JPH0665151U - ステアリングコラムカバー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】外部からの衝撃を衝撃吸収リブが吸収できない
場合にコラムカバー本体の内壁にて吸収する。 【構成】車体に固定されたステアリングコラム２に沿っ
てコラムカバー本体４を配設する。コラムカバー本体４
は底壁１１及び側壁α，βを備え、底壁１１には外部か
らの衝撃を吸収する衝撃吸収リブ６を一体形成する。そ
れとともに、衝撃吸収リブ６が位置するコラムカバー本
体４の底壁１１には軟質合成樹脂のコア層Ｋと、硬質合
成樹脂のスキン層Ｓとからなるサンドイッチ成形するこ
とで、前記底壁１１を内壁９とコア部７と意匠壁１０と
から構成する。この構成により、コラムカバー本体４に
衝撃が加わった場合には、ステアリングコラム２からの
前記衝撃吸収体６を介して前記内壁９にて衝撃を吸収す
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は自動車のステアリングホイールを回動支持するステアリングコラムに 配設されたステアリングコラムカバーに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来のこの種のステアリングコラムカバーとしては、特開昭６４−９０４８号 公報、実開平２−８８８７３号公報に示されるようなものが提案されている。

【０００３】 これらの従来構成において、ステアリングコラムカバーは合成樹脂からなる箱 状のコラムカバー本体と衝撃吸収体とから構成されている。衝撃吸収体はコラム カバー本体の内側面には格子状に一体形成された補強リブ等により形成されてい る。そして、外部からの衝撃がステアリングコラムカバーに加わると、衝撃吸収 体が破壊されることによりその衝撃が衝撃吸収体によって吸収される。

【０００４】 また、このステアリングコラムカバーにおいては、コラムカバー本体の底壁の 肉厚が厚肉形成されることでコラムカバー本体の強度が高められて割れが防止さ れるようになっている。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、コラムカバー本体の底壁を必要以上に厚肉成形し、十分に衝撃 を吸収できるだけの大きなリブを成形すると、コラムカバー本体が大型となり車 内空間が狭くなる問題があった。

【０００６】 そこで、本考案はこのような従来の技術に存在する問題点に着目してなされた ものであって、その目的は製造コストを低減することができるとともに、且つコ ラムカバー本体を小型にして車内スペースを確保することができ、衝撃吸収効率 を高くすることができるステアリングコラムカバーを提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

車体に固定されたステアリングコラムに沿って配設され、底壁及び側壁を備えた コラムカバー本体と、前記コラムカバー本体の内側に設けられ、外部からの衝撃 を吸収するための衝撃吸収体とを備えたステアリングコラムカバーにおいて、前 記コラムカバー本体の底壁を軟質合成樹脂のコア層と、硬質合成樹脂のスキン層 とからなるサンドイッチ成形にすることにより、前記底壁を内壁とコア部と意匠 壁とから構成し、コラムカバー本体に衝撃が加わった際にステアリングコラムか らの前記衝撃吸収体を介して前記内壁にて衝撃を吸収するようにしたことを要旨 とするものである。

【０００８】

【作用】

上記のように構成されたステアリングコラムカバーにおいて、コラムカバー本 体に外部から衝撃を受けた場合には、衝撃吸収体及びコラムカバー本体の内壁に て外部からの衝撃が吸収される。すなわち、衝撃吸収体及びコラムカバー本体の 内壁が割れることにより衝撃が吸収され、コラムカバー本体の意匠壁が割れるの が防止される。

【０００９】

【考案の効果】

この考案は以上説明したように構成されているため、製造コストを低減するこ とができるとともに、且つ意匠壁を厚肉にする必要がないためコラムカバー本体 を小型にして車内スペースを確保することができ、しかも衝撃吸収効率を高くす ることができるという優れた効果を奏する。

【００１０】

【実施例】

以下に本考案を具体化した実施例を図面に基づいて説明する。 図３に示すように、ステアリングホイール１はステアリングコラム２の先端に おいて軸支されている。ステアリングコラム２の外周には同ステアリングコラム ２から所定の間隔を隔ててカバー３が設けられている。カバー３の下部には合成 樹脂からなるコラムカバー本体４が図示しないビス等にて連結されている。コラ ムカバー本体４は前記ステアリングコラム２の下縁に沿って配設され、同コラム カバー本体４とステアリングコラム２とは所定の間隔をおいて離間配置されてい る。

【００１１】 図１，２に示すように、前記コラムカバー本体４は断面略Ｕ字状に形成されて いる。コラムカバー本体４は底壁１１と側壁５，α，βを備えており、コラムカ バー本体４の車体前方寄りの側壁５には前記ステアリングコラム２の下半部が位 置する凹所５ａが形成されている。コラムカバー本体４における底壁１１の底面 には衝撃吸収体としての衝撃吸収リブ６が一体形成されている。衝撃吸収リブ６ の上端とステアリングコラム２周面の下部とは互いに離間されている。衝撃吸収 リブ６は合成樹脂製からなり、同衝撃吸収リブ６はコラムカバー本体４の長手方 向とコラムカバー本体４の幅方向に対し縦横に交差する格子状に形成されている 。

【００１２】 コラムカバー本体４の底壁１１は公知の技術であるサンドイッチ成形法にて成 形されている。前記衝撃吸収リブ６が配置されたコラムカバー本体４の底壁１１ は、硬質のスキン層Ｓと、前記スキン層よりも軟質である軟質コア層Ｋとを備え ている。スキン層Ｓはステアリングコラム２寄りに位置する内壁９と、外部寄り に位置する意匠壁１０とから構成され、内壁９と意匠壁１０の間のコア層Ｋはコ ア部７から構成されている。内壁９と意匠壁１０はガラス繊維が含まれたＰＰ系 樹脂が使用され、一方、コア部７はスチレン系エラストマーであるＳＥＢＳある いは、オレフィン系エラストマーが使用されている。

【００１３】 そして、外部からの衝撃力にて衝撃吸収リブ６がステアリングコラム２に衝打 された場合には、衝撃吸収リブ６及び内壁９が割れることにより衝撃力は吸収さ れ、コア部７及び意匠壁１０は割れないようになっている。なお、衝撃吸収リブ ６の衝撃吸収力範囲内であれば、衝撃吸収リブ６が割れて、コラムカバー本体４ の内壁９は割れないようになっている。

【００１４】 次に、このように構成されたステアリングコラムカバーの作用効果について説 明する。 コラムカバー本体４が外部から衝撃を受けた場合には、衝撃力によりコラムカ バー本体４はステアリングコラム２側に衝打されるとともに、衝撃吸収リブ６は ステアリングコラム２に対し衝打される。この際の衝撃力により衝撃吸収リブ６ は割れるとともに、内壁９が割れることにより衝撃力が吸収される。この結果、 衝撃吸収リブ６及び内壁９にて衝撃力が意匠壁１０に達する前までに吸収される ので、意匠壁１０には衝撃力が伝達されず、割れる不具合が防止される。

【００１５】 このように本実施例では、衝撃吸収リブ６が位置するコラムカバー本体４の底 壁１１にはコア部７を介して内壁９と意匠壁１０とを離間させた。よって、衝撃 吸収リブ６のみで衝撃力を吸収できなくても、内壁９にて衝撃力を吸収すること ができて、意匠壁１０が割れたりするのを防止することができる。また、衝撃吸 収リブ６及び内壁９によって衝撃を吸収するようにしているので、従来技術に比 べコラムカバー本体４の衝撃吸収力が向上する。

【００１６】 また、同一衝撃吸収力を有するステアリングコラムカバー同士で比較した場合 、本実施例では上記のように衝撃吸収力が向上した分、衝撃吸収リブ６を小型に することができる。これにともない、コラムカバー本体４も小型化となるので、 車内の足元周りの空間を広くすることができる。

【００１７】 なお、本考案は上記実施例に限定されるものではなく、考案の趣旨を逸脱しな い範囲で例えば以下のように構成してもよい。 （１）上記実施例のスキン層はＰＰ系樹脂を用いたが、これ以外に、ＡＢＳ等 に変更してもよい。

【００１８】 （２）上記実施例のコア層をクッション性のある発泡ウレタンを使用してもよ い。

【図面の簡単な説明】

【図１】本実施例における図２のＡ−Ａ断面図である。

【図２】ステアリングコラムカバーを示す斜視図であ
る。

【図３】ステアリングホイール機構全体を示す側面図で
ある。

【符号の説明】

２…ステアリングコラム、４…コラムカバー本体、５，
α，β…側壁、６…衝撃吸収リブ（衝撃吸収体）、９…
内壁、１０…意匠壁、１１…底壁、Ｓ…スキン層、Ｋ…
コア層

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 車体に固定されたステアリングコラム
   （２）に沿って配設され、底壁（１１）及び側壁（５，
   α，β）を備えたコラムカバー本体（４）と、 前記コラムカバー本体（４）の内側に設けられ、外部か
   らの衝撃を吸収するための衝撃吸収体（６）とを備えた
   ステアリングコラムカバーにおいて、 前記コラムカバー本体（４）の底壁（１１）を軟質合成
   樹脂のコア層（Ｋ）と、硬質合成樹脂のスキン層（Ｓ）
   とからなるサンドイッチ成形にすることにより、前記底
   壁（１１）を内壁（９）とコア部（７）と意匠壁（１
   ０）とから構成し、コラムカバー本体（４）に衝撃が加
   わった際にステアリングコラム（２）からの前記衝撃吸
   収体（６）を介して前記内壁（９）にて衝撃を吸収する
   ようにしたことを特徴とするステアリングコラムカバ
   ー。