JPH10221338A - 糞便中ヘモグロビン、トランスフェリン同時分別測定用試薬、キットおよび出血性消化管疾患のスクリーニング方法 - Google Patents
糞便中ヘモグロビン、トランスフェリン同時分別測定用試薬、キットおよび出血性消化管疾患のスクリーニング方法Info
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- JPH10221338A JPH10221338A JP2272597A JP2272597A JPH10221338A JP H10221338 A JPH10221338 A JP H10221338A JP 2272597 A JP2272597 A JP 2272597A JP 2272597 A JP2272597 A JP 2272597A JP H10221338 A JPH10221338 A JP H10221338A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 糞便中ヘモグロビン、トランスフェリン同時
分別測定用試薬、キットおよび出血性消化管疾患のスク
リーニング方法を提供する。 【解決手段】 抗ヒトヘモグロビン抗体を結合させたラ
テックスを懸濁緩衝液に懸濁させたヘモグロビン測定用
ラテックス懸濁液、および抗ヒトトランスフェリン抗体
を結合させたラテックスを懸濁緩衝液に懸濁させたトラ
ンスフェリン測定用ラテックス懸濁液からなる、糞便中
ヘモグロビン、トランスフェリン同時分別測定用試薬;
これらの試薬からなるキット;ならびにこれらの試薬を
使用することからなる出血性消化管疾患のスクリーニン
グ方法であることを特徴とする。
分別測定用試薬、キットおよび出血性消化管疾患のスク
リーニング方法を提供する。 【解決手段】 抗ヒトヘモグロビン抗体を結合させたラ
テックスを懸濁緩衝液に懸濁させたヘモグロビン測定用
ラテックス懸濁液、および抗ヒトトランスフェリン抗体
を結合させたラテックスを懸濁緩衝液に懸濁させたトラ
ンスフェリン測定用ラテックス懸濁液からなる、糞便中
ヘモグロビン、トランスフェリン同時分別測定用試薬;
これらの試薬からなるキット;ならびにこれらの試薬を
使用することからなる出血性消化管疾患のスクリーニン
グ方法であることを特徴とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は糞便中ヘモグロビ
ン、トランスフェリン同時分別測定用試薬、キットおよ
び出血性消化管疾患のスクリーニング方法に関する。
ン、トランスフェリン同時分別測定用試薬、キットおよ
び出血性消化管疾患のスクリーニング方法に関する。
【0002】
【従来技術】癌の治療には、早期発見、早期治療が最も
有効かつ重要であるが、早期癌には自覚症状を伴わない
ものも多い。出血性消化管疾患の多くは、癌または、癌
になる可能性のあるポリープであり、これらも、自覚症
状は伴わないが糞便中に出血の痕跡を残す。この出血痕
の検出を早期に正確に行うことが、癌治療にとって、現
在最も重要である。
有効かつ重要であるが、早期癌には自覚症状を伴わない
ものも多い。出血性消化管疾患の多くは、癌または、癌
になる可能性のあるポリープであり、これらも、自覚症
状は伴わないが糞便中に出血の痕跡を残す。この出血痕
の検出を早期に正確に行うことが、癌治療にとって、現
在最も重要である。
【0003】免疫学的便潜血検査において疾患検出能と
測定物質の安定性はその有用性を評価するうえで重要で
ある。現在、出血性消化管疾患、特に大腸癌スクリーニ
ング法として広く用いられているヘモグロビンを測定対
象とした免疫学的便潜血検査は優れた検出能を有する反
面、検体保存期間におけるヘモグロビンの抗原性低下が
偽陰性をもたらす要因となっている。また、糞便中のト
ランスフェリンが陽性の場合に、ヘモグロビンのみ陽性
の場合に比べ、胃癌、食道癌、および大腸ポリープが高
率で検出されることが知られているが、現行のヘモグロ
ビン、トランスフェリン同時検出試薬は、ヘモグロビン
のみ陽性、トランスフェリンのみ陽性、又はヘモグロビ
ンとトランスフェリンがともに陽性の場合があるが、こ
れを分別することができない(Kanekoら、The
rapeutic Research Vol12 S
uppl.2,p57−59(1991))。
測定物質の安定性はその有用性を評価するうえで重要で
ある。現在、出血性消化管疾患、特に大腸癌スクリーニ
ング法として広く用いられているヘモグロビンを測定対
象とした免疫学的便潜血検査は優れた検出能を有する反
面、検体保存期間におけるヘモグロビンの抗原性低下が
偽陰性をもたらす要因となっている。また、糞便中のト
ランスフェリンが陽性の場合に、ヘモグロビンのみ陽性
の場合に比べ、胃癌、食道癌、および大腸ポリープが高
率で検出されることが知られているが、現行のヘモグロ
ビン、トランスフェリン同時検出試薬は、ヘモグロビン
のみ陽性、トランスフェリンのみ陽性、又はヘモグロビ
ンとトランスフェリンがともに陽性の場合があるが、こ
れを分別することができない(Kanekoら、The
rapeutic Research Vol12 S
uppl.2,p57−59(1991))。
【0004】
【発明が解決すべき課題】本発明は、上記従来の方法の
改善のため、すなわち、出血性消化管疾患のスクリーニ
ングにおける、検体保存期間における抗原性低下による
偽陰性化の防止し、トランスフェリン測定値による診断
を可能にし、出血性消化管疾患を効率よくスクリーニン
グするため、糞便中ヘモグロビン、トランスフェリンを
ラテックス凝集反応を応用して、それぞれ単独に高感度
かつ迅速に測定できるように開発したものである。
改善のため、すなわち、出血性消化管疾患のスクリーニ
ングにおける、検体保存期間における抗原性低下による
偽陰性化の防止し、トランスフェリン測定値による診断
を可能にし、出血性消化管疾患を効率よくスクリーニン
グするため、糞便中ヘモグロビン、トランスフェリンを
ラテックス凝集反応を応用して、それぞれ単独に高感度
かつ迅速に測定できるように開発したものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の糞便中ヘモグロ
ビン、トランスフェリン同時分別測定用試薬は、抗ヒト
ヘモグロビン抗体を結合させたラテックスを懸濁緩衝液
に懸濁させたヘモグロビン測定用ラテックス懸濁液、抗
ヒトトランスフェリン抗体を結合させたラテックスを懸
濁緩衝液に懸濁させたトランスフェリン測定用ラテック
ス懸濁液からなる。
ビン、トランスフェリン同時分別測定用試薬は、抗ヒト
ヘモグロビン抗体を結合させたラテックスを懸濁緩衝液
に懸濁させたヘモグロビン測定用ラテックス懸濁液、抗
ヒトトランスフェリン抗体を結合させたラテックスを懸
濁緩衝液に懸濁させたトランスフェリン測定用ラテック
ス懸濁液からなる。
【0006】本発明の糞便中ヘモグロビン、トランスフ
ェリン同時分別測定用試薬キットはヘモグロビン測定用
の第一試薬として緩衝液と第二試薬として上記ヘモグロ
ビン測定用ラテックス懸濁液、トランスフェリン測定用
の第一試薬として緩衝液と第二試薬として上記トランス
フェリン測定用ラテックス懸濁液とから構成される。
ェリン同時分別測定用試薬キットはヘモグロビン測定用
の第一試薬として緩衝液と第二試薬として上記ヘモグロ
ビン測定用ラテックス懸濁液、トランスフェリン測定用
の第一試薬として緩衝液と第二試薬として上記トランス
フェリン測定用ラテックス懸濁液とから構成される。
【0007】さらに、本発明は下記段階: 1)糞便検体に緩衝液を加え、ヘモグロビン測定用ラテ
ックス懸濁液を混ぜ、反応開始前に混合物の340〜8
00nmの吸光度もしくは散乱光強度を測定し; 2)上記検体中のヘモグロビンとラテックス粒子に吸着
した抗ヘモグロビン抗体を抗原抗体反応を開始させて、
ラテックス粒子を凝集せしめ、この凝集反応物の340
〜800nmの波長での吸光度もしくは散乱光強度を測
定し; 3)上記2)での吸光度もしくは散乱光強度の変化量を
計算し; 4)この変化量から、既知濃度の標準を用いて測定毎に
作成した検量線によって検体中のヘモグロビン濃度を求
めること;および a)糞便検体に緩衝液を加え、トランスフェリン測定用
ラテックス懸濁液を混ぜ、反応開始前に混合物の340
〜800nmの吸光度もしくは散乱光強度を測定し; b)上記検体中のトランスフェリンとラテックス粒子に
吸着した抗トランスフェリン抗体を抗原抗体反応を開始
させて、ラテックス粒子を凝集せしめ、この凝集反応物
の340〜800nmの波長での吸光度もしくは散乱光
強度を測定し; c)上記b)での吸光度もしくは散乱光強度の変化量を
計算し; d)この変化量から、既知濃度の標準を用いて測定毎に
作成した検量線によって検体中のトランスフェリン濃度
を求めること よりなる出血性消化管疾患をスクリーニングする方法を
も提供する。
ックス懸濁液を混ぜ、反応開始前に混合物の340〜8
00nmの吸光度もしくは散乱光強度を測定し; 2)上記検体中のヘモグロビンとラテックス粒子に吸着
した抗ヘモグロビン抗体を抗原抗体反応を開始させて、
ラテックス粒子を凝集せしめ、この凝集反応物の340
〜800nmの波長での吸光度もしくは散乱光強度を測
定し; 3)上記2)での吸光度もしくは散乱光強度の変化量を
計算し; 4)この変化量から、既知濃度の標準を用いて測定毎に
作成した検量線によって検体中のヘモグロビン濃度を求
めること;および a)糞便検体に緩衝液を加え、トランスフェリン測定用
ラテックス懸濁液を混ぜ、反応開始前に混合物の340
〜800nmの吸光度もしくは散乱光強度を測定し; b)上記検体中のトランスフェリンとラテックス粒子に
吸着した抗トランスフェリン抗体を抗原抗体反応を開始
させて、ラテックス粒子を凝集せしめ、この凝集反応物
の340〜800nmの波長での吸光度もしくは散乱光
強度を測定し; c)上記b)での吸光度もしくは散乱光強度の変化量を
計算し; d)この変化量から、既知濃度の標準を用いて測定毎に
作成した検量線によって検体中のトランスフェリン濃度
を求めること よりなる出血性消化管疾患をスクリーニングする方法を
も提供する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の試薬、キットおよびスク
リーニング方法で使用される上記ヘモグロビン測定用の
緩衝液およびヘモグロビン測定用ラテックス懸濁液の組
成はつぎのとおりである。
リーニング方法で使用される上記ヘモグロビン測定用の
緩衝液およびヘモグロビン測定用ラテックス懸濁液の組
成はつぎのとおりである。
【0009】ヘモグロビン測定用第一試薬:緩衝液 トリス−HCl緩衝液、リン酸緩衝液、グッド緩衝液、
グリシン緩衝液などのpHが5〜10付近の緩衝液で濃
度が1mM〜1M程度のもの。
グリシン緩衝液などのpHが5〜10付近の緩衝液で濃
度が1mM〜1M程度のもの。
【0010】ヘモグロビン測定用第二試薬:ヘモグロビ
ン測定用ラテックス懸濁液 ヘモグロビン測定用ラテックス懸濁液は、(a)懸濁緩
衝液および(b)ラテックスとからなり、ラテックスに
は(c)抗体が結合されている。このヘモグロビン測定
用ラテックス懸濁液は2〜10℃で保存し、凍結を避け
る。
ン測定用ラテックス懸濁液 ヘモグロビン測定用ラテックス懸濁液は、(a)懸濁緩
衝液および(b)ラテックスとからなり、ラテックスに
は(c)抗体が結合されている。このヘモグロビン測定
用ラテックス懸濁液は2〜10℃で保存し、凍結を避け
る。
【0011】上記ヘモグロビン測定用ラテックス懸濁液
の成分(a)〜(c)の組成または内容は以下のとおり
である。
の成分(a)〜(c)の組成または内容は以下のとおり
である。
【0012】(a)懸濁緩衝液の組成 トリス−HCl緩衝液、リン酸緩衝液、グッド緩衝液、
グリシン緩衝液などのpHが5〜10付近の緩衝液で濃
度が1mM〜1M程度のものに蛋白質、多糖類、アミノ
酸、その他の安定化剤を含有したもの。
グリシン緩衝液などのpHが5〜10付近の緩衝液で濃
度が1mM〜1M程度のものに蛋白質、多糖類、アミノ
酸、その他の安定化剤を含有したもの。
【0013】(b)ラテックス 粒径0.05〜0.9μmの重合したスチレン樹脂、粒径
0.07〜0.9μmのポリメタクリル樹脂、粒径0.0
5〜0.9μmのポリスチレン、ブタジエンとスチレン
の共重合体樹脂、スチレンとブタジエンとのカルボキシ
ル化共重合体、カルボキシル化ポリスチレン、アミノ基
含有カルボキシル化ポリスチレン、アクリル酸重合体、
メタクリル酸重合体、アクリロニトリル、ブタジエン及
びスチレンの混合重合体、ポリビニルアセテートアクリ
レート、ポリビニルピリジン、塩化ビニルアクリレート
などである。
0.07〜0.9μmのポリメタクリル樹脂、粒径0.0
5〜0.9μmのポリスチレン、ブタジエンとスチレン
の共重合体樹脂、スチレンとブタジエンとのカルボキシ
ル化共重合体、カルボキシル化ポリスチレン、アミノ基
含有カルボキシル化ポリスチレン、アクリル酸重合体、
メタクリル酸重合体、アクリロニトリル、ブタジエン及
びスチレンの混合重合体、ポリビニルアセテートアクリ
レート、ポリビニルピリジン、塩化ビニルアクリレート
などである。
【0014】(c)抗体 抗体として、各動物抗血清の精製免疫グロブリン分画等
上記ラテックスに結合させて、検体中のヒトヘモグロビ
ンを十分凝集させられるものであれば総て使用できる。
上記ラテックスに結合させて、検体中のヒトヘモグロビ
ンを十分凝集させられるものであれば総て使用できる。
【0015】例えばウサギやヤギ、ヒツジ等の場合、抗
血清を塩析とイオン交換クロマトグラフィーにより免疫
グロブリン分画に精製することにより十分凝集させるこ
とが可能となる。また、モノクローナル抗体を用いても
複数の異なるエピトープを認識する抗体を使用すること
により、十分凝集させることができる。
血清を塩析とイオン交換クロマトグラフィーにより免疫
グロブリン分画に精製することにより十分凝集させるこ
とが可能となる。また、モノクローナル抗体を用いても
複数の異なるエピトープを認識する抗体を使用すること
により、十分凝集させることができる。
【0016】本発明の試薬、キットおよびスクリーニン
グ方法で使用されるトランスフェリン測定用の緩衝液と
トランスフェリン測定用ラテックス懸濁液の組成はつぎ
のとおりである。
グ方法で使用されるトランスフェリン測定用の緩衝液と
トランスフェリン測定用ラテックス懸濁液の組成はつぎ
のとおりである。
【0017】トランスフェリン測定用第一試薬:緩衝液 トリス−HCl緩衝液、リン酸緩衝液、グッド緩衝液、
グリシン緩衝液などのpHが5〜10付近の緩衝液で濃
度が1mM〜1M程度のもの。
グリシン緩衝液などのpHが5〜10付近の緩衝液で濃
度が1mM〜1M程度のもの。
【0018】トランスフェリン測定用第二試薬:トラン
スフェリン測定用ラテックス懸濁液 トランスフェリン測定用ラテックス懸濁液は、(a)懸
濁緩衝液および(b)ラテックスとからなり、ラテック
スには(c)抗体が結合されている。このヘモグロビン
測定用ラテックス懸濁液は2〜10℃で保存し、凍結を
避ける。
スフェリン測定用ラテックス懸濁液 トランスフェリン測定用ラテックス懸濁液は、(a)懸
濁緩衝液および(b)ラテックスとからなり、ラテック
スには(c)抗体が結合されている。このヘモグロビン
測定用ラテックス懸濁液は2〜10℃で保存し、凍結を
避ける。
【0019】上記トランスフェリン測定用ラテックス懸
濁液の成分(a)〜(c)の組成または内容は以下のと
おりである。
濁液の成分(a)〜(c)の組成または内容は以下のと
おりである。
【0020】(a)懸濁緩衝液の組成 トリス−HCl緩衝液、リン酸緩衝液、グッド緩衝液、
グリシン緩衝液などのpHが5〜10付近の緩衝液で濃
度が1mM〜1M程度のものに蛋白質、多糖類、アミノ
酸、その他の安定化剤を含有したもの。
グリシン緩衝液などのpHが5〜10付近の緩衝液で濃
度が1mM〜1M程度のものに蛋白質、多糖類、アミノ
酸、その他の安定化剤を含有したもの。
【0021】(b)ラテックス 粒径0.05〜0.9μmの重合したスチレン樹脂、粒径
0.07〜0.9μmのポリメタクリル樹脂、粒径0.0
5〜0.9μmのポリスチレン、ブタジエンとスチレン
の共重合体樹脂、スチレンとブタジエンとのカルボキシ
ル化共重合体、カルボキシル化ポリスチレン、アミノ基
含有カルボキシル化ポリスチレン、アクリル酸重合体、
メタクリル酸重合体、アクリロニトリル、ブタジエン及
びスチレンの混合重合体、ポリビニルアセテートアクリ
レート、ポリビニルピリジン、塩化ビニルアクリレート
などである。
0.07〜0.9μmのポリメタクリル樹脂、粒径0.0
5〜0.9μmのポリスチレン、ブタジエンとスチレン
の共重合体樹脂、スチレンとブタジエンとのカルボキシ
ル化共重合体、カルボキシル化ポリスチレン、アミノ基
含有カルボキシル化ポリスチレン、アクリル酸重合体、
メタクリル酸重合体、アクリロニトリル、ブタジエン及
びスチレンの混合重合体、ポリビニルアセテートアクリ
レート、ポリビニルピリジン、塩化ビニルアクリレート
などである。
【0022】(c)抗体 抗体として、各動物抗血清の精製免疫グロブリン分画等
上記ラテックスに結合させて、検体中のヒトトランスフ
ェリンを十分凝集させられるものであれば総て使用でき
る。
上記ラテックスに結合させて、検体中のヒトトランスフ
ェリンを十分凝集させられるものであれば総て使用でき
る。
【0023】例えばウサギやヤギ、ヒツジ等の場合、抗
血清を塩析とイオン交換クロマトグラフィーにより免疫
グロブリン分画に精製することにより十分凝集させるこ
とが可能となる。また、モノクローナル抗体を用いても
複数の異なるエピトープを認識する抗体を使用すること
により、十分凝集させることができる。
血清を塩析とイオン交換クロマトグラフィーにより免疫
グロブリン分画に精製することにより十分凝集させるこ
とが可能となる。また、モノクローナル抗体を用いても
複数の異なるエピトープを認識する抗体を使用すること
により、十分凝集させることができる。
【0024】測定と診断 本発明の糞便中ヘモグロビン、トランスフェリン測定試
薬あるいはそのキットを使用して糞便中ヘモグロビン、
トランスフェリンを測定することによって出血性消化管
疾患をスクリーニングする手順を、次の通り説明する。
薬あるいはそのキットを使用して糞便中ヘモグロビン、
トランスフェリンを測定することによって出血性消化管
疾患をスクリーニングする手順を、次の通り説明する。
【0025】測定原理 本発明の糞便中ヘモグロビン、トランスフェリン測定試
薬は、いわゆるラテックス凝集比濁法に基づく。すなわ
ち、ヘモグロビンの場合、検体とヘモグロビン測定用ラ
テックス懸濁液を反応させると、検体中のヘモグロビン
とラテックス粒子に吸着した抗ヘモグロビン抗体が抗原
抗体反応を開始し、ラテックス粒子が凝集を始める。こ
の凝集反応を吸光度変化としてとらえたとき、その変化
量は検体中のヘモグロビン濃度に比例するので、既知濃
度の標準を用いて検量線を作成し、検体中のヘモグロビ
ン濃度を求めることができる。トランスフェリンの場
合、検体とトランスフェリン測定用ラテックス懸濁液を
反応させると、検体中のトランスフェリンとラテックス
粒子に吸着した抗トランスフェリン抗体が抗原抗体反応
を開始し、ラテックス粒子が凝集を始める。この凝集反
応を吸光度変化としてとらえたとき、その変化量は検体
中のトランスフェリン濃度に比例するので、既知濃度の
標準を用いて検量線を作成し、検体中のトランスフェリ
ン濃度を求めることができる。
薬は、いわゆるラテックス凝集比濁法に基づく。すなわ
ち、ヘモグロビンの場合、検体とヘモグロビン測定用ラ
テックス懸濁液を反応させると、検体中のヘモグロビン
とラテックス粒子に吸着した抗ヘモグロビン抗体が抗原
抗体反応を開始し、ラテックス粒子が凝集を始める。こ
の凝集反応を吸光度変化としてとらえたとき、その変化
量は検体中のヘモグロビン濃度に比例するので、既知濃
度の標準を用いて検量線を作成し、検体中のヘモグロビ
ン濃度を求めることができる。トランスフェリンの場
合、検体とトランスフェリン測定用ラテックス懸濁液を
反応させると、検体中のトランスフェリンとラテックス
粒子に吸着した抗トランスフェリン抗体が抗原抗体反応
を開始し、ラテックス粒子が凝集を始める。この凝集反
応を吸光度変化としてとらえたとき、その変化量は検体
中のトランスフェリン濃度に比例するので、既知濃度の
標準を用いて検量線を作成し、検体中のトランスフェリ
ン濃度を求めることができる。
【0026】測定手順 検体の保存:糞便である被検検体はできるだけ新鮮なも
のを用意し、すぐ測定しない場合は凍結を避けて冷蔵保
存する。
のを用意し、すぐ測定しない場合は凍結を避けて冷蔵保
存する。
【0027】ヘモグロビンの測定: 1)上記検体にトリス緩衝液などの緩衝液を加え、本発
明のヘモグロビン測定用ラテックス懸濁液を混ぜ、反応
開始前に混合物の340〜800nmの吸光度もしくは
散乱光強度を測定する。
明のヘモグロビン測定用ラテックス懸濁液を混ぜ、反応
開始前に混合物の340〜800nmの吸光度もしくは
散乱光強度を測定する。
【0028】2)検体中のヘモグロビンとラテックス粒
子に吸着した抗ヘモグロビン抗体を抗原抗体反応を開始
させると、ラテックス粒子が凝集を始める。この凝集反
応物の340〜800nmの波長での吸光度もしくは散
乱光強度を測定する。
子に吸着した抗ヘモグロビン抗体を抗原抗体反応を開始
させると、ラテックス粒子が凝集を始める。この凝集反
応物の340〜800nmの波長での吸光度もしくは散
乱光強度を測定する。
【0029】3)上記2)での吸光度もしくは散乱光強
度の変化量を計算する。
度の変化量を計算する。
【0030】4)この変化量は検体中のヘモグロビン濃
度に比例するので、既知濃度の標準を用いて検量線を測
定毎に作成し、検体中のヘモグロビン濃度を求める。
度に比例するので、既知濃度の標準を用いて検量線を測
定毎に作成し、検体中のヘモグロビン濃度を求める。
【0031】トランスフェリンの測定: a)検体にトリス緩衝液などの緩衝液を加え、本発明の
トランスフェリン測定用ラテックス懸濁液を混ぜ、反応
開始前に混合物の340〜800nmの吸光度もしくは
散乱光強度を測定する。
トランスフェリン測定用ラテックス懸濁液を混ぜ、反応
開始前に混合物の340〜800nmの吸光度もしくは
散乱光強度を測定する。
【0032】b)検体中のトランスフェリンとラテック
ス粒子に吸着した抗トランスフェリン抗体を抗原抗体反
応を開始させると、ラテックス粒子が凝集を始める。こ
の凝集反応物の340〜800nmの波長での吸光度も
しくは散乱光強度を測定する。
ス粒子に吸着した抗トランスフェリン抗体を抗原抗体反
応を開始させると、ラテックス粒子が凝集を始める。こ
の凝集反応物の340〜800nmの波長での吸光度も
しくは散乱光強度を測定する。
【0033】c)上記a)での吸光度もしくは散乱光強
度の変化量を計算する。
度の変化量を計算する。
【0034】d)この変化量は検体中のトランスフェリ
ン濃度に比例するので、既知濃度の標準を用いて検量線
を測定毎に作成し、検体中のトランスフェリン濃度を求
める。
ン濃度に比例するので、既知濃度の標準を用いて検量線
を測定毎に作成し、検体中のトランスフェリン濃度を求
める。
【0035】測定結果の判定基準 糞便中ヘモグロビンの参考基準値は、150ng/ml
以下、糞便中トランスフェリンの参考基準値は、40n
g/ml以下であるので、ヘモグロビン、トランスフェ
リンの何れかがこの値より有為に高い場合、出血性消化
管疾患スクリーニング陽性(要精密検査)と診断でき
る。
以下、糞便中トランスフェリンの参考基準値は、40n
g/ml以下であるので、ヘモグロビン、トランスフェ
リンの何れかがこの値より有為に高い場合、出血性消化
管疾患スクリーニング陽性(要精密検査)と診断でき
る。
【0036】
【実施例】以下、実施例を以て本発明をより詳細に説明
するが、本発明は該実施例に限定されるものではない。
するが、本発明は該実施例に限定されるものではない。
【0037】実施例1試薬 緩衝液 ヘモグロビン測定用、トランスフェリン測定用ともに、
0.1%牛血清アルブミン、0.15M NaClを含む
0.15Mリン酸緩衝液(pH6.8)を用いた。
0.1%牛血清アルブミン、0.15M NaClを含む
0.15Mリン酸緩衝液(pH6.8)を用いた。
【0038】ラテックス懸濁液 粒径が0.30μmのポリスチレンラテックス粒子10
mgに、抗ヒトヘモグロビンヤギ抗血清から精製したI
gG分画700mgを37℃で60分間感作した。つい
でこの感作ラテックスを1%牛血清アルブミン、0.1
5M NaCl、0.1%サッカロース、1%塩化コリ
ンを含む0.015Mリン酸緩衝液(pH6.8)100
mlに加えて、ヘモグロビン測定用ラテックス懸濁液と
した。
mgに、抗ヒトヘモグロビンヤギ抗血清から精製したI
gG分画700mgを37℃で60分間感作した。つい
でこの感作ラテックスを1%牛血清アルブミン、0.1
5M NaCl、0.1%サッカロース、1%塩化コリ
ンを含む0.015Mリン酸緩衝液(pH6.8)100
mlに加えて、ヘモグロビン測定用ラテックス懸濁液と
した。
【0039】同様に、粒径が0.30μmのポリスチレ
ンラテックス粒子10mgに、抗ヒトトランスフェリン
ヤギ抗血清から精製したIgG分画500mgを37℃
で60分間感作した。ついでこの感作ラテックスを1%
牛血清アルブミン、0.15MNaCl、0.1%サッカ
ロース、1%塩化コリンを含む0.015Mリン酸緩衝
液(pH6.8)100mlに加えて、トランスフェリ
ン測定用ラテックス懸濁液とした。
ンラテックス粒子10mgに、抗ヒトトランスフェリン
ヤギ抗血清から精製したIgG分画500mgを37℃
で60分間感作した。ついでこの感作ラテックスを1%
牛血清アルブミン、0.15MNaCl、0.1%サッカ
ロース、1%塩化コリンを含む0.015Mリン酸緩衝
液(pH6.8)100mlに加えて、トランスフェリ
ン測定用ラテックス懸濁液とした。
【0040】測定方法 37℃の反応セル中に検体20μl及びヘモグロビン測
定用緩衝液150μlを加え5分間インキュベートした
後、ヘモグロビン測定用ラテックス懸濁液150μlを
加え、波長660nmにおいて60秒後からの90秒間
の吸光度変化量を測定し、あらかじめ作成しておいた検
量線を用いてヘモグロビン濃度を求める。
定用緩衝液150μlを加え5分間インキュベートした
後、ヘモグロビン測定用ラテックス懸濁液150μlを
加え、波長660nmにおいて60秒後からの90秒間
の吸光度変化量を測定し、あらかじめ作成しておいた検
量線を用いてヘモグロビン濃度を求める。
【0041】同様に、37℃の反応セル中に検体20μ
l及びトランスフェリン測定用緩衝液150μlを加え
5分間インキュベートした後、トランスフェリン測定用
ラテックス懸濁液150μlを加え、波長660nmに
おいて60秒後からの90秒間の吸光度変化量を測定
し、あらかじめ作成しておいた検量線を用いてトランス
フェリン濃度を求める。
l及びトランスフェリン測定用緩衝液150μlを加え
5分間インキュベートした後、トランスフェリン測定用
ラテックス懸濁液150μlを加え、波長660nmに
おいて60秒後からの90秒間の吸光度変化量を測定
し、あらかじめ作成しておいた検量線を用いてトランス
フェリン濃度を求める。
【0042】実施例2試薬 緩衝液 ヘモグロビン測定用、トランスフェリン測定用ともに、
0.1%牛血清アルブミン、0.15M NaClを含む
0.1Mトリス−HCl緩衝液(pH8.3)を用いた。
0.1%牛血清アルブミン、0.15M NaClを含む
0.1Mトリス−HCl緩衝液(pH8.3)を用いた。
【0043】ラテックス懸濁液 粒径が0.12μmのポリスチレンラテックス粒子10
mgに、抗ヒトヘモグロビンウサギ抗血清から精製した
IgG分画500mgを37℃で60分間感作した。つ
いでこの感作ラテックスを1%牛血清アルブミン、0.
15M NaCl、1%サッカロースを含む0.1Mグ
リシン−NaOH緩衝液(pH8.0)100mlに加
えて、ヘモグロビン測定用ラテックス懸濁液とした。
mgに、抗ヒトヘモグロビンウサギ抗血清から精製した
IgG分画500mgを37℃で60分間感作した。つ
いでこの感作ラテックスを1%牛血清アルブミン、0.
15M NaCl、1%サッカロースを含む0.1Mグ
リシン−NaOH緩衝液(pH8.0)100mlに加
えて、ヘモグロビン測定用ラテックス懸濁液とした。
【0044】同様に、粒径が0.15μmのポリスチレ
ンラテックス粒子10mgに、抗ヒトトランスフェリン
ウサギ抗血清から精製したIgG分画500mgを37
℃で60分間感作した。ついでこの感作ラテックスを1
%牛血清アルブミン、0.15M NaCl、1%サッ
カロースを含む0.1Mグリシン−NaOH緩衝液(p
H8.0)100mlに加えて、トランスフェリン測定
用ラテックス懸濁液とした。
ンラテックス粒子10mgに、抗ヒトトランスフェリン
ウサギ抗血清から精製したIgG分画500mgを37
℃で60分間感作した。ついでこの感作ラテックスを1
%牛血清アルブミン、0.15M NaCl、1%サッ
カロースを含む0.1Mグリシン−NaOH緩衝液(p
H8.0)100mlに加えて、トランスフェリン測定
用ラテックス懸濁液とした。
【0045】測定方法 37℃の反応セル中に検体20μl及びヘモグロビン測
定用緩衝液200μlを加え5分間インキュベートした
後、ヘモグロビン測定用ラテックス懸濁液100μlを
加え、波長570nmにおいて60秒後からの90秒間
の吸光度変化量を測定し、あらかじめ作成しておいた検
量線を用いてヘモグロビン濃度を求める。
定用緩衝液200μlを加え5分間インキュベートした
後、ヘモグロビン測定用ラテックス懸濁液100μlを
加え、波長570nmにおいて60秒後からの90秒間
の吸光度変化量を測定し、あらかじめ作成しておいた検
量線を用いてヘモグロビン濃度を求める。
【0046】同様に、37℃の反応セル中に検体20μ
l及びトランスフェリン測定用緩衝液200μlを加え
5分間インキュベートした後、トランスフェリン測定用
ラテックス懸濁液100μlを加え、波長570nmに
おいて60秒後からの90秒間の吸光度変化量を測定
し、あらかじめ作成しておいた検量線を用いてトランス
フェリン濃度を求める。
l及びトランスフェリン測定用緩衝液200μlを加え
5分間インキュベートした後、トランスフェリン測定用
ラテックス懸濁液100μlを加え、波長570nmに
おいて60秒後からの90秒間の吸光度変化量を測定
し、あらかじめ作成しておいた検量線を用いてトランス
フェリン濃度を求める。
【0047】実施例3 上記実施例2の試薬および測定方法を用いて、大腸癌の
入院患者を試験した。該入院患者44例において、ヘモ
グロビンの平均値±SDが325.59±502.30n
g/ml、陽性率63.6%であり、トランスフェエリ
ンの平均値±SDが103.84±163.11ng/m
l、陽性率56.8%であった。ヘモグロビン、トラン
スフェリン同時測定時の陽性率は、88.6%になっ
た。このように、糞便中ヘモグロビン、トランスフェリ
ンの同時分別測定は大腸癌をスクリーニングする上で有
用であった。
入院患者を試験した。該入院患者44例において、ヘモ
グロビンの平均値±SDが325.59±502.30n
g/ml、陽性率63.6%であり、トランスフェエリ
ンの平均値±SDが103.84±163.11ng/m
l、陽性率56.8%であった。ヘモグロビン、トラン
スフェリン同時測定時の陽性率は、88.6%になっ
た。このように、糞便中ヘモグロビン、トランスフェリ
ンの同時分別測定は大腸癌をスクリーニングする上で有
用であった。
【0048】実施例4 上記実施例2の試薬および測定方法を用いて、大腸ポリ
ープの入院患者を試験した。該入院患者36例におい
て、ヘモグロビンの平均値±SDが232.36±42
6.97ng/ml、陽性率38.9%であり、トランス
フェエリンの平均値±SDが152.86±145.77
ng/ml、陽性率72.2%であった。ヘモグロビ
ン、トランスフェリン同時測定時の陽性率は、86.1
%になった。このように、糞便中ヘモグロビン、トラン
スフェリンの同時分別測定は大腸ポリープをスクリーニ
ングする上で有用であった。
ープの入院患者を試験した。該入院患者36例におい
て、ヘモグロビンの平均値±SDが232.36±42
6.97ng/ml、陽性率38.9%であり、トランス
フェエリンの平均値±SDが152.86±145.77
ng/ml、陽性率72.2%であった。ヘモグロビ
ン、トランスフェリン同時測定時の陽性率は、86.1
%になった。このように、糞便中ヘモグロビン、トラン
スフェリンの同時分別測定は大腸ポリープをスクリーニ
ングする上で有用であった。
【0049】実施例5 上記実施例2の試薬および測定方法を用いて、上部消化
管疾患の入院患者を試験した。食道癌7例、胃癌31例
において、ヘモグロビンの平均値±SDが200.32
±473.36ng/ml、陽性率35.5%であり、ト
ランスフェエリンの平均値±SDが81.66±126.
83ng/ml、陽性率64.5%であった。ヘモグロ
ビン、トランスフェリン同時測定時の陽性率は、73.
7%になった。このように、糞便中ヘモグロビン、トラ
ンスフェリンの同時分別測定は上部消化管疾患をスクリ
ーニングする上でも有用であった。
管疾患の入院患者を試験した。食道癌7例、胃癌31例
において、ヘモグロビンの平均値±SDが200.32
±473.36ng/ml、陽性率35.5%であり、ト
ランスフェエリンの平均値±SDが81.66±126.
83ng/ml、陽性率64.5%であった。ヘモグロ
ビン、トランスフェリン同時測定時の陽性率は、73.
7%になった。このように、糞便中ヘモグロビン、トラ
ンスフェリンの同時分別測定は上部消化管疾患をスクリ
ーニングする上でも有用であった。
【0050】実施例6 上記実施例2の試薬および測定方法を用いて、出血性消
化管疾患の自覚症状がない健常者について試験した。該
集団検診759例に対し連続2日間採便し、2回のうち
1回でも参考基準値を上回ったものを出血性消化管疾患
のスクリーニング陽性とした。ヘモグロビンの平均値±
SDが24.98±103.25ng/ml、陽性率4.
5%34例であり、トランスフェエリンの平均値±SD
が8.03±32.82ng/ml、陽性率3.6%27
例であった。ヘモグロビン、トランスフェリン同時測定
時の陽性率は、5.3%40例となった。この40例の
うち、その後の精密検査の結果、大腸癌1例、大腸ポリ
ープ17例、早期胃癌1例が明らかになった。このよう
に、糞便中ヘモグロビン、トランスフェリンの同時分別
測定は出血性消化管疾患をスクリーニングする上でも有
用であった。
化管疾患の自覚症状がない健常者について試験した。該
集団検診759例に対し連続2日間採便し、2回のうち
1回でも参考基準値を上回ったものを出血性消化管疾患
のスクリーニング陽性とした。ヘモグロビンの平均値±
SDが24.98±103.25ng/ml、陽性率4.
5%34例であり、トランスフェエリンの平均値±SD
が8.03±32.82ng/ml、陽性率3.6%27
例であった。ヘモグロビン、トランスフェリン同時測定
時の陽性率は、5.3%40例となった。この40例の
うち、その後の精密検査の結果、大腸癌1例、大腸ポリ
ープ17例、早期胃癌1例が明らかになった。このよう
に、糞便中ヘモグロビン、トランスフェリンの同時分別
測定は出血性消化管疾患をスクリーニングする上でも有
用であった。
【0051】実施例3ないし6で得られた結果は下記表
1のようにまとめることができる。
1のようにまとめることができる。
【0052】
【表1】
【0053】実施例3ないし5においては、出血性消化
管疾患を有する入院患者118例にたいし、連続2日間
採便し、2回のうち1回でも参考基準値を上回ったもの
を出血性消化管疾患のスクリーニング陽性とした。実施
例3の大腸癌患者44例については、ヘモグロビン単独
測定では見落とされた16例中11例がトランスフェエ
リンの同時測定の結果陽性と診断された。実施例4の大
腸ポリープ患者36例については、ヘモグロビン単独測
定では見落とされた22例中17例がトランスフェエリ
ンの同時測定の結果陽性と診断された。実施例5の食道
癌患者7例については、ヘモグロビン単独測定では見落
とされた6例中3例がトランスフェエリンの同時測定の
結果陽性と診断された。胃癌患者31例については、ヘ
モグロビン単独測定では見落とされた20例中13例が
トランスフェエリンの同時測定の結果陽性と診断され
た。このように、ヘモグロビン単独測定では見落とされ
た患者53例中36例がトランスフェエリンの同時測定
により出血性消化管疾患のスクリーニング陽性と診断で
きた。
管疾患を有する入院患者118例にたいし、連続2日間
採便し、2回のうち1回でも参考基準値を上回ったもの
を出血性消化管疾患のスクリーニング陽性とした。実施
例3の大腸癌患者44例については、ヘモグロビン単独
測定では見落とされた16例中11例がトランスフェエ
リンの同時測定の結果陽性と診断された。実施例4の大
腸ポリープ患者36例については、ヘモグロビン単独測
定では見落とされた22例中17例がトランスフェエリ
ンの同時測定の結果陽性と診断された。実施例5の食道
癌患者7例については、ヘモグロビン単独測定では見落
とされた6例中3例がトランスフェエリンの同時測定の
結果陽性と診断された。胃癌患者31例については、ヘ
モグロビン単独測定では見落とされた20例中13例が
トランスフェエリンの同時測定の結果陽性と診断され
た。このように、ヘモグロビン単独測定では見落とされ
た患者53例中36例がトランスフェエリンの同時測定
により出血性消化管疾患のスクリーニング陽性と診断で
きた。
【0054】実施例6の集団検診759例に対し連続2
日間採便し、2回のうち1回でも参考基準値を上回った
ものを出血性消化管疾患のスクリーニング陽性とした場
合、ヘモグロビンの陽性率4.5%、34例であり、ト
ランスフェエリンの陽性率3.6%、27例であった。
ヘモグロビン、トランスフェリン同時測定時の陽性率
は、5.3%、40例となった。この40例のうち、そ
の後の精密検査の結果、大腸癌1例、大腸ポリープ17
例、早期胃癌1例が明らかになった。このように、糞便
中ヘモグロビン、トランスフェリンの同時分別測定は出
血性消化管疾患をスクリーニングする上でも有用であっ
た。
日間採便し、2回のうち1回でも参考基準値を上回った
ものを出血性消化管疾患のスクリーニング陽性とした場
合、ヘモグロビンの陽性率4.5%、34例であり、ト
ランスフェエリンの陽性率3.6%、27例であった。
ヘモグロビン、トランスフェリン同時測定時の陽性率
は、5.3%、40例となった。この40例のうち、そ
の後の精密検査の結果、大腸癌1例、大腸ポリープ17
例、早期胃癌1例が明らかになった。このように、糞便
中ヘモグロビン、トランスフェリンの同時分別測定は出
血性消化管疾患をスクリーニングする上でも有用であっ
た。
【0055】実施例7(比較例) 上記実施例2の糞便中ヘモグロビン、トランスフェリン
同時分別測定を採用している本発明のキットと、糞便中
ヘモグロビン、トランスフェリン同時混合測定を採用し
ている、市販キットとのカットオフ付近の再現性を比較
した。本発明の糞便中ヘモグロビン、トランスフェリン
同時分別測定によりヘモグロビン165±15ng/m
l、トランスフェリン4ng/ml以下を示した検体1
0本、ヘモグロビン15ng/ml以下、トランスフェ
リン44±4ng/mlを示した検体10本をそれぞれ
本発明法、市販キットで3重測定し、陽性、陰性の判定
を行った。結果は、下表2のようになった。
同時分別測定を採用している本発明のキットと、糞便中
ヘモグロビン、トランスフェリン同時混合測定を採用し
ている、市販キットとのカットオフ付近の再現性を比較
した。本発明の糞便中ヘモグロビン、トランスフェリン
同時分別測定によりヘモグロビン165±15ng/m
l、トランスフェリン4ng/ml以下を示した検体1
0本、ヘモグロビン15ng/ml以下、トランスフェ
リン44±4ng/mlを示した検体10本をそれぞれ
本発明法、市販キットで3重測定し、陽性、陰性の判定
を行った。結果は、下表2のようになった。
【0056】
【表2】
【0057】この結果からわかるように、本発明の糞便
中ヘモグロビン、トランスフェリン同時分別測定用試薬
は、高い再現性を有し、測定者による判定の違いを生じ
ることもない。一方、市販キットの糞便中ヘモグロビ
ン、トランスフェリン同時混合測定試薬は、カットオフ
付近の判定が困難であり、同一測定者が行った同時三重
測定においても判定がばらつく結果となった。
中ヘモグロビン、トランスフェリン同時分別測定用試薬
は、高い再現性を有し、測定者による判定の違いを生じ
ることもない。一方、市販キットの糞便中ヘモグロビ
ン、トランスフェリン同時混合測定試薬は、カットオフ
付近の判定が困難であり、同一測定者が行った同時三重
測定においても判定がばらつく結果となった。
【0058】
【発明の効果】本発明の糞便中ヘモグロビン、トランス
フェリン同時分別測定用試薬およびキットならびにスク
リーニング方法は、糞便中ヘモグロビン、トランスフェ
リンをラテックス凝集反応を応用して、それぞれ単独に
並行して、高感度かつ迅速に測定できるようにしたこと
によって、出血性消化管疾患のスクリーニングにおいて
検体保存期間における抗原性低下による偽陰性化を防止
し、トランスフェリン測定値による診断を可能にし、高
い再現性を有し、測定者による判定の違いを生じること
もなく、出血性消化管疾患を効率よくスクリーニングす
ることを可能にした。
フェリン同時分別測定用試薬およびキットならびにスク
リーニング方法は、糞便中ヘモグロビン、トランスフェ
リンをラテックス凝集反応を応用して、それぞれ単独に
並行して、高感度かつ迅速に測定できるようにしたこと
によって、出血性消化管疾患のスクリーニングにおいて
検体保存期間における抗原性低下による偽陰性化を防止
し、トランスフェリン測定値による診断を可能にし、高
い再現性を有し、測定者による判定の違いを生じること
もなく、出血性消化管疾患を効率よくスクリーニングす
ることを可能にした。
Claims (4)
- 【請求項1】 抗ヒトヘモグロビン抗体を結合させたラ
テックスを懸濁緩衝液に懸濁させたヘモグロビン測定用
ラテックス懸濁液、および抗ヒトトランスフェリン抗体
を結合させたラテックスを懸濁緩衝液に懸濁させたトラ
ンスフェリン測定用ラテックス懸濁液からなる、糞便中
ヘモグロビン、トランスフェリン同時分別測定用試薬。 - 【請求項2】 ヘモグロビン測定用の第一試薬としての
緩衝液と第二試薬としての請求項1記載のヘモグロビン
測定用ラテックス懸濁液;およびトランスフェリン測定
用の第一試薬としての緩衝液と第二試薬としての請求項
1記載のトランスフェリン測定用ラテックス懸濁液から
構成される、糞便中ヘモグロビン、トランスフェリン同
時分別測定用試薬キット。 - 【請求項3】1)糞便検体に緩衝液を加え、請求項1記
載のヘモグロビン測定用ラテックス懸濁液を混ぜ、反応
開始前に混合物の340〜800nmの吸光度もしくは
散乱光強度を測定し; 2)上記検体中のヘモグロビンとラテックス粒子に吸着
した抗ヘモグロビン抗体を抗原抗体反応を開始させて、
ラテックス粒子を凝集せしめ、この凝集反応物の340
〜800nmの波長での吸光度もしくは散乱光強度を測
定し; 3)上記2)での吸光度もしくは散乱光強度の変化量を
計算し; 4)この変化量から、既知濃度の標準を用いて測定毎に
作成した検量線によって検体中のヘモグロビン濃度を求
めること;および a)糞便検体に緩衝液を加え、請求項1記載のトランス
フェリン測定用ラテックス懸濁液を混ぜ、反応開始前に
混合物の340〜800nmの吸光度もしくは散乱光強
度を測定し; b)上記検体中のトランスフェリンとラテックス粒子に
吸着した抗トランスフェリン抗体を抗原抗体反応を開始
させて、ラテックス粒子を凝集せしめ、この凝集反応物
の340〜800nmの波長での吸光度もしくは散乱光
強度を測定し; c)上記b)での吸光度もしくは散乱光強度の変化量を
計算し; d)この変化量から、既知濃度の標準を用いて測定毎に
作成した検量線によって検体中のトランスフェリン濃度
を求めること からなる出血性消化管疾患をスクリーニングする方法。 - 【請求項4】 緩衝液がトリス緩衝液である請求項3記
載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2272597A JPH10221338A (ja) | 1997-02-05 | 1997-02-05 | 糞便中ヘモグロビン、トランスフェリン同時分別測定用試薬、キットおよび出血性消化管疾患のスクリーニング方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2272597A JPH10221338A (ja) | 1997-02-05 | 1997-02-05 | 糞便中ヘモグロビン、トランスフェリン同時分別測定用試薬、キットおよび出血性消化管疾患のスクリーニング方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10221338A true JPH10221338A (ja) | 1998-08-21 |
Family
ID=12090751
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2272597A Pending JPH10221338A (ja) | 1997-02-05 | 1997-02-05 | 糞便中ヘモグロビン、トランスフェリン同時分別測定用試薬、キットおよび出血性消化管疾患のスクリーニング方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10221338A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2001061343A1 (fr) * | 2000-02-16 | 2001-08-23 | International Reagents Corporation | Procede d'examen de sang cache dans les selles |
JP2011502260A (ja) * | 2007-10-30 | 2011-01-20 | ジョン ワン、 | 潜血を検出する方法および装置 |
CN115032382A (zh) * | 2021-11-26 | 2022-09-09 | 杭州伊佰新生物技术有限公司 | 一种铁蛋白检测试剂盒及其制备方法 |
CN114200143B (zh) * | 2020-09-18 | 2024-04-02 | 上海透景诊断科技有限公司 | 血红蛋白和转铁蛋白在检测消化道出血中的应用 |
-
1997
- 1997-02-05 JP JP2272597A patent/JPH10221338A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2001061343A1 (fr) * | 2000-02-16 | 2001-08-23 | International Reagents Corporation | Procede d'examen de sang cache dans les selles |
JP2011502260A (ja) * | 2007-10-30 | 2011-01-20 | ジョン ワン、 | 潜血を検出する方法および装置 |
US8349573B2 (en) | 2007-10-30 | 2013-01-08 | John Wan | Methods and device for the detection of occult blood |
CN114200143B (zh) * | 2020-09-18 | 2024-04-02 | 上海透景诊断科技有限公司 | 血红蛋白和转铁蛋白在检测消化道出血中的应用 |
CN115032382A (zh) * | 2021-11-26 | 2022-09-09 | 杭州伊佰新生物技术有限公司 | 一种铁蛋白检测试剂盒及其制备方法 |
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