JPH0667052U - 孔版印刷用原板 - Google Patents

孔版印刷用原板

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JPH0667052U
JPH0667052U JP008141U JP814193U JPH0667052U JP H0667052 U JPH0667052 U JP H0667052U JP 008141 U JP008141 U JP 008141U JP 814193 U JP814193 U JP 814193U JP H0667052 U JPH0667052 U JP H0667052U
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ink
plate
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弘 高見
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 製版時におけるインクの滲み出しを防ぎ、製
版装置にサーマルヘッドのクリーニング手段を設ける事
なく、また印面に付着したインク除去のための試し打ち
が不要であり、印刷時に文字が滲むことが無く、製版後
も長期保存ができるような孔版印刷用原板を提供する。 【構成】 孔版印刷用原板10の感熱性孔版原紙12
は、熱可塑性フィルム20と、接着剤層22と、多孔性
支持体24と、多孔性支持体24にシリコン系離型剤を
塗布することによって形成されたシリコン皮膜26とで
構成されている。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、孔版印刷用原板を用いたスタンプ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、孔版印刷のスタンプ装置に用いられる孔版印刷用原板として、実願平4 −6505号の願書に添付した明細書及び図面に開示されるものがあり、これを 図5に示す。この孔版印刷用原板50は熱可塑性フィルム52と多孔性支持体5 4とを接着してなる感熱性孔版原紙56と、感熱性孔版原紙56の多孔性支持体 54側に配置されたインクを含浸された不織布58と、不織布58を取り囲むよ うに配置された枠体60と、インク不透過性の基材であるフィルム62とを、順 次積層して構成されている。そして孔版印刷用原板50は、サーマルヘッドを用 いた製版装置により感熱性孔版原紙56の熱可塑性フィルム52面を加熱溶融す ることにより穿孔画像を形成される(これを以下製版と称する)。
【0003】 次に、製版された孔版印刷用原板50は、グリップを備えた押圧部材に装着さ れ、印刷用紙に対してスタンプ部材を押下することにより、不織布58に含浸さ れたインクが感熱性孔版原紙56の穿孔部から染みだして孔版印刷が行なわれる 。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、そのような従来の孔版印刷用原板50ではサーマルヘッドによ り製版する際、穿孔部分よりインクが少量滲み出すため、サーマルヘッドにイン クが付着し、かつ孔版印刷用原板の熱可塑性フィルム面(印面)にインクが付着 するという問題があった。このため従来の製版装置では、サーマルヘッドに付着 したインクをクリーニングするためのクリーニング手段を設ける必要があり構成 が複雑化すると共に、印面に付着したインクを除去するために複数回の試し打ち が必要であった。
【0005】 また、印刷の際には穿孔部分から過剰にインクが流出するため印刷が滲み、製 版後は孔版印刷用原板の穿孔部分からインク中の水分や揮発性のある溶剤等が蒸 発するため、長期保存ができないと言う問題があった。
【0006】 本考案は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、製版時にお けるインクの滲み出しを防ぎ、製版装置にサーマルヘッドのクリーニング手段を 設ける事なく、また印面に付着したインク除去のための試し打ちが不要であり、 印刷時に文字が滲むことが無く、製版後も長期保存ができるような孔版印刷用原 板を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために本考案の孔版印刷用原板では、熱可塑性フィルムと 多孔性支持体とを接着してなる感熱性孔版原紙と、その感熱性孔版原紙の多孔性 支持体側に配置されたインクを含浸された含浸体と、インク不透過性の基材とを 順次積層してなる孔版印刷用原板であり、製版手段によって前記熱可塑性フィル ム面に穿孔画像を形成する孔版印刷用原板において、前記多孔性支持体の前記含 浸体側に、製版時の圧力では前記含浸体のインクが前記多孔性支持体側に染みだ さないように、シリコン系離型剤を塗布し、シリコン皮膜を形成した。
【0008】
【作用】
上記の構成を有する本考案の孔版印刷用原板は、製版装置により製版されるが 、この際、多孔性支持体の含浸体側にはインクの濡れ性が悪いシリコン系離型剤 を塗布しているために、製版時の圧力では含浸体中のインクは多孔性支持体を通 過しない。一方、製版された孔版印刷用原板のインク不透過性の基材側を押すこ とにより、含浸体中のインクが感熱性孔版原紙の多孔性支持体を通過し、感熱性 孔版原紙より滲み出して印刷が行なわれる。
【0009】
【実施例】 以下、本考案を具体化した一実施例を図面を参照して説明する。図1に本考案 の孔版印刷用原板10の断面図を、図2に同分解斜視図を示す。孔版印刷用原板 10は、大きく分けると感熱性孔版原紙12と、インクが含浸された不織布14 と、不織布14を取り囲むように配置された枠体16と、インク不透過性の基材 であるフィルム18とから構成されている。
【0010】 感熱性孔版原紙12は図3に示すように、熱可塑性フィルム20と、接着剤層 22と、多孔性支持体24と、多孔性支持体24にシリコン系離型剤を塗布する ことによって形成されたシリコン皮膜26とで構成されている。本実施例では熱 可塑性フィルム20は、厚さ2μのポリエチレンテレフタレートフィルム(PE Tフィルム)であるが、他には例えばポリプロピレン、塩化ビニリデン−塩化ビ ニル共重合体等のフィルムが挙げられる。
【0011】 PETフィルムの厚みとしては1μm〜4μmが好ましい。1μm未満では製 造コストが高く、また強度も弱く実用的ではない。また4μm以上では、定格が 50mJ/mm2程度の一般のサーマルヘッドでは厚すぎて穿孔できない虞れが ある。
【0012】 多孔性支持体24は、例えばマニラ麻、こうぞ、みつまた等の天然繊維、ポリ エチレンテレフタレート、ポリビニルアルコール、ポリアクリロニトリル等の合 成繊維、レーヨン等の半合成繊維を主原料とした多孔性薄葉紙が用いられる。シ リコン皮膜26としてはインクとの濡れ性の悪い、例えば信越化学製シリコン離 型剤KM768と触媒CAT−PM−6A・Bを公知の手法により多孔性支持体 に塗布し、形成される。上記のように構成された感熱性孔版原紙12は枠体16 と図2に示すように4辺を接着剤層28により接着される。
【0013】 枠体16には、図2に示すように中央部に後述の不織布14の大きさに応じた 開口16aが設けられている。さらに、前述したように枠体16の上面には感熱 性孔版原紙12を接着するための接着剤層28が4辺に塗布(図中斜線部)され ている。本実施例では不織布14に含浸されているインクは油性インクであるた め、枠体16の材質としては油性インクに侵されない、塩化ビニル、ポリプロピ レン、ポリエチレン、ポリアセタール、ポリエチレンテレフタレートなどが用い られる。
【0014】 不織布14には油性インクが飽和状態で含浸されており、不織布14に圧力が 加わると含浸されたインクが滲み出すようになっている。本実施例の不織布はポ リエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートなどの合成繊維を用 いている。不織布14の厚みは、枠体16の厚みの2分の1以上、3倍以下に設 定するのが好ましい。厚みが薄すぎると、製版時に感熱性孔版原紙12が枠体1 6の内部に入りこんでしまい、サーマルヘッドと接触しなくなるため穿孔できな くなる。また、厚みが厚すぎると、サーマルヘッドの押圧力で不織布14が圧縮 されても、枠体16よりとび出てしまう。このような状態になると、孔版印刷用 原板10は製版時に枠体16で搬送できなくなるので、不織布14の厚みのバラ ツキにより孔版印刷用原板10の搬送送りピッチにムラが生じたり、斜行して搬 送するなどの問題が生ずる。製版時にはサーマルヘッドの押圧力により不織布1 4が圧縮されて枠体16と同じ厚みになるように設定するのが好ましい。
【0015】 インク不透過性の基材であるフィルム18は、上面(図2中斜線部)に接着剤 層30が塗布されており、枠体16および不織布14と接着されている。本実施 例では、フィルム18は油性インクに侵されない塩化ビニル、ポリプロピレン、 ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂フィルムが用いられる。
【0016】 次に作用を説明する。まず上述した孔版印刷用原板10は、図示しない製版装 置により製版される。製版装置としては、例えばサーマルヘッドにより感熱性孔 版原紙12の熱可塑性フィルム20面を印字情報に応じて鏡像印字し、熱可塑性 フィルム20を加熱溶融することにより穿孔する装置が用いられる。製版時にお いて、サーマルヘッドは所定の押圧力により孔版印刷用原板10に当接されるが 、この時、感熱性孔版原紙12のシリコン皮膜26があるために、サーマルヘッ ドの押圧力程度では、感熱性孔版原紙12の熱可塑性フィルム20面が穿孔され ても、穿孔部分よりインクが滲み出てくることが無い。
【0017】 このようにして製版された孔版印刷用原板10は、図4に示すようにスタンプ 部材32に装着される。スタンプ部材32は、取手部34とクッション層36と 粘着剤層38とから構成されている。孔版印刷用原板10は、孔版印刷用原板1 0のフィルム18面側をスタンプ部材32の粘着剤層38に粘着することにより 装着される。この状態でスタンプ部材32を印刷用紙40に対して押圧すること で、シリコン皮膜26に製版時にかかる圧力より大きな圧力がかかり、不織布1 4中のインクがシリコン皮膜を通過し、印面の穿孔部分より滲み出て印刷用紙4 0にインクが転写される。この際、シリコン皮膜26がインクの流出量を制限す るために、インクが過剰に流出し、印刷が滲むことはない。また製版後は、シリ コン皮膜26によって不織布14中のインクは外気に接触しないため、インクが 乾燥することがない。
【0018】 以上、説明したことから明かなように、本実施例の孔版印刷用原板10では、 感熱性孔版原紙12の多孔性支持体24の不織布14側にシリコン皮膜26を備 えており、サーマルヘッドにより製版する際、穿孔部分よりインクが滲み出すこ とが無いので、製版装置にクリーニング手段を設ける必要がなく、製版後はイン クを除去するための複数回の試し打ちが不要となる。また印刷時にインクが過剰 に流出し印刷が滲むことがなく、製版後でもインクが乾燥せず長期保存が可能と なる。
【0019】 尚、本考案は以上詳述した実施例に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱 しない範囲の変更は可能である。
【0020】
【考案の効果】
以上、説明したことから明かなように、本考案の孔版印刷用原板では、感熱性 孔版原紙の多孔性支持体の含浸体側にシリコン皮膜を備えており、製版手段によ り製版する際、穿孔部分よりインクが滲み出すことが無いので、製版装置にクリ ーニング手段を設ける必要がなく、製版後はインクを除去するための複数回の試 し打ちが不要となる。また印刷時にインクが過剰に流出し印刷が滲むことがなく 、製版後でもインクが乾燥せず長期保存が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例の孔版印刷用原板の断面図である。
【図2】本実施例の孔版印刷用原板の分解斜視図であ
る。
【図3】本実施例の感熱性孔版原紙の断面図である。
【図4】本実施例の孔版印刷用原板をスタンプ部材に実
装した状態の説明図である。
【図5】従来の孔版印刷用原板の断面図である。
【符号の説明】
10 孔版印刷用原板 12 感熱性孔版原紙 14 不織布 16 枠体 18 フィルム 20 熱可塑性フィルム 24 多孔性支持体 26 シリコン皮膜

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性フィルムと多孔性支持体とを接
    着してなる感熱性孔版原紙と、その感熱性孔版原紙の多
    孔性支持体側に配置されたインクを含浸された含浸体
    と、インク不透過性の基材とを順次積層してなる孔版印
    刷用原板であり、製版手段によって前記熱可塑性フィル
    ム面に穿孔画像を形成する孔版印刷用原板において、 前記多孔性支持体の前記含浸体側に、製版時の圧力では
    前記含浸体のインクが前記多孔性支持体側に染みださな
    いように、シリコン系離型剤を塗布し、シリコン皮膜を
    形成したことを特徴とする孔版印刷用原板。
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