JPH0662168U - 自動車用アーム式ヒンジ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ヒンジサポート内に捩りコイルばねを設ける
ことにより、従来のトーションばね１６や引張コイルば
ね１７を用いたものに比べ、装置自体を小形化すると共
に、トランクリッド４の開閉操作を助勢させるばね設計
の自由度が大きくなるようにしたアーム式ヒンジの提供
を目的とするものである。 【構成】 取付片２ａ、２ｃおよび２ｅを備えたヒンジ
サポート２と、一端部が前記ヒンジサポート２のピン３
に回動自在に取付けられ、他端をトランクリッド４に固
定した略Ｕ字状のアーム５と、一端部に切欠８を備え、
他端部が前記アーム５のピン６に回動自在に取付けられ
たリンク７と、前記取付片２ａの切欠き２ｂに横架され
たローラー状のピン１４と、前記ヒンジサポート２とリ
ンク７とを連結する捩りコイルばね９とにより構成し、
ばね９のねじり弾性力によりトランクリッド４を常時開
き方向に付勢できるようにする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、自動車用のトランクリッドを開閉するためのアーム式ヒンジの改良 に関し、特に、ヒンジサポート内に捩りコイルばねを設けることにより、従来の トーションばねや引張コイルばねを用いたものに比べ、装置自体を小形化しよう とするものである。

【０００２】

【従来の技術】

自動車用のトランクリッド開閉用ヒンジでは、アーム式ヒンジが広く採用され ており、トランクリッド４の開閉操作がスムーズに行えるように、各種の開閉操 作の助勢手段が取られている。 そして、従来の助成手段としては、図３に示すようなトーションバー１６のほか 、図４に示す引張コイルばね１７や、図５に示すガスダンパー１８が用いられて いる。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、図３に示すトーションバー１６を用いたヒンジにあっては、左右のヒ ンジ間にトーションバーを横架させるものであるが、最近ではスピーカー、エア ピュリ等の多くの部品がトランクルームに組付けられるようになってきているた め、トーションバーの取り回しや組付作業が困難になってきた。 また、図４に示す引張コイルばね１７や図５に示すガスダンパー１８を用いたヒ ンジでは、閉状態にあったトランクリッドを開放させていくと、引張コイルばね １７あるいは、ガスダンパー１８のばね力によりアームに加えられるモーメント がトランクリッドの開度に応じて変化していく。 このため、トランクリッドの開放操作力がトランクリッドの開放とともに変化し て良好な操作フィーリングを得ることが困難となるばかりでなく、部品点数が増 えてコスト高となっていた。さらに、引張コイルばね１７を用いた場合は、トラ ンクスペースを犠牲にするばかりか、トランクリッドの開放状態では引張コイル ばね１７が露出するので見栄えが悪いという問題があった。

【０００４】 本考案は、上記のような問題点を解決するためになされたもので、ヒンジサポ ート内に捩りコイルばねを設けることにより、従来のトーションばね１６や引張 コイルばね１７を用いたものに比べ、装置自体を小形化すると共に、トランクリ ッド４の開閉操作を助勢させるばね設計の自由度が大きくなるようにした自動車 用トランクリッドのアーム式ヒンジを提供しようとするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案の自動車用トランクリッドのアーム式ヒンジに係る第１の考案は、折曲 げにより形成された取付片２ａ、２ｃと切り起こしにより形成された取付片２ｅ を備えたヒンジサポート２と、一端部が前記ヒンジサポート２の取付片２ｅに設 けられたピン３に回動自在に取付けられ、他端をトランクリッド４に固定してな る略Ｕ字状のアーム５と、一端部に切欠８を備え、他端部が前記アーム５に設け たピン６に回動自在に取付けられたリンク７と、前記ヒンシドサポートの取付片 ２ａに設けた切欠き２ｂに横架されたローラー状のピン１４と、前記ヒンジサポ ート２の取付片２ｃに設けられた穴２ｄと前記リンク７の一端に設けられた切欠 き８とを連結する捩りコイルばね９とにより構成し、前記捩りコイルばね９のね じり弾性力によりトランクリッド４を開き方向に付勢したことを特徴とするもの である。 また、第２の考案は、請求項１記載の前記捩りコイルばね９は、前記リンク７の 一端部に設けた切欠き８に係合させるクランク部１２と、該クランク部１２につ ながり巻線方向を異にするコイル部１０，１１と、ヒンジサポート２の取付片２ ｃに設けられた穴２ｄに係止させる係止片１３，１３とからなり、かつ、前記ロ ーラー状のピン１４に捩りコイルばね９のコイル部１０，１１を嵌め込んだこと を特徴とするものである。

【０００６】

【作用】

本考案のアーム式ヒンジは、車体後部のブラケットパッケージトレー１に固定 されたヒンジサポート２と、アーム５に設けたピン６に回動自在に取付けられた リンク７との間に両者を連結させる捩りコイルばね９を設けているので、従来の トーションばね１６や引張コイルばね１７を用いたものに比べ、装置自体が小形 化し、トランクスペースを有効に活用することができるだけでなく、従来必要と していたばね部材の車両への組付け作業が不要になる。また、捩りコイルばね９ が装置内にコンパクトに収納されるため、トランクリッドを開放した時の見栄え も向上する。更に、捩りコイルばね９のばり力は、コイルの線径、コイル径、巻 き数を変更することにより容易に行えるからばね設計の自由度が大きくなる。

【０００７】

【実施例】

以下、本考案の一実施例を図１〜図２に基づいて説明する。 本考案の自動車用トランクリッドのアーム式ヒンジは、ヒンジサポート２とア ーム５とリンク７と捩りコイルばね９とにより構成されている。 前記ヒンジサポート２は、左方部分において、下方に折曲げた取付片２ａ、２ａ と該取付片２ａの左端部を内側に折曲げた取付片２ｃ、２ｃとかなり、前記取付 片２ａには後述するローラー状のピン１４を横架させるための切欠き２ｂが設け られ、前記取付片２ｃには後述する捩りコイルばね９の係止片１３を嵌め込むた めの穴２ｄが設けられている。また、ヒンジサポート２の右方部分には、切り起 こしによりピン３を取り付けるための取付片２ｅが設けられている。そして、ヒ ンジサポート２は、図２に示すように、車体後部のブラケットパッケージトレー １の裏面にボルト等によって固定されている。 前記アーム５は、角パイプを略Ｕ字状に折曲げて形成されるもので、一端部が前 記ヒンジサポート２のピン３に回動自在に取付けられると共に、他端がトランク リッド４の前端部裏面にボルトにて固定されている。 リンク７は、前記アーム５に設けたピン６に回動自在に取付けられるもので、左 端部に後述する捩りコイルばね９のクランク部１２を係合させる切欠き８を備え ると共に、右端部が略Ｙ字状に開いていてアーム５を挾むことができるようにな っている。

【０００８】 前記捩りコイルばね９は、前記リンク７の一端部に設けた切欠き８に係合させ るクランク部１２と、該クランク部１２につながり巻線方向を異にするコイル部 １０，１１と、ヒンジサポート２後端部の取付片２ｃに設けられた穴２ｄに係止 させる係止片１３，１３とからなっており、捩りコイルばね９のねじり弾性力に よりトランクリッド４を常時開き方向に付勢している。なお、トランクリッド４ の後端部は図示していないが、ロック機構が設けられている。 ローラー状のピン１４は、前記捩りコイルばね９のガイドをなすものであり、前 記ばねのコイル部１０，１１内に挿入され、その両端部は、ヒンシドサポートの 取付片２ａに設けた切欠き２ｂにて支持されるようになっている。

【０００９】 上述の如く構成された本考案のアーム式ヒンジにおいては、トランクリッド４ の閉止状態で捩りコイルばね９のコイル部１０、１１に捩り弾性力を付与してお り、クランク部１２は、図２に示すようにこの捩り弾性力で矢印Ａ方向へ回転し 、リンク７を介してアーム５をトランクリッド４の開き方向へ回転付勢している 。つまり、トランクリッド４のロック機構を解除して開放する際には、その操作 力が捩りコイルばね９によって助勢されるようになっている。

【００１０】

【考案の効果】

以上のように、本考案の自動車用トランクリッドのアーム式ヒンジは、ヒンジ サポート２内に捩りコイルばね９を設けることにより、従来のトーションばね１ ６や引張コイルばね１７を用いたものに比べ、装置自体を小形化できるため、ト ランクスぺースを有効に活用することができだけでなく、従来別に設けられてい たばね部材を使用しないため、トランクリッドを開放した時の見栄えがよい。 また、本考案のトランクリッド４の開閉操作を助勢させる捩りコイルばね９は、 ばね力の設計に当たって、コイルの線径、コイル径、巻き数を変更することによ り容易に行えるからばね設計の自由度が大きくなるという産業上有益な考案であ る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係るアーム式ヒンジの斜視図。

【図２】本考案に係るアーム式ヒンジの正面図。

【図３】従来のトーションバーを用いたヒンジの取付状
態を示す斜視図。

【図４】従来の引張コイルばねを用いたヒンジの取付状
態を示す斜視図。

【図５】従来のガスダンパーを用いたヒンジの取付状態
を示す斜視図。

【符号の説明】

１ ブラケットパッケージトレー。 ２ ヒン
ジサポート。２ａ 取付片。
２ｂ 切欠き。２ｃ 取付片。
２ｄ 穴。２ｅ 取付片。
３ ピン。４ トランクリッド。
５ アーム。６ ピン。
７ リンク。８ ピン。
９ 捩りコイルばね。１０ コイル
部。 １１ コイル部。１２
クランク部。 １３ 係止片。１
４ ローラー状のピン。 １６ トーシ
ョンバー。１７ 引張コイルばね。
１８ ガスダンパー。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 折曲げにより形成された取付片２ａ、２
   ｃと切り起こしにより形成された取付片２ｅを備えたヒ
   ンジサポート２と、一端部が前記ヒンジサポート２の取
   付片２ｅに設けられたピン３に回動自在に取付けられ、
   他端をトランクリッド４に固定してなる略Ｕ字状のアー
   ム５と、一端部に切欠８を備え、他端部が前記アーム５
   に設けたピン６に回動自在に取付けられたリンク７と、
   前記ヒンシドサポートの取付片２ａに設けた切欠き２ｂ
   に横架されたローラー状のピン１４と、前記ヒンジサポ
   ート２の取付片２ｃに設けられた穴２ｄと前記リンク７
   の一端に設けられた切欠き８とを連結する捩りコイルば
   ね９とにより構成し、前記捩りコイルばね９のねじり弾
   性力によりトランクリッド４を開き方向に付勢したこと
   を特徴とする自動車用トランクリッドのアーム式ヒン
   ジ。
2. 【請求項２】 捩りコイルばね９は、前記リンク７の一
   端部に設けた切欠き８に係合させるクランク部１２と、
   該クランク部１２につながり巻線方向を異にするコイル
   部１０，１１と、ヒンジサポート２の取付片２ｃに設け
   られた穴２ｄに係止させる係止片１３，１３とからな
   り、かつ、前記ローラー状のピン１４に捩りコイルばね
   ９のコイル部１０，１１を嵌め込んだことを特徴とする
   請求項１記載の自動車用トランクリッドのアーム式ヒン
   ジ。