JPH0659685U - クランプ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ワイヤハーネスの配設経路が屈曲した部位に
おいて、回動係止部とクランプ係止部とが外れを生ずる
ことがなく、従来のブラケットとの互換性を保ってワイ
ヤハーネスを配設することのできる。 【構成】 ワイヤハーネスの結束部と、ボデーに設けた
ブラケットに固定するためのブラケット嵌合部を有する
クランプにおいて、ワイヤハーネスを結束し係止させる
回動係止部の先端を延長して、前記ボデーに設けたブラ
ケットの取付孔に係止可能に第２の回動係止部を設け
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、ワイヤハーネス等を配設するためのクランプに関する。

【０００２】 従来、この種の例えば車両等のエンジンルーム、あるいはカウル部等に配設さ れるワイヤハーネスＷは図４に示すように分岐線Ｗａを含めて比較的径の太いワ イヤハーネスＷに結束されるとともに、その外周に保護管としてのコルゲートチ ューブ１により包着され、その配設経路のボデー側の所定の位置に溶着手段ある いは締結部材により取付けられたブラケット２にクランプ３を介して配設されて いる。

【０００３】 このクランプ３は合成樹脂等により成形されるもので、図５，図６に示すよう にワイヤハーネスＷの結束部４とブラケット２を嵌合係止するブラケット嵌合部 １１とからなり、この結束部４はコルゲートチューブ１の外径に沿う略半円弧状 の取付部材５と保持部材６とが薄肉状のヒンジ部７を介してワイヤハーネスＷを 包着したコルゲートチューブ１の外周を把持可能に所定の径の略円筒形状の合せ 型に形成され、この両部材５，６の内周面の左右の端部寄りの所定の位置にはコ ルゲートチューブ１の複数の凸部を跨いでその凹部に嵌込み可能に断面略山形状 のリブ８ａ，８ｂが形成され、保持部材６の回動端側には先端に係止爪１０を有 する回動係止部９が上設されている。

【０００４】 この取付部材５のヒンジ部７の反対側にはブラケット２および保持部材６を回 動係止するブラケット嵌合部１１が形成されている。このブラケット嵌合部１１ にはその下方よりブラケット２を嵌合挿入する溝部１２が形成され、この溝部１ ２の外側片１３の中心より左右に所定の間隔でスリット溝１４が形成されて弾性 能を有するブラケット係止部１５が形成され、このブラケット係止部１５の内側 面の所定の位置にはブラケット２に貫設した略三角形状の取付孔２ａ（一辺１０ mm程度の正三角形状）に嵌合係止する略三角形状の係止爪１６が形成されている 。また、嵌合部１１の上部側には回動係止部９を挿入する溝部１７が形成され、 この溝部１７の内側片１８の中心より左右に所定の間隔でスリット溝１９が形成 されて弾性能を有するクランプ係止部２０が形成され、その上端には回動係止部 の係止爪１０と係合する係合爪２１が形成されている。このように形成されたク ランプ３の結束部４の取付部材５にワイヤハーネスＷにコルゲートチューブ１を 外嵌した状態でそのリブ８ａに凹部を嵌め込み、保持部材６を回動し前記回動係 止部９をブラケット嵌合部１１の溝部１７に挿入して係止爪１０をクランプ係止 部２０の係合爪２１に係合することで結束固定され、この状態でボデー側に配設 固定されたブラケット２をブラケット嵌合部１１の溝部１２に挿入してその取付 孔２ａと係止爪１６を係合することでワイヤハーネスＷは配設固定される。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、このワイヤハーネスＷをコルゲートチューブ２により包着して 状態で、図４に示すように配設経路が屈曲したＲ部位に同クランプ３を使用した 場合、ワイヤハーネスＷの個々の分岐線Ｗａが太い場合には、この屈曲部位Ｒの 反力がクランプ３に作用して、クランプ係止部２０と回動係止部９との係合が外 れる場合があり、この係止部９，２０の外れにより異音の発生、ワイヤハーネス Ｗの短絡につながる等の問題点があった。

【０００６】 本考案は、上記したワイヤハーネスの配設経路が屈曲した部位において、回動 係止部とクランプ係止部とが外れを生ずることがなく、従来のブラケットとの互 換性を保ってワイヤハーネスを配設することのできるクランプを提供することを 目的とするものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案は、上記技術課題を解決するため、ワイヤハーネスの結束部と、ボデー に設けたブラケットに固定するためのブラケット嵌合部を有するクランプにおい て、ワイヤハーネスを結束し係止させる回動係止部の先端を延長して、前記ボデ ーに設けたブラケットの取付孔に係止可能に第２の回動係止部を設ける構成とし たクランプに存する。

【０００８】

【作用】

上記構成としたことにより、クランプ係止部に対する回動係止部の外れを第２ 回動係止部により規制するように機能する。

【０００９】

【実施例】

次に、本考案の一実施例を図面にしたがって説明すると、図１はクランプ２５ の展開した正面図、図２は保持部材６を回動してブラケット嵌合部１１に係止し た状態の正面図、図３はブラケット係止部１５の係止爪２６とブラケット２の取 付孔２ａおよび保持部材６の回動係止部９に延出形成した第２回動係止部２７と の関係の説明図である。なお、このクランプ２５の結束部４の取付部材５および 保持部材６とブラケット嵌合部１１はほぼ同様に構成され、その一部を変更した もので同位の部位には同じ符号を付し変更部分について詳述する、

【００１０】 本例クランプ２５は従来と同様に結束部４は取付部材５と保持部材６とがヒン ジ部７を介して所定の径の略円筒形状の合せ型に形成され、この取付部材５の一 端側に形成されたブラケット嵌合部１１に形成されたブラケット係止部１５に形 成され、ブラケット２の取付孔２ａに係合される係止爪２６は図３に示すように 形成されている。このブラケット２に貫設された取付孔２ａに係合される係止爪 ２６は従来の係止爪１６は同三角形状の係止孔２ａ全体に嵌合係止する形状に形 成されているが、本例においては図示のように係止爪２６は逆三角形状の取付孔 ２ａの頂点側の一部と係合する小さな相似形状の三角形状に形成され、同逆三角 形状の取付孔２ａの底辺２ｂ側には残余の孔部２ｃが形出するように形成されて いる。

【００１１】 また、保持部材６側に形成して回動係止部９の上端の中央部には所定の幅（取 付孔２ａに辺１０mm相当）で上方へ所定の長さの第２回動係止部２７が延出形成 され、この第２回動係止部２７には係止爪１０とは反対側に突出して上記ブラケ ット２の取付孔２ａの残余の孔部２ｃ、すなわち、底辺２ｂと嵌合係合する傾斜 状の案内面２８ａを有する爪体２８が形成されている。

【００１２】 このように形成されたクランプ２５はそのブラケット嵌合部１１のブラケット 係止部１５側の溝部１７のブラケット２を挿入すると、同ブラケット係止部１５ に突設されて係止爪２６は逆三角形状の取付孔２ａの頂点側に弾性係合される。 そしてコルゲートチューブ１を外嵌したワイヤハーネスＷを屈曲状Ｒにした状態 で取付部材５に上記と同様にコルゲートチューブ１の凹部をリブ８ａに嵌め込み 、さらに、保持部材６をヒンジ部７を介して回動してその先端側に形成した第２ 回動係止部２７を溝部１７側の上部より挿入し、さらに、回動係止部９も挿入す ると先端側の第２回動係止部２７の爪体２８はその案内面２８ａを介してブラケ ット２の端縁に案内されてブラケット２に乗上げて弾性変形され、さらに挿入す ると取付孔２ａの残余の孔部２ｃに臨むと同時に弾性復元して同爪体２８は残余 の孔部２ｃに弾性係合される。この爪体２８の係合と同時に回動係止部９の係止 爪１０はクランプ係止部２０の係合爪２１と係合されてクランプ２５はブラケッ ト２に係止固定されてワイヤハーネスＷは屈曲部位Ｒに配設される。

【００１３】 このようにクランプ２５の保持部材６はその端部に形成した回動係止部９と、 さらに同係止部９より延出形成した第２回動係止部２７を形成して、この第２の 回動係止部２７の爪体２８をブラケット２の取付孔２ａのブラケット係止部１５ を係止した残余の孔部２ｃに係合し、回動係止部９をクランプ係止部２０に係止 する２位置で係止する構成としたものであるから、従来のように配設経路の屈曲 部位Ｒに配設してワイヤハーネスＷの屈曲部位Ｒの反力がクランプ２５に作用し て、クランプ係止部２０と回動係止部９との係合が外れ方向へ移動しようとして も、同回動係止部９より延出した第２回動係止部２７が下方の取付孔２ａ側と係 合されているのでその外れ方向への移動が阻止されて外れを防止することができ 、異音の発生、短絡等を防止することができる。また、クランプ２５の形状は第 ２回動部材２７の形成と、ブラケット係止部１５の係止爪２６を若干小さな相似 形状の三角形状に形成するのみであるから多くの型変更を要することがなく、従 来既存のブラケット２を使用して互換性を有する経済性がある。

【００１４】

【考案の効果】

本考案は、上記したようにクランプの保持部材はその端部に形成した回動係止 部と、さらに、この回動係止部より延出形成した第２回動係止部を形成して、こ の第２の回動係止部の爪体をブラケットの取付孔のブラケット係止部を係止した 残余の孔部に係合し、回動係止部をクランプ係止部に係止する２位置で係止する 構成としたものであるから、配設経路の屈曲部位に配設してワイヤハーネスの屈 曲部位の反力がクランプに作用して、クランプ係止部と回動係止部との係合が外 れ方向へ移動しようとしても、同回動係止部より延出した第２回動係止部が下方 のブラケットの取付孔側と係合されているのでその外れ方向への移動が阻止され て外れを防止することができ、異音の発生、短絡等を防止することができる。ま た、クランプの形状は第２回動部材の形成と、ブラケット係止部の係止爪を若干 小さな相似形状の三角形状に形成するのみであるから、多くの型変更を要するこ とがなく、また、従来既存のブラケットを使用して互換性を有する経済性がある 。

【図面の簡単な説明】

【図１】クランプの展開正面図である。

【図２】保持部材を回動してブラケット嵌合部に係止し
た状態の正面図である。

【図３】ブラケット係止部の係止爪とブラケットの取付
孔および保持部材の回動係止部に延出形成した第２回動
係止部との関係の説明図である。

【図４】ワイヤハーネスの配設の説明図である。

【図５】従来のクランプの展開正面図である。

【図６】同じくクランプのブラケット係止部側の側面図
である。

【符号の説明】

２ ブラケット ２ａ 取付孔 ４ 結束部 ５ 取付部材 ６ 保持部材 ９ 回動係止部 １１ ブラケット嵌合部 １５ ブラケット係止部 ２０ クランプ係止部 ２５ クランプ ２６ 係止爪 ２７ 第２回動係止部 Ｗ ワイヤハーネス

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ワイヤハーネスの結束部と、ボデーに設
   けたブラケットに固定するためのブラケット嵌合部を有
   するクランプにおいて、ワイヤハーネスを結束し係止さ
   せる回動係止部の先端を延長して、前記ボデーに設けた
   ブラケットの取付孔に係止可能に第２の回動係止部を設
   ける構成としたクランプ。