JPH0436060B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔技術分野〕 本発明はビデオテープカセツト等の物品を収納
するための収納箱に関する。

〔従来技術〕

VHS型、ベータ型などのビデオテープカセツ
トは埃の侵入を防ぎ、機械的な傷などを回避する
ため、装脱の容易な紙或いはプラスチツク箱に収
容される。

従来のプラスチツク箱は収納されたテープカセ
ツトやその他の物品のラベル面、意匠の一部など
が透視できるように透明窓部を有する。このよう
な透明窓部を作るには、プラスチツクブランクの
窓に相当する部分を打抜き、そこへ透明プラスチ
ツク板を取付けてその周辺でブランクと透明プラ
スチツク板とを接着結合する必要があつた。

収納箱は表面に商標や意匠が施されているが、
内面側には何らの手段も施されない。ビデオテー
プカセツトその他の物品または内箱の外部は硬質
プラスチツクで構成されている場合に、摩擦によ
り傷がつき易い。また、かかる収納箱はカセツト
の挿入部が開放しているために内部壁のかなりの
部分が目視できるため意匠的にも劣る。

〔発明の目的〕

従つて、本発明の主要な目的は、素材（ブラン
ク）の打突き及び透明プラスチツク板の接着とい
う工程を無くし、安価に且つ面倒な工程なしに、
高い透明度の窓部を備えたビデオテープカセツト
などの収納箱を提供することにある。

本発明の付加的な目的は、テープカセツト等の
挿脱に適当な抵抗が付与された収納箱を提供する
ことにある。

〔発明の構成〕

本発明のテープカセツト収納箱の製造方法は、
透明な１枚のプラスチツクブランクであつて、そ
のブランクの内面のうち、一つの縁部から該縁部
に対向する他の縁部まで延びる帯状の部分を除く
部分に多数の凹凸よりなる凹凸パターンを有する
ブランクを用意し、このブランクの外面に、前記
帯状の部分の一部に透明窓部が形成されるように
して所定の印刷パターンを印刷し、最後に箱の形
に折り曲げて組み立てることを特徴とする。この
場合にブランクの内表面の凹凸パターンは格子状
の凹状溝によつて形成された平な頂部を有する凸
部とそれらの頂部に形成された微細な突起すなわ
ち梨地より形成することが好ましい。このような
内表面は、上記の透明な帯状部分に対応した鏡面
部分と上記の凹凸パターンに相当する凹凸部分と
を有する型押しローラを使用して形成される。こ
のような凹凸パターンを有するブランクの外面に
所定の印刷パターンが施される。その際に帯状の
透明部には印刷により透明な窓部が残され、他の
部分に所定の印刷パターンが形成される。所望に
より、外面には印刷パターンの他に格子模様、窓
枠表示等をエンボス等の型押し（内面の型押しの
際に同時に形成すれば良い）によつて形成しても
良い。

このような構成のプラスチツク製収納箱は、一
枚の型押しされた平板に印刷を施すことによつて
製造することが出来るから、製造工程が著しく単
純化され、透明度の高い透明窓の存在によりカセ
ツトのテープ残量、録音、録画の記入内容の確認
ができ、また必要に応じて透明窓の枠をエンボス
又はデボスにより強調して窓の視覚的効果を高め
ることが出来る。更に内表面の凹凸パターン（又
はこれと梨地）はカセツトその他の物品あるいは
内箱の面に対するほど良い抵抗をあたえ、しかも
摩擦時の擦り傷の発生を減じる。更に、本発明に
よれば、内表面の凹凸は帯状の透明部分を残して
形成されるから、外表面の印刷時に窓の部分をこ
の透明部の一部に設けることにより印刷ずれをお
それること無く確実に透明窓を形成する印刷工程
を容易に実施出来る。

〔実施例〕

以下、図面を参照して本発明の方法の実施例に
よる好ましいプラスチツク製収納箱を詳しく説明
する。

第１図ないし第５図は本発明の第１実施例によ
るプラスチツク製収納箱の製造工程と構造を示
す。先ず、透明なプラスチツク製平板を用意す
る。このプラスチツク製平板は厚紙様のやや可撓
性のある腰の強い熱可塑性樹脂、例えばポリエス
テル、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリ
塩化ビニル等の透明または半透明の平板から製作
される。第１図に示すように、スチーム、ヒータ
等により加熱される金属成形ロールＲが用意され
る。このロールＲはプラスチツクブランクに形成
すべき透明部に対応する位置に鏡面部１、ブラン
クに形成すべき格子状凹溝に対応する位置に格子
状凸状２、及び格子状凸状２の間に形成される梨
地状凹凸３を有する。そして、これらの部分はロ
ールＲの軸線方向に１つ以上、好ましくは２つ以
上反復されて同時に１個または２個以上のブラン
ク取りを可能にしている。第２図に示すように、
透明プラスチツク製平板Ｐを長尺物として用意
し、これを連続送りして加熱されたロールＲとこ
れに対置された鏡面ロール（図示せず）との間に
通してロールＲの表面パターンを透明プラスチツ
ク製平板Ｐの表面に転写し、ロールＲの鏡面部１
に対応する透明部４、ロールＲの格子状凸状２に
対応する格子状凹溝５、及びロールＲの梨地状凹
凸部３に対応する梨地部６より成る型押し表面を
形成する。この型押しされた表面は収納箱の内面
を形成する。格子状凹溝５の部分の１例は第６図
に拡大断面で示したように台形断面の凹溝５及び
それらの間の梨地部６から成り、全体として半透
明となつている。溝５及び梨地部は他の任意の形
に設計しうる。第２図において線１０は打抜くべ
きブランクの輪郭を示し、また線１１は透視窓の
輪郭を示す。適当な打抜金型により輪郭１０に沿
つて型押し済みの透明プラスチツク製平板Ｐを打
抜くと、第３〜４図に示したブランクＢを得る。
第３図はブランクの内面を示し、第４図は外面を
示す。

このブランクＢにはスリツト１２を入れ、また
第４図に示す外面側から折曲げのための凹溝１５
を点線１３に沿つて熱プレスして入れ、同時に透
明部の窓７となる部分の輪郭を線１１に沿つて熱
プレスして枠１４を形成し、これと前後して外面
側に所定の化粧面８を印刷する。図示のように、
化粧面８はブランクの一縁部から他縁部に延びる
帯状の透明部４の内部に窓を形成するように形成
されている。化粧面８は例えば格子模様や着色し
たストライプや商標、記号等（簡単のため単に斜
線で示した）を印刷する。或いは印刷の一部を省
略して格子状のエンボスパターンを有する熱ロー
ル（図示せず）を型押ししても良い。或いは印刷
も型押しもしない部分を部分的に残しても良い。
最後に凹溝１５に沿つてブランクＢを折曲げて第
５図に示す収納箱を組立て、重畳部分を接着して
完成品１６とする。

第７図ないし第８図は他の実施例によるブラン
クを示し、第９図は完成された収納箱１７を示
す。本例では箱の背部にも窓９が形成されている
点で先きの例とちがい、これに対応して型押しロ
ールも修正されている。

〔発明の効果〕

以上のように構成された収納箱は１枚の透明プ
ラスチツクブランクから構成され内表面の型押に
際して残された帯状の透明部の一部に外表面から
窓部を印刷（所望により更に外表面の型押）によ
り窓形成が行われるものであるから、製造工程が
著しく簡単になる。また、内面側に格子状凹溝及
び梨地を形成することにより内表面が凹凸化して
いるから収納されるカセツトに対して程良い摩擦
力が付与され、しかも擦りきずの発生が防止され
る。なお、化粧面となる外表面は枠１４を入れる
ことにより透明窓７，８が強調されて美感の面か
らもすぐれたものとなる。また、内面側の格子模
様及び梨地はそれ自体意匠性が高い。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の第１実施例のプラスチツク製
収納箱のブランクを型押しするロールを示す正面
図、第２図は第１実施例の箱を製造するためのプ
ラスチツク製平板とその型押しされたパターンを
示す平面図、第３図は打抜かれたブランクの内面
図、第４図は同ブランクの外面図、第５図は第１
実施例で製造された収納箱の斜視図、第６図はブ
ランクの部分拡大断面図、第７図は第２実施例の
ブランクの内面図、第８図は同外面図、及び第９
図は第２実施例の収納箱の斜視図である。図中主
な部分は次の通りである。 Ｂ：透明プラスチツクブランク、４：透明部、
５：格子状凹溝、６：梨地、７，９：窓、８：印
刷または格子状凹溝面、１４：枠、１５：折線用
凹溝。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 透明プラスチツクシートブランクの内面のう
   ち、一つの縁部から該縁部に対向する他の縁部ま
   で延びる帯状の部分を除く部分に多数の凹凸を有
   する該ブランクを製作し、ついで前記ブランクの
   外面に、前記帯状の部分の一部に透明窓部が形成
   されるようにして所定の印刷パターンを印刷し、
   最後に箱の形に折り曲げて組み立てることを特徴
   とする収納箱の製造方法。 ２ 多数の凹凸は平らな頂部表面を有し、前記頂
   部表面には多数の微細な突起による梨地が形成さ
   れている前記第１項記載の収納箱の製造方法。