JPH066606B2 - 塩化ビニル系樹脂の製造方法 - Google Patents

塩化ビニル系樹脂の製造方法

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JPH066606B2
JPH066606B2 JP13766088A JP13766088A JPH066606B2 JP H066606 B2 JPH066606 B2 JP H066606B2 JP 13766088 A JP13766088 A JP 13766088A JP 13766088 A JP13766088 A JP 13766088A JP H066606 B2 JPH066606 B2 JP H066606B2
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monomer
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vinyl chloride
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貞仁 小林
良弘 森山
貞己 青島
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は塩化ビニル系樹脂(以下、PVCと略す)の製
造方法に関し、更に詳しくはポロシティーが高く、樹脂
中の残存単量体(以下、残存モノマーと記す)及びフィ
ッシュ・アイの少ない塩化ビニル系樹脂の製造方法に関
するものである。
〔従来技術と問題点〕 PVCは優れた物理的性質を有する有用な樹脂であり、
硬質から難質までの分野の多方面にわたり広汎に使用さ
れている。
PVCに対する品質要求は多項目にわたるが、中でも残
存モノマー、フィッシュ・アイに対する市場からの要求
は、近年益々厳しくなる方向にあり、これらの要求に応
えていくためには、基本的にPVC粒子の空隙率(以
下、ポロシティーという)を高めること及び粒子間のポ
ロシティーを分布を均一化することが必要と考えられ
る。
一方、PVC製造時のコスト、生産性の面からは重合転
化率を高くする方が有利であるが、この場合にはポロシ
ティーが低下し、PVC中の未反応モノマーが抜けにく
くなり、加工品のフィッシュ・アイが多くなることは広
く知られている。
〔問題点を解決するための手段〕
このよな現状に鑑み、本発明者らはポロシティーが高
く、樹脂中の残存モノマー、フィッシュ・アイの少ない
PVCの製造方法について鋭意研究を重ねた結果、未反
応単量体の回収条件を工夫することにより、所期の目的
を達成できることを見出し、本発明を完成させたもので
ある。
即ち、本発明は塩化ビニル単量体又はこれと共重合し得
る他の単量体との混合物を懸濁重合するに際し、未反応
単量体の回収開始時の重合転化率が30%以降で且つ未
反応単量体回収後の重合転化率と未反応単量体回収開始
時の重合転化率との差を20%以上とすることを特徴と
するPVCの製造方法を内容とするものである。
通常、PVCの製造においては、重合機内の圧力が硬化
した後に未反応単量体の回収を開始し、未反応単量体回
収後の目標重合転化率Aと未反応単量体回収開始時の重
合転化率Bとの差は概ね5〜15%であるが、本発明に
おいてはBを30%以降で且つA−Bを20%より大き
くする。即ち、通常より低転化率の時点からゆるやかに
未反応単量体を回収することをその特徴とする。ここで
いう重合転化率とは仕込単量体に対する重合体の重量百
分率をいう。未反応単量体の回収開始時の重合転化率が
30%に達していない場合は、最終的なPVC粒子(Gra
in)が形成されていないので、粒度が粗になったり、本
発明の効果が発現しにくい。
本発明において、塩化ビニル単量体と共重合し得る他の
単量体としては、例えばエチレン、プロピレンなどのオ
レフイン類、酢酸ビニル、ステアリン酸ビニルなどのビ
ニルエステル類、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチ
ルなどのアクリル酸エステル類、マレイン酸またはフマ
ル酸などの酸のエステル類及び無水物、アクリロニトリ
ルなどのニトリル化合物、或いは塩化ビニリデンの如き
ビニリデン化合物等が挙げられる。
本発明において使用される重合開始剤としては、塩化ビ
ニル懸濁重合で通常用いられる開始剤、例えばラウロイ
ルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイ
ルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシピバレート、
t−ブチルパーオキシネオデカノエート、ジイソプロピ
ルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシル
パーオキシジカーボネート及びアセチルシクロヘキシル
スルフオニルパーオキサイドなどのような有機過酸化物
並びにα,α′−アゾビスイソブチロニトリル及びα,
α′アゾビス2,4−ジメチルバレロニトリルなどのア
ゾ化合物の一種又は二種以上の混合物が挙げられる。
本発明において使用される懸濁剤は公知の懸濁剤でよ
く、例えば部分鹸化ポリビニルアルコール、酢酸ビニル
−無水マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸
共重合体、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、デンプ
ン、メチルセルローズヒドロキシプロピルセルローズな
どが挙げられる。
本発明においては、必要に応じて分子量調整剤を使用す
ることもできる。
また重合反応に使用される開始剤、懸濁剤、分子量調節
剤等は最初に一括して重合反応系に添加するほか、重合
反応中、分割して添加することもできる。
本発明における重合反応温度範囲は通常40〜75℃で
あるが、特に限定されない。
本発明は還流凝縮器を用いた懸濁重合にも適用できる。
その場合に、未反応単量体の回収中に還流凝縮器を稼動
するか停止するかは任意で、重合反応熱の除熱能力が不
足する場合は回収中も還流凝縮器を稼動すればよく、特
に制限されない。
〔作用・効果〕
通常より低転化率の時点からゆるやかに未反応単量体を
回収することにより、ポロシティーが高くなる理由につ
いては明らかなではないが、低転化率の時点から未反応
単量体を徐々に回収することにより、PVC粒子(Grai
n)内の一次粒子間の空隙を重合体が堅固に埋めることを
妨げるためと推定される。
本発明によれば、ポロシティーが高く、樹脂中の残存モ
ノマー及びフィッシュ・アイの少ないPVCを製造する
ことができ、本発明の工業的価値は頗る大きいものであ
る。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例及び比較例を示すが、これらは何
ら本発明を限定するものではない。
尚、以下において、物性評価は下記の方法に従った; 粒度分布:ふるい振とう法によった。
ポロシティー; 米国AMINCO社製の水銀圧入式ポロシメーター(5-7118型
を用いて、絶対圧31〜1011psi(口径0.17〜5.8μm)の
間にPVC100g当りに圧入される水銀の容量を測定し
てポロシティーを求めた。
残存モノマー: 未反応単量体回数後のスラリーを遠心脱水機で1分間脱
水して脱水ケーキを得、その10gをシャーレに取り、
65℃の均熱乾燥機内にて乾燥し、1時間目及び2時間
目にそれぞれの乾燥樹脂を取り出す。乾燥樹脂のうち1
gを50ml三角フラスコに精秤し、アセトン20mlを加
えて1時間振盪して残存モノマーを抽出し、抽出液を試
料としてガスクロマトグラフ((株)島津製作所製;G
C−6A)によってモノマーを定量し、樹脂中の残存モ
ノマーを算出した。
フイッシュ・アイ; PVC100重量部、可塑剤〔アデカアーガス社製;P
N250(アジピン酸系ポリエステル;分子量約200
0)〕45重量部、トリベース3重量部、ステアリン酸
0.5重量部、二酸化チタン0.4重量部およびカーボ
ンブラック0.2重量部を混合し、3時間以上静置した
後、150℃の8インチロールで混練し(シート厚さ
0.2mm)、5分目,7分目,9分目にそれぞれシー
トを切り出し、シート5cm×5cm中の透明粒子数をもつ
て示した。
実施例1 1.7m3重合機に部分鹸化ポリビニルアルコール0.0
7重量部を溶解した水170重量部を仕込み、開始剤
α、α′−アゾビス2,4−ジメチルバレロニトリル
0.0021重量部を添加し、脱気後、塩化ビニル単量
体100重量部を仕込み、67.5℃まで昇温して重合
を開始させた。重合転化率が50%に到達した時点から
未反応単量体の回収を開始し、回収速度を調節して2時
間後に重合機内圧0km/cm2(ゲージ圧)とした。
その結果、第1表に示す如く、得られたPVCの重合度
は680、重合転化率は75%で、ポロシティーは2
0.5cc/100gと高く、また樹脂中の残存モノマー
は非常に少なく、良好な樹脂であった。
比較例1 実施例1において、重合転化率が60%に達した時点か
ら未反応単量体の回収を開始し、1時間後に回収を終了
した他は実施例1に準じて重合を行った。
その結果、第1表に示す如く、回収後の重合転化率は実
施例1と同じ75%であるが、得られたPVCはポロシ
ティーが16.6cc/100gと低く、残存モノマーが
多いものであった。
実施例2 1.7m3重合機に部分鹸化ポリビニルアルコール0.0
73重量部を溶解した水140重量部を仕込み、開始剤
ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート0.
037重量部を添加し、脱気後、塩化ビニル単量体10
0重量部を仕込み、52℃まで昇温して重合を開始させ
た。重合転化率が60%に到達した時点から未反応単量
体の回収を開始し、回収速度を調節して1.6時間後に
重合機内圧0km/cm2(ゲージ圧)とした。
その結果、第2表に示す如く、得られたPVCの重合度
は1300、重合転化率は85%で、ポロシティーは2
7.3cc/100gと高く、フィッシュ・アイは少な
く、非常に優れた樹脂であった。
比較例2 実施例2において、重合転化率が70%に到達した時点
から未反応単量体の回収を開始し、0.7時間後回収を
終了した他は実施例2に準じて重合を行った。
その結果、第2表に示す如く、回収後の重合転化率は実
施例2と同じ85%であるが、得られたPVCはポロシ
ティーが24.2cc/100gと低く、フィッシュ・ア
イが多いものであった。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】塩化ビニル単量体又はこれと供重合し得る
    他の単量体との混合物を懸濁重合するに際し、未反応単
    量体の回収開始時の重合転化率が30%以降で且つ未反
    応単量体回収後の重合転化率と未反応単量体回収開始時
    の重合転化率との差を20%以上とすることを特徴とす
    る塩化ビニル系樹脂の製造方法。
JP13766088A 1988-06-03 1988-06-03 塩化ビニル系樹脂の製造方法 Expired - Lifetime JPH066606B2 (ja)

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