JPS5922206Y2 - 車両用ドアハンドル装置の組付構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、操作部材としてのオープニングバンドルを固
定部材としてのプロテクタに引寄せてドアを開けるよう
にした車両用ドアバンドル装置、とくに固定部材と操作
部材との組付構造の改良に関する。

従来の車両用ドアバンドル装置においては、金属製操作
部材に金属シャフトを挿通したうえで、金属製固定部材
の枢支部に金属シャフトの端部をカシメ付けて、操作部
材を固定部材に枢支する構造が一般に採用されている。

しかしながら、最近では、防音対策のため、枢支部に合
成樹脂製ワッシャやブツシュを挿入して相互の金属接触
を防止する方法が汎用され始めているが、この方法は、
部品点数の増加およびそれによる組付作業性の悪化をも
たらす欠点がある。

このため、実開昭５３−１３４３２７号公報に開示され
た如く、ケース部とバンドル部との連結部の少なくとも
一方の連結部を略Ｕ字形状として両者を該部分を介して
連結すると共に、該連結部を貫通して抜は止め構造を有
する合成樹脂製ピンを装着するようにし、合成樹脂製の
ジヨイント構造を採用することにより、音対策を良好な
ものとするとともに、部品点数を減少し、同時に組付性
の改善を図ったものが提案されている。

ところが、上記の合成樹脂製ピンが小さい部分であるた
め、指先での手作業となり、作業性が悪く脱落の恐れが
あって作業が不安定となる問題があった。

本考案は、かかる従来の問題に鑑みてなされたものであ
って、操作部材又は固定部材の少なくとも一方を合成樹
脂成形面とするに際して、枢支部材を少なくとも一方の
部材に結合する可撓性を有する連結片とを一体に形威し
、一体的に結合した枢支部材を固定部材の枢支部に嵌着
することにより、固定部材と操作部材とを相互に組付け
ることができる、組付作業性に優れしかもコストも安価
な車両用ドアバンドル装置の組付構造を提供することを
基本的な目的としている。

以下、図示の実施例について本考案をより具体的に説明
する。

第１図において、１はドアパネル（図示せず）に設けた
取付部に一対のねし穴１ａ、ｌａを利用して固定される
固定部材としての金属製プロテクタ、２はプロテクタ１
本体から内向きに突出させた一対のアーム状の枢支部１
ｂ、ｌｂに、コ字形状の金属製フレーム３を介して揺動
自在にヒンジ支持される操作部材としての合或樹脂製バ
ンドル部材で、このバンドル部材２は、該バンドル部材
２を第１図に矢印Ｐで示す方向に、プロテクタ１との間
に縮装したコイルバネ４のバネ力に抗して手で押したと
きに、金属製フレーム３の一対のアーム部３ａ、３ａの
先端部に連結されたドア解除機構（図示せず。

）をアーム部３ ａ 、３ ａの揺動によって作動し、
ドアを開くことができる構造となっている。

第２図に、第１図の分解斜視図を示すように、上記合成
樹脂製バンドル部材２の本体２ａの内側において縦方向
に設ける補強リブ２ｂ、・・・・・・、２ｂには、金属
製フレーム３の基部３ｂを上方向がら嵌合してその下縁
を当止める縦割溝２ｃ、・・・・・・、２Ｃを設けると
ともに、金属製フレーム３の各アーム部３ ａ 、３
ａの基部に沿って平行に伸びる各一対の張出リブ２ｄ、
２ｅを本体の内側に左右一対形成している。

この張出リブ２ｄ、２ｅには、相互に抜脱不自在に嵌合
する枢支部材としての一対の嵌合筒５，６を紐状の連結
片７，７で嵌合筒５，６のフランジ部５ａ、５ａと夫々
連結した状態で一体成形する。

第３図に示すように、一対の嵌合筒５，６のうち、径の
大きい嵌合筒５は、プロテクタ１の枢支部１ｂに設けた
嵌合穴１Ｃおよび金属製フレーム３のアーム部３ａの中
間部に設けた嵌合穴３Ｃに間隙なく嵌合する一方、径の
大きい嵌合筒５の内径部に嵌合する嵌合筒６は、フラン
ジ部６ａとは反対側の先端に一対のくさび状の突起６ｂ
、６ｂを有するとともに、嵌合が容易なように先端から
適当な長さに亙って切込んだ一対の切込溝６Ｃ９６Ｃを
有し、径の大きい嵌合筒５に嵌合したときには、上記く
さび状の突起６ｂ、６ｂによって抜脱しえないようにし
ている。

また、上記張出リブ２ｄ、２ｅの上縁部には、第１図に
示す組付状態で、夫々、プロテクタ１の枢支部１ｂと金
属製フレーム３のアーム部３ａの中間部を上側から抱込
むための係止片２ｆ、２ｇを設け、常時は、前記コイル
バネ４の下向きのバネ力を受は合って、バンドル部材２
をプロテクタ１側に当止めるようにしている。

上記の構成において、組付けに際しては、第２図に示す
ように、金属製フレーム３を嵌合したバンドル部材を下
方向からプロテクタ１の枢支部１ｂ、ｌｂに当てがい、
そのうえで、一対の嵌合筒５，６を、上記プロテクタ１
の枢支部１ｂおよび金属製フレーム３のアーム部３ａを
間にして、枢支部１ｂの嵌合穴１Ｃとアーム部３ａの嵌
合穴３Ｃを通して相互に嵌合するようにすればよい。

なお、プロテクタ１を合成樹脂成形品とする場合には、
第２図に仮想線で示すように、枢支部１ｂと連結片７で
連結された一方の嵌合筒５′をプロテクタ１と一体に形
成するようにしてもよい。

また、第４図に示すように、プロテクタ１′を合成樹脂
成形品とする場合には、操作部材としてのバンドル部材
１０を板金成形品とし、前記金属製フレーム３の代りに
アーム部１０ ａ 、１０ ａを一体に形威し、２部品
で、車両用ドアバンドル装置を構成するようにしてもよ
い。

この場合には、合成樹脂成形品であるプロテクタ１′の
成形時、その枢支部１ ｂ’、１ ｂ’の上縁部と連結
片１１によって夫々連結された枢支部材として１つの嵌
合ピン１２を一体に形成し、枢支部１ｂ’、１ ｂ’に
バンドル部材１０ノアーム部１０ａ、１０ａを抱合させ
た状態で、上記嵌合ピン１２を夫々アーム部１０ ａの
嵌合穴１０ ｂおよび枢支部１ｂ’の嵌合穴１ｃ’に嵌
着するようにしている。

上記嵌合ピン１２は、一端にフランジ１２ａを他端に抜
止め突起１２ ｂ及び挿入を容易とするための割溝１２
Ｃを備えており、嵌合ピン１２を嵌合した段階では、
バンドル部材１０は枢支部１ｂ’から離脱することなく
、枢支部１ｂ’に対して揺動自在に枢支されることとな
る。

更に、上記実施例の他に、複数の嵌合筒を夫々固定部材
と操作部材に分けて連結する場合と、嵌合ピンを操作部
材に連結する場合と、左右の枢支部で連結光を変える場
合等連結先については各種組合せが考えられるが、これ
らは単なる設計上の選択にすぎないものである。

以上詳細に説明したことから明らかなように、本考案は
、車両用ドアバンドル装置を構成する固定部材又は操作
部材の少なくとも一方を合成樹脂成形品とするとともに
、その樹脂成形に際しては、操作部材を固定部材の枢支
部に回動自在に枢支する枢支部材を、該枢支部材を少な
くとも一方の部材に連結するための可撓性を有する連結
片とともに、上記部材と一体に成形したことを特徴とす
る車両用ドアバンドル装置の組付構造を提供するもので
ある。

本考案によれば、枢支部材を連結片で一体化しているた
め、脱落のおそれがなく、作業者は、操作部材を固定部
材に当てがった状態で、枢支部材を固定部材の枢支部に
嵌合することで組付を完了することができ、したがって
、部品点数を減らしたうえで金属音の発生を防止でき、
しかも組付作業性を向上させることができる効果が得ら
れる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例に係る車両用ドア／Ｓンドル
装置の斜視図、第２図は第１図に示す車両用ドアバンド
ル装置の分解斜視図、第３図は第１図のＡ−Ａ線方向拡
大断面図、第４図は本考案の他の実施例に係る車両用ド
アバンドル装置の分解斜視図である。 １．１′・・・・・・プロテクタ、２．１０・・・・・
・バンドル部材、５゜６・・・・・・嵌合筒、１２・・
・・・・嵌合ピン、７，１１・・・・・・連結片。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ドアロック機構に連係する操作部材をドアパネルに固定
   した固定部材の枢支部に枢支部材により回動自在に枢支
   してなる車両用ドアバンドル装置において、 上記操作部材と固定部材の少なくとも一方と、上記枢支
   部材と、上記操作部材と固定部材の少なくとも一方の部
   材と枢支部材とを連結する可撓性を有する連結片とを合
   成樹脂で一体に形威し、固定部材の枢支部に枢支部材を
   嵌着保持することにより操作部材を回動自在に枢支する
   ようにしたことを特徴とする車両用ドアバンドル装置の
   組付構造。