JPH0663813A - 筒状ワークの内周面の溝形成加工装置 - Google Patents

筒状ワークの内周面の溝形成加工装置

Info

Publication number
JPH0663813A
JPH0663813A JP3599091A JP3599091A JPH0663813A JP H0663813 A JPH0663813 A JP H0663813A JP 3599091 A JP3599091 A JP 3599091A JP 3599091 A JP3599091 A JP 3599091A JP H0663813 A JPH0663813 A JP H0663813A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
peripheral surface
tool holder
tool
drive
inner peripheral
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP3599091A
Other languages
English (en)
Inventor
Tadatomo Hatayama
忠友 畑山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
Priority to JP3599091A priority Critical patent/JPH0663813A/ja
Priority to JP147692A priority patent/JP2670205B2/ja
Priority to US07/843,198 priority patent/US5344262A/en
Priority to GB9204501A priority patent/GB2253581B/en
Publication of JPH0663813A publication Critical patent/JPH0663813A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Milling, Broaching, Filing, Reaming, And Others (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】簡略且つ小型な構成で、高負荷に耐えて筒状ワ
ークの内周面に切削加工により略円弧状の溝を形成す
る。 【構成】カッタ13を先端部に有する工具保持体14
と、これから揺動自在に延設された一対のリンクアーム
15,16と、一方のリンクアーム15の先端部を基体
11に枢支する支軸25と、他方のリンクアーム16の
先端部を枢支する第1の駆動クランク軸17と、工具保
持体14を筒状ワークWの内周面に沿って往復揺動させ
るための第2の駆動クランク軸18とを備える。第1の
駆動クランク軸17は第2の駆動クランク軸と同期して
回動し、その回動軸心の回りにリンクアーム16の先端
部を公転させる。カッタ13は、工具保持体14が筒状
ワークWに向かって往路側に揺動された時に略円弧状の
軌跡を描き、復路側に揺動された時に略直線状の軌跡を
描く。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車のパワーステア
リング装置に用いられるロータリーバルブのスリーブ等
の筒状ワークの内周面に切削加工により溝を形成するた
めの装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図8に示すように、例えば、ロータリー
バルブのスリーブWの内周面には、その中間部に、該ス
リーブWの軸方向に延在する縦断面、略円弧形状のポー
ト溝aが該スリーブWの周方向に間隔を存して複数形成
され、この種の、ポート溝aをを形成する溝形成加工装
置としては、従来、例えば特公昭49−49541号広
報に開示されているものが知られている。
【0003】この溝形成加工装置は、ポート溝aの形成
・加工に際して、スリーブWを揺動可能に保持すると共
に、カッターを先端部に備えた切削工具をスリーブW内
に挿入し、この時、該スリーブW及び切削工具を共に揺
動させながら、該スリーブWの内周面の中間部の所定の
箇所を切削工具のカッターにより徐々に切削し、これに
よって、ポート溝aを形成するようにしている。
【0004】しかしながら、かかる溝形成加工装置で
は、スリーブW及び切削工具の両者を適当なタイミング
で揺動させなければならず、このため、スリーブWの揺
動機構や切削工具の揺動機構等が複雑なものとなると共
に大型化し、また、高価なものとなるという不都合があ
った。そして、かかる溝形成加工装置では、スリーブW
及び切削工具の両者の揺動のタイミングを適切にとりつ
つ、両者を高速で揺動させることは困難であり、従っ
て、溝加工を短時間で効率よく行うことが困難であっ
た。
【0005】また、この種の溝形成加工装置としては、
例えば特開昭62−34714号広報に開示されている
ものも知られている。
【0006】この溝形成加工装置は、先端部に上下一対
のカッターを有するクランクアームをクランク軸から延
設すると共にその中間部で揺動自在に枢支したものであ
り、ポート溝aの加工に際しては、カッターを所定位置
に固定保持したスリーブW内に挿入した状態でクランク
軸を回動させることにより、両カッターをクランクアー
ムと共にスリーブWの略軸方向で往復動させつつ上下に
揺動させて、両カッターに略楕円形状の軌跡を同位相で
描かせ、この時、その軌跡の半工程において各カッター
によりスリーブWの内周面を切削し、これによって、ス
リーブWの内周面に上下一対のポート溝a,aを同時に
形成するようにしている。
【0007】しかしながら、かかる溝形成加工装置で
は、スリーブWの一対の溝加工を並行して行うことがで
きるものの、一般には、両カッターをクランクアームに
高精度の位置関係で取付けることは困難であり、このた
め、両カッターの軌跡が微妙に異なるものとなって、各
ポート溝aを高精度で同一形状に加工することが困難な
ものとなっていた。
【0008】また、かかる溝形成加工装置では、各カッ
ターの軌跡が略楕円形状となるため、その半工程におい
て各カッターがスリーブの内周面を切削した後に残りの
半工程において原位置に復帰する際には、該カッターが
これを取付けたクランクアームの先端部と共にその研削
箇所からスリーブWの軸心側に比較的大きく離反するこ
ととなる。このため、各カッターによる切削時に各カッ
ターに高負荷が加わるような場合に、該カッターを取付
けたクランクアームの先端部の径を大きくしてその剛性
を高めようとしても、該クランクアームとスリーブWと
の干渉を避けるために該クランクアームの先端部の径を
あまり大きくできず、従って、各カッターに加わる高負
荷に耐え得る十分な剛性を確保することが困難であると
いう不都合があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる不都合
を解消し、簡略且つ小型な構成でロータリーバルブのス
リーブ等の筒状ワークの内周面に切削加工により略円弧
状の溝を形成することができると共に、その溝形成加工
の高速化を容易に図ることができ、さらには、その加工
時に高負荷が加わるような場合にも容易にその負荷に耐
え得る構成とすることができる溝形成加工装置を提供す
ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明はかかる目的を達
成するために、所定の位置に保持された筒状ワークの内
周面にその軸方向に延在する略円弧形状の溝を切削加工
により形成するための装置において、前記溝の切削加工
に際して前記筒状ワークに挿入される切削工具を先端部
に備える工具保持体と、該工具保持体を該切削工具と共
に該筒状ワークの軸方向及び幅方向に移動自在に支承す
る基体と、前記筒状ワークの略軸方向に間隔を存して該
工具保持体から揺動自在に延設された一対のリンクアー
ムと、両リンクアームのうち、一方のリンクアームの先
端部を前記基体に回動自在に枢支する支軸と、他方のリ
ンクアームの先端部を回動自在に枢支して前記基体に回
動自在に支承された第1の駆動クランク軸と、前記基体
に前記第1の駆動クランク軸と同期して回動自在に支承
されて前記工具保持体に係合された第2の駆動クランク
軸とを備え、前記工具保持体は、前記両リンクアームに
より前記筒状ワークの内周面に沿って揺動可能に支承さ
れ、該第2の駆動クランク軸は、その回動により前記工
具保持体を往復揺動させるべく前記工具保持体に係合さ
れ、前記第1の駆動クランク軸は、該第2の駆動クラン
ク軸の回動時にこれと同期して前記他方のリンクアーム
の先端部を該第2の駆動クランク軸の回動軸心の回りに
公転させるべく該他方のリンクアームの先端部を枢支
し、該第2の駆動クランク軸の回動による工具保持体の
往復揺動と、その往復揺動時の前記他方のリンクアーム
の先端部の公転とにより、該工具保持体の往路側あるい
は復路側への揺動時に前記切削工具が前記筒状ワークの
内周面を略円弧状に切削する軌跡を描き、且つ、該揺動
と逆向きへの揺動時に該切削工具が該筒状ワークの内周
面から離反した位置で該筒状ワークの軸心と略平行な軌
跡を描くように構成したことを特徴とする。
【0011】
【作用】本発明によれば、前記切削工具を前記筒状ワー
クに挿入した状態で前記第2の駆動クランク軸を回動さ
せると、前記工具保持体が切削工具及び前記両リンクア
ームと共に該筒状ワークの内周面に沿って往復揺動す
る。
【0012】この時、仮に、前記両リンクアームの先端
部が前記基体の定位置で枢支されているとすると、該切
削工具は、その揺動により、往路側及び復路側のいずれ
の方向への揺動であっても、略円弧状の同一の軌跡を描
きつつ往復動する。
【0013】然るに、本発明によれば、前記他方のリン
クアームの先端部が前記第2の駆動クランク軸と同期し
て回動する前記第1の駆動クランク軸に枢支されている
ため、当該他方のリンクアームの先端部が、上記の往復
揺動時に該第1の駆動クランク軸の回動軸心の回りに公
転し、その公転半径を適切に設定しておけば、上記の揺
動に当該他方のリンクアームの先端部の公転運動が加わ
ることにより、往路側及び復路側のいずれかへの揺動時
に、前記切削工具が筒状ワークの内周面に向かって略円
弧状の軌跡を描き、且つ、これと反対方向への揺動時に
は、筒状ワークの内部側でその軸心と略平行な直線的な
軌跡を描くようになる。
【0014】そして、該筒状ワークの切削に際しては、
該切削工具が円弧状に軌跡を描く際に該筒状ワークの内
周面が該切削工具により円弧状に切削されて溝が形成さ
れ、直線的な軌跡を描く際には、該切削工具がその切削
箇所から離反した位置で該筒状ワークの軸方向に直線的
に移動して原位置に復帰する。
【0015】
【実施例】本発明の溝形成加工装置の一例を図1乃至図
7に従って説明する。
【0016】図1は該溝形成加工装置の側面図、図2は
図1のII−II線断面図、図3及び図4はそれぞれは
図2のIII−III線断面図及びIV−IV線断面
図、図5乃至図7はその作動説明図である。
【0017】図1で、1は前記ポート溝a(図8参照)
を形成すべき筒状ワークであるスリーブWを着脱自在に
保持するワーク保持ユニット、2は該スリーブWの内周
面に切削加工によりポート溝aを形成する加工ユニット
であり、これらは基台3上に設けられている。
【0018】ワーク保持ユニット1は、基台3上に敷設
されたガイドレール4上を基台3の幅方向(図1の紙面
に垂直な方向)に移動自在に設けられたスライドテーブ
ル5と、該スライドテーブル5上に立設された取付部6
に回動自在に取付けられた回転保持部7とを備えてい
る。
【0019】この場合、回転保持部7は、その軸心が基
台3の前後方向(前記スライドテーブル5の移動方向に
直交する方向)に向けられ、その先端部にスリーブWを
同心に着脱自在に挿着・保持する。そして、回転保持部
7は、取付部6を介してモータ8に接続され、後述の溝
形成加工の際には、保持したスリーブWの内周面に一つ
のポート溝a(図8参照)が形成される毎に、該モータ
8の駆動下に所定の角度毎に回動される。
【0020】尚、スライドテーブル5は、図示しないシ
リンダ等により回転保持部7と共にガイドレール4上を
移動される。
【0021】加工ユニット2は、基台3上に敷設された
ガイドレール9上を前記回転保持部7の軸心と平行にワ
ーク保持ユニット1に向かって移動自在に設けられたス
ライドテーブル10を備え、該スライドテーブル10上
には、本発明の要部であるケース状の基体11が固設さ
れている。
【0022】そして、基体11の内部からは、その内部
において後述する工具保持体に固設された工具ホルダー
12が前記回転保持部7に挿着されたスリーブWに向か
って突出され、該工具ホルダー12の先端部の側部には
カッター13が固着されている。この場合、スライドテ
ーブル10は、基体11等と共に図示しないシリンダ等
によりガイドレール9上を移動されるようになってお
り、工具ホルダー12及びカッター13は、スライドテ
ーブル10をワーク保持ユニット1に向かって前進させ
ることにより回転保持部7に挿着されたスリーブWに挿
入される。
【0023】図2に示すように、前記基体11の内部に
は、本発明の要部であるプレート状の工具保持体14、
一対のリンクアーム15,16、第1の駆動クランク軸
17及び第2の駆動クランク軸18等が収納されてい
る。
【0024】工具保持体14は、基体11の内部の後部
側から前記回転保持部7に向かって水平姿勢で延在し、
その両側縁部が基体11に固設された一組のガイド体1
9a,19bを介して該基体11に支承されている。
【0025】さらに詳細には、図2及び図3に示すよう
に、ガイド体19a,19bは、工具保持体14を間に
挟み込むようにして互いに対向して基体11に固設さ
れ、その内側面部には、それぞれ工具保持体14の長手
方向(回転保持部7に挿着されるスリーブWの軸方向)
に延在するガイド溝20,20が形成されている。そし
て、工具保持体14は、その両側縁部がガイド溝20,
20にその底壁部と間隙を存して遊挿され、これによっ
て、回転保持部7に挿着されるスリーブWの軸方向に移
動自在とされると共に、幅方向にも若干量移動自在とさ
れている。
【0026】尚、この場合、図2に示すように、ガイド
体19bはガイド体19aよりも短く形成されており、
ガイド体19aはこれに対応する工具保持体14の側縁
部をそのほぼ全長にわたって支承する一方、ガイド体1
9bは、これに対応する工具保持体14の側縁部の略中
央部分を支承している。
【0027】また、図2に示すように、工具保持体14
の先端部には、前記工具ホルダー12が固設され、この
工具ホルダー12は、基体11の前面部に穿設された貫
通穴21を介してスリーブWに向かって突出されて、該
工具保持体14と一体に移動自在とされている。そし
て、工具ホルダー12の先端部には、その側部から側方
に突出された前記カッター13が固着されている。
【0028】尚、工具保持体14の略中央部には、その
幅方向に延在する長孔22が穿設され、この長孔22に
は後述するように第2の駆動クランク軸18が係合され
る。
【0029】前記リンクアーム15,16は、それぞれ
工具保持体14の先端部及び後端部から該工具保持体1
4の前記ガイド体19b側の側方に支軸23,24を介
して揺動自在に延設され、該ガイド体19bを間に挟み
込むようにして互いに平行に延在している。
【0030】この場合、工具保持体14の先端部側のリ
ンクアーム15は、その先端部が基体11に固定支軸2
5を介して枢支され、該固定支軸25を支点として工具
保持体14と共にその略長手方向に揺動可能とされてい
る。
【0031】一方、図4に示すように、工具保持体14
の後端部側のリンクアーム16の下側の位置には、前記
第1の駆動クランク軸17がリンクアーム16の先端部
に向かって上下方向に延在して設けられていると共に基
体11にベアリング26を介して回動自在に支承されて
おり、リンクアーム16の先端部は、該駆動クランク軸
17の上端部にその回動軸心Pと偏心して形成された偏
心支軸17aに枢支されている。
【0032】従って、リンクアーム16は、偏心支軸1
7aを支点として工具保持体14と共にその略長手方向
に揺動可能とされ、この時、その支点(偏心支軸17
a)は、駆動クランク軸17の回動に伴ってその回動軸
心Pの回りに公転する。
【0033】前記第2の駆動クランク軸18は、図2及
び図3に示すように、前記工具保持体14の長孔22の
下側で該長孔22に向かって上下方向に延在して設けら
れていると共に基体11にベアリング27を介して回動
自在に支承され、その上端部に該駆動クランク軸18の
回動軸心Qと偏心して形成された偏心駆動軸18aが長
孔22に嵌挿されて該長孔22に沿って摺動自在に工具
保持体14に係合されている。
【0034】従って、駆動クランク軸18が回動される
と、その偏心駆動軸18aが駆動クランク軸18の回動
軸心Qの回りに公転しつつ長孔22に沿って摺動し、こ
の時、工具保持体14は、両リンクアーム15,16と
共に前後方向に往復揺動される。そして、この時、前記
工具ホルダー12及びカッター13は、前記回転保持部
7に挿着されたスリーブWに挿入された状態で該スリー
ブWの内周面に沿って工具保持体14と共に往復揺動さ
れる。
【0035】また、図2乃至図4に示すように、第1の
駆動クランク軸17と、第2の駆動クランク軸18と
は、これらにそれぞれ挿着されたプーリ28,29と、
両プーリ28,29に巻装されたプーリベルト30とに
より、同期して回動するように接続されている。そし
て、この場合、第1の駆動クランク軸17の偏心支軸1
7aと、第2の駆動クランク軸18の偏心駆動軸18a
とは、両駆動クランク軸17,18の同期した回動時
に、同位相でそれぞれの回動軸心P,Q回りに公転する
ような位置関係で設けられている。
【0036】すなわち、偏心駆動軸18aが前記回動保
持部7に最も近づく位置(以下、最前方位置という)に
公転した時には偏心支軸17aも回動保持部7に最も近
づく位置(以下、最前方位置という)に公転し、これと
逆に、偏心駆動軸18aが前記回動保持部7から最も離
反する位置(以下、最後方位置という)に公転した時に
は偏心支軸17aも回動保持部7から最も離反する位置
(以下、最後方位置という)に公転する。
【0037】尚、図1に示すように、前記加工ユニット
2のスライドテーブル10上には、基体11の後方に第
2の駆動クランク軸18を回動させるためのモータ31
が固設されており、このモータ31は、図示しないギヤ
あるいはプーリ等を介して該駆動クランク軸18を回動
させるようにしている。この場合、本実施例では、この
モータ31は、該駆動クランク軸18及びこれに連動す
る駆動クランク軸17を図2の時計回りに回動させるよ
うにしている。
【0038】次に、かかる溝形成加工装置の作動を図1
及び図2を参照しつつ図5乃至図7に従って説明する。
【0039】尚、図5及び図6においては、作動説明の
ために加工ユニット2の主要部のみを記載した。
【0040】図1及び図2において、前記スリーブWの
内周面にポート溝a(図8参照)を形成する際には、該
スリーブWをワーク保持ユニット1の回転保持部7に挿
着した後に、加工ユニット2をスリーブWに向かって前
進させて工具ホルダー12をカッター13と共に該スリ
ーブWに所定の位置まで挿入する。
【0041】次いで、加工ユニット2のモータ31を作
動させて第2の駆動クランク軸18を第1の駆動クラン
ク軸17と共に図2の時計回りに同期回動させ、これに
よって、前記したように工具保持体14をその長手方向
に往復揺動させる。
【0042】この時、前記カッタ13は、工具ホルダー
12及び工具保持体14と共に、スリーブW内でその内
周面に沿って以下に説明するような軌跡を描いて往復揺
動する。
【0043】すなわち、図5において、工具保持体14
が基体11の後部側からスリーブWに向かって往路方向
に揺動する際には、第2の駆動クランク軸18の偏心駆
動軸18a及び第1の駆動クランク軸17の偏心支軸1
7aがそれぞれ最後方位置から最前方位置に向かって各
駆動クランク軸18,17の回動軸心P,Qの回りに時
計方向に同期して公転する。
【0044】この時、工具保持体14は、偏心駆動軸1
8aと前記長孔22との係合により、リンクアーム1
5,16の先端部をそれぞれ枢支する前記固定支軸25
及び偏心支軸17aを支点としてスリーブWに向かって
揺動する一方、これと並行して、リンクアーム16の揺
動支点である偏心支軸17aがその最後方位置から最前
方位置に向かって時計回りに公転する際に、その公転運
動の前半では該偏心支軸17aが工具保持体14から離
反する方向に移動することにより、該工具保持体14の
後端部がリンクアーム16を介して該偏心支軸17a側
に移動され、これによって、前記カッター13はスリー
ブWの内周面に接近する方向に移動しながら揺動する。
そして、偏心支軸17aの公転運動の後半では、該偏心
支軸17aが工具保持体14に接近する方向に移動する
ことにより、該工具保持体14の後端部がリンクアーム
16を介して該偏心支軸17aと反対側に移動され、こ
れによって、前記カッター13はスリーブWの内周面か
ら離反する方向に移動しながら揺動する。
【0045】このため、カッター13は、工具保持体1
4の往路方向への揺動の際には、図7に示すように、ス
リーブWの内周面に沿ってこれに徐々に接近、離反する
ように円弧状の軌跡Xaを描く。
【0046】一方、図6において、工具保持体14がス
リーブW側から基体11の後部側に向かって復路方向に
揺動する際には、偏心駆動軸18a及び偏心支軸17a
がそれぞれ最前方位置から最後方位置に向かって各駆動
クランク軸18,17の回動軸心Q,Pの回りに時計方
向に同期して公転する。
【0047】この時、工具保持体14は、上記の場合と
逆に、リンクアーム15,16の先端部の固定支軸25
及び偏心支軸17aを支点として基体11の後部側に向
かって揺動する一方、これと並行して、リンクアーム1
6の揺動支点である偏心支軸17aがその最前方位置か
ら最後方位置に向かって時計回りに公転する際に、その
公転運動の前半では該偏心支軸17aが工具保持体14
に接近する方向に移動することにより、該工具保持体1
4の後端部がリンクアーム16を介して該偏心支軸17
aと反対側に該工具保持体14の揺動を打ち消すように
移動され、さらに、偏心支軸17aの公転運動の後半で
は、該偏心支軸17aが工具保持体14から離反する方
向に移動することにより、該工具保持体14の後端部が
リンクアーム16を介して該偏心支軸17a側に該工具
保持体14の揺動を打ち消すように移動される。
【0048】このため、カッター13は、工具保持体1
4の復路方向への揺動の際には、図7に示すように、ス
リーブWの内周面に沿ってその軸方向に直線的な軌跡X
bを描く。
【0049】従って、カッター13は、工具保持体14
の上記の往復揺動の際に、図7に示すように、スリーブ
Wの内周面に沿って略弓形状の軌跡Xを描いて往復動す
ることとなる。
【0050】そして、このようにカッター13を往復動
させた状態で、次に、図1に示すワーク保持ユニット1
を前記ガイドレール4上で移動させることにより、スリ
ーブWの内周面のカッター13に対向する箇所を図5矢
印Yにより示すように該カッター13に徐々に接近させ
る。
【0051】この時、カッター13は、その円弧状の軌
跡Xaに沿った往路方向への移動時に該スリーブWの内
周面を徐々に切削し、これによって、その切削箇所に前
記ポート溝a(図8参照)が形成される。また、この
時、カッター13は、その直線状の軌跡Xbに沿った復
路方向への移動時には、該スリーブWの切削箇所から離
反した状態で該切削箇所に沿ってスリーブWの軸方向に
移動して原位置に復帰する。
【0052】そして、このようにスリーブWの内周面に
一つのポート溝aが形成された後には、該カッター13
が再びスリーブWの内周面から軸心側に離反された状態
で、前記回転保持部7がスリーブWと共に前記モータ8
(図1参照)により所定角度回動されて他のポート溝a
を形成すべき箇所がカッター13に対向され、この状態
で再び前記と同様に他のポート溝aが形成される。以
下、かかる作動を繰り返すことにより、スリーブWに複
数のポート溝が形成される。
【0053】このように、本実施例の溝形成加工装置に
おいては、スリーブWの内周面に略円弧形状のポート溝
aを切削・形成するためのカッター13の往復運動を、
工具保持体14、リンクアーム15,16、駆動クラン
ク軸17,18による簡略且つ小型な構成で行わしめる
ことができる。そして、カッター13の往復運動におい
ては、スリーブWの内周面の切削を行わない復路方向へ
の移動時に該スリーブWの内周面に沿って直線的に移動
させるようにしているので、その非切削時のカッター1
3及び工具ホルダー12のスリーブWの軸心側への移動
量を小さくなものとすることができ、従って、工具ホル
ダー12の径を大きくしてその剛性を高めても支障なく
カッター13の往復運動を行わしめることができ、切削
時にカッター13に加わる負荷が大きい場合であっても
該カッター13及び工具ホルダー12をその負荷に充分
耐え得る構成とすることができる。
【0054】尚、本実施例では、工具保持体14の往路
方向への揺動時にカッター13により溝形成加工を行う
ようにしたが、これと逆に工具保持体14の復路方向へ
の揺動時に溝形成加工を行うようにすることも可能であ
ることはもちろんである。
【0055】この場合には、例えば、両駆動クランク軸
17,18を本実施例の場合と逆方向に回動させれば、
明らかにカッター13の軌跡が本実施例の場合と逆向き
となるので、両駆動クランク軸17,18を本実施例の
場合と逆方向に回動させると共に、該カッター13の刃
先を工具保持体14の復路方向へ向けることにより、本
実施例と同様に溝形成加工装置が構成される。
【0056】
【発明の効果】上記の説明から明らかなように、本発明
によれば、第2の駆動クランク軸の回動により工具保持
体の筒状ワークの内周面に沿うように往復揺動させると
共に、該工具保持体を揺動自在とする一対のリンクアー
ムのいずれか一方のリンクアームの先端部を第2の駆動
クランク軸と同期して回動する第1の駆動クランク軸に
枢支して該第1の駆動クランク軸の回動軸心の回りに公
転させ、かかる工具保持体の往復揺動と一方のリンクア
ームの先端部の公転とにより、工具保持体の往路側ある
いは復路側への揺動時に切削工具が筒状ワークの内周面
を略円弧状に切削する軌跡を描き、且つ、該揺動と逆向
きへの揺動時に該切削工具が該筒状ワークの内周面から
離反した位置で該筒状ワークの軸心と略平行な軌跡を描
くように構成したことによって、筒状ワークの内周面に
略円弧形状の溝を形成するための切削工具の駆動を極め
て簡略且つ小型な構成で行うことができる。
【0057】そして、このように、簡略且つ小型な構成
としたことによって、工具保持体や切削工具等の可動部
の慣性重量を小さなものとすることができると共に、前
記両駆動クランク軸を高速で回動させるだけで、切削工
具を所定の軌跡を描かせて高速で往復運動させることが
できるので、筒状ワークの溝形成加工を短時間で行うこ
とができると共に、精度の良い加工を行うことができ
る。
【0058】また、切削工具の往復運動において、筒状
ワークの非切削時に該切削工具を筒状ワークの略軸心方
向に直線的に移動させるようにしたことによって、該切
削工具の筒状ワークの径方向への移動量を小さなものと
することができ、従って、該切削工具を比較的大きなも
のとしてその剛性を高めるようにしても該切削工具が筒
状ワークと干渉せずに支障なく往復運動することがで
き、該切削工具に高負荷が加わるような場合であって
も、その負荷に充分耐え得る構成とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の溝形成加工装置の一例の側面図、
【図2】図1のII−II線断面図、
【図3】図2のIII−III線断面図、
【図4】図2のIV−IV線断面図、
【図5】溝加工形成装置の作動説明図、
【図6】溝加工形成装置の作動説明図、
【図7】溝加工形成装置の作動説明図、
【図8】溝を形成した筒状ワークの縦断面図。
【符号の説明】
11…基体 13…カッター
(切削工具) 14…工具保持体 15,16…リン
クアーム 17…第1の駆動クランク軸 18…第2の駆動
クランク軸 25…固定支軸 W…スリーブ(筒
状ワーク) a…ポート溝 X…軌跡

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定の位置に保持された筒状ワークの内周
    面にその軸方向に延在する略円弧形状の溝を切削加工に
    より形成するための装置において、前記溝の切削加工に
    際して前記筒状ワークに挿入される切削工具を先端部に
    備える工具保持体と、該工具保持体を該切削工具と共に
    該筒状ワークの軸方向及び幅方向に移動自在に支承する
    基体と、前記筒状ワークの略軸方向に間隔を存して該工
    具保持体から揺動自在に延設された一対のリンクアーム
    と、両リンクアームのうち、一方のリンクアームの先端
    部を前記基体に回動自在に枢支する支軸と、他方のリン
    クアームの先端部を回動自在に枢支して前記基体に回動
    自在に支承された第1の駆動クランク軸と、前記基体に
    前記第1の駆動クランク軸と同期して回動自在に支承さ
    れて前記工具保持体に係合された第2の駆動クランク軸
    とを備え、前記工具保持体は、前記両リンクアームによ
    り前記筒状ワークの内周面に沿って揺動可能に支承さ
    れ、該第2の駆動クランク軸は、その回動により前記工
    具保持体を往復揺動させるべく前記工具保持体に係合さ
    れ、前記第1の駆動クランク軸は、該第2の駆動クラン
    ク軸の回動時にこれと同期して前記他方のリンクアーム
    の先端部を該第2の駆動クランク軸の回動軸心の回りに
    公転させるべく該他方のリンクアームの先端部を枢支
    し、該第2の駆動クランク軸の回動による工具保持体の
    往復揺動と、その往復揺動時の前記他方のリンクアーム
    の先端部の公転とにより、該工具保持体の往路側あるい
    は復路側への揺動時に前記切削工具が前記筒状ワークの
    内周面を略円弧状に切削する軌跡を描き、且つ、該揺動
    と逆向きへの揺動時に該切削工具が該筒状ワークの内周
    面から離反した位置で該筒状ワークの軸心と略平行な軌
    跡を描くように構成したことを特徴とする筒状ワークの
    内周面の溝形成加工装置。
JP3599091A 1991-03-01 1991-03-01 筒状ワークの内周面の溝形成加工装置 Pending JPH0663813A (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3599091A JPH0663813A (ja) 1991-03-01 1991-03-01 筒状ワークの内周面の溝形成加工装置
JP147692A JP2670205B2 (ja) 1991-03-01 1992-01-08 筒状ワークの内周面の溝形成加工装置
US07/843,198 US5344262A (en) 1991-03-01 1992-02-28 Slotting apparatus for producing a slot in inner circumferential surface of tubular workpiece
GB9204501A GB2253581B (en) 1991-03-01 1992-03-02 Slotting workpieces

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3599091A JPH0663813A (ja) 1991-03-01 1991-03-01 筒状ワークの内周面の溝形成加工装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0663813A true JPH0663813A (ja) 1994-03-08

Family

ID=12457284

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3599091A Pending JPH0663813A (ja) 1991-03-01 1991-03-01 筒状ワークの内周面の溝形成加工装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0663813A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012043027A1 (ja) * 2010-09-28 2012-04-05 エドワーズ株式会社 排気ポンプ

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012043027A1 (ja) * 2010-09-28 2012-04-05 エドワーズ株式会社 排気ポンプ
JPWO2012043027A1 (ja) * 2010-09-28 2014-02-06 エドワーズ株式会社 排気ポンプ
JP5763660B2 (ja) * 2010-09-28 2015-08-12 エドワーズ株式会社 排気ポンプ
US9790946B2 (en) 2010-09-28 2017-10-17 Edwards Japan Limited Exhaust pump

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4953377A (en) Method and apparatus for cutting and deburring tubes
US20060096104A1 (en) Reciprocating saw
JPH0155957B2 (ja)
JP2670205B2 (ja) 筒状ワークの内周面の溝形成加工装置
JPH0663813A (ja) 筒状ワークの内周面の溝形成加工装置
JP2014166671A (ja) 削り盤
JPH10151501A (ja) 旋盤用偏心・楕円軸加工アタッチメント
JPH0729242B2 (ja) 円筒形スリーブポート溝加工装置
JPH11514594A (ja) 回転ヘッドを備える切削装置
JPH0524202U (ja) 筒状ワークの内周面の溝形成加工装置
JP4544524B2 (ja) 曲げ加工機
JPH05337730A (ja) 板材の加工装置
JPH0524481Y2 (ja)
JPS597513A (ja) クランクシヤフトの加工方法
JPH0478407B2 (ja)
JPH018252Y2 (ja)
JPH0649244B2 (ja) 楕円加工機械
JPS591101A (ja) クランクシヤフトミラ−
JP2632311B2 (ja) 非円形内面研削機
JPH09253920A (ja) ワークの加工方法およびその加工装置
JPS6279903A (ja) 楕円加工機械
JPS6142755Y2 (ja)
JPS61173807A (ja) 溝加工用アタツチメント
JPH1080851A (ja) 倣い加工装置
JPS5835386Y2 (ja) 歯車形削盤