JPH0666443A - 空気調和機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 暖房運転の開始時刻前に行われる事前運転の
過不足を無くす。 【構成】 事前運転の開始時刻を決定する際、例えば、
暖房運転の開始時刻Ｔｓの所定時間前Ｔａに室内温度を
検出し、この室内温度と設定温度との温度差から事前運
転の開始時刻Ｔｃを決定すると共に、外気温度を検出
し、この外気温度に応じて先に決定された事前運転の開
始時刻Ｔｃを補正する。例えば、外気温度が０℃の時は
事前運転の開始時刻ＴｃをΔＴだけ早くしたＴｂの時点
とする。外気温度が１０℃の時は事前運転開始時刻Ｔｃ
をΔＴだけ遅くしたＴｄの時点とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は空気調和機に係わり、特
にタイマー予約による暖房運転を行う場合の運転制御に
関する。

【０００２】

【従来の技術】空気調和機においては、暖房運転の開始
時刻を設定することのできるタイマー予約機能がある。
このタイマー予約による暖房運転では、設定された暖房
運転の開始時刻に室内温度を設定温度に到達させるため
の事前運転を行うようになっている。この事前運転の開
始時刻は設定温度とタイマー予約した暖房運転の開始時
刻の所定時間前に検出される室内温度との温度差に基づ
いて決定されるようになっており、室外温度の高低は特
に考慮されてなかった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、室外温
度の高低は暖房運転の能力に無関係ではないので、上述
のように事前運転の開始時刻を設定温度と室内温度との
温度差だけに基づいて決定するようになっている空気調
和機では、事前運転開始前後の外気温度が例えば０℃と
いうように低い場合にはタイマー予約された暖房運転の
開始時刻までに室内温度を設定温度まで上昇させること
ができず、また、事前運転開始前後の外気温度が例えば
１０℃を超えているような場合にはタイマー予約された
事前運転の開始時刻になる前に室内温度が設定温度に達
してしまうというように事前運転に過不足が生じ、事前
運転が長すぎれば電力が無駄に消費され、不足すれば快
適性が損なわれる等の不具合があった。したがって、本
発明においては、これらの不具合を解消することのでき
る空気調和機を提供することを目的としている。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は上記の課題を解
決するためになされたものであり、暖房運転の開始時刻
を設定すると、設定された暖房運転の開始時刻に室内温
度が設定温度になるように事前運転を行う空気調和機に
おいて、前記設定された暖房運転の開始時刻の所定時間
前に室内温度を検出し、この室内温度と設定温度との温
度差から前記事前運転の開始時刻を決定するとともに、
外気温度を検出し、この外気温度に応じて先に決定され
た事前運転の開始時刻を補正するようにした。

【０００５】

【作用】上記の制御方法であれば、設定された暖房運転
の開始時刻の所定時間前に検出される室内温度と設定温
度との温度差から事前運転の開始時刻を決定するととも
に、外気温度を検出し、この外気温度に応じて先に仮決
定された事前運転の開始時刻を補正するようにしている
ので、事前運転時間が過不足になるようなことはなく、
無駄のない事前運転を行うことができる。

【０００６】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図１〜図３に基づ
いて説明する。図１は空気調和機の制御系の概略を表し
たもので、Ａは室内機側、Ｂは室外機側である。室内機
側Ａにはリモコン信号の受光部１と、室内温度を検出す
る温度センサ２と、運転状態等を表示する表示部３と、
温度センサ２等からの入力信号に基づいて室内送風機４
等の運転制御を行うと共に、室外機側Ｂとの信号のやり
とりを行う室内側制御部５とが有り、室外機側Ｂには室
外側制御部６と、この室外側制御部６に制御されるイン
バータ部７と、インバータ制御される圧縮機８と、前記
室外側制御部６に制御される室外送風機９と、室外温度
を検出する温度センサ10等が有る。

【０００７】ところで、室内側制御部５内のマイクロコ
ンピュータは設定温度等を記憶する記憶部、温度センサ
２で検出される室内温度と設定温度との温度差を算出す
る演算機能、タイマー機能等を備えており、暖房運転の
開始時刻を図示しないリモコン装置等でタイマー予約で
きるようになっている。このタイマー予約による暖房運
転では設定された暖房運転の開始時刻に室内温度を設定
温度に到達させるための事前運転が自動的に開始され
る。この事前運転の開始時刻は設定温度とタイマー予約
された暖房運転の開始時刻の所定時間前に検出される室
内温度との温度差に基づいて決定される。しかる後、温
度センサ10で室外温度が検出され、この温度データは室
外側制御部６から室内側制御部５に送信される。する
と、室内側制御部５では、この温度データに応じて、先
に決定された事前運転の開始時刻を補正する。

【０００８】図２はその様子を表したもので、時間Ｔｏ
の時点で例えば室内温度を２０℃に設定すると共に、暖
房運転の開始時刻Ｔｓを設定したとすると、タイマーは
カウントダウンを開始し、タイマーの値が暖房運転の開
始時刻Ｔｓの所定時間前Ｔａになると温度センサ２によ
り室内温度が検出される。この室内温度は記憶部が記憶
している設定温度と比較され、温度差が算出される。マ
イクロコンピュータはこの温度差に応じた事前運転の開
始時刻Ｔｃを記憶部が記憶している複数のデータの中か
ら呼び出し、事前運転の開始時刻を決定する。しかる後
に温度センサ１０で検出される室外温度が所定の温度範
囲にあれば、先に決定された事前運転の開始時刻Ｔｃが
そのまま採用され、タイマーがその時刻Ｔｃに達すると
事前運転が開始される。もし、室外温度が０℃になって
いたら事前運転の開始時刻ＴｃをΔＴだけ早くしたＴｂ
の時点を事前運転の開始時刻とし、また、室外温度が１
０℃になっていたら事前運転の開始時刻ＴｃをΔＴだけ
遅くしたＴｄの時点を事前運転の開始時刻とするように
なっている。

【０００９】図３は以上説明した一連の制御動作をフロ
ーチャートにより表したもので、ステップＳＴ１では暖
房運転の開始時刻が設定されているかどうかの判定がな
され、設定されてなければステップＳＴ１２に進めて通
常の暖房運転となるが、設定されていればステップＳＴ
２に進められ、室内温度の検出時刻が到来するまで時間
待ちとなる。室内温度の検出時刻が到来するとステップ
ＳＴ３に進めて室内温度を検出し、ステップＳＴ４で室
内温度と設定温度との温度差を算出する。ステップＳＴ
５では温度差に応じた事前運転の開始時刻Ｔｃを決定
し、次のステップＳＴ６で外気温度を検出する。

【００１０】ステップＳＴ７ではステップＳＴ６で検出
された外気温度のデータを基に、先に決定した事前運転
の開始時刻Ｔｃの補正が必要かどうかの判定を行い、補
正の必要がなければステップＳＴ９に進めるが、補正の
必要がある場合にはステップＳＴ８に進め、図２に示さ
れるように外気温度に応じた補正を行った後、ステップ
ＳＴ９に進める。ステップＳＴ９では事前運転の開始時
刻が到来するまで時間待ちをし、事前運転の開始時刻が
到来するとステップＳＴ１０に進めて事前運転を開始さ
せる。ステップＳＴ１１では事前運転が終了したかどう
か、つまり、タイマー予約した暖房運転の開始時刻にな
ったかどうかの判定がなされ、事前運転が終了するとス
テップＳＴ１２に進められて通常の暖房運転となる。

【００１１】

【発明の効果】以上、説明したような空気調和機である
ならば、タイマー予約された暖房運転の開始時刻の所定
時間前に検出された室内温度と設定温度との温度差から
事前運転の開始時刻を決定するとともに、外気温度を検
出し、この外気温度に応じて先に決定された事前運転の
開始時刻を補正するようにしているので、事前運転の過
不足がなくなり、暖房運転開始時の快適性が向上すると
共に、事前運転の長すぎによる電力の無駄使いも無くな
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係わる空気調和機の制御系を表すブロ
ック図である。

【図２】本発明の一実施例を示すタイムチャートであ
る。

【図３】本発明の一実施例を示す制御フローチャートで
ある。

【符号の説明】

Ａ 室内機側 Ｂ 室外機側 １ リモコン信号の受光部 ２ 温度センサ ５ 室内側制御部（マイクロコンピュータ） ６ 室外側制御部 10 温度センサ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 暖房運転の開始時刻を設定すると、設定
   された暖房運転の開始時刻に室内温度が設定温度になる
   ように事前運転を行う空気調和機において、前記設定さ
   れた暖房運転の開始時刻の所定時間前に室内温度を検出
   し、この室内温度と設定温度との温度差から前記事前運
   転の開始時刻を決定するとともに、外気温度を検出し、
   この外気温度に応じて先に決定された事前運転の開始時
   刻を補正するようにしてなることを特徴とする空気調和
   機。