JPH0662939B2 - 蛍光体の製造方法 - Google Patents

蛍光体の製造方法

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JPH0662939B2
JPH0662939B2 JP10530686A JP10530686A JPH0662939B2 JP H0662939 B2 JPH0662939 B2 JP H0662939B2 JP 10530686 A JP10530686 A JP 10530686A JP 10530686 A JP10530686 A JP 10530686A JP H0662939 B2 JPH0662939 B2 JP H0662939B2
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数 松永
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、電子線および紫外線の励起によって緑色発光
を呈するテルビウム付活ケイ酸イットリウム・スカンジ
ウム蛍光体の製造方法に関する。
[従来の技術] 投写形テレビジョンに用いられるブラウン管は高輝度を
必要とし、一般のテレビジョン用ブラウン管に比べて高
い電流密度で動作される。したがって投写形テレビジョ
ン用ブラウン管に使用される蛍光体には電流−輝度特性
がよいこと、長時間の励起に対して輝度の低下が小さい
ことおよび高電流密度の励起による温度上昇で輝度が低
下しないことが要求される。投写形テレビジョンにおい
ては、白色画面を構成するときの緑(G)、青(B)および赤
(R)の各色の電流配分比はG:B:Rが70:10:20であ
り、緑色成分が画面の明るさを支配しており、緑色蛍光
体の輝度向上が画面の明るさの向上に大きく寄与してい
る。従来投写管用の緑色蛍光体の中で前記の要求をほぼ
満足しているものの1つにYSiO:Tbがあるこ
とはよく知られている。特開昭56-167783号公報におい
ては YSiO:TbのYの一部をScで置換することに
より約10%輝度が向上するとしている。Y3+、Tb
3+およびSc3+のイオン半径はそれぞれ0.893Å、
0.923Åおよび0.732Åであり、Y3+を付活剤イオンで
あるTb3+で置換したばあい、Tb3+はY3+より
もイオン半径が大きいために結晶に「ひずみ」が生じ
る。この「ひずみ」を小さくするようにY3+よりもイ
オン半径の小さいSc3+でY3+の一部を置換すると
結晶が体積的に補償されて構造が安定になるとしてい
る。Sc3+の置換量は、Tb3+の付活量の1/2〜1/4
で、その効果としてYSiO:Tbに比べて10%の
輝度向上がえられるとしている。
[発明が解決しようとする問題点] しかし、画面の明るさの向上は常に望まれており、蛍光
体の発光効率の上昇による輝度向上はさらに必要であ
る。またスカンジウムの原料は高価であり、たとえば高
純度の酸化スカンジウム(Sc2O3)の価格は、希土類元素
の酸化物の中でもっとも高価なものの1つである酸化テ
ルビウム(Tb4O7)の約40倍であることから、スカンジウ
ムの置換量の低減が望まれている。
本発明は上記のような問題点を解消するためになされた
もので、その目的は、含有するスカンジウムの量を少な
くすることができる、輝度が向上した陰極線管用緑色蛍
光体の製造方法を提供することにある。
[問題点を解決するための手段] 本発明は一般式: Y2−x−yScTbSiO(式中、xは0<x
≦y/6、yは0.12≦y≦0.18を示す)で表わされる化
合物となるように酸化イットリウム、酸化スカンジウ
ム、酸化テルビウムおよび無水ケイ酸を調整し、ついで
1600〜1700℃で反応焼成することを特徴とする蛍光体の
製造方法に関する。
本発明の製造方法によって、Y3+の一部を従来よりも
少ない量のSc3+で置換した蛍光体がえられる。
[作用] 本発明の製造方法の工程においては、希土類元素の酸化
物である酸化イットリウム、酸化スカンジウムおよび酸
化テルビウムと無水ケイ酸とを1600〜1700℃で反応焼成
するので、前記特開昭56-167783号公報に記載された蛍
光体中のスカンジウムの置換量よりも少ない置換量で輝
度が向上した蛍光体をうることができる。
[実施例] つぎに本発明の蛍光体の製造方法について、実施例に基
づきさらに詳細に説明するが、本発明はかかる実施例の
みに限定されるものではない。
実施例1 酸化イットリウム(Y2O3)20.94g、酸化スカンジウム(Sc
2O3)34mgおよび酸化テルビウム(Tb4O7)2.62gを純水約
1.5に入れ、これに70%の硝酸(HNO3)42m1を加えて溶
解するまで85℃で加熱し攪拌した。これとは別に純水約
1.5にシュウ酸(H2C2O4・2H2O)42gを加えて85℃で加熱
し溶解させた。本実施例においてはシュウ酸を用いた
が、シュウ酸のかわりに、たとえば炭酸アンモニウムな
どの炭酸塩を用いてもさしつかえない。つぎに両者をそ
の液温が85〜90℃となるように保ちながら混合攪拌して
白色沈澱物をえた。この沈澱物を濾別したのち乾燥さ
せ、大気中、1100℃で2時間熱分解させると褐色粉末の
酸化物がえられた。えられた酸化物と無水ケイ酸(SiO2)
6.00gをボールミルポットに入れ、エチルアルコール30
m1を加えて2時間ボールミルを行ない充分混合した。ボ
ールミルポットからこれらの混合物を取り出し、乾燥し
たのち高純度アルミナるつぼに入れ、チッ素と水素とが
体積比で95:5の比率で混合された還元雰囲気中、1650
℃で2時間焼成を行なった。冷却後粉砕してこの蛍光体
をえた。えられた蛍光体の組成はY1.855Sc0.005Tb0.14S
iO5であった。
えられた蛍光体を用いて陰極線管を試作し、輝度を測定
すると、第1表に示すような値がえられた。各蛍光体層
の膜厚は、各蛍光体の粒径に対して決められた励起条件
で最大輝度となるように設定した。えられた蛍光体の輝
度は第1表に示す従来の蛍光体である比較例1の輝度と
比較すると約20%向上していた。これはおもに焼成温度
を第1表に示す従来の1470℃から1650℃にあげたことに
よる効果であると考えられる。各希土類元素の酸化物の
融点は2000℃以上であり、、また無水ケイ酸の融点は約
1670℃であり、生成される蛍光体の融点も1980℃前後で
ある。かかる焼成温度が1470℃のばあい、該焼成温度は
各希土類元素の酸化物の融点や生成蛍光体の融点よりか
なり低いため反応が充分進行していなかったものと推察
される。焼成温度を1650℃へあげることにより反応が充
分に進行して、生成した蛍光体の結晶の完全性が向上し
発光効率が高くなり、したがって輝度が向上したものと
考えられる。
実施例2〜4および比較例2 実施例1と同様の方法によりスカンジウムの置換量を変
化させて蛍光体を作製した。えられた蛍光体を用いて実
施例1と同様にして輝度を測定した。その結果を第2表
に示す。また実施例1の測定結果とあわせてスカンジウ
ムの置換量に対する輝度(相対値)を第1図に示す。
スカンジウムの置換量はテルビウムの置換量に対して1/
6以下が好ましく、さらに好ましくは、1/10以下であ
る。特開昭56-17783号公報において、スカンジウムの置
換量はテルビウムの置換量の1/3で効果があるとされ、
該公報に記載された置換量の範囲は1/2〜1/4であるが、
本発明ではそれよりも少ない量すなわち1/6で体積の補
償により効果が現れる。この理由は、焼成温度を1650℃
にあげたことにより反応が充分進行するため、スカンジ
ウムによる体積的な補償が従来の蛍光体よりも効果的に
行なわれ、スカンジウムの置換量は従来のものよりも少
なくてもよいと考えられる。
実施例5〜7および比較例3および4 実施例1と同様の方法により、酸化イットリウム、酸化
スカンジウムおよび酸化テルビウムと無水ケイ酸との反
応焼成における焼成温度を第3表に示すように変化させ
蛍光体を作製した。えられた蛍光体を用いて実施例1と
同様にして輝度を測定した。その結果を第3表に示す。
焼成温度が1700℃をこえると結晶成長が著しく、一部焼
結あ態となり、実用上問題が生じる。1600℃より低い温
度ではスカンジウムの体積の補償効果が低下する。
実施例8 酸化イットリウム20.93g、酸化スカンジウム41mg、酸
化テルビウム2.62g、および無水ケイ酸6.00gを秤量
し、ボールミルポットへエチルアルコール30m1とともに
入れ、約2時間ボールミルを行ない充分混合した。この
混合物を取り出し乾燥したのち、高純度アルミナるつぼ
に入れ、チッ素と水素の体積比が95:5の還元雰囲気
中、1600℃で2時間焼成した。冷却後粉砕し、再びるつ
ぼに入れ、還元雰囲気中、1600℃で2時間焼成した。冷
却後粉砕して蛍光体をえた。かかる焼成は必要に応じて
さらにくり返し行なってもよい。このようにしてえられ
た蛍光体の組成は Y1.854Sc0.006Tb0.14SiO5であった。この蛍光体を用い
て実施例1と同様に陰極線管を試作して輝度を測定した
ところ、その値は実施例1と同等であった。
なお、上記実施例における焼成時間、ボールミルの時間
はそれほど厳密なものではなく、酸化イットリウム、酸
化スカンジウム、酸化テルビウムおよび無水ケイ酸の配
合比によって加減してもさしつかえない。
また、テルビウムの付活量は、0.12から0.18の間で実用
的な輝度がえられ、付活量が0.12未満のばあいや0.18を
こえると輝度は低下する。
[発明の効果] 以上のように、テルビウム付活ケイ酸イットリウム・ス
カンジウム蛍光体の製造工程中で、酸化イットリウム、
酸化スカンジウムおよび酸化テルビウムと無水ケイ酸と
の反応焼成温度が1600〜1700℃であるので、電子線励起
による輝度が向上し、またスカンジウムの置換量を少な
くすることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明における蛍光体(a)および従来の製造
方法による比較例1の蛍光体(b)を陰極線管に適用した
ときのスカンジウムの置換量に対する輝度(相対値)を
示したグラフである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式: Y2−x−yScTbSiO(式中、xは0<x
    ≦y/6、yは0.12≦y≦0.18を示す)で表わされる化
    合物となるように酸化イットリウム、酸化スカンジウ
    ム、酸化テルビウムおよび無水ケイ酸を調整し、ついで
    1600〜1700℃で反応焼成することを特徴とする蛍光体の
    製造方法。
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