JP2006112104A - 車両用ドアハンドル装置 - Google Patents

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正佳 松原
Takeshi Muneda
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Abstract

【課題】 ネジの落下を防止し、組付作業性を向上できる車両用ドアハンドル装置を提供する。
【解決手段】 ドアパネル5にネジ止めによって固定されるハンドルベース3を備えた車両用ドアハンドル装置1において、ハンドルベース3にネジ6を挿入する貫通孔18を形成し、ハンドルベース3の表面側には貫通孔18に挿入されたネジ6のネジ頭部に当接してネジ6の傾きを阻止する阻止部20を設けるとともに、貫通孔18には貫通孔18に挿入されたネジ6のネジ山に係合してネジ6の軸方向への移動を規制する規制爪部19を設け、阻止部20と規制爪部19とによって貫通孔18に挿入されたネジ6をハンドルベース3に仮固定するようにした。
【選択図】 図3

Description

本発明は、車両用のドアハンドル装置に関するものである。
従来、車両用のドアハンドル装置として、車両のドアパネルの車外側に設けられたハンドル部材を操作することにより、ドアの開放操作を行うようにしたものがある。この種のドアハンドル装置は、一般的に、前記ハンドル部材が回動操作可能に装着固定されるハンドルベースを備え、該ハンドルベースをネジ止めによって車両のドアパネルに固定するようにしている。
そして、ハンドルベースをドアパネルに組み付ける構造としては、図6に示すように、ハンドルベース100に形成された貫通孔101の後側(図6中上)に、ネジを螺合可能なネジ止め部材102を設置し、ハンドルベース100とネジ止め部材102との間にドアパネル5を挟み込み、ネジ103を締め付けることによってハンドルベース100をドアパネル5に固定するようにしている。そして、この構成による組付け手順として、ハンドルベース100をドアパネル5に組付ける前に、まず、ネジ止め部材102を予めハンドルベース100にネジ103で緩めに仮固定して1つのハンドルベースアセンブリ110として構成しておく。そして、車両の組み立てラインにおいて、このネジ止め部材102をドアパネル5に形成した孔5aに挿入した後、ハンドルベース100を図6中左側に移動させて孔5aと連通する固定溝5bの縁にネジ止め部材102を係合させ、最後にネジ103を完全に締めることによりハンドルベース100がドアパネル5に固定されるようにしている。この構成および組付け手順によれば、限られた時間内で組付け作業を行わなければならない車両の製造ラインにおいて、ネジ止め部材102及びネジ103を貫通孔101にセットする工程を省くことができ、迅速かつ簡単にドアハンドル装置の組付けを行うことができる。
特開2004−76395号公報
しかし、上記したように、予めネジ止め部材をハンドルベースに仮固定してハンドルベースアセンブリを組み立てておくにしても、その作業中に、ネジ止め部材及びネジが落下してしまうことがあり、今度はハンドルベースアセンブリの組み立て作業に時間がかかってしまう。
また、作業者は、ネジ締め時にネジを1つずつ取り上げてネジ穴に真っ直ぐな状態にセットして締め付ける必要があり、作業が煩雑であった。
そこで、本発明では、ネジの落下を防止し、組付作業性を向上できる車両用ドアハンドル装置を提供することを課題とするものである。
前記課題を解決するために本発明の車両用ドアハンドル装置は、ドアパネルにネジ止めによって固定されるハンドルベースを備えた車両用ドアハンドル装置において、前記ハンドルベースにネジを挿入する貫通孔を形成し、前記ハンドルベースの表面側には前記貫通孔に挿入された前記ネジのネジ頭部に当接して前記ネジの傾きを阻止する阻止部を設けるとともに、前記貫通孔には前記貫通孔に挿入された前記ネジのネジ山に係合して前記ネジの軸方向への移動を規制する規制爪部を設け、前記阻止部と前記規制爪部とによって前記貫通孔に挿入された前記ネジを前記ハンドルベースに仮固定するようにしたものである。
このように構成すれば、規制爪部によってネジの抜け方向への移動が規制されるとともに阻止部によってネジの傾きが規制された状態でネジがハンドルベースに仮固定されるため、組み立て作業時にネジがガタついて脱落することがない。また、ネジの傾きが阻止部によって規制されているため、手指でネジを保持する必要はなく、ネジを締め付ける対象物に対しての位置が決まりやすい。これにより、組付け作業を迅速かつ確実に行うことができる。さらに、ネジの締め付け作業の最中においても、阻止部によってネジの傾きが規制されるため、ネジの締め付け不良を低減することができる。
本発明の車両用ドアハンドル装置では、前記規制爪部は前記貫通孔の周囲に傾斜して突設されて少なくとも2つ設けられ、各規制爪部は前記ネジの挿入方向に弾性変形可能に設けられるようにしてもよい。
このように構成すれば、貫通孔にネジを回転させずに挿入すると、規制爪部がネジのネジ山の凹凸に沿って弾性変形し、任意の位置でネジの挿入を止めると、その位置でネジが貫通孔内に保持される。このように、ネジを回転させることなく、貫通孔にネジを押し込むだけで、容易にネジを仮固定することができる。
本発明の車両用ドアハンドル装置では、前記貫通孔に挿入した前記ネジの先端が螺合するネジ止め部材を設け、前記仮固定されたネジによって前記ネジ止め部材を取付位置に保持するようにした。
このように構成すれば、ハンドルベースをドアパネルに取り付ける際に、ネジ止め部材が取付位置に来るようにその都度操作する必要がない。その結果、ハンドルベースのドアパネルへの取付作業がより迅速にできるようになる。
上述したように、本発明の車両用ドアハンドル装置では、組み立て作業時にネジがガタついて脱落することがなく、迅速かつ確実にドアハンドル装置の組み立てを行うことができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。図1は、本発明の実施形態である車両用ドアハンドル装置1を示す長手方向断面図である。このドアハンドル装置1は、車両前後方向に長いハンドル部材2と、該ハンドル部材2を車両のドアパネル5に固定するためのハンドルベース3と、図示しないシリンダ錠などが固定される外部取付部材4とからなる。
ハンドル部材2の一端には、略L字形状のアーム部2aが突設されており、その突端には軸挿入溝2bが形成されている。また、ハンドル部材2において、アーム部2aと反対側には、略コ字形状の突出部2cが突設されている。
ハンドルベース3は、ハンドル部材2のアーム部2a及び突出部2cが内部に装着されるもので、樹脂材料によって形成されている。また、ハンドルベース3は、ドアパネル5の車内側(図1中下側)の面に取り付けられる。このハンドルベース3には、図1及び図2に示すように、ハンドル部材2のアーム部2aを挿入するためのハンドル挿通孔12を有するハンドル装着部11が形成されている。このハンドル装着部11の内部には、ハンドル部材2のアーム部2aの軸挿入溝2bにはまり込むことでハンドル部材2を回動可能に軸支する軸支凸部13が形成されている。
ハンドル挿通孔12のおよそ中央部には、図2に示すように、ネジを螺合可能なネジ止め部材14が設けられている。ネジ止め部材14は、ハンドル挿通孔12の開口縁から延びる略薄板状で弾性変形可能な連結部16によってハンドルベース3本体に連結され、ハンドルベース3に一体的に形成されている。このネジ止め部材14は略凸状形状であり、略円盤状の基部14aと、該基部14aから突出する横断面形状が略半円形の突部14bとからなり、突部14bが後述する貫通孔18内に嵌合するように形成されている。また、このネジ止め部材14の内部には、ネジが螺合する図示しないネジ溝を備えたネジ止め孔14cが突部14bの突出方向に向かって貫通して設けられている。
ハンドル挿通孔12の後方側(図2中左側)には、ネジを挿通するための貫通孔18が形成されている。この貫通孔18の内周面の下端縁部には、図3に示すように、舌片状の2つの対向する規制爪部19がネジ6を挿入する方向に傾斜してそれぞれ突設されている。この2つの規制爪部19はネジ6を仮固定するためのものであり、各先端がネジ6のネジ山にそれぞれ係合することによりネジ6が所定の位置に仮固定される。また、この規制爪部19は、ハンドルベース3に一体的に弾性変形可能に形成されており、貫通孔18にネジ6を回転させずに挿入すると、規制爪部19がネジ6のネジ山の凹凸に沿って弾性変形し、任意の位置でネジ6の挿入を止めると、その位置でネジ6が貫通孔18内に保持される。尚、規制爪部19は、2つに限定されるものではなく、3つ以上であってもよい。
この2つの規制爪部19は、貫通孔18の縁からの突出高さ(a,b)を異ならせてある。これにより、貫通孔18にネジ6を挿入したときに2つの規制爪部19の各先端はネジ6に対して半ピッチ(または整数倍ピッチ+半ピッチ)だけずれた位置でネジ山に係合するようになっている。このように構成すれば、貫通孔18の軸方向に対してより真っ直ぐにネジ6を保持することができる。
また、ハンドルベース3の貫通孔18のネジ6を挿入する側の周辺には、ネジ6のネジ頭の傾きを防止する阻止部20が設けられている。この阻止部20は、ネジ6のネジ頭の周りを囲むように略四角筒状に配置されて、貫通孔18の軸方向と並行に突設された4枚の平板によって構成されている。
再び、図1を参照すると、ハンドルベース3の後端側(図1中左側)には、ハンドル部材2の突出部2cと外部取付部材4とを挿入及び取り付けるための装着孔22が形成されている。また、装着孔22の周辺には、ドアパネル5の孔5cの縁に係合させてハンドルベース3の後端側を仮固定する図示しない爪部が形成されている。さらに、ハンドルベース3の後端側には、図示しないドアロック装置を作動させるためのハンドルレバーの一端部8がハンドル部材2の突出部2cと係合する位置に設けられている。そしてハンドル部材2を車外側に引き出すように回転操作を与えると、ハンドル部材2の突出部2cの移動に伴い、ハンドルレバーの一端部8も移動し、これによりドアロック装置を作動させてドアのロックが解除されるようになっている。
外部取付部材4は、例えば図示しないシリンダ錠などが固定されるシリンダベースのようなもので、ドアパネル5の車外側から所定の位置に取り付けられるものである。そして、この外部取付部材4にはネジ7を螺合するネジ止め部41が形成されている。また、この外部取付部材4の車外側には、外部取付部材4を覆うカバー42が取り付けられている。
一方、ハンドルベース3を取り付けるドアパネル5には、ハンドル部材2のアーム部2aを挿通する孔5aと、ハンドル部材2の突出部2cと外部取付部材4とを取り付けるための孔5cとが設けられ、それぞれ、ハンドルベース3のハンドル挿通孔12及び装着孔22と対応する位置にそれぞれ設けられている。孔5aには、図5に示すように、ネジ止め部材14の基部14aよりも幅が小さい固定溝5bが孔5aに連通して形成されている。
次に、前記車両用ドアハンドル装置1の組み付け手順について説明する。
まず、ハンドルベース3の貫通孔18内にネジ6を挿入すると、前述したように2つの規制爪部19によってネジ6が貫通孔18内に保持されるとともに、阻止部20によってネジ6の傾きも阻止された状態でネジ6がハンドルベース3に仮固定される。次に、図4に示すように、矢印Cの方向に連結部16を折り曲げるように回転移動させる。そして、ネジ止め部材14の突部14bを貫通孔18内に嵌合させる。そして最後に、仮固定されたネジ6をドライバ等でネジ止め部材14に所定の位置までねじ込むことによって、ネジ止め部材14がハンドルベース3に仮固定され、ハンドルベースアセンブリ30が完成する。
このハンドルベースアセンブリ30の組み立てにおいては、ネジ6はネジ止め部材14のネジ止め孔14cの軸心と同軸上にほぼ真っ直ぐに保持されているため、ネジ6を手指で保持しておく必要がなく、そのままドライバ等でねじ込むだけでネジの締め付けを行うことができる。また、ネジ6の締め付け作業の最中においても、阻止部20によってネジ6の傾きが規制されるため、ネジ6が傾いてねじ込まれることがなく、ネジ6の締め付け不良を低減することができる。
また、このハンドルベースアセンブリ30では、ネジ6がネジ止め部材14にねじ込まれた状態においても、ネジ6は規制爪部19によって軸方向の動きが規制された状態となっている。このため、ネジ6が途中までネジ込まれたネジ止め部材14も同様にハンドルベース3に対して軸方向の動きが規制されて保持される。これにより、ネジ止め部材14は図4中下側に移動することなく、基部14aとハンドルベース3本体との間に、ドアパネル5への取り付けに必要なドアパネル5の厚さよりも幅広な図4に示す隙間dが形成され、この状態が維持される。これにより、ハンドルベース3をドアパネル5に取り付ける際に、ネジ止め部材14を上述した隙間dが形成される取付位置に来るように、その都度操作する必要がない。その結果、ハンドルベース3のドアパネル5への取付作業がより迅速にできるようになる。
次に、車両の組み立てライン上で、ハンドルベースアセンブリ30をドアパネル5の車内側から所定の位置に配置する。そして、ハンドルベースアセンブリ30のネジ止め部材14の基部14aをドアパネル5の孔5aに挿入して、固定溝5b方向にスライドさせると、ネジ止め部材14の基部14aとハンドルベース3本体との隙間dにドアパネル5が入り込み、ネジ止め部材14の基部14aが固定溝5bの縁に係合した状態となる。また、ハンドルベース3の後端側の図示しない爪部も上記スライドによってドアパネル5の孔5cの縁に係合した状態となる。そして、ネジ6を完全に締め込むことにより、ハンドルベース3がドアパネル5に固定される。
次に、ハンドル部材2をドアパネル5の車外側からハンドルベース3に組み付ける。詳細には、ハンドル部材2のアーム部2aをドアパネル5の孔5aを介してハンドルベース3のハンドル挿通孔12に挿入し、ハンドル部材2の軸挿入溝2bをハンドルベース3の軸支凸部13に嵌め込む。そして、ハンドル部材2の突出部2cをドアパネル5の孔5cを介してハンドルベース3の装着孔22に挿入し、突出部2cをハンドルレバーの一端部8に係合させることによりハンドル部材2がハンドルベース3に組み付けられる。
そして最後に、外部取付部材4をドアパネル5の車外側からハンドルベース3の装着孔22に装着し、ネジ止め部41にネジ7を締めつけることによりハンドルベース3の後端側がドアパネル5に固定される。これにより、ドアハンドル装置1の組み付けが完了する。
以上に説明したように、本実施形態のドアハンドル装置1によれば、組み立て作業時にネジ6がガタついて脱落することがなく、迅速かつ確実にドアハンドル装置1の組み立てを行うことができる。
尚、本実施の形態においては、2つの規制爪部19の突出高さを半ピッチずらして設けるようにしたが、これに限定されることはなく、例えば、2つの規制爪部19の突出高さを同じに形成してもよい。この場合においても、阻止部20によってネジ6の傾きが阻止されるため、ネジ6が規定以上に傾いて保持されることはない。また、ネジ6は貫通孔18の軸心に対して必ずしも完全に真っ直ぐに保持される必要はなく、手指でネジ6を保持することなくネジ6の締め付け作業を行える程度に傾きを規制できればよい。
本発明の車両用ドアハンドル装置の長手方向断面図。 本発明のハンドルベースの要部の平面図及び側面断面図。 本発明のネジが貫通孔に仮固定された状態を示す断面図。 本発明のハンドルベースがドアパネルに取り付けられる前の状態を示す長手方向断面図。 本発明のドアパネルの孔の平面図。 従来例のハンドルベースの長手方向断面図。
符号の説明
1…車両用ドアハンドル装置、3…ハンドルベース、5…ドアパネル、6…ネジ、14…ネジ止め部材、18…貫通孔、19…規制爪部、20…阻止部。

Claims (3)

  1. ドアパネルにネジ止めによって固定されるハンドルベースを備えた車両用ドアハンドル装置において、前記ハンドルベースにネジを挿入する貫通孔を形成し、前記ハンドルベースの表面側には前記貫通孔に挿入された前記ネジのネジ頭部に当接して前記ネジの傾きを阻止する阻止部を設けるとともに、前記貫通孔には前記貫通孔に挿入された前記ネジのネジ山に係合して前記ネジの軸方向への移動を規制する規制爪部を設け、前記阻止部と前記規制爪部とによって前記貫通孔に挿入された前記ネジを前記ハンドルベースに仮固定するようにしたことを特徴とする車両用ドアハンドル装置。
  2. 前記規制爪部は前記貫通孔の周囲に傾斜して突設されて少なくとも2つ設けられ、各規制爪部は前記ネジの挿入方向に弾性変形可能に設けられたことを特徴とする請求項1に記載の車両用ドアハンドル装置。
  3. 前記貫通孔に挿入した前記ネジの先端が螺合するネジ止め部材を設け、前記仮固定されたネジによって前記ネジ止め部材を取付位置に保持するようにしたことを特徴とする請求項1または2に記載の車両用ドアハンドル装置。
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