JPH066352Y2 - 写真フィルム用パトローネ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は写真フィルム用パトローネに係り、特に両端部
に装着されるキャップを改良したパトローネに関するも
のである。

〔従来の技術〕

従来、この種のパトローネを第５図乃至第８図を参照し
て述べる。

即ち、このパトローネは、第５図に示す如く、筒状体１
内に写真フィルム２を巻装したスプール３が収納され、
このスプール３は、上記筒状体１の両端部に装着され、
塗装膜Ａが被着された１対のキャップ４に、スプール軸
３ａを以て軸支されたものである。

ところで、かかるキャップ４は、第６図に示す如く、予
め金属基材５の全面に錆止め及び意匠性向上のための塗
装膜Ａを形成し、かかる金属基材５からキャップ４をプ
レス打抜き成形して得られるものであった。

〔考案が解決しようとする課題〕

然し乍ら、上述した従来パトローネにおいては、金属基
材５におけるキャップ４のプレス打抜き成形、即ちキャ
ップ４の外縁部４ａ及びスプール軸３ａ受孔部４ｂの切
断工程において、金属基材５の全面に塗装膜Ａが形成さ
れているため、プレスによりキャップ４の切断部に加え
られる圧縮及び湾曲力により、上記切断部の塗装膜Ａ
が、第７図及び第８図に示すように、破砕され、細粒粉
ａがキャップ４の表面に付着することがある。仮にかか
るキャップ４を写真フィルム２が装填されたパトローネ
に組込んだ場合、細粒粉ａが写真フィルム２面に付着
し、フィルム画面に致命的な悪影響を与えてしまうとい
う問題点があった。

勿論、キャップ４を洗浄することにより細粒粉ａは除去
されるが、この場合、キャップ４の本来有する凹凸のた
め、細粒粉ａは除去され難く、加えて洗浄・乾燥により
キャップ４表面に塗布された塗装膜Ａが劣化し、相互接
触等によりスクラッチが発生し、品質が低下する。又、
洗浄・乾燥工程の増加による作業性の低下及びコストが
増大するという問題点があった。

本考案の目的は、上述した問題点に鑑み、キャップ打抜
き成形時における塗装膜の細粒粉の発生が防止でき、上
記した問題が生じない写真フィルム用パトローネを提供
するものである。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は、写真フィルム２の取出口１ａを有する筒状体
１内に、前記写真フィルム２を巻装したスプール３を収
納すると共に、前記筒状体１の両端部に、前記スプール
３を軸支し且つプレス打抜き成形されると共に、表面に
塗装膜Ａが被着された一対のキャップ６を装着して成る
写真フィルム用パトローネにおいて、金属基材５の片面
又は両面の前記キャップ６となる部分のうち切断部、所
謂外縁部６ａ及びスプール軸３ａの受孔部６ｂを除く表
面に、予め錆止め及び意匠性向上のための塗装膜Ａを塗
布し、前記金属基材５をプレス打抜きして前記キャップ
６を成形し、前記キャップ６の切断部には前記塗装膜Ａ
を形成しないことを特徴とする。

〔作用〕

本考案においては、プレス打抜き時に、キャップの切断
部に塗装膜を形成しないので、プレス打抜き時における
キャップの切断部において、塗装膜破砕による細粒粉の
発生が防止される。

〔実施例〕

本考案のパトローネに係る一実施例を、第１図乃至第４
図に基づいて従来例と同一構成部分には同一符号を付し
て説明する。

即ち、第１図に示す如く、このパトローネは、写真フィ
ルム２の取出口１ａを有する筒状体１と、この筒状体１
内に収納され、写真フィルム２を巻装したスプール３
と、プレス打抜き成形され、上記筒状体１の両端部に装
着された１対のキャップ６と、上記スプール３をキャッ
プ６に軸支するためのスプール軸３ａと、上記キャップ
６の切断部を除く表面に形成された塗装膜Ａとから構成
されている。

上記キャップ６は、第２図及び第３図に示す如く、金属
基材５の片面又は両面のキャップ６となる部分のうち切
断部、所謂外縁部６ａ及びスプール軸３ａの受孔部６ｂ
を除く表面に、予め錆止め及び意匠性向上のための塗装
膜Ａを塗布し、かかる金属基材５をプレス打抜き成形し
て得られる。

従って、第４図に示す如く、キャップ６のプレス打抜き
成形時において、キャップ６の外縁部６ａ及び受孔部６
ｂの切断部には塗装膜Ａが形成されていないため、プレ
スによって上記切断部に加えられる圧縮及び湾曲力によ
る塗装膜Ａの破砕は生じない。よって、塗装膜Ａの細粒
粉の発生が防止できる。

尚、キャップ６における切断部の面積は極めて小さいの
で、塗装膜Ａの欠如による防錆及び意匠性低下等の問題
は生じない。

〔考案の効果〕

以上説明したように本考案によれば、プレス打抜き時に
おいて、キャップの切断部には塗装膜を形成しないの
で、キャップのプレス打抜き成形時における塗装膜の細
粒粉の発生が防止できる。よって、キャップのパトロー
ネ組付け時において、塗装膜の細粒粉の写真フィルムへ
の付着が防止できるので、写真フィルムの品質が向上
し、良好なフィルム画面を得ることができる等の特有の
効果により上述した問題を解決し得る。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第４図は本考案に係わる一実施例を示すもの
で、第１図はパトローネの断面図、第２図は金属基材の
部分斜視図、第３図はキャップの要部斜視図、第４図は
キャップ切断部の説明図、第５図乃至第８図は従来例を
示すもので、第５図はパトローネの断面図、第６図は金
属基材の部分斜視図、第７図はキャップ切断部の説明
図、第８図はキャップの要部斜視図である。 １……筒状体、２……写真フィルム、３……スプール、
３ａ……スプール軸、５……金属基材、６……キャッ
プ、６ａ……外縁部、６ｂ……受孔部、Ａ……塗装膜。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭52−102031（ＪＰ，Ａ) 特開 昭61−95931（ＪＰ，Ａ) 特開 昭62−84998（ＪＰ，Ａ) 特開 昭60−16398（ＪＰ，Ａ) 特開 昭58−21248（ＪＰ，Ａ) 特開 昭53−132883（ＪＰ，Ａ) 特開 昭61−71134（ＪＰ，Ａ) 特開 昭57−36023（ＪＰ，Ａ) 特公 昭56−20536（ＪＰ，Ｂ２) 特公 昭60−6502（ＪＰ，Ｂ２)

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】写真フィルム（２）の取出口（１ａ）を有
   する筒状体（１）内に、前記写真フィルム（２）を巻装
   したスプール（３）を収納すると共に、前記筒状体
   （１）の両端部に、前記スプール（３）を軸支し且つプ
   レス打抜き成形されると共に、表面に塗装膜（Ａ）が被
   着された一対のキャップ（６）を装着して成る写真フィ
   ルム用パトローネにおいて、金属基材（５）の片面又は
   両面の前記キャップ（６）となる部分のうち切断部、所
   謂外縁部（６ａ）及びスプール軸（３ａ）の受孔部（６
   ｂ）を除く表面に、予め錆止め及び意匠性向上のための
   塗装膜（Ａ）を塗布し、前記金属基材（５）をプレス打
   抜きして前記キャップ（６）を成形し、前記キャップ
   （６）の切断部には前記塗装膜（Ａ）を形成しないこと
   を特徴とする写真フィルム用パトローネ。