイムノアッセイ法と同様の検出
感度を示すAFPの定量法を提供することができ、ま
た、該AFPの定量法を利用したAFP測定用免疫学的
キットを提供することができる。このキットは、迅速か
つ簡便にヒト検体中のAFPを正確に定量することが可
能であり、疾患の発見、病態の把握、治療方法の決定な
どに有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1〜50に使用された検体中の、ラテッ
クス試薬によるAFP量とラジオイムノアッセイ法によ
るAFP量との相関を示す図である。
【図2】実施例51〜100に使用された検体中の、ラ
テックス試薬によるAFP量とラジオイムノアッセイ法
によるAFP量との相関を示す図である。
【図3】比較例1〜50に使用された検体中の、市販の
ラテックス試薬によるAFP量とラジオイムノアッセイ
法によるAFP量との相関を示す図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 抗ヒトα−フェトプロテイン抗体を感作
    した不溶性担体と試料を混合し、抗原−抗体反応による
    凝集反応を生ぜしめ、該反応液の吸光度変化量を測定
    し、予め濃度既知のヒトα−フェトプロテインを試料と
    して測定し、得られた検量線を用いて、濃度未知の試料
    中のヒトα−フェトプロテインを定量するに当り、 (1) 不溶性担体としてラテックス粒子を用い、 (2) 抗ヒトα−フェトプロテイン抗体を感作した不溶性
    担体を、凝集反応を生ぜしめる反応液中の濃度が0.0
    1〜0.08重量%になるように使用し、 (3) 平均分子量3,000〜1,000,000のポリ
    エチレングリコールおよび/または平均分子量300,
    000〜1,000,000のポリビニルピロリドン
    を、凝集反応を生ぜしめる反応液中の濃度が0.1〜5
    重量%になるように添加し、 (4) 不溶性担体と試料との反応を5秒〜15分間、恒温
    で行い、 (5) ラテックス凝集反応の進行に伴う吸光度の増加を測
    定することを特徴とするヒトα−フェトプロテインの定
    量法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のヒトα−フェトプロテイ
    ンの定量法を利用して、ヒトα−フェトプロテインを定
    量するキットであって、 (1) 抗ヒトα−フェトプロテイン抗体を感作したラテッ
    クス粒子と、 (2) 平均分子量3,000〜1,000,000のポリ
    エチレングリコールおよび/または平均分子量300,
    000〜1,000,000のポリビニルピロリドンを
    含む検体希釈用希釈液とからなるヒトα−フェトプロテ
    インの測定キット。
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