JP5648905B2 - 肝臓がん発症の検出又はリスクの予測方法 - Google Patents
肝臓がん発症の検出又はリスクの予測方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5648905B2 JP5648905B2 JP2010254181A JP2010254181A JP5648905B2 JP 5648905 B2 JP5648905 B2 JP 5648905B2 JP 2010254181 A JP2010254181 A JP 2010254181A JP 2010254181 A JP2010254181 A JP 2010254181A JP 5648905 B2 JP5648905 B2 JP 5648905B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- adamts13
- liver cancer
- liver
- amount
- risk
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
Description
[1]試料中のフォンヴィレブランド因子分解酵素の量及び/又は酵素活性を分析することを特徴とする、肝臓がん発症の検出又はリスクの予測方法;
[2]前記肝臓がんの発症が再発である、[1]の方法;
[3]前記試料が血液である、[1]又は[2]の方法;
[4]前記試料が肝障害を有する患者由来である、[1]〜[3]のいずれかの方法;
[5]前記フォンヴィレブランド因子分解酵素の量及び/又は酵素活性が健常人よりも高いことを指標とする、[1]〜[4]のいずれかの方法;
[6]フォンヴィレブランド因子分解酵素の分析を免疫学的方法により実施する、[1]〜[5]のいずれかの方法;
[7]肝臓がん発症の検出又はリスクの予測するための、試料中のフォンヴィレブランド因子分解酵素の量及び/又は酵素活性を分析する方法;
[8]フォンヴィレブランド因子分解酵素に特異的に結合する抗体又はその断片を含む、肝臓がん発症の検出又はリスクの予測用キット;
[9]ADAMTS13分析用ラテックス試薬である、[8]のキット;
に関する。
本発明方法では、試料中のADAMTS13を分析することにより、肝臓がんの発症の検出又はリスクの予測を行うことができる。ADAMTS13を分析することができれば公知の手法を使用することができるが、例えば、ADAMTS13の量(濃度)又は酵素活性を測定する方法が挙げられる。
本発明のラテックス試薬は、ADAMTS13の測定、特にADAMTS13抗原量を測定するための免疫試薬であり、ラテックス粒子上にADAMTS13に結合するポリクローナル抗体が固定化されたものである。
ラテックス凝集免疫測定法を用いる場合には、例えば、抗体を担持させる固相担体としては、ラテックス、ゼラチン、リポソーム、赤血球、シリカ、スチレン−ブタジエン共重合体、アルミナ、磁性粒子またはセラミックス等の粒子を用いることができる。中でもラテックス粒子が好ましく用いられ、ポリスチレンラテックス、スチレンとジビニルベンゼンの共重合体、アクリル酸とスチレンの共重合体、スチレンとマレイン酸の共重合体、スチレンとメタクリル酸の共重合体、スチレンとアクリル酸とアルキルアクリレートなどの共重合体、酢酸ビニルとアクリル酸の共重合体等が挙げられる。ラテックス粒子の粒径としては、0.1〜1.0μm程度が好ましい。磁性ラテックスを用いる場合の粒径としては、0.5〜3.0μm程度が好ましい。これらの担体粒子に、物理的吸着法、化学結合法等を利用して抗ADAMTS13抗体を担持させる。この固相担体に担持された抗体と試料とを反応させ、免疫複合体を形成させることにより凝集体を生じさせ、透過光や散乱光を利用して光学的方法により測定したり、目視により判定したりすればよい。磁性ラテックスを用いる場合は、担持された抗体と試料とを反応させ、免疫複合体を形成させた後、標識化抗体(たとえば、アルカリフォスファターゼや西洋ワサビパーオキシダーゼなど)を反応させて磁性ラテックス−試料−標識化抗体の複合体を形成させる。これに基質(たとえば、CDP−staやルミノールなど)を添加した後の発光量を測定すればよい。
上記ラテックス粒子の粒子上にADAMTS13に結合する抗ADAMTS13抗体を固定化することによって、本発明のラテックス試薬が得られる。抗ADAMTS13抗体は、ラット、モルモット、ウサギ、マウス、ヤギ、ヒツジ、馬、牛などの哺乳動物をADAMTS13で常法にしたがって免疫することにより得られる。また抗ADAMTS13抗体は、国際公開WO02/088366A1記載のADAMTS13に対する遺伝子部位をpCAGベクター(Niwa H, et al., Gene 1991; 108: 193-199.)に組み込んで得られるプラスミドDNAをウサギにエレクトロポレーション法によって導入することで得ることが可能である。ラテックス粒子に固定化する抗ADAMTS13抗体としては、免疫した動物から採血し、血清を分離して得られる抗ADAMTS13抗血清も本発明に使用することができるが、またIgGそのものでもよいが、IgGをペプシン、パパインなどの消化酵素、あるいはジチオスレイトール、メルカプトエタノールなどの還元剤を用いてF(ab’)2、Fab、Fab’などにフラグメント化したものも使用できる。IgMなどの他のクラスの抗体も同様の処理をして使用することができる。抗ADAMTS13抗体の精製は、例えばNisonoffらの方法(Nisonoff, A. Methods in MedicalResearch, Eisen H. N. (ed). Year Book Medical Publishers, Chicago, (1964) 10, 134-141)により行うことができる。
ADAMTS13の存在または量の検出をするためには、量が既知のADAMTS13標準品を用いて検量線を作成しておけばよい。検量線は、例えば、ラテックス粒子の凝集量に対してADAMTS13標準品の濃度をプロットすることにより得られる。試料を適宜段階的に希釈し、この希釈液にラテックス粒子を加え、ラテックス凝集を測定し、得られた測定値と検量線から、試料中のADAMTS13量(濃度)を知ることができる。
上記<1>および<2>において詳述した抗体および免疫学的手法を用いて、試料中のADAMTS13の存在または量の検出を行い、患者の肝臓がんの発症又はリスクの予測を行う。
(1)抗ADAMTS13抗体の作製
抗ADAMTS13ポリクローナル抗体は、国際公開WO2004/029242号記載と同様にADAMTS13に対する遺伝子部位をpCAGベクター(Niwa H, et al., Gene 1991; 108: 193-199.)に組み込んで得られるプラスミドDNAをウサギにエレクトロポレーション法によって導入することで得た。次に、公知の方法に従って、前記免疫したウサギから採血し、血清を分離して抗ADAMTS13抗血清を調製し、更に、F(ab’)2を調製した。
平均粒径0.322μmのポリスチレンラテックス(JSR社)を3.5mg/mLの1−エチル−3−(3−メチルアミノプロピル) カルボジイミド塩酸塩溶液中でカルボキシル基の活性化を行い、洗浄後、50mmol/Lの2−モルホリノエタンスルホン酸(pH6.0)緩衝液にラテックスを懸濁させた。次に上記(1)で作製した抗ADAMTS13ポリクローナル抗体を0.3mg/mLの濃度となるように添加し、1時間反応させた。洗浄後、0.5%ブロックマスター溶液(JSR社)で30分間ブロッキングを行い、抗ADAMTS13抗体感作ラテックス試薬を調製した。
抗ADAMTS13抗体結合ラテックス試薬を使用したADAMTS13量の測定は、ラテックス凝集全自動測定機LPIA−A700(三菱化学メディエンス社)を用いて行った。MOPS緩衝液144μLに、ADAMTS13を含有する被検試料または標準品4μLを添加後混合し、37℃で10分間反応させた。上記で得られたラテックス試薬64μLを添加後、37度で近赤外(800nm)の吸収の増加を10分間測定することにより、免疫反応を観察した。標準品には、健常人プール血漿をウシ血清アルブミン(BSA)添加トリス緩衝液により希釈した系列を調製して使用した。濃度依存的に良好な直線性をもつ検量線を得た(図1)。0%から200%まで測定可能なことが確認できた。本試薬の最低検出感度は2%であった。
慢性B型肝障害21例および慢性C型肝障害60例において、市販のADAMTS13活性測定キット(ADAMTS13-act-ELISAキット;カイノス社)を用いて血漿ADAMTS13活性を測定した。慢性B型およびC型肝障害患者における血漿ADAMTS13の平均値±SDは114.0±45.4%であり、健常人群のデータ(カイノス社パンフレット掲載):平均値±SD=97.6±18.0%と比較すると、有意に肝障害患者でのADAMTS13活性値はは高値(110%以上)を示した。次に、従来、肝臓がんあるいは肝線維化の診断の指標とされているマーカーとADAMTS13活性値の間のスピアマンの順位相関係数を求めた。各マーカーの値は、平均値±SDで求めた。その結果を表1に示す。血漿ADAMTS13活性は、血清AST(aspartate aminotransferase)およびALT(alanine aminotransferase)およびAFP(α-fetoprotein)、さらにFibroScan(登録商標)(ECHOSENS社)による肝硬度、肝硬変の進行マーカーとされるAPRI(Aspartate aminotransferase to platelet ratio index:ASTと血小板の比)と有意な相関を認めた。肝合成能のマーカーであるアルブミン量、肝線維化マーカーとされる血小板数、肝細胞がんのマーカーとされるDCP(des-γ-carboxy prothrombin)とは相関が認められなかった。これらの結果から、肝障害と血漿ADAMTS13活性の相関があることがわかった。ADAMTS13以外のマーカーの測定は、公知の方法に従って行った。
肝細胞がんのラジオ波治療で入院した症例中、慢性B型肝障害を有する14例および、慢性C型肝障害を有する83例において、前記治療後、血漿ADAMATS13及び公知の肝臓がんあるいは肝線維化のマーカーを分析し、その後1年以内に肝臓がんの再発の有無との関係をt検定にて解析した。各マーカーの値は、平均値±SDで求めた。肝臓がんの再発とは、治療後も残っていたがん(局所再発)の例を除き、別の場所に新たに発生したがんを対象とした。
Claims (9)
- 試料中のフォンヴィレブランド因子分解酵素の量及び/又は酵素活性を分析し、前記フォンヴィレブランド因子分解酵素の量及び/又は酵素活性が健常人群あるいは陰性対象疾患群よりも高いことを指標とする、肝臓がん発症の検出又はリスクの予測方法。
- 前記肝臓がんの発症が再発である、請求項1に記載の方法。
- 前記試料が血液である、請求項1又は2に記載の方法。
- 前記試料が肝障害を有する患者由来である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
- 前記フォンヴィレブランド因子分解酵素の量及び/又は酵素活性が健常人群よりも高いことを指標とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
- フォンヴィレブランド因子分解酵素の分析を免疫学的方法により実施する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
- 肝臓がん発症の検出又はリスクの予測を行うための分析方法であって、試料中のフォンヴィレブランド因子分解酵素の量及び/又は酵素活性を分析し、前記フォンヴィレブランド因子分解酵素の量及び/又は酵素活性が健常人群あるいは陰性対象疾患群よりも高いことを指標とする、前記分析方法。
- フォンヴィレブランド因子分解酵素に特異的に結合する抗体又はその断片の、肝臓がん発症の検出又はリスクの予測用キットの製造への使用。
- ADAMTS13分析用ラテックス試薬である、請求項8に記載の使用。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010254181A JP5648905B2 (ja) | 2010-11-12 | 2010-11-12 | 肝臓がん発症の検出又はリスクの予測方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010254181A JP5648905B2 (ja) | 2010-11-12 | 2010-11-12 | 肝臓がん発症の検出又はリスクの予測方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2012103211A JP2012103211A (ja) | 2012-05-31 |
JP5648905B2 true JP5648905B2 (ja) | 2015-01-07 |
Family
ID=46393770
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010254181A Expired - Fee Related JP5648905B2 (ja) | 2010-11-12 | 2010-11-12 | 肝臓がん発症の検出又はリスクの予測方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5648905B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103566362B (zh) * | 2012-07-21 | 2015-07-29 | 复旦大学 | 重组adamts13在制备脑出血药物中的用途 |
EP3988938B1 (en) * | 2016-01-08 | 2024-06-12 | Kyoto University | Medicine comprising adamts13 as main ingredient |
KR20240046521A (ko) * | 2021-07-26 | 2024-04-09 | 오사카 유니버시티 | 만성 간 질환에서 간암 발증의 진단 마커 |
WO2024004675A1 (ja) * | 2022-07-01 | 2024-01-04 | 国立大学法人大阪大学 | 肝臓癌の発症可能性を検査する方法 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4533995B2 (ja) * | 2004-10-19 | 2010-09-01 | アルフレッサファーマ株式会社 | 抗adamts13モノクローナル抗体 |
KR101366724B1 (ko) * | 2006-02-16 | 2014-02-25 | 미쓰비시 가가쿠 메디엔스 가부시키가이샤 | 의식장애환자의 병태 검출방법 및 검출용 키트 |
-
2010
- 2010-11-12 JP JP2010254181A patent/JP5648905B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2012103211A (ja) | 2012-05-31 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US20190049439A1 (en) | Kit for a Determination Method for Calprotectin and the Use of Calprotectin as a Predictive Marker for Cardiovascular Disease | |
JP4516124B2 (ja) | 肝線維症の診断方法 | |
WO2022083673A1 (zh) | 食管癌的生物标志物及其应用 | |
TW201723186A (zh) | 肝癌的檢查方法 | |
JP2015534636A (ja) | 炎症性肝疾患の診断のための方法および組成物 | |
JP5648905B2 (ja) | 肝臓がん発症の検出又はリスクの予測方法 | |
JP6876301B2 (ja) | 肝細胞がん患者の再発リスク予測を補助する方法、装置、コンピュータプログラム製品及びキット | |
JP2018128378A (ja) | 検査方法及び肝内胆管がん用検査試薬 | |
WO2017204295A1 (ja) | 消化器癌の判定方法 | |
US20200209242A1 (en) | Cancer diagnosis using ki-67 | |
JP7315965B2 (ja) | ウィルス性肝癌の検出方法 | |
JP7431226B2 (ja) | レンバチニブ及びエベロリムスを含む併用療法のためのバイオマーカー | |
US9523690B2 (en) | Biomarkers for the diagnosis and/or prognosis of clear cell renal cell carcinoma | |
JP4580869B2 (ja) | 急性大動脈解離の判定方法及び判定用試薬 | |
WO2022211009A1 (ja) | 高感度な免疫学的測定試薬及び測定方法 | |
WO2023068249A1 (ja) | I型コラーゲン架橋n-テロペプチドの測定試薬、その調製方法、及びそれを用いた免疫測定方法 | |
JP2011038858A (ja) | 血栓症の早期診断のための検査方法と検査試薬およびキット | |
JP2007093312A (ja) | H−fabp及びd−ダイマーによる急性大動脈解離の鑑別方法および鑑別用キット | |
CN114174827A (zh) | 用于诊断结直肠癌的方法 | |
CN117642630A (zh) | 用于非酒精性脂肪肝病的纤维化生物标志物 | |
JP2017067718A (ja) | 肝疾患の判定方法 | |
EP2960654A1 (en) | A method for detecting EP3 antibodies | |
JP2010164548A (ja) | 非アルコール性脂肪性肝炎を推定するための検出方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20131007 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20131007 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20140225 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20140228 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20140418 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20141021 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20141030 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5648905 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |