JP3107579B2 - 疑似木板及びその製造方法 - Google Patents

疑似木板及びその製造方法

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JP3107579B2
JP3107579B2 JP03043469A JP4346991A JP3107579B2 JP 3107579 B2 JP3107579 B2 JP 3107579B2 JP 03043469 A JP03043469 A JP 03043469A JP 4346991 A JP4346991 A JP 4346991A JP 3107579 B2 JP3107579 B2 JP 3107579B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、疑似木板及びその製造
方法に関し、詳しくは、厚板芯紙の周囲に、例えば木目
模様を印刷してなる化粧薄紙を接着してなる疑似木板及
びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の疑似木板の典型例を図5に示し
ている。図5における疑似木板は、厚板芯紙1の両面夫
々に化粧薄紙2a,2bを接着してなる。この疑似木板
は、一枚の芯紙1の両面に単に別々の化粧薄紙2a,2b
を接着するか、あるいは、そのように構成した広巾の疑
似木板を適当寸法に切断して製作される。
【0003】この従来例に係る疑似木板は、図5によく
示されるように、化粧薄紙2a,2bの接着されている表
裏両面については木目模様等の化粧が見られるが、その
両側面Bは化粧薄紙2により覆われていないため、厚板
芯紙1の素材が直接表面に露呈することになる。このよ
うな疑似木板は、両側面Bが隠されるような用途の場合
には問題ないが、両側面または片側面が表面に露呈する
ような用途には使用できないこととなる。つまり、この
疑似木板の使用用途が非常に限定されているのである。
【0004】従って、従来より、この種の疑似木板の表
裏両面又は少なくとも片側面が化粧薄紙で被覆された疑
似木板の提供が要望されていた。しかしながら、手作り
によりこの構成の疑似木板を製作することは容易である
が、大量機械生産するために適した製造方法並びに疑似
木板の構造が従来提供されていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の解決
すべき技術的課題は、厚板芯紙の表裏両側面及び少なく
も一側面を化粧薄紙で被覆した構成の疑似木板を、簡単
な工程で能率的に大量機械生産するに適した疑似木板の
製造方法並びに疑似木板の構造を新規に提供することで
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段・作用・効果】以下に、第
1〜4図に従って本発明に係る製造方法及び疑似木板の
構造を説明する。
【0007】まず、第1〜3図に従って第1発明に係る
製造方法並びに疑似木板の構造を説明する。
【0008】図1は厚板芯紙1の片面(図中下面)に、化
粧薄紙2を接着して構成した中間素材Aを示している。
図2は上記中間素材Aより構成される完成した疑似木板
を示している。
【0009】本発明方法においては、まず第1に、図1
に示されるように、厚板芯紙1の片面に化粧薄紙2を接
着して中間素材Aを作る。この中間素材Aは一方向に長
い場合も、あるいは方形状である場合もある。
【0010】第2工程として、図1に示されるように、
中間素材Aの巾方向両側所定位置夫々に、隣接する平行
な1対の二等辺V字溝1a,1b;1c,1dを形成する。こ
の各V字溝は厚板芯紙1のみを切削することにより形成
される。そして、その各V字溝の深さは厚板芯紙1の厚
みに略相当している。各対のV字溝間には、頂角θ1が
直角である二等辺三角形断面を有する三角山部分1f;1
hが形成される。各三角山部分の高さは略厚板芯紙1の
厚みに相当している。各三角山部分1f;1hの斜面と中
央部分1gの斜面のなす角度θ2すなわち各V字溝1a,
1b;1c,1dのなす角度、は夫々90゜となる。
【0011】各三角山部分1f;1aの左右両側に形成さ
れる端側部分1e;1iを夫々左側部分及び右側部分と称
し、両三角山部分1f;1h間に形成される部分を中央部
分1gと称することにする。中央部分1gの巾寸法は左端
部分1e及び右端部分1iの巾寸法のほぼ2倍となってい
る。左端部分1eと右端部分1iの巾寸法は夫々同一に形
成されている。さらに詳しく述べれば、各三角山部分1
f,1hの頂点を境として、図中巾寸法w1とw3は等しく、w
1+w3=w2の寸法構成となっている。
【0012】第3工程で、中間素材Aの図中上面には接
着剤4が塗布される。
【0013】そして次の第4工程により、各三角山部分
1f;1h及び端側部分1e;1iを化粧薄板2とともに、中
央部分1gに対して反化粧薄紙側に折曲する。すなわ
ち、各三角山部分1f;1aは90゜折曲され、左端部分1
e及び右端部分1iは夫々180゜折曲される。このよう
に折曲すると、図2によく示されるように、左側部分1
e及び右側部分1iの上面は中央部分1gの上面と接着す
るとともに、両部分1e;1iの両側面は丁度突き合わせ
られて一体化される。また、各三角山部分1f,1hの斜
面は中央部分1gの斜面とぴったり重ね合わせられて接
着され、そこに隙間は発生しない。
【0014】このようにして、図2に示されるような偏
平な断面長方形状の疑似木板が形成されるのである。
【0015】図3に本発明に使用される素材の一例及び
素材の積層構造の一例を示している。化粧薄紙2は、透
明または半透明な表面紙21の上面に木目模様等を表わ
す絵柄インキ層22を形成し、そのインキ層22の上に
ポリエチレン等の接着層23を介してクラフト紙等の白
色紙24を接着して構成している。厚板芯紙1は一般に
はコートボール紙が使用され、エマルジョン系接着剤よ
りなる接着層3を介して上記化粧薄紙2に接着される。
なお図3において、4は厚板芯紙1の表面に塗布される
前記接着剤の層を示している。
【0016】上記製造方法によれば、化粧薄紙2に積層
された厚板芯紙1にV字溝を切削加工により形成した
後、左側右側部分1e;1iを単に内側に折曲・接着する
という単純な工程により確実に一体化した疑似木板を作
ることができるとともに、その仕上がりも非常に美しい
ものとなる。そして、この製造方法における切削加工や
折曲・接着工程は大量機械生産に適しており、簡単かつ
高能率な製造を達成し得る。
【0017】図4は第2発明に係る製造方法及びその方
法により製作された疑似木板を示している。この製造方
法は基本的には図1,2図に示された方法及び構造と同
一である。すなわちこの製造方法は、厚板芯紙の表裏両
面と片側の側面とを化粧薄紙2'により被覆するもので
あって、片面Bは被覆されていないのである。
【0018】この疑似木板を製作する場合の中間素材は
図1において符号wで示した巾寸法のものでよい。つま
りこの場合には、前記中央部分1gは図1の半分の寸法
となる。この部分は、図4においては、符号1g'で示し
ている。中間素材のほぼ中央には、図1の場合と全く同
様に、1対のV字溝1a,1bが形成される。それ以降の
工程は、第1発明にかかる製造方法に準じており、三角
山部分1fを境として、中央部分1g'(右側部分)と左端
部分1eとを折曲して互いに重ね合わせて接着される。
【0019】このようにして構成された疑似木板は、表
裏両面および片面のみが表面に露呈し、残りの一側面が
かくされる場合の用途に好適に利用される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1発明に係る疑似木板の中間素材を示す断
面斜視図である。
【図2】 図1の中間素材より構成される疑似木板の断
面斜視図である。
【図3】 図1,2図に使用される厚板芯紙および化粧
薄紙の積層構造の一例を示す拡大断面図である。
【図4】 第2発明の製造方法に係る疑似木板の断面斜
視図である。
【図5】 従来の疑似木板を示す断面斜視図である。
【符号の説明】
1…厚板芯紙、1a,1b;1c,1d…V字溝、2,2',2a,
2b…化粧薄紙、1e…左端部分、1f,1h…三角山部
分、1g,1g'…中央部分、1i…右端部分、3,4…接着
層、21…透明表面紙、22…絵柄インキ層、23…接
着層、24…白色紙、θ1…頂角、θ2…角度、w,w1,w
2,w3…巾寸法、A…中間素材、B…側面。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−94338(JP,A) 特開 昭62−56138(JP,A) 実開 昭58−102426(JP,U) 実開 昭58−102425(JP,U) 実開 昭53−128713(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B31D 1/00 B32B 3/16 B32B 7/12 B32B 29/06 B32B 31/12 D21H 27/00 - 27/04 D21H 27/30

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 厚板芯紙(1)の片面に化粧薄紙(2)を接
    着して中間素材(A)を作る工程と、中間素材(A)の厚板
    芯紙(1)の巾方向両側所定位置夫々において、厚板芯紙
    (1)の厚みに相当する深さを夫々有しかつ互いに隣接す
    る平行な一対の二等辺V字溝(1a,1b:1c,1d)を切削
    ・形成して、各対のV字溝間に頂角90゜でかつ厚板芯
    紙(1)の厚みに相当する高さの二等辺三角形断面を有す
    る三角山部分(1f;1h)を形成するとともに、各三角山
    部分(1f;1h)の両側及びその間に各端側部分(1e;1i)
    及び中央部分(1g)を形成する工程と、各三角山部分(1
    f;1h)及び各端側部分(1e;1i)を化粧薄紙(2)と共に
    中央部分(1g)に対して、各三角山部分(1f;1h)を90
    ゜、各端側部分(1e;1i)を180゜、反化粧薄紙側に折
    曲するとともに、各端側部分(1e;1i)の側面を互いに
    突き合わせ、接着剤(4)を介して一枚板状に一体化する
    工程よりなることを特徴とする疑似木板の製造方法。
  2. 【請求項2】 厚板芯紙の片面に化粧薄紙を接着して中
    間素材を作る工程と、中間素材の厚板芯紙(1)の巾方向
    中央部において、厚板芯紙(1)の厚みに相当する深さを
    夫々有しかつ互いに隣接する平行な一対の二等辺V字溝
    (1a,1b)を形成して、V字溝間に頂角90゜でかつ厚板
    芯紙(1)の厚みに相当する高さの二等辺三角形断面を有
    する三角山部分(1f)を切削・形成する工程と、三角山
    部分(1f)の両側に形成される各端側部分(1e,1g')を
    化粧薄紙(2')とともに反化粧薄紙側に折曲して互いに
    重ね合わせ、接着剤(4)を介して一枚板状に一体化する
    工程よりなることを特徴とする疑似木板の製造方法。
  3. 【請求項3】 厚板芯紙(1)の片面に化粧薄紙(2)を接
    着し、厚板芯紙(1)の巾方向両側所定位置夫々におい
    て、厚板芯紙(1)の厚みに相当する深さを有しかつ互い
    に隣接する平行な1対の二等辺V字溝(1a,1b;1c,1
    d)を形成して各対のV字溝間に、頂角90゜でかつ厚板
    芯紙(1)の厚みに相当する高さの二等辺三角形断面を有
    する三角山部分を形成するとともに、各三角山部分(1
    f;1h)の両側及びその間に各端側部分(1e;1i)及び中
    央部分(1g)を形成し、各三角山部分(1f;1h)及び各端
    側部分(1e;1i)を化粧薄紙(2)とともに中央部分(1g)
    に対して、各三角山部分(1f;1h)を90゜、各端側部分
    (1e;1i)を180゜、反化粧薄紙側に折曲するととも
    に、各端側部分(1e;1i)の側面を互いに突き合わせ、
    接着剤(4)を介して一枚板状に一体化してなることを特
    徴とする疑似木板。
  4. 【請求項4】 厚板芯紙の片面に化粧薄紙を接着し、厚
    板芯紙(1)の巾方向中央部において、厚板芯紙(1)の厚
    みに相当する深さを有しかつ互いに隣接する平行な一対
    の二等辺V字溝(1a,1b)を形成して、V字溝間に頂角
    90゜でかつ厚板芯紙の厚みに相当する高さの二等辺三
    角形断面を有する三角山部分(1f)を形成し、三角山部
    分(1f)の両側に形成される各端側部分(1e,1g')を化
    粧薄紙(2')とともに反化粧薄紙側に折曲して互いに重
    ね合わせ、接着剤(4)を介して一枚板状に一体化してな
    ることを特徴とする疑似木板。
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