JPH0661836U - 円筒形状物の整列・搬送装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 比較的簡単な構造で、各種形状の円筒状物に
適用可能な円筒状物の整列・搬送装置を提供する。 【構成】 複数本の円筒形状物Ｐの搬送用コンベア２の
上流位置に、円筒状物Ｐの収納・供給手段１，１ａを設
け、円筒形状物Ｐの収納・供給手段１，１ａと搬送用コ
ンベア２との間に、上面に少なくとも２箇所の突起部を
有し、両突起部の間に前記円筒形状物Ｐを下流側へ転送
する転動面を設け、コンベア２の搬送面に対して昇降可
能な仕分け装置５を設ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、鋼管・丸棒・鉄筋などの内部が中実及び中空状の各種円筒形状物を 整列・搬送する装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

ランダムにストックされた複数の鋼管を搬送する場合、数本が積み重ねられた ままで搬送すると、搬送装置からの落下や装置への衝突等の事故が生じ易い。こ のため、従来より、多数の円筒形状物を１本づつ仕分けする円筒形状物の整列・ 搬送装置が使用されている。

【０００３】 例えば実開昭６３−１４２３２３号公報には、金属丸鋼や丸太等を対象とした 棒材の供給装置が提案されている。

【０００４】 この装置は、搬送路の上部に設けられストッカーから供給される複数の棒材を 、２層或いは３層に均一化するナラシ装置と、同装置の下流側に位置し、カム機 構によって搬送路内に間欠的に突出させる材料分割用セパレータと、搬送された 棒材を１本だけ通過できる隙間を形成したナラシホイール等を備えている。

【０００５】 このような構造によって、長尺ものの棒材でも搬送中に絡ませることなく１本 づつ確実に搬送することができ、かかる棒材の搬送の効率化を達成することが可 能となる。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記公報で提案された供給装置のナラシ装置及びナラシホイー ルは、その隙間に棒材を通すことによって、棒材を１本づつ整列配置させるもの であり、このため、隙間の設定には厳密さが要求され、必要以上に隙間があると １本づつの整列が困難となり、また隙間が足りない場合には搬送自体がストップ してしまう。また、鋼管パイプのように小径から大径まで各種形状がある場合、 使用する鋼管パイプの径毎に隙間を正確に調整する必要があり、この点が搬送作 業効率化の阻害要因となっている。さらに材料分割用セパレータでは、対象物が 小径サイズのものにおいては、材料の曲がり等により隣接する材料同士が絡み合 っており容易に分割できない。

【０００７】 そこで、本考案が解決すべき課題は、比較的簡単な構造で、各種形状の円筒形 状物に適用可能な円筒形状物の整列・搬送装置を提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

本考案の円筒形状物の整列・搬送装置は、上記課題を解決するために、複数本 の円筒形状物の搬送用コンベアの上流位置に、該円筒形状物の収納・供給手段を 設け、前記円筒形状物の収納・供給手段と前記搬送用コンベアとの間に、上面に 少なくとも２箇所の突起部を有し、両突起部の間に前記円筒形状物を下流側へ転 送する転動面を設け、前記コンベアの搬送面に対して昇降可能な仕分け装置を設 けたことを特徴とする。

【０００９】

【作用】

本考案の円筒形状物の整列・搬送装置においては、チェーンコンベア上に払い 出された鋼管の搬送過程で、前記コンベアの搬送面の下方から仕分け装置の間欠 的な上下動で鋼管の重なりを完全にほぐすことによって、円筒形状物を確実に１ 本づつ整列させることができ、また、異なる外径の円筒形状物に対しても容易に 対応することが可能となる。

【００１０】

【実施例】

以下本考案の特徴を実施例に基づいて具体的に説明する。

【００１１】 図１は本考案の一実施例である円筒形状物の整列・搬送装置の側面図である。

【００１２】 図中１は装置の最上流位置に配置されたリフタで、１ロット分の鋼管パイプＰ を収納できる上部を開口した収納容器１ａを備え、図示しない昇降装置によって 収納容器１ａを昇降させることができる。このリフタ１と収納容器１ａとによっ て円筒形状物の収納・供給手段を構成している。

【００１３】 リフタ１の下流位置には、供給された鋼管パイプＰを上面の搬送面に載せて移 動させるチェーンコンベア２が配置され、このチェーンコンベア２は、架台３に 設けられたコンベア用のモータ４によって回転駆動される。

【００１４】 ５はチェーンコンベア２の間に位置するように設けられた仕分け装置で、一端 を支持軸６によって回動可能に軸支され、上面に鋸の歯状の突起部を形成した仕 分けプレート７、この仕分けプレート７の一方の下面を支持するカム板８、及び カム板８駆動用のモータ９によって構成されている。従って、モータ９の駆動に よってカム板８が回転し、これに伴い仕分けプレート７がガイドコロ８ａを介し て支持軸６を中心として上下動する。図１は仕分けプレート７が最も上昇した状 態を示し、リフタ１から供給された鋼管パイプＰは、仕分けプレート７のストッ パ面７ａに遮られ、架台３上面に静止した状態である。

【００１５】 さらにチェーンコンベア２の終端には、流れ方向に向かって下方に傾斜したス キッド１５が配置され、このスキッド１５の下流側にキッカー装置１０が設けら れている。

【００１６】 キッカー装置１０は、チェーンコンベア２によって搬送された鋼管Ｐを、１本 づつローラ２０に払い出す機能を有し、一端を架台３に設けられた軸受け１１に 回動可能に軸支され、払出しキッカー１３を上下動させるシリンダ１４とから構 成されている。ストッパ１２は移動式で、図３に示すように、軸受３１で支持さ れた送りねじ３０の端部に傘歯車機構３２を設け、連結軸３３の端部の図示して いないハンドルによって鋼管のサイズに応じて進退させる。

【００１７】 以上の構成において、鋼管の整列・搬送動作を図２を参照して説明する。

【００１８】 収納容器１ａに収納された鋼管Ｐは、リフタ１の図示していない昇降装置によ って上昇し、数本の鋼管Ｐ’を払出し、架台３に設けた検出器２１で在荷が検出 されるとリフタ１の上昇が停止する（図２（ａ））。なお、検出器２１がＯＦＦ （在荷なし状態）すると、リフタ１は再度上昇し鋼管Ｐを払い出す。

【００１９】 モータ９の駆動によって仕分けプレート７が下降すると、鋼管Ｐ’はチェーン コンベア２によって、図中の矢印方向に搬送される。（図２（ｂ）） 次いで仕分けプレート７が上昇し、鋼管Ｐ’の適宜本数Ｐ”が持ち上げられ、 仕分けプレート７上の斜面を滑り落ちる。これによって、鋼管と鋼管の密着によ って生じる谷間に重なった鋼管は、一方の支点を失い、重なりが完全に分離され ると共に、架台３上の鋼管Ｐ’と仕分けられる。（図２（ｃ）） 仕分けられた鋼管Ｐ”は、仕分けプレート７が下降することで、チェーンコン ベア２に積載され搬送される。本実施例では、該仕分けプレート７が上昇すると 、鋼管Ｐ”は再度仕分けられる。（図２（ｄ）） このように、コンベアで鋼管が搬送される過程で、仕分けプレート７の間欠的 な上下動により、鋼管Ｐには仕分けプレート７への乗り継ぎ、仕分けプレート７ での移動、更には仕分けプレート７への乗り継ぎやコンベア２への乗り継ぎ時の 衝撃によるハンマリング効果も付加され、鋼管のかなりをほぐし仕分け整列し、 さらに、キッカー装置１０で１本づつ確実に払い出され、ローラ２０によって次 の工程へと搬送される。

【００２０】 なお、鋼管Ｐの供給部は、チェーンやベルト等の一端を固定し他端を巻き取る 公知の手段を用い鋼管を払い出す方式でもよい。

【００２１】 また収納容器１ａを固定し、図４に示すリフト台２１を昇降させて鋼管を払出 す構造でもよい。さらには、キッカー装置１０に変えて、前記実開昭６３−１４ ２３２３号公報に開示された切欠き部を有するドラムを使用しても良い。

【００２２】

【考案の効果】

本考案によって以下の効果を奏することができる。

【００２３】 （１）搬送面の下面から上下動する仕分け装置によって、円筒形状物が完全に整 列するため、小径から中径まで広範囲のサイズの円筒形状物に対応できる。

【００２４】 （２）搬送面の下面から整列する方式のため、装置上面にならし装置が不要とな り、設備の構造が簡素となり、そのため設備が安価で保守も容易である。

【００２５】 （３）ランダムにストックされた鋼管からの１本づつの払出しが自動化できるた め、作業性が向上する。

【００２６】 （４）仕分けプレートへの乗り継ぎや、仕分けプレートからコンベアへの乗り継 ぎ時の衝撃によるハンマリング効果によって、小径サイズの円筒形状物に潤滑油 や防錆油を塗布し、粘着性を有した鋼管の整列・搬送が行える。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の一実施例である円筒形状物の整列・
搬送装置の側面図である。

【図２】 図１に示す仕分け装置の作動を説明する説明
図である。

【図３】 ストッパの詳細を示す図である。

【図４】 円筒形状物の収納・供給手段の他の例を示す
図である。

【符号の説明】 １ リフタ １ａ 収納容器 ２ チェーンコンベア ３ 架台 ４ コンベア用モータ ５ 仕分け装置 ６ 支持軸 ７ 仕分けプレート ８ カム板 ９ カム板駆動用モータ １０ キッカー装置 １１ 軸受け １２ ストッパ １３ 払出しキッカー １４ シリンダ １５ スキッド Ｐ 鋼管パイプ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数本の円筒形状物の搬送用コンベアの
   上流位置に、該円筒形状物の収納・供給手段を設け、前
   記円筒形状物の収納・供給手段と前記搬送用コンベアと
   の間に、上面に少なくとも２箇所の突起部を有し、両突
   起部の間に前記円筒形状物を下流側へ転送する転動面を
   設け、前記コンベアの搬送面に対して昇降可能な仕分け
   装置を設けたことを特徴とする円筒形状物の整列・搬送
   装置。