JPH0662513B2 - 3(4),8(9)―ビス(アミノ‐メチル)‐トリシクロ〔5.2.1.0▲上2▼▲’▼▲上6▼〕‐デカンの製法 - Google Patents

3(4),8(9)―ビス(アミノ‐メチル)‐トリシクロ〔5.2.1.0▲上2▼▲’▼▲上6▼〕‐デカンの製法

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JPH0662513B2 JP1167173A JP16717389A JPH0662513B2 JP H0662513 B2 JPH0662513 B2 JP H0662513B2 JP 1167173 A JP1167173 A JP 1167173A JP 16717389 A JP16717389 A JP 16717389A JP H0662513 B2 JPH0662513 B2 JP H0662513B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、3(4),8(9)−ビス(アミノメチル)−ト
リシクロ〔5.2.1.02,6〕−デカンの製法に関す
るものであり、この化合物は以下TCD−ジアミンと略記
する。
〔従来の技術〕
TCD−ジアミンは、工業的に実施されている数多くの合
成において重要な中間生成物として使用されている。従
つて、これは例えばポリウレタンを獲得する際に、また
エポキシド樹脂の硬化剤として使用されている。
TCD−ジアミンを製造するためには、通常ジシクロペン
タジエンから出発する。この出発物質は、既に室温で行
なわれ、かつ触媒によつて促進させることができるシク
ロペンタジエンの二量化によつて得られる。二量体のシ
クロペンタジエンは、ヒドロホルミル化、すなわち微粒
状金属としてまたは化合物として使用される触媒、例え
ばコバルトまたはロジウムの存在下に一酸化炭素および
水素と反応させることによつて、相応するトリシクロデ
カンジアルデヒド(TCD−ジアル)に変換される。適当
な方法は例えば英国特許第1170226号明細書に記
載されている。
TCD−ジアルからTCD−ジアミンへの変換は、公知方法で
ホルミル基の還元アミン化によつて行なわれる。このた
めにジアルデヒドは、水素化触媒の存在下で、場合によ
つては1級アミンと予め反応させた後、アンモニアおよ
び水素で処理される。適当な反応条件は温度が80〜1
50℃および圧力が5〜11MPaである。ニツケルをベ
ースとする水素化触媒はこの目的のために好適であるこ
とが証明された。
公知方法の欠点は、ヒドロホルミル化反応生成物からの
ジアルデヒドの分離が著しい困難をまねくということで
ある。この原因はジアルデヒドの高い反応性にある。ジ
アルデヒドは高分子量の副産物を生成しながら相互に反
応するだけでなく、反応生成物中に含有されている別の
化合物とも反応し、従つて意図した反応がむだになる。
この欠点は、特に入念な蒸留、例えば減圧下における薄
層蒸留によつて排除することが試みられた。しかし、適
当な蒸留法は費用がかかりかつ合成の経済性が疑問視さ
れることは別として、このような安全処理を順守しても
不所望な副反応は排除されない。
〔発明が解決しようとする課題〕
従つて、呈示した問題を避け、TCD−ジアミンを高収率
でジシクロペンタジエンから製造できる方法を開発する
という課題を課された。
〔課題を解決するための手段〕
本発明によれば、この課題は、ロジウム触媒の存在下に
おけるジシクロペンタジエンのヒドロホルミル化、およ
び引き続く得られたトリシクロデカンジアルデヒドの還
元によるアミン化により3(4),8(9)−ビス(アミノ
メチル)−トリシクロ〔5.2.1.02,6〕−デカン
を製造する方法によつて解決される。この方法はヒドロ
ホルミル化生成物を予め精製せず、殊にロジウム触媒の
分離をせずに、場合によつては1級アミンとの反応後、
還元アミン化することによつて特徴づけられる。
意外なことに、相応して新規方法には、還元アミン化の
前にトリシクロデカンジアルデヒドを単離しかつ反応混
合物からヒドロホルミル化触媒を除去する必要がないこ
とが判明した。この場合には、ヒドロホルミル化触媒が
最初に生成されたTCD−ジアルから高分子量の化合物へ
の後反応を促進するということを考慮しなければならな
い。
新規方法に従つてTCD−ジアミンを製造するための出発
物質はジシクロペンタジエンである。これは市販の形
で、つまり予め精製せず使用可能である。
一酸化炭素および水素を用いるジシクロペンタジエンの
ヒドロホルミル化は、自体公知の方法で100〜200
℃の温度および20〜30MPaの圧力において溶剤の存
在下または不在下に行なわれる。反応は、触媒としての
ロジウムの存在下に実施される。ロジウムを微粒状の形
の金属として使用する。しかし、化合物、例えば三酸化
二ロジウムまたは弱有機酸、例えば酢酸または2−エチ
ルヘキサン酸のロジウム塩を使用するのが有利である。
ロジウムの濃度は、Rh20〜100mg/ジシクロペンタ
ジエンkgの間で変えることができ、有利な範囲はRh20
〜50mg/ジオレフインkgの間にある。ヒドロホルミル
化は、バツチ法でまたは有利には連続的に実施される。
反応混合物の後処理、殊にジアルデヒドの分離および/
または触媒の除去は不必要である。むしろヒドロホルミ
ル化混合物は、それが得られた場合と同じように場合に
よつては溶剤と一緒であつても第2反応段階で還元アミ
ン化されることができる。
還元アミン化は、ジアゾメチンの生成中に、反応混合物
中に含有されているTCD−ジアルを1級アミンと反応さ
せることによつて行なわれる。この場合、反応混合物に
は、トリシクロデカンジアルデヒド1モル当り1級アミ
ンが2〜6モル、殊に3〜4モル添加される。出発物質
間の反応は、既に室温で進行し、20〜60℃、殊に3
0〜50℃に加熱することによつて促進させることがで
きる。1級アミンとして1分子中に炭素原子を2〜10
個有するアミンが適する。1分子中に炭素原子を3〜6
固有するアミン、有利にn−ブチルアミンが特に成果を
もつて使用される。また、反応混合物は直接に、つまり
ジアゾメチンを予め生成することなしにアンモニアおよ
び水素と反応させることができる。
ジアルデヒドまたはそれから得られたジアゾメチンの還
元アミン化は、有利に80〜150℃、特に有利には1
20〜140℃の温度で実施される。反応容器中の水素
圧は、反応温度の際に5〜12MPa、殊に8〜10MPaで
ある。
水素化触媒としてニツケルまたはコバルトを使用し、こ
れはラニーニツケルもしくはラニーコバルトの形である
かまたは相応する担持体触媒の形である。有利な触媒は
ケイソウ土上ニツケルを50〜60重量%含有する。
アンモニアは過剰量で使用するのが有利である。ホルミ
ル基1モル当りもしくはジアゾメチン基1モル当り、少
なくともアンモニア2モルが必要であり、有利にはアン
モニア4〜5モルを使用する。
ジアルデヒドの還元アミン化は、溶剤の不在下で実施す
ることができ、通常最終製品自体が溶剤として作用す
る。しかしながら、少量の断続的なバツチでは溶剤中で
操作するのが有利である。特に良好な結果は、溶剤とし
てテトラヒドロフラン、イソブタノール、ブタノールま
たはイソプロパノールを使用する際に得られる。
異性体のジアミンの混合物は良好な収率で得られる。ジ
アルデヒドのわずかな部分だけが高分子量の縮合生成物
に移行する。これらは反応混合物中に溶けかつ反応器か
らの生成物の除去および原料品の支障のない後処理を妨
げない。蒸留残分中には水素化触媒が残り、この触媒上
にはヒドロホルミル化段階で使用したロジウムがほとん
ど完全に分離する。ロジウムは公知方法で回収できる。
異性体のTCD−ジアミンの分離のために、反応混合物は
有利に減圧下で蒸留される。約310℃で沸騰する無色液
体の化合物が得られる。
〔実施例〕
以下の例につき新規方法を詳述する。当然のことなが
ら、本発明をこの詳細な実施態様に限定しようと意図し
たものではない。
例1 (a) ヒドロホルミル化 撹拌型オートクレーブ中でトルエン30重量部中のジシ
クロペンタジエン70重量部溶液を135℃に加熱す
る。その上、25MPaの圧力でロジウム50重量ppm(Rh
−2−エチルヘキサノエートとして使用した)の存在下
に合成ガス(H:CO=1:1)を溶液中に3時間導入
した。反応生成物は42重量%がトリシクロデカンジア
ルデヒドから成り、44重量%がトルエンから成り、残
分がトリシクロデカンモノアルデヒド(11重量%)な
らびに低沸点成分および高沸点成分から成る。
(b) アミン化する水素化 オートクレーブ中でn−ブチルアミン30重量部に(a)
によるTCD−ジアルを含有するヒドロホルミル化原料品
30重量部を1時間かけてかつ最高60℃の温度を保持
しながら配量添加し、続いて40℃でさらに30分間撹
拌する。TCD−ジアルのジアゾメチンを含有する反応生
成物(ロジウム含量18.5重量ppm)を、固定層とし
て配置したNi−触媒上でアンモニアおよび水素と共に連
続的に水素化する。反応は反応温度130℃、水素圧8
MPa、NH3/ジアゾメチンのモル比50:1および触媒1
容量当り生成混合物毎時0.4容量の空間速度の際に行
なわれる。NH3の分離後、反応生成物はTCD−ジアミン2
7重量%、n−ブチルアミン44重量%、トルエン16
重量%を含有し、残りは異性体および後留出物である。
次に純粋な製品を得るために蒸留による後処理を行な
う。水素化反応器から排出されるロジウムは0.01重
量ppmでありすなわち使用したロジウムの99.95%
が触媒上に残存する。
例2 ジシクロペンタジエンのヒドロホルミル化は、例1と同
様に実施する。前留分を薄層蒸発器によつて分離した
後、ヒドロホルミル化生成物はTCD−ジアルを74重量
%およびRh37mg/生成物kgを含有する。
反応管中で40℃において、ヒドロホルミル化生成物3
0重量部をn−ブチルアミン30重量と連続的に反応さ
せ、ジアゾメチンを生成するが、この際反応器1容量当
り生成物毎時0.2容量の通過量で行なう。次に130
℃、水素圧8MPaで、NH3/ジアゾメチンのモル比が1
0:1ならびに空間速度が触媒1容量当り生成混合物毎
時0.3容量である際に、Ni−触媒上で連続的にTCD−
ジアミンに変換させる。反応生成物中のロジウム含量は
0.1重量ppmより少ない。精製のためにTCD−ジアミン
を蒸留する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 47/02 7188−4H (72)発明者 ゲオルク・デンプケス ドイツ連邦共和国デインスラーケン・ニー ベルンゲンシ ユトラーセ 65 (72)発明者 ハンスヴイルヘルム・バツハ ドイツ連邦共和国ズイスブルク 11・アレ ーシユト ラーセ 56 (56)参考文献 特開 昭56−40646(JP,A)

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ロジウム触媒の存在下におけるジシクロペ
    ンタジエンのヒドロホルミル化、および引き続く得られ
    たトリシクロデカンジアルデヒドの還元アミン化による
    3(4),8(9)−ビス(アミノ−メチル)−トリシクロ
    〔5.2.1.02,6〕−デカンの製法において、ヒド
    ロホルミル化生成物を予め精製せず、殊にロジウム触媒
    を分離せずに、場合によつては一級アミンとの反応後
    に、還元アミン化することを特徴とする3(4),8(9)
    −ビス(アミノ−メチル)−トリシクロ〔5.2.1.
    2,6〕−デカンの製法。
  2. 【請求項2】ジシクロペンタジエンのヒドロホルミル化
    を、100〜200℃の温度および20〜30MPaの圧
    力で、溶剤の存在下または不在下に行なう請求項1記載
    の方法。
  3. 【請求項3】ロジウムを20〜100mg/ジシクロペン
    タジエンkgの濃度で使用する請求項1又は2記載の方
    法。
  4. 【請求項4】ヒドロホルミル化生成物中に含有されてい
    るトリシクロデカンジアルデヒド1モル当り1級アミン
    を2〜6モル使用する請求項1から3までのいずれか1
    項記載の方法。
  5. 【請求項5】1級アミンは1分子中に炭素原子を2〜1
    0個有する請求項1から4までのいずれか1項記載の方
    法。
  6. 【請求項6】トリシクロデカンジアルデヒドとアミンの
    反応を20〜60℃で行なう請求項1から5までのいず
    れか1項記載の方法。
  7. 【請求項7】トリシクロデカンジアルデヒドの還元アミ
    ン化を80〜150℃および圧力5〜12MPaで実施す
    る請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
  8. 【請求項8】還元アミン化の際に、ホルミル基もしくは
    ジアゾメチン基1モル当りアンモニアを少なくとも2モ
    ル使用する請求項1から7までのいずれか1項記載の方
    法。
JP1167173A 1988-06-30 1989-06-30 3(4),8(9)―ビス(アミノ‐メチル)‐トリシクロ〔5.2.1.0▲上2▼▲’▼▲上6▼〕‐デカンの製法 Expired - Lifetime JPH0662513B2 (ja)

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DE3822038.5 1988-06-30

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