JPH0143271Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はノート、バインダ等の表紙、包装用ケ
ース等、物品の外被に関する。

〔従来技術〕

板状プラスチツクのケース、表紙等の透明窓を
備えたプラスチツク製外被は、従来一枚の透明プ
ラスチツクブランクを素材として製作され、一般
に窓となるべき部分以外を不透明とする為、前記
素材の前記窓となるべき部分以外の内外表面のい
ずれか一方の表面に不透明性の印刷パターンを、
又、他方の表面には梨地或いは格子又はそれ以外
の凹凸パターンを型押しし、前記外表面の前記窓
となるべき部分以外の場所には、装飾の為或いは
内容表示の為の文字、デザイン等が印刷、ホツト
スタンプ等によつて施される。

然し乍ら、その様な透明窓部分を備えたプラス
チツク製外被は通常、前記窓となるべき部分の材
料厚さと他の部分、即ち不透明性の印刷或いは凹
凸パターンの型押しされる部分との材料厚さが均
一である様に形成される（第３図参照）為、製造
工程に於て搬送中或いは印刷の為の繰出し作業中
等に透明窓部分が傷付き易く、又同様に製造工程
或いは物流過程に於て、重畳状態での貯蔵、保管
時に透明窓部分が平面であるため上・下層の粘着
によるブロツキングが発生し易い。その為、印刷
時における繰出し作業性が著しく低下し、生産性
が損われるばかりか、製品としての美観も損わ
れ、商品性が薄くなると言う欠点を有している。

更に、商品として、特にこれをビデオカセツト
ケース等に応用したものに於ては、前述の理由、
即ち透明窓部分と他の部分の材料厚さが均一であ
る様に形成されると言う理由の為、前記窓部分
は、収納したビデオカセツトの外表面と常時接触
する状態に置かれる。従つて、前記ビデオカセツ
トを前記ケースから取出す際或いは再びケースへ
収納する際に前記窓部分にすり傷が発生し易く、
窓としての機能が速かに損われ、高じてはケース
全体としての美観も損われてしまう。また表紙の
場合にも内側の紙葉に透明窓部分が直接接触する
ので帯電などによるゴミなどがつき易くまた傷も
生じ易い。

〔考案の目的〕

本考案は、透明窓部分を改良し、窓としての機
能を長く保つことが出来、しかも製造工程に於て
ブロツキングの発生しにくい、従つて生産性の高
い文具等の外被を提供する事を目的とする。

〔考案の概要〕

本考案の外被は透明プラスチツクを素材ブラン
クとして構成され、透明窓部を含む所定部分を除
いた全面に印刷及び／又は凹凸パターンを形成し
た表面を具備しており、前記透明窓部を含む所定
部分の材料厚さが前記凹凸パターンを形成した側
の表面側に於て僅かに減じられている。その為、
本考案に基いて作成された外被はその製造工程に
於て、重畳状態での貯蔵或いは保管時に上・下層
の間に僅かの隙間を生じ、これが上・下層の粘着
によるブロツキングの発生を防止し、印刷等の為
の繰出し作業を支障なく行うことを可能とし、且
つ、透明窓部分のすり傷の発生を防止する。

一方、本考案に基いて作製した外被を、特にビ
デオカセツトケースに用いて商品性を高品位に保
つ事が出来る。なぜなら本考案を用いるビデオカ
セツトケースに於てはケース内側表面に凹凸パタ
ーンが形成れ、従つて透明窓部分は、前記ケース
内側表面の所定部分の厚さが他のケース構成部分
の厚さよりも僅かに減じられる。その為、前記ケ
ースの内側部分の前記透明窓部分は、収納するビ
デオカセツトの出入れに際して該ビデオカセツト
と接触せず、すり傷の発生が防止されるからであ
る。

ビデオカセツトケースに設けられた透明窓は、
ケースに収納したままでのビデオカセツトの視認
を可能とするので実用上の効果が大きい。故に、
前記透明窓部分の透明性を維持する事は、前記効
果を維持する為、又美観を維持する為に重要であ
り、この点、本考案の果す役割は大きなものがあ
ると言える。表紙についてはそれ程ではないが、
ゴミ等の付着による傷の発生が減じ、常に美しい
外観を保つことができる。

〔実施例の説明〕

次に本考案の好ましい実施例を図面を参照して
詳しく説明する。第１図乃至第３図は従来技術に
よる透明窓を有するプラスチツク製外被を形成す
る為の金属成形ロール（第１、２図３）の形状
と、該ロールによつて形成された透明窓７を有す
るプラスチツク製外被１３を表わすものである。
第１図に示した様な従来技術に於て使用される金
属成形ロール３は、スチーム、ヒータ等により加
熱され、プラスチツクブランクに形成すべき透明
窓部に対応する位置に鏡面部５、同じく格子状凹
溝に対応する位置に格子状凸条４及び格子状凸条
４の間に形成される梨地状凹凸６に対応した梨地
状凹凸８を有している。これら格子部分はロール
３の軸線方向に１つ以上、好ましくは２個以上反
復形成され、同時に１個以上の外被取りが可能と
されている。

透明プラスチツクブランクは成形ロール３とこ
れに対置する鏡面ロール２との間の隙間１６を通
り、成形ロールの表面パターンを転写され、前記
ロール３の鏡面部５に対応する透明窓部７、格子
状凸条４に対応する凹条溝９、そして梨地状凹凸
６に対応した梨地状凹凸８より成る型押し表面が
形成される。然し乍ら、第３図に示した如く、前
述の従来の方法によつて形成されたプラスチツク
製外被は、凹凸パターンの形成された部分と透明
窓部７との厚さt₁が均一である為、これを重畳し
て貯蔵或いは保管する際には上・下層のブロツキ
ングが発生し易く、印刷等の為の繰出し作業性が
損われ、且つ上・下層の摺動により、透明窓部が
傷付き、商品性も損われる等の事態が生じる。

第４図乃至第６図に本考案の第１実施態様を例
示する。

第４図３は本考案の実施に使用する成形ロール
である。該ロール３は第５図に最も良く示される
様に、鏡面部１０が格子状凸条４よりもt₂だけ半
径方向に寸法を拡大されている。その為、隙間１
６を通過したブランクは第６図に示す様、透明窓
部７が他の部分の厚さt₁（通常700μ）に比較して
厚さt₂（30乃至40μ）だけ薄いプラスチツク製外被
として成形される。この様に形成された外被はい
に重畳されて貯蔵或いは保管される時、前記透明
窓部分７に隙間が出来るのでブロツキングの発生
が防止され、且つ印刷の為に前記重畳状態から繰
出す際の前記透明窓部分７におけるすり傷の発生
が防止される。

第７図及び第８図は本考案の第２実施態様を例
示している。

本考案によるプラスチツク製外被を特にビデオ
カセツトケース等に使用する場合は、前記ケース
の外表面となる側に、収納するビデオテープの品
質等を示す為或いは美観上の為に文字、記号等を
印刷或いはホツトスタンプする必要がある。この
内、ホツトスタンプ１５は透明窓部７と、凹凸パ
ターン部との中間部１４上に施されると、プリン
ト時の圧力が段差によつて不均衡となり、スタン
プ後のプリントに切れ目或いはすじが生じてしま
う恐れがある。この為、透明窓部７と凹凸パター
ン部との中間部上にホツトスタンプを施す必要が
ある時には、第７図に示す様に鏡面部１０の角部
１１を丸くした成形ロールを用いて、第８図に示
す様な、透明窓部７の角部１２が丸み付けされた
成形品を用いると問題無くホツトスタンプを施せ
る事が分つた。

以上具体例に基いて説明したが本考案の内で多
くの変更を為し得ることを銘記されたい。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の成形ロールの正面図、第２図は
第１図Ａ部の拡大図、第３図は従来のプラスチツ
ク製外被の部分拡大断面図、そして第４図は本考
案に係る成形ロールの正面図、第５図は第４図Ｂ
部の拡大図、第６図は本考案のプラスチツク製外
被の部分拡大図、であり、第７図及び第８図は
夫々第５図及び第６図の別態様を表わすものであ
る。 図中主な番号の名称は以下の通りである。３：
成形ロール、４：格子状凸条、５：鏡面部、７：
透明窓部、８：梨子状凹凸。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 透明プラスチツクブランクに、透明窓部を含
   む所定部分を除いて全面に印刷及び／又は凹凸
   パターンを形成した表面を具備する文具等の外
   被にして、前記透明窓部を含む所定部分の厚さ
   を他の部分よりも僅かに薄く形成した事を特徴
   とする文具等の外被。 (2) 透明窓部を含む所定部分を除いて印刷パター
   ンを形成した外表面と、前記所定部分を除いて
   凹凸パターンを形成した内表面とを有する実用
   新案登録請求の範囲第１項記載の外被。 (3) 印刷パターンと凹凸パターンとは夫々異つた
   領域に形成されている実用新案登録請求の範囲
   第１項記載の外被。 (4) 透明窓部を含む所定部分の内表面縁部分は凹
   凸及び／又は印刷パターンが形成された内表面
   へ向けて漸次厚さが増大している実用新案登録
   請求の範囲第１項記載の外被。