JPH0665037U - 車両用ドア - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 車室内外観を損なったりすることなく、ウェ
ザーストリップ４が窓ガラス２の開閉操作などに伴い外
方側に抜け出たりするのを確実に防止する。 【構成】 ドアインナパネル１におけるトリムカバー３
との重合部端縁に開口１２を設けると共に、トリムカバ
ー３の開口１２との対向部位に、ドアインナパネル１の
外面外方側に突出してウェザーストリップ４の脚部４１
の一方に係合する係合爪５を形成した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は乗用車などの車両用ドア、詳しくは、ドアアウタパネルとドアインナ パネルとの間に窓ガラスをスライド自由に設け、前記ドアインナパネルの開口端 縁部に前記窓ガラスと対接状にウェザーストリップを取付けるようにした車両用 ドアに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、この種車両用ドアは、例えば実開昭６３−９８２１３号公報に示され、 かつ、図３で示したように、ドアインナパネルＡの車室内方側に芯材やパット材 などから成るトリムカバーＢを配設すると共に、これらドアインナパネルＡとト リムカバーＢとの開口側重合部端縁に、窓ガラスＣと弾接されるウェザーストリ ップＤを取付けて、該ウェザーストリップＤで車室内部側を外部と遮断するよう にしている。

【０００３】 前記ウェザーストリップＤは、一対の脚部Ｄ１，Ｄ１を備え、該各脚部Ｄ１の 対向内面側に、それぞれ前記ドアインナパネルＡとトリムカバーＢとの重合部端 縁を挟持する複数の突起Ｄ２を設けて構成され、前記各脚部Ｄ１を前記重合部端 縁に挿嵌させ、かつ、該各脚部Ｄ１に設けた前記各突起Ｄ２を前記重合部端縁に 圧接させた状態で取付けている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

ところが、以上のようなウェザーストリップＤの取付構造によれば、このウェ ザーストリップＤは前記窓ガラスＣに弾接され、該窓ガラスＣの開閉操作を行う ようなとき、前記ウェザーストリップＤには大きな荷重が付与されることから、 このウェザーストリップＤが前記窓ガラスＣの開閉操作などに伴い前記ドアイン ナパネルＡとトリムカバーＢとの重合部端縁から外方側に抜け出易い問題があっ た。

【０００５】 そこで、前記トリムカバーＢの車室側内面に係合爪を別途形成して、この係合 爪を前記ウェザーストリップＤの車室側内面に位置される脚部Ｄ１の内壁面に弾 接状に係止させることにより、前記ウェザーストリップＤの抜け止めを行うこと が考えられた。

【０００６】 しかしながら、以上の構成とするときには、前記トリムカバーＢの車室側内面 に係合爪が形成され、この係合爪が前記ウェザーストリップＤの車室側内面に位 置される脚部Ｄ１の内壁面に弾接状に係止されることから、この脚部Ｄ１の一部 が前記係合爪で車室側内面へと押圧されて内方側へと膨らみ、車室内外観が悪く なる別の問題が発生する。しからば、前記係合爪を浅く形成すれば良いが、斯く するときには、前記係合爪による前記ウェザーストリップＤの抜止効果が不充分 となって、該ウェザーストリップＤが前記窓ガラスＣの開閉操作などに伴い外方 側に抜け出たりするのである。

【０００７】 本考案は以上のような問題に鑑みてなしたもので、その目的は、車室内外観を 損なったりすることなく、ウェザーストリップが窓ガラスの開閉操作などに伴い 外方側に抜け出たりするのを確実に防止することができる車両用ドアを提供する ことにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するため、本考案は、ドアインナパネル１の内側にトリムカバ ー３を配設すると共に、これらドアインナパネル１とトリムカバー３との重合部 端縁に、該重合部端縁を挟持する一対の脚部４１，４１を備えたウェザーストリ ップ４を取付けるようにした車両用ドアにおいて、前記ドアインナパネル１にお ける前記トリムカバー３との重合部端縁に開口１２を設けると共に、前記トリム カバー３の前記開口１２と対向する部位に、前記ドアインナパネル１の外面外方 に突出して前記ウェザーストリップ４の脚部４１の一方に係合する係合爪５を形 成したのである。

【０００９】

【作用】

以上の構成では、前記トリムカバー３の車室側外面に係合爪５が設けられ、こ の係合爪５が前記ドアインナパネル１に形成した開口１２を介し車室外方側へと 突出されて、前記ウェザーストリップ４の車室外面側に位置される脚部４１に係 合される。従って、前記脚部４１に対する前記係合爪５の係合により、前記ウェ ザーストリップ４が前記ドアインナパネル１とトリムカバー３との重合部端縁に 強固に取付けられ、この結果、前記ウェザーストリップ４が窓ガラスの開閉操作 などに伴い外方側に抜け出たりするのを確実に防止することができ、しかも、前 記脚部４１の一部が前記係合爪５により押圧されて膨らむことがあっても、この 膨らみは車室外方側に形成されることから、車室内外観を損なうことなく、その 外観を良好にできる。

【００１０】

【実施例】

図１，図２は、ドアインナパネル１とドアアウタパネル（図示せず）とから成 り、これら両パネル間に窓ガラス２をスライド自由に設けた車両用ドアを示して いる。そして、前記ドアインナパネル１の車室内方側にトリムカバー３を配設す ると共に、これらドアインナパネル１とトリムカバー３との開口側上部壁１１， ３１を互いに重合させて、この重合部端縁にウェザーストリップ４を取付けてい る。

【００１１】 前記ウェザーストリップ４は、一対の脚部４１，４１を備えた概略断面Ｕ形状 に形成され、この各脚部４１の対向内面側に、それぞれ前記ドアインナパネル１ とトリムカバー３との重合部端縁を挟持する複数の突起４２を一体に形成してい る。また、前記ウェザーストリップ４の車室外面側には、前記窓ガラス２に弾接 される複数のリップ部４３を一体形成して、該各リップ部４３で車室内部を外部 側と遮断するようにしている。

【００１２】 しかして、前記トリムカバー３の上壁部３１と重合される前記ドアインナパネ ル１における上壁部１１の一部に、その上端側から下方にかけて切欠かれた複数 の開口１２を形成すると共に、前記トリムカバー３の前記各開口１２との対向部 位に、該各開口１２を経て前記ドアインナパネル１の車室外方側へと突出し、前 記ウェザーストリップ３の車室外部側に位置される脚部３１に係合して、このウ ェザーストリップ４が前記重合部端縁から抜け出るのを阻止する係合爪５をそれ ぞれ形成したのである。

【００１３】 そして、前記ウェザーストリップ４を前記ドアインナパネル１とトリムカバー ３との開口側重合部端縁に取付けるに際しては、この重合部端縁に前記ウェザー ストリップ４の各脚部４１を挿嵌させ、かつ、その各突起４２を前記重合部端縁 に圧接させ、これと同時に前記トリムカバー３から前記ドアインナパネル１の開 口１２を経て車室外方側へと延びる各係合爪５を、前記ウェザーストリップ４に 設けた各脚部４１のうち、車室外部側に位置される脚部４１に係止させるのであ る。

【００１４】 以上のようにして前記ウェザーストリップ４を取付けることにより、該ウェザ ーストリップ４を前記ドアインナパネル１とトリムカバー３との重合部端縁に強 固に取付けることができ、この結果、前記ウェザーストリップ４の各リップ部４ ３が前記窓ガラス２に弾接され、該窓ガラス２の開閉操作を行うようなときに前 記ウェザーストリップ４に大きな荷重が付与されるにも拘らず、このウェザース トリップ４が前記窓ガラス２の開閉操作に伴い外方に抜け出たりするのを確実に 防止できる。しかも、前記脚部４１の一部が前記係合爪５により押圧されて膨ら むことがあっても、この膨らみは車室外方側に形成されることから、車室内外観 を損なうことなく、その外観を良好にできる。

【００１５】 図１の実施例では、前記ウェザーストリップ４の車室外部側に位置される脚部 ４１の各突起４２間に前記各係合爪５を介入させて係止するようにしており、斯 くするときには、前記各係合爪５による前記ウェザーストリップ４の抜止効果を 一層良好に発揮させることができる。

【００１６】 また、前記ドアインナパネル１におけるトリムカバー３との重合端縁部には、 通常、ドア内部に配設されるリインホースメントなどをスポット溶接するための スポットガンの逃げ口が形成されていることから、この逃げ口を前記係合爪５を 車室外方側へと突出させる前記開口１２として利用するようにしてもよい。斯く するときには、前記ドアインナパネル１に前記開口１２を格別に開設したりして 作業工程の複雑化を招いたりすることなく、簡単な構成で初期の目的を達成する ことができる。

【００１７】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案は、ドアインナパネル１の内側にトリムカバー３ を配設し、これらドアインナパネル１とトリムカバー３との重合部端縁に、該重 合部端縁を挟持する一対の脚部４１，４１を備えたウェザーストリップ４を取付 けるようにした車両用ドアにおいて、前記ドアインナパネル１における前記トリ ムカバー３との重合部端縁に開口１２を設けると共に、前記トリムカバー３の前 記開口１２と対向する部位に、前記ドアインナパネル１の外面外方に突出して前 記ウェザーストリップ４の脚部４１の一方に係合する係合爪５を形成したから、 車室内外観を損なったりすることなく、前記ウェザーストリップ４が窓ガラスの 開閉操作などに伴い外方側に抜け出たりするのを確実に防止できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案にかかる車両用ドアの要部を示す縦断面
図である。

【図２】同車両用ドアの分解斜視図である。

【図３】従来の車両用ドアを示す縦断面図である。

【符号の説明】

１ ドアインナパネル １２ 開口 ３ トリムカバー ４ ウェザーストリップ ４１ 脚部 ５ 係合爪

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ドアインナパネル（１）の内側にトリム
   カバー（３）を配設すると共に、これらドアインナパネ
   ル（１）とトリムカバー（３）との重合部端縁に、該重
   合部端縁を挟持する一対の脚部（４１）（４１）を備え
   たウェザーストリップ（４）を取付けるようにした車両
   用ドアにおいて、 前記ドアインナパネル（１）における前記トリムカバー
   （３）との重合部端縁に開口（１２）を設けると共に、
   前記トリムカバー（３）の前記開口（１２）と対向する
   部位に、前記ドアインナパネル（１）の外面外方に突出
   して前記ウェザーストリップ（４）の脚部（４１）の一
   方に係合する係合爪（５）を形成していることを特徴と
   する車両用ドア。