JPH0666514U - インナーキャップ付きキャップ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 キャップ１と、該キャップ１内に挿着される
インナーキャップ２とを備え、前記キャップ１とインナ
ーキャップ２間にコイルスプリング１０を介在させて所
定区間摺動自在となるインナーキャップ２をキャップ開
口部側に付勢してなるインナーキャップ付きキャップＣ
において、前記コイルスプリング１０の中央部分の外径
を両端部の外径より小さくする。 【効果】 キャップの脱着によりコイルスプリングが圧
縮されてたわみを生じても、一番たわみやすいコイルス
プリングの略中央部の外径が両端の外径に較べ小さいた
めに、キャップの内壁部に接し難く、擦れる音を生じる
等の不都合は発生しない筆記具又は化粧料の塗布具等に
用いられるインナーキャップ付きキャップが提供され
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、筆記具又は化粧料の塗布具等に用いられるインナーキャップ付きキ ャップに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来より筆記具又は化粧料の塗布具等に用いられるインナーキャップ付きキャ ップは、数多く案出されている。筆記具に用いられるインナーキャップ付きキャ ップＡとしては、例えば、図４及び図５に示されるように、キャップ１と、該キ ャップ１内に挿着されるインナーキャップ２とを備え、前記キャップ１とインナ ーキャップ２間に外径寸法が同寸となるストレート型のコイルスプリング３ａを 介在させて、所定区間摺動自在となるインナーキャップ２をキャップ１開口部側 に付勢してなるものが知られている。 なお、４は、コイルスプリング３ａを取り付けるためのインナーキャップ２に 設けられた環状の取り付け部であり、５は、キャップ１外にインナーキャップ２ が脱落することを防止するためのキャップ１内壁部に設けられた脱落防止突部で ある。

【０００３】 図６及び図７は、上記インナーキャップ付きキャップＡのコイルスプリング３ ａをテーパー型のコイルスプリング３ｂにした点でのみ相違する。これらのスプ リング３ａ又は３ｂにより付勢されるインナーキャップ２を内蔵してなるキャッ プ１を、図５又図７に示すように、筆記具本体Ｂの先軸６に嵌合させたとき、適 当な押圧でインナーキャップ２が先軸６に押しつけられて完全にシールされ、か つキャップ１と先軸５の嵌合力はシールを考慮することのない全周の嵌合ではな いため、使用に適した力に容易に調整が可能となっている。

【０００４】 しかしながら、図４及び図５に示すように、インナーキャップ２と同一外径の ストレート型のコイルスプリング３ａでは、先軸６の形状によりインナーキャッ プ２のスプリング３ａを取り付ける取り付け部４がスプリング３ａの外径に近く なった場合、キャップ１内壁部側のきわめて近くにスプリング３ａの外径が存在 することとなる。キャップ１を先軸６から脱着する際、インナーキャップ２はキ ャップ１内を摺動するので、当然スプリング３ａも伸縮する。特に、線径が細く 、全長の長いコイルスプリングではスプリングが圧縮されるときにたわみ、キャ ップ１内壁部とスレ、コイルスプリングとキャップ内壁部とによりコイルスプリ ングの擦れる音が生じ、使用者等に不快な感じを与える点に問題点があり、しか も、コイルスプリングの振動が共鳴した場合には、その音が大きくなるものであ った。

【０００５】 また、図６及び図７に示すように、テーパー型のコイルスプリング３ｂを使用 した場合は、スレ音はふせぎ易いがキャップを組立てる場合に、コイルスプリン グとインナーキャップを正しい方向に挿入する必要があるので、作業者が充分な 確認をすることを必要とし、逆に挿入した場合には正しい摺動や、適正なインナ ーキャップ付勢の力が得れず、作業効率が低下する点に問題点がある。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、上記従来の問題点を解決しようとするものであり、キャップ内側近 くのインナーキャップの部分にコイルスプリングを取り付けた場合に、スプリン グの伸縮の際に、キャップ内壁部とスプリングのたわみによるスレ音を生じるこ とを防止し、かつ組立作業も容易にして作業効率の向上が図れるインナーキャッ プ付きキャップを提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決しようとするための手段】

本考案者らは、上記従来の問題点を解決すべく鋭意検討の結果、キャップとイ ンナーキャップ間に介在させるコイルスプリングを特定形状にすることにより、 上記目的のインナーキャップ付きキャップが得られることに成功し、本考案を完 成するに至ったのである。

【０００８】 すなわち、本考案のインナーキャップ付きキャップは、キャップと、該キャッ プ内に挿着されるインナーキャップとを備え、前記キャップとインナーキャップ 間にコイルスプリングを介在させて所定区間摺動自在となるインナーキャップを キャップ開口部側に付勢してなるインナーキャップ付きキャップにおいて、前記 コイルスプリングの中央部分の外径が両端部の外径より小さいことを特徴とする 。

【０００９】

【作用】

本考案のインナーキャップ付きキャップでは、キャップの脱着によりコイルス プリングが圧縮されてたわみを生じても、一番たわみやすいコイルスプリングの 略中央部の外径が両端の外径に較べ小さいために、キャップの内壁部に接し難く 、擦れる音を生じる等の不都合は生じないこととなる。

【００１０】

【実施例】

本考案のインナーキャップ付きキャップの一例を図１乃至図３に基づいて説明 する。なお、上述した従来技術（図４乃至図７）のインナーキャップ付きキャッ プＡと重複する部分は、同一符号、同一名称をもって示し、説明は省略する。

【００１１】 本実施例のインナーキャップ付きキャップＣは、図１及び図２に示されるよう に、キャップ１と、該キャップ１内に挿着されるインナーキャップ２とを備え、 前記キャップ１とインナーキャップ２間にコイルスプリング１０を介在させて、 所定区間摺動自在となるインナーキャップ２をキャップ１開口部側に付勢してな るものである。

【００１２】 本実施例で用いるコイルスプリング１０は、図３に示されるように、コイルス プリング１０の中央部分の外径を両端部の外径より小さくなるように設定されて いる。該コイルスプリング１０は、中央部分の外径がくびれた形状、いわゆる鼓 太鼓の形状となっており、コイルスプリング１０の両端部の外径をＲ₁，Ｒ₂（Ｒ ₁ ≠Ｒ₂又はＲ₁＝Ｒ₂も含む）とし、その中央部分の外径をＲ₃ とした場合、Ｒ₃ は、Ｒ₃ ＜Ｒ₁ であって、かつＲ₃ ＜Ｒ₂を満足するものである。

【００１３】 本実施例のインナーキャップ付きキャップＣでは、キャップ１の脱着によりコ イルスプリング１０が圧縮されてたわみを生じても、一番たわみやすいコイルス プリング１０の略中央部の外径Ｒ₃が両端の外径Ｒ₁，Ｒ₂に較べて小さいために 、キャップ１の内壁部に接し難く、擦れる音を生じることがなく、使用者等に不 快な感じを与えることがない。また、コイルスプリング１０の両端部の外径がＲ ₁ ＝Ｒ₂のときは、インナーキャップ付きキャップＣを組立てる場合に、コイルス プリング１０を正しい方向に挿入する必要がなくなるので、従来のテーパー型の コイルスプリングを使用した場合に較べて作業効率が向上することとなる。

【００１４】 本考案のインナーキャップ付きキャップは、上述のように構成され、使用され るものであるが、上記実施例に限定されるものではなく、本考案の要旨を変更し ない範囲で種々の態様に設計変更等できるものである。

【００１５】

【考案の効果】

本考案によれば、キャップの脱着によりコイルスプリングが圧縮されてたわみ を生じても、一番たわみやすいコイルスプリングの略中央部の外径が両端の外径 に較べ小さいために、キャップ内壁部に接し難く、擦れる音を生じる等の不都合 は発生しないインナーキャップ付きキャップが提供される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のインナーキャップ付きキャップの一例
を筆記具本体に挿着する前の状態を示す部分断面図であ
る。

【図２】図１のインナーキャップ付きキャップを筆記具
本体に挿着した状態を示す部分断面図である。

【図３】本考案で用いるコイルスプリングの一例を示す
断面図である。

【図４】従来のインナーキャップ付きキャップの一例で
あり、筆記具本体に挿着する前の状態を示す部分断面図
である。

【図５】図４のインナーキャップ付きキャップを筆記具
本体に挿着した状態を示す部分断面図である。

【図６】従来のインナーキャップ付きキャップの他例で
あり、筆記具本体に挿着する前の状態を示す部分断面図
である。

【図７】図５のインナーキャップ付きキャップを筆記具
本体に挿着した状態を示す部分断面図である。

【符号の説明】

Ａ インナーキャップ付きキャップ Ｂ 筆記具本体 Ｃ インナーキャップ付きキャップ １ キャップ ２ インナーキャップ １０ コイルスプリング

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 キャップと、該キャップ内に挿着される
   インナーキャップとを備え、前記キャップとインナーキ
   ャップ間にコイルスプリングを介在させて所定区間摺動
   自在となるインナーキャップをキャップ開口部側に付勢
   してなるインナーキャップ付きキャップにおいて、前記
   コイルスプリングの中央部分の外径を両端部の外径より
   小さくしたことを特徴とするインナーキャップ付きキャ
   ップ。