JPH0661465A - 赤外線撮像素子 - Google Patents

赤外線撮像素子

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JPH0661465A
JPH0661465A JP4236555A JP23655592A JPH0661465A JP H0661465 A JPH0661465 A JP H0661465A JP 4236555 A JP4236555 A JP 4236555A JP 23655592 A JP23655592 A JP 23655592A JP H0661465 A JPH0661465 A JP H0661465A
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JP
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gate
charge
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JP4236555A
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Inventor
Takeshi Sakaino
剛 境野
Yasuaki Yoshida
保明 吉田
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L27/00Devices consisting of a plurality of semiconductor or other solid-state components formed in or on a common substrate
    • H01L27/14Devices consisting of a plurality of semiconductor or other solid-state components formed in or on a common substrate including semiconductor components sensitive to infrared radiation, light, electromagnetic radiation of shorter wavelength or corpuscular radiation and specially adapted either for the conversion of the energy of such radiation into electrical energy or for the control of electrical energy by such radiation
    • H01L27/144Devices controlled by radiation
    • H01L27/146Imager structures
    • H01L27/14643Photodiode arrays; MOS imagers
    • H01L27/14649Infrared imagers
    • H01L27/1465Infrared imagers of the hybrid type
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04NPICTORIAL COMMUNICATION, e.g. TELEVISION
    • H04N25/00Circuitry of solid-state image sensors [SSIS]; Control thereof
    • H04N25/70SSIS architectures; Circuits associated therewith
    • H04N25/76Addressed sensors, e.g. MOS or CMOS sensors
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04NPICTORIAL COMMUNICATION, e.g. TELEVISION
    • H04N3/00Scanning details of television systems; Combination thereof with generation of supply voltages
    • H04N3/10Scanning details of television systems; Combination thereof with generation of supply voltages by means not exclusively optical-mechanical
    • H04N3/14Scanning details of television systems; Combination thereof with generation of supply voltages by means not exclusively optical-mechanical by means of electrically scanned solid-state devices
    • H04N3/15Scanning details of television systems; Combination thereof with generation of supply voltages by means not exclusively optical-mechanical by means of electrically scanned solid-state devices for picture signal generation
    • H04N3/1575Picture signal readout register, e.g. shift registers, interline shift registers

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電荷蓄積部の蓄積ゲートから出力部への電荷
の読み出し時間を短縮することができる赤外線撮像素子
を得る。 【構成】 電荷蓄積部40Aを構成する蓄積ゲート40
を階段状に形成し、この蓄積ゲート40とP−シリコン
基板50aとの間の絶縁膜60aを、その膜厚が、電荷
の転送方向(水平スキャナゲート5側)に向けて段階的
に小さくなるように形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は赤外線撮像素子に関
し、特に、電荷蓄積部からの電荷転送時間を短縮するこ
とができる赤外線撮像素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図6は従来の赤外線撮像素子の概略構成
を示すブロック図である。図において、50は赤外線撮
像素子であり、該赤外線撮像素子50は、2次元のアレ
イ状に配設された複数のフォトダイオード1a〜1i,
該フォトダイオード1a〜1iから送られてきた電荷を
一定時間蓄積する複数の電荷蓄積部4x〜4z,該複数
の電荷蓄積部4x〜4zから送られてきた電荷に基づい
て出力信号発生するフローティング・ディフュージョン
・アンプ(以下、FDAと称す。)出力回路7,そのゲ
ートに垂直スキャナ3からクロックが与えられ、上記フ
ォトダイオード1a〜1iで発生した電荷を、各列のフ
ォトダイオード毎に、上記複数の電荷蓄積部4x〜4z
のそれぞれの手前に形成される図示しないダイオードの
電位の井戸に転送するための複数の垂直スキャナゲート
2a〜2i,そのゲートに水平スキャナ6からクロック
が与えられ、上記複数の電荷蓄積部4x〜4zに蓄積さ
れた電荷を、各蓄積部毎にFDA出力回路7の手前に形
成された図示しないダイオードの電位の井戸に転送する
ための複数の水平スキャナゲート5a〜5cとから構成
されている。尚、図中8は出力端子であり、また、上記
図では説明の都合上3個×3個の画素(フォトダイオー
ド)が形成されているが、実際は、これ以上の個数の画
素(フォトダイオート)がアレイ状に配設されている。
【0003】図7は、上記従来の赤外線撮像素子50の
外観構成を模式的に示した斜視図であり、図において、
1はフォトダイオード1a〜1i全てを含むフォトダイ
オード部であり、また、50aはこれらフォトダイオー
ド1a〜1i以外の上述した赤外線撮像素子50を構成
する構成要素が形成されたp型シリコン基板、30はイ
ンジウムパンプである。そして、図に示すように、上記
従来の赤外線撮像素子50は、P型シリコン基板50a
内の垂直スキャナゲート2a〜2iとフォトダイオード
1a〜1iとがインジウムバンプ30によって電気的及
び機械的に接続されている。尚、上記フォトダイオード
部1を構成する材料としては、一般に、10μm帯の赤
外線を扱うために従来よりCd0.2 Hg0.8 Teが用い
られている。
【0004】図9は、上記従来の赤外撮像素子50の構
造を、P型シリコン基板50a内に形成される電位ポテ
ンシャル(電位の井戸)とともに示した等価回路図であ
り、この図では、P型シリコン基板50a内での電荷の
転送過程を同時に示している。図において、図6と同一
符号は同一または相当する部分を示し、1Aはフォトダ
イオード1a〜1iの内の任意の1個のフォトダイオー
ドを示し、4は該フォトダイオード1Aに対応する電荷
蓄積部4x〜4zの内の任意の1個の電荷蓄積部、5は
該電荷蓄積部4に対応する水平スキャナゲート5a〜5
cの内の任意の1個の水平スキャナゲートを示してい
る。また、4a,4bは電荷蓄積部4を構成する注入ゲ
ートと蓄積ゲート、11は上記図6では図示しなかった
入力ダイオード、12は上記図6では図示しなかった出
力ダイオードである。また、7aはFDA出力ゲート,
7bはFDA出力ゲート7aに接続されたFDAソース
フォロア,7cはその一端がFDA出力ゲート7bに接
続され、他端が接地された抵抗であり、これらFDA出
力ゲート7a,FDAソースフォロア7b、抵抗7cに
よりFDA出力回路7が構成されている。また、9は出
力ダイオード12に蓄積された電荷をFDAリセットド
レイン10に捨てるFDAオーバフローリセットゲー
ト、13は出力ダイオート12に蓄積された電荷をオー
バフロードレイン14に捨てるFDAオーバーフローリ
セットゲートである。尚、上記何れのゲートもMOSス
イッチによって構成されており、また、この図では、便
宜上、垂直スキャナゲート2,FDAオーバフローリセ
ットゲート9,FDAリセットドレイン10,FDA出
力回路7,FDAオーバフローリセットゲート13,オ
ーバフロードレイン14は何れもP型シリコン基板50
aから離れた位置に図示しているが、通常、これらは、
上述したように、P型シリコン基板50aに対して形成
されている。
【0005】一方、図8は上記赤外線撮像素子50から
得られる出力信号を映像信号に変換し、TVモニタに画
像を映し出すように構成された赤外線撮像装置の構成を
示すブロック図であり、図において、100は赤外撮像
装置であり、該赤外撮像装置100は、赤外線撮像素子
50,赤外線撮像素子50における電荷の蓄積と転送
(出力)のタイミイングを決定するタイミイグジェネレ
ータ53、赤外線撮像素子50から出力された電荷を映
像信号に変換するスキャンコンバータ51,スキャンコ
ンバータ51からの映像信号を可視画像として映し出す
TVモニタ8とから構成されている。
【0006】図10は、上記赤外線撮像素子50の各ゲ
ートに与えられるクロックφV,クロックφRS,クロ
ックφR,クロックφHのタイミングチャートと出力端
子8から得られる出力信号の電圧波形とを示した図であ
る。尚、クロックφV,クロックφHはそれぞれ垂直ス
キャナゲート3,水平スキャナゲート6から発生し、ク
ロックφRS,クロックφRは図示しない他のスキャナ
からぞれぞれ発生する。また、これらクロックのタイミ
ングは、例えば、上述した図8のた赤外線撮像装置10
0では、タイミイグジェネレータ53によって決定され
る。
【0007】次に、これらの図に基づいて動作を説明す
る。例えば、垂直スキャナゲート2に与えられるクッロ
クφVにより、図6に示す複数のフォトダイード1a〜
1iから、電荷蓄積部4x〜4yに電荷を転送する所定
の1行のフォトダイードが選択される(例えば、図6の
最上部の1行のフォトダイオート1a〜1cが選択され
る)。
【0008】そして、図9(a) に示すように、選択され
た1行のフォトダイオードの各フォトダイオード1Aで
発生した電荷は、オーバーフロー電極13に与えられる
クロックφRSと垂直スキャナゲート2に与えられるク
ロックφVが共にHighレベルの間は、垂直スキャナ
ゲート2,入力ダイオート11の電位の井戸を通って蓄
積ゲート4b下に形成された電位の井戸に転送され、オ
ーバーフロー電極13を通して、オーバーフロードレイ
ン14に捨てられる。次に、クロックφRSがLowレ
ベルになっオーバーフロー電極13が閉じられると、図
9(b) に示すように、垂直スキャナゲート2を通って蓄
積ゲート4b下に転送される電荷は、該蓄積ゲート4b
下に形成された電位の井戸に蓄積されていく。そして、
この電位の井戸に電荷が蓄積された後、FDAリセット
ゲート9に与えられるクロックφRがHighレベルに
なり、FDAリセットゲート9のゲートが開くと、FD
Aリセットドレイン10に図示しない定電圧源が接続さ
れていることから、出力ダイオード12の電位が高くな
り、出力端子8の電圧も立ち上がる。この後、このクロ
ックφRがHighレベルからLowレベルに変わり、
再び、出力ダイオード12に電位の井戸が形成され、こ
の状態で水平スキャナゲート5に、図10に示す一定の
繰り返し周期と一定のパルス幅からなる読み出しクロッ
クφHが与えられると、蓄積ゲート4b下の電位の井戸
に蓄積された電荷は、このクッロクがHighレベルに
ある間、即ち、水平スキャナゲート5のゲートが開いて
いる間、図9(c) に示すように、出力ダイオード12の
電位の井戸に転送される(読み出される)。ここで、読
み出しクロックφHの1パルスは、1個の水平スキャナ
ゲート5のゲートを開く時間に相当し、この読み出しク
ロックφHにより、図6に示すFDA出力回路7から遠
い位置にある水平スキャナゲート5aのゲートから水平
スキャナゲート5b,水平スキャナゲート5cの順にゲ
ートが開かれて、順次電荷が読み出される。そして、こ
のようにして、電荷蓄積部4に蓄積された各フォトダイ
オードの電荷が出力ダイオード12に読み出される度毎
に、FDA出力ゲート7aのゲート電圧が変動し、FD
Aソースフォロア7bに接続された図示しない定電圧源
から該FDA出力ゲート7aに流れる電流値が低下し、
出力端子8からは、図10に示す電圧波形を有する出力
信号DVO が得られる。
【0009】尚、上記動作において、上述したように、
読み出しクロックφHのパルス幅が1個のフォトダイオ
ード(画素)から電荷を読み出すための読み出し時間に
なり、そして、この読み出し時間は、通常、図10の出
力信号の出力電圧に示した水平スキャナゲート5のゲー
トを開いた後、蓄積ゲート4b下の電位の井戸から、電
荷が実際に出力ダイオード12に形成された電位の井戸
に完全に転送されるまでの時間(以下、実読み出し時間
と呼ぶ。)と同じか或いは若干大きくなるように決めら
れている。
【0010】また、上記動作において、出力ダイオード
12の電位の井戸に電荷を転送する前に、FDAリセッ
トゲート9にHighレベルのパルスを与えるのは、1
画素分の電荷を読み出す毎に、出力ダイオード12(に
形成される電位の井戸に)電荷が残らないようにするた
めである。
【0011】一方、図11は上記従来の赤外線撮像素子
50の電荷蓄積部4とその周辺部の構造を示す平面図と
断面図で、図11(a) はp型シリコン基板50aの上面
に対する垂直方向から見た平面図、図11(b) は図11
(a) のXIb −XIb 線における断面図である。図におい
て、図6〜9と同一符号は同一または相当する部分を示
し、60はその膜厚が500オングストローム程度のシ
リコン酸化膜からなる絶縁膜である。この図から分かる
ように、従来の赤外線撮像素子50の電荷蓄積部4を構
成する蓄積ゲート4bは、フォトダイオード自体が、そ
の特性上、多量の電荷を発生することから、多量の電荷
が蓄積できるように、例えば、その幅が80μm程度,
長さが300μm程度となるように出力方向に対して細
長く形成し、ゲート下に形成される電位の井戸を拡大さ
せている。また、この蓄積ゲート4b下の電位の井戸か
ら出力ダイオード12の電位の井戸への電荷の転送は、
その電荷自体がもつ自己電界によるドリフト(seif
induced drift)とこの電荷のその周囲
(即ち、p型基板自体)の熱による熱拡散(therm
al diffusion)とによって行われ、電荷が
蓄積ゲート下の電位の井戸に多くある転送の初期段階で
は、電荷が持つ自己電界によるドリフト効果が大きく、
電荷は速やかに出力ダイオード12の電位の井戸に転送
される。しかしながら、電荷がある程度転送された転送
の後半段階では、自己電界によるドリフト効果が低下
し、熱拡散のみによって転送が行われため、蓄積ゲート
4b下の出力方向への長さが増大するにつれて、この転
送の後半段階における転送時間が長くなり、電荷の転送
に要する時間(即ち、実読み出し時間)が長くなる。こ
のため、上記のように、多くの電荷が蓄積できるように
蓄積ゲート4bを出力方向に対して長く形成した場合
は、この電荷を完全に出力ダイオードの電位の井戸に転
送する(読み出す)ためには、水平スキャナゲート5に
与える読み出しクロックφHのパルス幅を長くして、水
平スキャナゲート5のゲートを開く時間、即ち、読み出
し時間を長くしなければならない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところで、TVモニタ
によって出力画像を得る場合、その規格上1フレームを
得るための時間は1/60秒であり、上述した従来の赤
外線撮像素子から得られる出力信号を、TVモニタによ
り出力画像として得る場合、通常、上記の読み出しクロ
ックのパルス幅、即ち、読み出し時間は、1μs程度に
規定されることになる。また、近年、高速で動く被写体
の動きをより忠実に画像として捕らえるとができるよ
う、フレームレートを向上させる(1/60秒より短縮
した時間で1フレームが得られにようにする)ことが行
われているが、この場合は、上記読み出し時間は、1μ
sより更に短くすることが必要になる。
【0013】しかしながら、従来の赤外線撮像素子で
は、上述したように、蓄積ゲート4bに蓄積する電荷量
を増大するために、蓄積ゲート4bを出力方向に長く形
成すると、それに応じて、蓄積ゲート4b下の電位の井
戸から出力ダイオード12に電荷を転送するための時間
(実読み出し時間)が長くなり、TVフレームで動作さ
させるために、水平スキャナゲート5に与える読み出し
クロックφHのパルス幅(読み出し時間)を1μs或い
はそれより短くすると、蓄積ゲート下の電位の井戸から
出力ダイオードに読み出される電荷量が減少してしま
い、得られる画像の分解能を低下させてしまうという問
題点があった。
【0014】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、電荷蓄積部の蓄積ゲートから出
力部(出力ダイオード)への電荷の転送時間、即ち、実
読み出し時間を、従来に比べて短縮することができる赤
外線撮像素子を得ることを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】この発明にかかる赤外線
撮像素子は、電荷蓄積部の蓄積ゲート下に、電荷の転送
の方向に向かってその深さが段階的に深くなる電位の井
戸を形成するようにしたものである。
【0016】
【作用】この発明においては、蓄積ゲート下に、電荷の
転送方向に向かってその深さが段階的に深くなる電位の
井戸を形成するようにしたから、この井戸内にポテンシ
ャルの傾きを形成することができ、その結果、このポテ
ンシャルの傾きによって出力方向に向かう電界が形成さ
れ、井戸内の電荷量が少なくなっても、この電界によっ
て電荷がドリフトし、転送速度を速めることができる。
【0017】
【実施例】以下、この発明の実施例を図について説明す
る。 (実施例1)図3は、この発明の第1の一実施例による
赤外線撮像素子の電荷蓄積部とその周辺部の構造を示す
断面図であり、図1はこの赤外線撮像素子の構成をP型
シリコン基板50a内に形成される電位ポテンシャル
(電位の井戸)とともに示した等価回路図である。これ
らの図において、図9,11と同一符号は同一または相
当する部分を示し、この赤外線撮像素子では、電荷蓄積
部40Aの蓄積ゲート40が、出力方向に、即ち、注入
ゲート4a側から水平スキャナゲート5側に向けて階段
状に形成され、該蓄積ゲート40下の絶縁膜60aが、
注入ゲート4a側から水平スキャナゲート5側に向けて
その厚みが段階的に小さくなるように形成されている。
そして、この蓄積ゲート40に、定電圧VS が印加され
ると、この絶縁膜60aの厚みの差により、蓄積ゲート
40下の電界強度が、注入ゲート4a側で小さく、水平
スキャナゲート5側で大きくなり、その深さが注入ゲー
ト4a側で浅く,水平スキャナゲート5側で深くなるよ
う段階的に変化した電位の井戸が形成される。ここで、
絶縁膜60aは、ゲートに印加される電圧VS によって
も異なるが、例えば、500オングストロームを中心の
膜厚としてその両サイドの膜厚を、500オングストロ
ームより±300オングストームの範囲で厚く及び薄く
なるよう形成されている。
【0018】尚、上記蓄積ゲート40下の絶縁膜60a
の形成は、例えば、予め水平スキャナゲート5,注入ゲ
ート4aとこれらの周囲部のシリコン酸化膜を形成した
状態で、P−シリコン基板50a上の蓄積ゲート40が
形成されるべき所定位置に、所定膜厚の第1層目のシリ
コン酸化膜を堆積形成し、次いで、この膜の所定部分を
レジストパターンで被覆した後、所定膜厚の第2層目の
シリコン酸化膜を堆積形成し、この後、リフトオフによ
り、上記レジトパターンとともにこのレジストパターン
上に堆積した第2層目のシリコン酸化膜を除去すること
により、最も小さい膜厚部分と中間の膜厚部分を形成す
ることができ、続いて、同様に、レジストパターンの形
成,所定膜厚の第3層目のシリコン酸化膜の堆積形成,
リフトオフを行うことで、最も大きい膜厚部分を形成す
ることができる。
【0019】また、この赤外線撮像素子の全体構成は、
図6,7に示した従来の赤外線撮像素子と基本的に同じ
であり、図6中の電荷蓄積部4x〜4yが、この電荷蓄
積40Aに置き換えられて構成されている。
【0020】また、この赤外線撮像素子をTVフレーム
で動作させる場合は、図8に示した赤外線撮像装置と同
様にして構成される。
【0021】次に、動作について説明する。ここでは、
フォトダィオードから発生する電荷量,蓄積ゲート下に
蓄積される電荷量,蓄積ゲートの幅と長さが従来とほぼ
同じであることを前提として動作を説明する。
【0022】尚、基本的な動作は従来の赤外線撮像素子
と同じであり、垂直スキャナゲート2,オーバーフロー
電極13,水平スキャナゲー5,FDAリセットゲート
に与えられる各クロックのタイミングチャートも、図1
0に示す従来のクロックのそれと基本的に同じである。
【0023】図5は、この赤外線撮像素子の水平スキャ
ナゲート5に与えられる読み出しクッロクφH2 の1パ
ルスの波形(図5(a) )と、出力端子8から得られる出
力信号の1画素分の電圧波形DVO2(図5(b)とを示し
た図であり、図中符号A,Bは実読み出し時間を示して
いる。
【0024】以下、図1,図5に基づき、且つ、図10
を参照して動作を説明する。フォトダイード1Aから電
荷蓄積部40Aの蓄積ゲート40下に電荷が転送され、
該蓄積ゲート40下の電位の井戸に電荷が蓄積されるま
では従来と同じであり、垂直スキャナゲート2,オーバ
ーフロー電極13に、それぞれ図10に示すクロックφ
VとφRSと同じクロックが与えられ、オーバーフロー
電極13に与えられるクロックφRSがHighレベル
の間は、フォトダイード1Aから電荷蓄積部40Aの蓄
積ゲート40下に転送される電荷は、蓄積ゲート40下
の電位の井戸から、オーバーフロー電極13を通ってオ
ーバーフロードレインに捨てられる。次に、クロックφ
RSがLowレベルになると、フォトダイード1Aから
電荷蓄積部40Aの蓄積ゲート40下に転送される電荷
は、図1(a) に示すように、該蓄積ゲート40下のその
深さが、水平スキャナゲート5側に向けて次第に深くな
るよう形成された電位の井戸に蓄積される。次いで、一
定時間経過後、FDAリセットゲート9に図10に示す
クロックφRと同じクロックが与えられると、FDAリ
セットゲート9のゲートが開き、FDAリセットドレイ
ン10には図示しない定電圧源が接続されていることか
ら、出力ダイオード12の電位が高くなり、出力端子8
の電圧も立ち上がる。この後、FDAリセットゲート9
に与えられるがクロックφRがHighレベルからLo
wレベルに変わり、出力ダイオード12に電位の井戸が
形成される。そして、この状態で水平スキャナゲート5
に、図5に示す、従来の読み出しクロックφH1 に比べ
て、そのパルス幅の短くなった読み出しクロックφH2
が与えられると、図1(c) に示すように、このパルス幅
に対応する期間(読み出し時間)だけ、水平スキャナゲ
ート5が開き(水平スキャナゲート5下の電位が深くな
り)、蓄積ゲート40下の電位の井戸に蓄積された電荷
は、出力ダイオード12の電位の井戸に転送される(読
み出される)。ここで、転送される電荷には電荷自体に
よって得られる自己電界作用と熱拡散作用以外に、蓄積
ゲート40下の電位の井戸の深さの変化によって形成さ
れる転送方向への電界が作用し、この間の転送速度、特
に、電荷が井戸内に少なくなった転送の後半段階におけ
る転送速度が速くなる。このようにして、出力ダイオー
ド12の電位の井戸に電荷が転送されると、出力端子8
から図5に示す出力信号DVO2が得られる。この出力信
号DVO2は、上記出力ダイオード12に形成された電位
の井戸に転送される電荷の電荷量に応じて、その電圧レ
ベルが低下することにより得られるもので、従来に比べ
て電荷の転送速度(読み出し速度)が速くなることか
ら、図5に示すように、従来の赤外線撮像素子から得ら
れる出力信号DVO1に比べて、その電圧レベルの低下
(減衰)のしかたが急峻になり、実読み出し時間(図中
符号A)が従来のそれ(図中符号B)に比べて短くな
る。
【0025】このような本実施例の赤外線撮像素子で
は、蓄積ゲート40下の絶縁膜60aが、その膜厚が、
出力方向、即ち、注入ゲート4a側から水平スキャナゲ
ート5側に向けて段階的に小さくなるよう形成されてい
るので、該蓄積ゲート40に所定電圧VS が印加されて
形成される電位の井戸は、その深さが注入ゲート4a側
から水平スキャナゲート5側に向けて段階的に深くな
る。このため、この蓄積ゲート40下の電位の井戸に蓄
積された電荷を、出力ダイオード12の電位の井戸に転
送する際(読み出す際)、電荷には自己電界によるドリ
フト作用と熱拡散作用以外に、電位の井戸の深さの変化
によって形成される電界によるドリフト作用が加わり、
この間の転送速度が速くなって、転送時間(実読み出し
時間)を短縮することがてきる。従って、例えば、水平
スキャナゲート5にそのパルス幅が1μs或いはそれよ
り小さい読み出しクロックを与え、この赤外線撮像素子
をTVフレームで動作して、TVモニタから出力画像を
得る場合、蓄積ゲート40下の電位の井戸から出力ダイ
オード12の電位の井戸に転送される(読み出される)
電荷量は従来に比べて増大し、分解能が劣化しない良好
な画像を得ることができる。
【0026】尚、上記実施例では、絶縁膜60aの厚さ
を三段階に変化させているが、本発明では、これより多
い段階数だけ膜厚を変化させてもよいことは言うまでも
ない。
【0027】また、上記実施例では絶縁膜60aの膜厚
を段階的に変えているが、絶縁膜をテーパ状に形成し
て、その膜厚が連続的に変わるように形成してもよい。
【0028】(実施例2)図4は、この発明の第2の実
施例による赤外線撮像素子の電荷蓄積部とその周辺部の
構造を示す断面図であり、図2はこの赤外線撮像素子の
構成をP型シリコン基板50a内に形成される電位ポテ
ンシャル(電位の井戸)とともに示した等価回路図であ
る。これらの図において、図9,11と同一符号は同一
または相当する部分を示し、この赤外線撮像素子では、
電荷蓄積部40Bが、注入ゲート4aと、複数に分割さ
れた蓄積ゲート40a,40b,40cとから構成さ
れ、各蓄積ゲート40a,40b,40cに異なる値の
定電圧VS1,VS2,VS3がそれぞれ印加されるようにな
っている。そして、この蓄積ゲート40a,40b,4
0cに、VS1<VS2<VS3の関係でこれら定電圧VS1,
VS2,VS3が各蓄積ゲート40a,40b,40cに対
して印加されると、蓄積ゲート40a,40b,40c
のそれぞれのゲート下の電界強度が、蓄積ゲート40a
下で一番小さく、蓄積ゲート40b下,蓄積ゲート40
c下の順に大きくなり、図に示すような、その深さが蓄
積ゲート40a下が一番浅く、蓄積ゲート40b下,蓄
積ゲート40c下の順に深くなる電位の井戸が形成され
る。
【0029】この赤外線撮像素子の動作は上記第1の実
施例と基本的に同じであり、ここでは簡単に説明する。
【0030】オーバーフロー電極13に与えられるクロ
ックφRSがLowレベルになると、フォトダイード1
Aから電荷蓄積部40Aの蓄積ゲート40a,40b,
40cの下に下に転送される電荷は、図2(b) に示すよ
うに、互いに異なる電圧値の定電圧VS1,VS2,VS3が
蓄積ゲート40a,40b,40cに対して印加され
て、これらゲート40a,40b,40c下に、その深
さが水平スキャナゲート5の方向に向かって段階的に深
く形成された電位の井戸に蓄積される。そして、この
後、上記第1の実施例と同様に、出力ダイオード12の
電位の井戸がリセットされ、出力端子8の電圧が立ち上
げられた後、FDAリセットゲート9に与えられるクロ
ックφRがHighレベルからLowレベルに変わり、
出力ダイオード12に再び電位の井戸が形成されると、
水平スキャナゲート5に、図5に示す、読み出しクロッ
クφH2 が与えられ、図2(c) に示すように、このパル
ス幅に対応する期間、水平スキャナゲート5が開き(水
平スキャナゲート5下の電位のポテンシャルが深くな
り)、蓄積ゲート40a,40b,40cの下の電位の
井戸に蓄積された電荷は、出力ダイオード12の電位の
井戸に転送されて蓄積される(読み出される)。
【0031】このような本実施例の赤外線撮像素子で
は、電荷蓄積部40Bに3つに分割された蓄積ゲート4
0a,40b、40cが形成されているので、VS1<V
S2<VS3の関係にある定電圧VS1,VS2,VS3を、蓄積
ゲート40aに対してVS1、蓄積ゲート40bに対して
VS2、蓄積ゲート40cに対してVS3が対応するように
印加すると、図2に示すように、これら蓄積ゲート40
a,40b、40c下には、水平スキャナゲート5の方
向に段階的に次第にその深さが深くなる電位の井戸を形
成することができる。従って、蓄積ゲート40a,40
b、40c下の電位の井戸に蓄積された電荷を、出力ダ
イオード12の電位の井戸に転送する際、転送される電
荷には、上記第1の実施例と同様に、電荷の転送方向に
向かう電界を形成することができ、上記第1の実施例と
同様の作用,効果を得ることができる。
【0032】また、本実施例の赤外線撮像素子では、各
ゲート40a,40b、40cに与える電圧値を、動作
時にその都度変更することで、上記電荷の転送方向に向
かう電界の強さと方向性を制御することができるため、
井戸内の電荷量等に応じて、より高精度に最適な読み出
し時間(転送時間)を設定することができる。
【0033】尚、上記実施例では、蓄積ゲートを3つに
分割して、電位の井戸の深さの変化を三段階にしてある
が、蓄積ゲートを4つ以上に分割して、各ゲートに異な
った電圧を印加して、電位の井戸の深さを4段階以上に
変化させるようにしてもよい。
【0034】
【発明の効果】以上のように、この発明にかかる赤外線
撮像素子によれば、電荷蓄積部の蓄積ゲート下に、電荷
の転送方向に向かってその深さが段階的に深くなる電位
の井戸を形成したので、この井戸内に電荷の転送方向に
向かう電界が形成され、その結果、該蓄積ゲート下の電
位の井戸に蓄積された電荷を出力ダイオードへ読み出す
際の読み出し速度が速くなり、読み出し時間を短縮する
ことができる。従って、この赤外線撮像素子をTVフレ
ームで動作する際、従来にくらべて短い読み出し時間内
に多くの電荷を読み出すことが可能になり、画像劣化を
生ずることなくフレームレートを向上できる効果があ
る。
【0035】また、この発明にかかる赤外線撮像素子に
よれば、電荷蓄積部から出力ダイオードへ電荷を読み出
す際の、読み出し速度が速くなることから、一定時間内
に多くの電荷を読み出すことができ、濃淡の変化が明確
な分解能に優れた出力画像を得ることができる効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施例による赤外線撮像素子
の構成をP型シリコン基板内に形成される電位ポテンシ
ャル(電位の井戸)とともに示した等価回路図である。
【図2】この発明の第2の実施例による赤外線撮像素子
の構成をP型シリコン基板内に形成される電位ポテンシ
ャル(電位の井戸)とともに示した等価回路図である。
【図3】この発明の第1の実施例による赤外線撮像素子
の電荷蓄積部とその周辺部の構造を示す断面図と平面図
である。
【図4】この発明の第2の実施例による赤外線撮像素子
の電荷蓄積部とその周辺部の構造を示す断面図と平面図
である。
【図5】この発明の実施例による赤外線撮像素子の読み
出しクロックφH2 のパルス波形と出力信号DVO2の電
圧波形とを示す図である。
【図6】従来の赤外線撮像素子の概略構成を示すブロッ
ク図である。
【図7】従来の赤外線撮像素子の外観構成をを示す模式
図である。
【図8】従来の赤外線撮像素子を備えた赤外線撮像値装
置の構成を示すブロック図である。
【図9】従来の赤外線撮像素子の構成をP型シリコン基
板内に形成される電位ポテンシャル(電位の井戸)とと
もに示した等価回路図である。
【図10】従来の赤外線撮像素子のゲートに与えられる
クロックのタイミングチャートと出力信号の電圧波形と
を示した図である。
【図11】従来の赤外線撮像素子の電荷蓄積部とその周
辺部の構造を示す断面図と平面図である。
【符号の説明】
1a〜1i,1A フォトダイオード 2,2a〜2i 垂直スキャナゲート 3 垂直スキャナ 4a 注入ゲート 4b,40 ,40a〜40c 蓄積ゲート 4,4x〜4y,40A,40b 電荷蓄積部 5 水平スキャナゲート 6 水平スキャナ 7 FDA出力回路 7a FDA出力ゲート 7b FDAソースフォロア 7c 抵抗 8 出力端子 9 FDAリセットゲート 10 FDAリセットドレイン 11 入力ダイオード 12 出力ダイオード 13 オーバフロー電極 14 オーバフロードレイン 50 赤外線撮像素子 50a P−シリコン基板 51 スキャンコンバータ 52 TVモニタ 53 タイミングジェネレータ 60,60a 絶縁膜 100 赤外線撮像装置 A,B 実読み出し時間
【手続補正書】
【提出日】平成5年1月18日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正内容】
【0005】一方、図8は上記赤外線撮像素子50から
得られる出力信号を映像信号に変換し、TVモニタに画
像を映し出すように構成された赤外線撮像装置の構成を
示すブロック図であり、図において、100は赤外撮像
装置であり、該赤外撮像装置100は、赤外線撮像素子
50,赤外線撮像素子50における電荷の蓄積と転送
(出力)のタイミイングを決定するタイミイグジェネレ
ータ53、赤外線撮像素子50から出力された電荷を映
像信号に変換するスキャンコンバータ51,スキャンコ
ンバータ51からの映像信号を可視画像として映し出す
TVモニタ52とから構成されている。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正内容】
【0006】図10は、上記赤外線撮像素子50の各ゲ
ートに与えられるクロックφV,クロックφRS,クロ
ックφR,クロックφHのタイミングチャートと出力
端子8から得られる出力信号の電圧波形とを示した図で
ある。尚、クロックφV,クロックφHはそれぞれ垂
直スキャナ3,水平スキャナ6から発生し、クロックφ
RS,クロックφRは図示しない他のスキャナからぞれ
ぞれ発生する。また、これらクロックのタイミングは、
例えば、上述した図8の赤外線撮像装置100では、タ
イミイグジェネレータ53によって決定される。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】そして、図9(a) に示すように、選択され
た1行のフォトダイオードの各フォトダイオード1Aで
発生した電荷は、オーバーフロー電極13に与えられる
クロックφRSと垂直スキャナゲート2に与えられるク
ロックφVが共にHighレベルの間は、垂直スキャナ
ゲート2,入力ダイオート11の電位の井戸を通って蓄
積ゲート4b下に形成された電位の井戸に転送され、オ
ーバーフロー電極13を通して、オーバーフロードレイ
ン14に捨てられる。次に、クロックφRSがLowレ
ベルになっオーバーフロー電極13が閉じられると、図
9(b) に示すように、垂直スキャナゲート2を通って蓄
積ゲート4b下に転送される電荷は、該蓄積ゲート4b
下に形成された電位の井戸に蓄積されていく。そして、
この電位の井戸に電荷が蓄積された後、FDAリセット
ゲート9に与えられるクロックφRがHighレベルに
なり、FDAリセットゲート9のゲートが開くと、FD
Aリセットドレイン10に図示しない定電圧源が接続さ
れていることから、出力ダイオード12の電位が高くな
り、出力端子8の電圧も立ち上がる。この後、このクロ
ックφRがHighレベルからLowレベルに変わり、
再び、出力ダイオード12に電位の井戸が形成され、こ
の状態で水平スキャナゲート5に、図10に示す一定の
繰り返し周期と一定のパルス幅からなる読み出しクロッ
クφHが与えられると、蓄積ゲート4b下の電位の井
戸に蓄積された電荷は、このクッロクがHighレベル
にある間、即ち、水平スキャナゲート5のゲートが開い
ている間、図9(c) に示すように、出力ダイオード12
の電位の井戸に転送される(読み出される)。ここで、
読み出しクロックφHの1パルスは、1個の水平スキ
ャナゲート5のゲートを開く時間に相当し、この読み出
しクロックφHにより、図6に示すFDA出力回路7
から遠い位置にある水平スキャナゲート5aのゲートか
ら水平スキャナゲート5b,水平スキャナゲート5cの
順にゲートが開かれて、順次電荷が読み出される。そし
て、このようにして、電荷蓄積部4に蓄積された各フォ
トダイオードの電荷が出力ダイオード12に読み出され
る度毎に、FDA出力ゲート7aのゲート電圧が変動
し、FDAソースフォロア7bに接続された図示しない
定電圧源から該FDA出力ゲート7aに流れる電流値が
低下し、出力端子8からは、図10に示す電圧波形を有
する出力信号DV0 が得られる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】尚、上記動作において、上述したように、
読み出しクロックφHのパルス幅が1個のフォトダイ
オード(画素)から電荷を読み出すための読み出し時間
になり、そして、この読み出し時間は、通常、図10の
出力信号の出力電圧に示した水平スキャナゲート5のゲ
ートを開いた後、蓄積ゲート4b下の電位の井戸から、
電荷が実際に出力ダイオード12に形成された電位の井
戸に完全に転送されるまでの時間(以下、実読み出し時
間と呼ぶ。)と同じか或いは若干大きくなるように決め
られている。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】一方、図11は上記従来の赤外線撮像素子
50の電荷蓄積部4とその周辺部の構造を示す平面図と
断面図で、図11(a) はp型シリコン基板50aの上面
に対する垂直方向から見た平面図、図11(b) は図11
(a) のXIb −XIb 線における断面図である。図におい
て、図6〜9と同一符号は同一または相当する部分を示
し、60はその膜厚が500オングストローム程度のシ
リコン酸化膜からなる絶縁膜である。この図から分かる
ように、従来の赤外線撮像素子50の電荷蓄積部4を構
成する蓄積ゲート4bは、フォトダイオード自体が、そ
の特性上、多量の電荷を発生することから、多量の電荷
が蓄積できるように、例えば、その幅が80μm程度,
長さが300μm程度となるように出力方向に対して細
長く形成し、ゲート下に形成される電位の井戸を拡大さ
せている。また、この蓄積ゲート4b下の電位の井戸か
ら出力ダイオード12の電位の井戸への電荷の転送は、
その電荷自体がもつ自己電界によるドリフト(se
induced drift)とこの電荷のその周囲
(即ち、p型基板自体)の熱による熱拡散(therm
al diffusion)とによって行われ、電荷が
蓄積ゲート下の電位の井戸に多くある転送の初期段階で
は、電荷が持つ自己電界によるドリフト効果が大きく、
電荷は速やかに出力ダイオード12の電位の井戸に転送
される。しかしながら、電荷がある程度転送された転送
の後半段階では、自己電界によるドリフト効果が低下
し、熱拡散のみによって転送が行われため、蓄積ゲート
4b下の出力方向への長さが増大するにつれて、この転
送の後半段階における転送時間が長くなり、電荷の転送
に要する時間(即ち、実読み出し時間)が長くなる。こ
のため、上記のように、多くの電荷が蓄積できるように
蓄積ゲート4bを出力方向に対して長く形成した場合
は、この電荷を完全に出力ダイオードの電位の井戸に転
送する(読み出す)ためには、水平スキャナゲート5に
与える読み出しクロックφHのパルス幅を長くして、
水平スキャナゲート5のゲートを開く時間、即ち、読み
出し時間を長くしなければならない。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】しかしながら、従来の赤外線撮像素子で
は、上述したように、蓄積ゲート4bに蓄積する電荷量
を増大するために、蓄積ゲート4bを出力方向に長く形
成すると、それに応じて、蓄積ゲート4b下の電位の井
戸から出力ダイオード12に電荷を転送するための時間
(実読み出し時間)が長くなり、TVフレームで動作さ
させるために、水平スキャナゲート5に与える読み出し
クロックφHのパルス幅(読み出し時間)を1μs以
下にすると、蓄積ゲート下の電位の井戸から出力ダイオ
ードに読み出される電荷量が減少してしまい、得られる
画像の分解能を低下させてしまうという問題点があっ
た。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正内容】
【0017】
【実施例】以下、この発明の実施例を図について説明す
る。 (実施例1)図3は、この発明の第1の一実施例による
赤外線撮像素子の電荷蓄積部とその周辺部の構造を示す
断面図であり、図1はこの赤外線撮像素子の構成をP型
シリコン基板50a内に形成される電位ポテンシャル
(電位の井戸)とともに示した等価回路図である。これ
らの図において、図9,11と同一符号は同一または相
当する部分を示し、この赤外線撮像素子では、電荷蓄積
部40Aの蓄積ゲート40が、出力方向に、即ち、注入
ゲート4a側から水平スキャナゲート5側に向けて階段
状に形成され、該蓄積ゲート40下の絶縁膜60aが、
注入ゲート4a側から水平スキャナゲート5側に向けて
その厚みが段階的に小さくなるように形成されている。
そして、この蓄積ゲート40に、定電圧VS が印加され
ると、この絶縁膜60aの厚みの差により、蓄積ゲート
40下の電界強度が、注入ゲート4a側で小さく、水平
スキャナゲート5側で大きくなり、その深さが注入ゲー
ト4a側で浅く,水平スキャナゲート5側で深くなるよ
う段階的に変化した電位の井戸が形成される。ここで、
絶縁膜60aは、ゲートに印加される電圧VS によって
も異なるが、例えば、500オングストロームを中心の
膜厚としてその両サイドの膜厚を、500オングストロ
ームより±300オングストームの範囲で厚く及び薄
くなるよう形成されている。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正内容】
【0019】また、この赤外線撮像素子の全体構成は、
図6,7に示した従来の赤外線撮像素子と基本的に同じ
であり、図6中の電荷蓄積部4x〜4yが、この電荷蓄
40Aに置き換えられて構成されている。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正内容】
【0023】図5は、この赤外線撮像素子の水平スキャ
ナゲート5に与えられる読み出しクッロクφHの1パ
ルスの波形(図5(a) )と、出力端子8から得られる出
力信号の1画素分の電圧波形DVO (図5(b)とを示
した図であり、図中符号A,Bは実読み出し時間を示し
ている。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正内容】
【0024】以下、図1,図5に基づき、且つ、図10
を参照して動作を説明する。フォトダイード1Aから電
荷蓄積部40Aの蓄積ゲート40下に電荷が転送され、
該蓄積ゲート40下の電位の井戸に電荷が蓄積されるま
では従来と同じであり、垂直スキャナゲート2,オーバ
ーフロー電極13に、それぞれ図10に示すクロックφ
VとφRSと同じクロックが与えられ、オーバーフロー
電極13に与えられるクロックφRSがHighレベル
の間は、フォトダイード1Aから電荷蓄積部40Aの
蓄積ゲート40下に転送される電荷は、蓄積ゲート40
下の電位の井戸から、オーバーフロー電極13を通って
オーバーフロードレインに捨てられる。次に、クロック
φRSがLowレベルになると、フォトダイオード1A
から電荷蓄積部40Aの蓄積ゲート40下に転送される
電荷は、図1(a) に示すように、該蓄積ゲート40下の
その深さが、水平スキャナゲート5側に向けて次第に深
くなるよう形成された電位の井戸に蓄積される。次い
で、一定時間経過後、FDAリセットゲート9に図10
に示すクロックφRと同じクロックが与えられると、F
DAリセットゲート9のゲートが開き、FDAリセット
ドレイン10には図示しない定電圧源が接続されている
ことから、出力ダイオード12の電位が高くなり、出力
端子8の電圧も立ち上がる。この後、FDAリセットゲ
ート9に与えられるがクロックφRがHighレベルか
らLowレベルに変わり、出力ダイオード12に電位の
井戸が形成される。そして、この状態で水平スキャナゲ
ート5に、図5に示す、従来の読み出しクロックφH
に比べて、そのパルス幅の短くなった読み出しクロック
φHが与えられると、図1(c) に示すように、このパ
ルス幅に対応する期間(読み出し時間)だけ、水平スキ
ャナゲート5が開き(水平スキャナゲート5下の電位が
深くなり)、蓄積ゲート40下の電位の井戸に蓄積され
た電荷は、出力ダイオード12の電位の井戸に転送され
る(読み出される)。ここで、転送される電荷には電荷
自体によって得られる自己電界作用と熱拡散作用以外
に、蓄積ゲート40下の電位の井戸の深さの変化によっ
て形成される転送方向への電界が作用し、この間の転送
速度、特に、電荷が井戸内に少なくなった転送の後半段
階における転送速度が速くなる。このようにして、出力
ダイオード12の電位の井戸に電荷が転送されると、出
力端子8から図5に示す出力信号DVO が得られる。
この出力信号DVO は、上記出力ダイオード12に形
成された電位の井戸に転送される電荷の電荷量に応じ
て、出力端子8の電圧レベルが低下することにより得ら
れるもので、従来に比べて電荷の転送速度(読み出し速
度)が速くなることから、図5に示すように、従来の赤
外線撮像素子から得られる出力信号DVO に比べて、
その電圧レベルの低下(減衰)のしかたが急峻になり、
実読み出し時間(図中符号A)が従来のそれ(図中符号
B)に比べて短くなる。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正内容】
【0030】オーバーフロー電極13に与えられるクロ
ックφRSがLowレベルになると、フォトダイード1
Aから電荷蓄積部40Aの蓄積ゲート40a,40b,
40cの下に下に転送される電荷は、図2(b) に示すよ
うに、互いに異なる電圧値の定電圧VS1,VS2,VS3が
蓄積ゲート40a,40b,40cに対して印加され
て、これらゲート40a,40b,40c下に、その深
さが水平スキャナゲート5の方向に向かって段階的に深
く形成された電位の井戸に蓄積される。そして、この
後、上記第1の実施例と同様に、出力ダイオード12の
電位の井戸がリセットされ、出力端子8の電圧が立ち上
げられた後、FDAリセットゲート9に与えられるクロ
ックφRがHighレベルからLowレベルに変わり、
出力ダイオード12に再び電位の井戸が形成されると、
水平スキャナゲート5に、図5に示す、読み出しクロッ
クφHが与えられ、図2(c) に示すように、このパル
ス幅に対応する期間、水平スキャナゲート5が開き(水
平スキャナゲート5下の電位のポテンシャルが深くな
り)、蓄積ゲート40a,40b,40cの下の電位の
井戸に蓄積された電荷は、出力ダイオード12の電位の
井戸に転送されて蓄積される(読み出される)。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施例による赤外線撮像素子
の構成をP型シリコン基板内に形成される電位ポテンシ
ャル(電位の井戸)とともに示した等価回路図である。
【図2】この発明の第2の実施例による赤外線撮像素子
の構成をP型シリコン基板内に形成される電位ポテンシ
ャル(電位の井戸)とともに示した等価回路図である。
【図3】この発明の第1の実施例による赤外線撮像素子
の電荷蓄積部とその周辺部の構造を示す断面図と平面図
である。
【図4】この発明の第2の実施例による赤外線撮像素子
の電荷蓄積部とその周辺部の構造を示す断面図と平面図
である。
【図5】この発明の実施例による赤外線撮像素子の読み
出しクロックφHのパルス波形と出力信号DVO
電圧波形とを示す図である。
【図6】従来の赤外線撮像素子の概略構成を示すブロッ
ク図である。
【図7】従来の赤外線撮像素子の外観構成をを示す模式
図である。
【図8】従来の赤外線撮像素子を備えた赤外線撮像値装
置の構成を示すブロック図である。
【図9】従来の赤外線撮像素子の構成をP型シリコン基
板内に形成される電位ポテンシャル(電位の井戸)とと
もに示した等価回路図である。
【図10】従来の赤外線撮像素子のゲートに与えられる
クロックのタイミングチャートと出力信号の電圧波形と
を示した図である。
【図11】従来の赤外線撮像素子の電荷蓄積部とその周
辺部の構造を示す断面図と平面図である。
【符号の説明】 1a〜1i,1A フォトダイオード 2,2a〜2i 垂直スキャナゲート 3 垂直スキャナ 4a 注入ゲート 4b,40 ,40a〜40c 蓄積ゲート 4,4x〜4y,40A,40b 電荷蓄積部 5 水平スキャナゲート 6 水平スキャナ 7 FDA出力回路 7a FDA出力ゲート 7b FDAソースフォロア 7c 抵抗 8 出力端子 9 FDAリセットゲート 10 FDAリセットドレイン 11 入力ダイオード 12 出力ダイオード 13 オーバフロー電極 14 オーバフロードレイン 50 赤外線撮像素子 50a P−シリコン基板 51 スキャンコンバータ 52 TVモニタ 53 タイミングジェネレータ 60,60a 絶縁膜 100 赤外線撮像装置 A,B 実読み出し時間
【手続補正14】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【手続補正15】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】
【手続補正16】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正内容】
【図3】
【手続補正17】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図5
【補正方法】変更
【補正内容】
【図5】
【手続補正18】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図6
【補正方法】変更
【補正内容】
【図6】
【手続補正19】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図9
【補正方法】変更
【補正内容】
【図9】
【手続補正20】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図10
【補正方法】変更
【補正内容】
【図10】

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アレイ状に配設された複数のフォトダイ
    オードからなる受光部と、そのゲートに与えられる所定
    クロックにより、上記複数のフォトダイオードで発生し
    た電荷を、選択された1行のフォトダイオード毎に読み
    出す第1の電荷読み出しゲートと、該第1の電荷読み出
    しゲートによって読み出された電荷をその内部の蓄積ゲ
    ート下の電位の井戸に蓄積する電荷蓄積部と、そのゲー
    トに与えられる所定クロックにより、上記電荷蓄積部に
    蓄積された電荷を、フォトダイオード1個分の電荷毎に
    出力ダイオードに読み出す第2の電荷読み出しゲート
    と、上記出力ダイオードに接続され、上記出力ダイオー
    ドに読み出される電荷により、その電荷量に応じた出力
    信号を発生する出力回路とを備えてなる赤外線撮像素子
    において、 上記蓄積ゲート下の電位の井戸が、その底が電荷の読み
    出し方向に向けて段階的に深くなるよう形成されている
    ことを特徴とする赤外線撮像素子。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の赤外線撮像素子におい
    て、 上記蓄積ゲート下の絶縁膜の膜厚が、上記電荷の読み出
    し方向に向けて段階的に小さくなっていることを特徴と
    する赤外線撮像素子。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の赤外線撮像素子におい
    て、 上記蓄積ゲートが上記電荷の読み出し方向に複数に分割
    され、各ゲートに印加される電圧が、電荷の読み出し方
    向のゲートほど高くなっていることを特徴とする赤外線
    撮像素子。
JP4236555A 1992-08-11 1992-08-11 赤外線撮像素子 Pending JPH0661465A (ja)

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