JPH0659402B2 - マイクロカプセルの製造方法 - Google Patents

マイクロカプセルの製造方法

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JPH0659402B2
JPH0659402B2 JP59130867A JP13086784A JPH0659402B2 JP H0659402 B2 JPH0659402 B2 JP H0659402B2 JP 59130867 A JP59130867 A JP 59130867A JP 13086784 A JP13086784 A JP 13086784A JP H0659402 B2 JPH0659402 B2 JP H0659402B2
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    • B41M5/00Duplicating or marking methods; Sheet materials for use therein
    • B41M5/124Duplicating or marking methods; Sheet materials for use therein using pressure to make a masked colour visible, e.g. to make a coloured support visible, to create an opaque or transparent pattern, or to form colour by uniting colour-forming components
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
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    • B01J13/00Colloid chemistry, e.g. the production of colloidal materials or their solutions, not otherwise provided for; Making microcapsules or microballoons
    • B01J13/02Making microcapsules or microballoons
    • B01J13/06Making microcapsules or microballoons by phase separation
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明はマイクロカプセルの製造方法に関する。
更に詳細には、In-Situ重合法で得られるメラミン−ホ
ルムアルデヒド樹脂膜を有するマイクロカプセルの製造
方法に関する。
マイクロカプセルは、感圧記録紙等の記録材料、医薬
品、香料、農薬、接着剤、食品、接着剤、染料、溶剤、
防錆剤、液晶、健康食品などの多岐にわたる分野で検討
され、種々のものが実用化または実用化試験段階に至つ
ている。
とくに、疎水性物質(油状物および固体)のマイクロカ
プセル化については、既に数多くの技術が提案されそれ
らの中で、とくにゼラチンを用いたコアセルベーシヨン
法(相分離法)が主として、感圧複写紙向けに商業的規
模で生産されている。
しかしながら、ゼラチンとアニオン性高分子電解質とを
用いるコンプレツクスコアセルベーシヨン法マイクロカ
プセルについては、 (1)原理上、20%以上の高固型分濃度のマイクロカプ
セル液を得ることが困難であるため、輸送コストおよび
感圧複写紙に用いる場合に、多量の水分を蒸発させなけ
ればならず、作業速度、およびエネルギーコスト面で改
善の余地が大きいこと、 (2)カプセル膜材が天然物であるため、品質面および価
格面での変動が大きいこと、 (3)腐敗、凝集の傾向を有するため長期間の保存に耐え
られないこと、 などの問題点を有し、感圧複写紙の品質面、コスト面か
ら強く改良が求められていたものである。
このような要求に対する改良技術として、特開昭51-907
9号、同53-84881号等において、In-Situ重合法による尿
素ホルムアルデヒド樹脂、あるいはメラミンホルムアル
デヒド樹脂を膜材とする高濃度マイクロカプセル化法が
提案され、その後も種々改良技術が提案されている。
本発明はIn-Situ重合法に属するマイクロカプセル化法
に関するものであり、アニオン性電解質を含む水溶液中
に、疎水性の芯物質を乳化分散させた系のなかで、メラ
ミン−ホルムアルデヒド系樹脂を膜材とする疎水性物質
のマイクロカプセルの製造方法に於いて、アニオン性の
水溶性高分子界面活性剤として少なくとも(A)アクリ
ル酸とメタクリロニトリルとアクリルアミドアルキルス
ルホン酸および/またはアクリル酸のスルホアルキルエ
ステル、または、(B)メタクリル酸とアクリロニトリ
ルとアクリルアミドアルキルスルホン酸および/または
アクリル酸のスルホアルキルエステル からなる単量体を共重合して得られる、アニオン性の水
溶性高分子界面活性剤を用いることを特徴とする。膜材
としてメラミン−ホルムアルデヒド樹脂を用いる方法
は、例えば、特開昭53-84881には、アニオン性高分子電
解質として、エチレン無水マレイン酸共重合、メチルビ
ニルエーテル無水マレイン酸共重合体、ポリアクリル酸
プロピレン無水マレイン酸共重合体、ブタジエン無水マ
レイン酸共重合体、酢酸ビニル無水マレイン酸共重合体
が提案されているが、このような重合体は溶解するのに
高温かつ長時間を要し、また出来上つたマイクロカプセ
ルスラリーの粘度が高いため、高固型分のカプセルスラ
リーを得ることは困難である欠点を有している。
また、特開昭54-49984号、同55-47139には、スチレンマ
レイン酸共重合体またはスチレンマレイン酸共重合体と
その他のマレイン酸共重合体の共重合体を併用した系に
おけるマイクロカプセル化方法の例が提案されている
が、スチレンマレイン酸共重合体は、水に対する溶解性
が悪いため、溶解にアルカリを加えながら高温長時間を
要し、かつ4以下の低いpHでは重合体の析出のため系の
増粘、分散破壊をおこすため、酸性サイドでのホルムア
ルデヒド除去操作を行なうことができないものであり、
かつ相対的に高粘度のマイクロカプセルを与える。
また、特開昭56-58536号は、フエニル基またはスルホフ
エニル基不含のスルホン酸基を有する化合物、具体的に
は、スルホエチル(メタ)アクリレート、スルホプロピ
ル(メタ)アクリレート、マレインイミド−N−エタン
スルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパン
スルホン酸の単独重合物、あるいはアルキルアクリレー
ト、ヒドロキシアルキルアクリレート、N−ビニルピロ
リドンとの共重合体水溶液中に、カプセルに封入される
芯材料を、乳化分散させたのち、メラミンホルムアルデ
ヒド予備縮合物を縮合の割合に応じて、連続的にまたは
少量ずつ添加する方法が提案されている。しかしなが
ら、この様な方法では、芯材料が油状の場合メラミン−
ホルムアルデヒド予備縮合物を添加し、カプセル壁が形
成される前の分散系は不安定であつて、強いせん断応
力、すなわち、強烈な攪拌条件下になれば、油滴の合一
化、粒子径生成傾向が大きいので、乳化粒子径を希望す
るサイズに設定することが難しく、かつメラミンホルム
アルデヒド予備縮合物を時間を要して、慎重に装入しな
いと、系全体がゲル化したり、あるいは凝集粒子の生成
が認められ、作業性の観点からも決して好ましいもので
はなかつた。なお、かつこの方法によれば、50wt%を
越える高固型分マイクロカプセルは得られない。
更に、特開昭56-155636号にそのもの自身は、酸性pHで
は芯物質に対する分散安定性を有しないがメラミンホル
ムアルデヒド初期縮合物との相互作用によつて芯材料と
なる液状物質に分散安定性を付与する物質を形成する重
合体とメラミンホルムアルデヒド初期縮合物とを含有す
る水性媒体を調製し、該分散安定性物質が形成されたの
ち芯材料を加え、安定な分散液を調製し更に酸触媒によ
り、メラミンホルムアルデヒド初期縮合物を縮合させ
て、カプセル壁膜を形成させる方法が提案された。
しかしながら、この方法では、メラミン−ホルムアルデ
ヒド初期縮合物と重合体との間で、芯物質に対する分散
安定性物質を形成させるためには、芯物質の存在前に部
分的縮合を低温で長時間行なう必要があり、その後芯材
料の乳化分散、昇温縮合させるものであり、重合体の存
在下でのメラミンホルムアルデヒド初期縮合物の部分的
縮合条件を厳密に管理しないと、乳化安定性不良で粒子
系の不揃いなカプセルが得られたり、カプセルの著しい
増粘傾向が認められる。また作業工程管理上からも問題
が残されていた。またこの方法では55wt%以上の固型
分を有するマイクロカプセルを得ることはできない。
本発明者等は、上記のような問題点をふまえ高固型分、
低粘度かつち密なマイクロカプセル壁を有し、総合的に
品質のすぐれたIn-Situ重合法マイクロカプセルの製造
方法について検討した結果、アニオン性水溶性高分子界
面活性剤を含む酸性条件下の水性媒体中で実質的にメラ
ミンホルムアルデヒド重縮合物を壁膜とするマイクロカ
プセルの製造方法において、前記アニオン性の水溶性高
分子界面活性剤として、少なくとも(A)アクリル酸と
メタクリロニトリルとアクリルアミドアルキルスルホン
酸および/またはアクリル酸のスルホアルキルエステ
ル、または、(B)メタクリル酸とアクリロニトリルと
アクリルアミドアルキルスルホン酸および/またはアク
リル酸のスルホアルキルエステル、 からなる単量体を共重合して得られる、アニオン性の水
溶性高分子界面活性剤を用いることにより、60wt%を
上廻る極めて高固型含量かつ低粘度でかつ膜のち密性に
すぐれたマイクロカプセルが得られることを見出し本発
明に到達した。
すなわち、本発明のマイクロカプセルの製造方法は前記
のアニオン性水溶性高分子の水溶液で疎水性芯物質を乳
化または分散させたのち、メラミンとホルマリンンまた
はメラミンホルムアルデヒド初期縮合物を加え、酸性pH
領域でメラミンホルムアルデヒドの重縮合反応を行なわ
せ、芯物質の回りにメラミンホルムアルデヒド重縮合物
の緻密な膜を形成させる方法である。
本発明の方法では、尿素ホルムアルデヒド重縮合物にく
らべて膜の緻密性、柔軟性に優れたメラミン−ホルムア
ルデヒド重縮合物を壁膜とするマイクロカプセルを広い
固型分濃度範囲(65wt%以上迄)にわたつて低い粘度
のマイクロカプセルが得られ、しかも、その製造方法は
従来提案された各種の方法にくらべて極めて作業性が良
い。
本発明の方法で用いられるアニオン性の水溶性高分子界
面活性剤(以下、高分子界面活性剤という)は前述のよ
うに少なくとも三種のアクリル性単量体の共重合体であ
つて、共重合の方法は公知の各種の方法が用いられる
が、好ましくは、水系でラジカル重合させる方法が用い
られる。このように水系でラジカル重合させた共重合体
は、一般に5〜30wt%の不揮発分を有する水溶液とし
て得られ、前述のマレイン酸共重合体のように溶解操作
が不要であり、マイクロカプセル化の作業工程を大幅に
簡素化できる。
高分子界面活性剤としては(A)アクリル酸20−70
モル%、メタクリロニトリル20−70モル%、アクリ
ルアミドアルキルスルホン酸および/またはアクリル酸
のスルホアルキルエステル0.5−20モル%、 または、(B)メタクリル酸20−70モル%、アクリ
ロニトリル20−70モル%、アクリルアミドアルキル
スルホン酸および/またはアクリル酸のスルホアルキル
エステル0.5−20モル%の単量体構成を有するもの
で、原料入手の容易さから、アクリル酸−アクリロニト
リル−2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホ
ン酸の共重合体が一般に用いられる。高分子界面活性剤
は、20wt%水溶液でpH4.0、25℃に於ける粘度が3
−100、000cps、より好ましくは10〜300cpsのものが用
いられる。20wt%水溶液の粘度が3cps未満の比較的
分子量の小さい共重合体の製造は難しく、また100、000c
psを越えるものはこれをマイクロカプセルの製造に用い
ると、出来あがつたマイクロカプセルスラリーの粘度が
高いため、高固型分マイクロカプセルの製造には不適当
である。
本発明の方法に用いられる高分子界面活性剤はpH2−1
4のいかなるpHに於いても白濁、析出、および著しい増
粘傾向は認められない。
したがつて、マレイン酸共重合体(エチレン無水マレイ
ン酸共重合体の加水分解物)の水溶液などのような大き
な粘度−pH依存性がなく、pHを上昇させた場合に、共重
合体水溶液およびそれを用いて得たマイクロカプセルス
ラリーの著しく粘度が高くなるような変化がないため、
極めて取扱いが容易である。
また、本発明のマイクロカプセルの一つの具体的な用途
である感圧複写紙への応用に際しては、一般に中性から
弱アルカリ性の塗料として支持体への塗工が行なわれる
ため、pH上昇による粘度変化がないことは塗工作業上か
らも極めて好都合である。
本発明の方法でマイクロカプセルの壁膜となるメラミン
ホルムアルデヒド重縮合物を芯物質の囲りに形成させる
ために用いられる出発材料としては、メラミンとホルム
アルデヒド、またはメラミンホルムアルデヒド初期縮合
物が用いられる。メラミンホルムアルデヒド初期縮合物
としては、メラミンとホルムアルデヒドとも加熱反応さ
せて得たメチロールメラミンを主成分とする透明な溶
液、メラミン一モル当り1.5−0.6モルのメチロール基を
有するメチロールメラミンまたはそれらの低次縮合物、
メチル化メチロールメラミン、ブチル化メチロールメラ
ミンまたはそれらの低次縮合物、フエノール類、ベンゾ
グアナミン、スルフアミン酸尿素などで変性されたメラ
ミンホルムアルデヒド初期縮合物などが例示される。
これらのなかで、使用前の安定性、取り扱いの容易さか
らみて、水溶性メチル化メチロールメラミンまたはそれ
らの水溶性が好ましい。
本発明の方法において、高分子界面活性剤の使用量は、
マイクロカプセル製造系の0.2−15wt%であり、用い
る水溶性高分子の種類、用いるカプセル膜形成出発物質
またはカプセル化される芯物質の種類、あるいはカプセ
ル製造条件等で異なるが一般的には、マイクロカプセル
製造系の1〜5wt%程度使用するのが一般的である。前
記の高分子界面活性剤に加えて、他のアニオン性水溶性
高分子、例えばエチレン無水マレイン酸共重合体、メチ
ルビニルエーテル無水マレイン酸共重合体、ポリアクリ
ル酸、スチレン無水マレイン酸共重合体、酢ビ無水マレ
イン酸共重合体、スチレンスルホン酸重合体または共重
合体、アニオン変性ポバール、アラビアゴム、セルロー
ス誘導体、などを適宜併用して用いることも可能であ
る。
本発明の方法で用いられるメラミンとアルデヒド、また
はメラミンアルデヒド初期縮合物と芯物質の比率は、一
般的には1:2〜1:20(wt/wt)の範囲であるが、芯
物質となる物質や用途によつて異なる。
本発明の方法で用いられるマイクロカプセル芯物質が、
水と混和しない液体または固体であり、実質的に水に対
して不活性な物質である。好ましい芯材料としては、疎
水性の液体があげられ、具体的な例としては、部分水素
化ターフエニル、塩素化パラフイン、ジアリルアルカ
ン、アルキルナフタレン、ジベンジルベンゼン誘導体、
アルキルベンゼン、パラフイン、シクロパラフインおよ
び各種のエステル類、例えばフタール酸、アジピン酸、
クエン酸、ミリスチン酸、トリメリツト酸、セバシン
酸、ステアリン酸、安息香酸、リン酸等のエステル含窒
素化合物、例えばニトロベンゼン、ジメチルアニリン、
ジメチル−p−トルイジンなどが挙げられる。また水に
不溶性の固体物質を分散した疎水性液体を芯物質として
用いることもできる。
本発明の方法を適用するに好適なものとして挙げられる
感圧複写紙用マイクロカプセルの製造では、フタリド誘
導体、フルオラン誘導体、アザフタリド誘導体、アシル
ロイコフエノチアジン誘導体、ロイコトリアリールメタ
ン誘導体、ロイコインドリールメタン誘導体、スピロピ
ラン誘導体、フタルイミジン誘導体などの色素前駆体物
質をアルキルナフタレン、ジアリルアルカン、部分水素
化ターフエニル等の疎水性高沸点溶剤に溶解したものが
芯物質として用いられる。
本発明の方法は、次のような工程による。
しかし、本発明の方法の特徴は、前記のような高分子界
面活性剤の存在下にマイクロカプセル化を行なうところ
にあり、次のような方法に制限されるものではない。
マイクロカプセル化の1例として、 1)高分子界面活性剤の水溶液を調製する工程、 2)この水溶液中に芯物質を乳化または分散する工程、 3)メラミンホルムアルデヒド壁膜形成物質の添加工
程、 4)メラミンホルムアルデヒド樹脂膜の形成によるマイ
クロカプセル形成工程、 5)(必要に応じて)残存ホルマリンの処理工程。
もちろん、これらの工程のなかで、必要に応じ任意の時
点で系のpHおよび温度を変化させる段階をも完含するも
のである。
他の例として、 1)高分子界面活性剤の水溶液を調製する工程、 2)メラミンホルムアルデヒド膜形成物質を添加混合す
る工程、 3)芯物質を添加し、乳化分散する工程、 4)メラミンホルムアルデヒド樹脂膜の形成によるマイ
クロカプセル形成工程、 5)(必要に応じて)残存ホルマリンの処理工程。
このような製法においては、前述の製造方法にくらべ
て、用いる芯物質によつては、乳化所要時間の短縮、お
よび乳化液滴の粒度分布幅が小さくなる効果が得られる
ことがある。
本発明で用いられる高分子界面活性剤は広いpH範囲、温
度範囲にわたつて芯物質に対して極めて安定な乳化分散
性を示し、かつ、メラミンホルムアルデヒド膜形成物質
の存在下でも、増粘傾向、芯物質粒子の合一化または凝
集による粒子の生長傾向はほとんど認められない極めて
良好な作業性を有する。
芯物質の乳化分散はホモミキサー、ホモジナイザー、超
音波ホモジナイザー、ワーリングブレンダー、フロージ
エツトミキサー、インラインミルなどの乳化機が目的に
より適宜選択されて使用される。
乳化分散液の好ましい粒子径はマイクロカプセルの用途
により異なるが、具体的な例として感圧複写紙用に用い
られる場合は平均粒子径2.8μ程度であり、粗大なマイ
クロカプセル粒子が多数存在することは弱い圧力により
マイクロカプセルの破壊による地汚れの原因となるので
好ましくない。
いずれの方法によつても、水溶性メラミン−ホルムアル
デヒド壁形成物質の重縮合によるマイクロカプセル膜形
成反応は芯物質の乳化分散液形成後、温度40〜90
℃、好ましくは50−80℃、かつpH3.0−6.5の範囲、
好ましくはpH4.0−5.5の範囲で1〜10時間の反応によ
り行なわれる。一般的には、上記条件で1〜2時間程度
保存することにより、メラミンホルムアルデヒド樹脂に
よるち密なマイクロカプセル壁膜が形成されるが、後刻
有機溶剤類に再分散して使用されるスポツトインキ用な
どに用いられる場合には、やや苛酷な条件下で、例えば
70℃以上で長時間反応させることにより、より架橋度
の高い、耐溶剤安定性にすぐれたマイクロカプセルを得
ることができる。また酸のアンモニウム塩(例えば塩化
アンモニウム)などの反応促進剤をマイクロカプセル形
成時に使用することも何らさしつかえない。
マイクロカプセル壁膜形成後、残存しているフリーのホ
ルムアルデヒドを除去減少させることが衛生上必要とさ
れるケースには尿素、エチレン尿素、亜硫酸塩、糖類、
アンモニア、アミン、ホルムアミド、ヒドロキシルアミ
ン塩(塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩)、メラミン、活性メ
チレン基を有する化合物、ヒドロキシアルキルアミン、
アクリルアミド、アクリルアミド系重合体、共重合体等
の添加と適切な反応条件下で、ホルムアルデヒドを無害
な形で変化させることにより、残存ホルマリンを除去す
ることができる。
本発明の方法で得られるマイクロカプセル液は前述のよ
うに広いpH範囲に於いて、凝集傾向なく、かつ低く安定
した粘度値を示すので、広範なホルムアルデヒド処理条
件に容易に対応できるとともに、一般的にバインダーそ
の他の材料と混合されて紙等の支持体に塗布される弱ア
ルカリ性の条件下でも粘度が変化しないので、コーテテ
イグ作業性も極めて良好である。
本発明のマイクロカプセルの製造方法により、従来、望
まれていながら行ない得なかつた、固型分60wt%を上
廻る超高固型濃度のマイクロカプセルが工業的規模でか
つ非常に低い粘度のスラリーとして得ることができるよ
うになる。これにより、カプセル製造設備の容積効率が
大きく向上し、カプセルの製造コスト、および輸送コス
トが大幅に改善される。
カプセルスラリーの高濃度低粘度化が可能となつたこと
よにより、従来よりカプセルスラリーを高固型分で塗布
させることが可能となり、その結果、塗膜乾燥時の水分
除去に必要なエネルギーが大幅に低下するため高速度塗
布が可能となる。更に、従来広範に使用されていたエア
ナイフコーター、バーコーターによる塗工方式のみなら
ず、より高濃度塗料の高速塗布用に適したブレードコー
ター、グラビアコーターなどによるコーテイングを可能
とすると共に、水性フレキソインキの高濃度化をも可能
とし、従来得ることの出来なかつた印刷方式による、全
面あるいは部分印刷方式のCB紙の実用化を可能とする
ものである。
また本発明の方法で得られたマイクロカプセルは、耐熱
安定性にも著しくすぐれているため、従来にない高濃度
とあいまつて、粉末カプセルとして取扱うための乾燥工
程たとえばスプレードライ方式などに必要な熱エネルギ
ーの大幅低減、作業の効率化を可能とする。
以下、実施例および比較例により本発明のマイクロカプ
セルの製造法について詳述する。
実施例−1 窒素雰囲気下で2−アクリルアミド−2−メチルプロパ
ンスルホン酸0.08モル(16.58部)をイオン交換水31
3部に溶解したのち20%NaOH水溶液でpHを7.5とし
た。ついで98%メタクリル酸0.58モル(58.90部)お
よび、アクリロニトリル0.36モル(19.10部)を添加し
て混合攪拌して均一水溶液を得た。
系を30℃迄加温保温したのち、過硫酸アンモニウムの
20%水溶液40部更に5分後の亜硫酸水素ナトリウム
の20%水溶液16部を加えたところで断熱状態で重合
を開始させた。重合熱により系は30分間で75℃迄昇
温した。その後系を75℃に1時間後保持したのち、冷
却し、20%NaOH水溶液でpHを4.0に調節して、アニオ
ン性水溶性高分子の20%水溶液(A)を得た。該水溶液
は25℃に於いて190cpsの粘度を有していた。
この水溶液(A)を用いて次のようにしてマイクロカプセ
ル化を行なつた。該水溶液(A)3O部を水で希釈して92.
4部とした水溶液(pH4.0)のなかに芯物質としてクリスタ
ルバイオレットラクトン3.0重量%およびベンゾイルロ
イコメチレンブルー0.8重量%を溶解したアルキルナフ
タレン(呉羽化学「KMC-113」)130部を加え、ホモミキサ
ー(特殊機化製)11000rpmの回転数で混合乳化させ、1
0分後に平均粒子径3.5μのO/W型の安定のエマルジヨン
を得た。攪拌下にメチル化メチロールメラミン樹脂水溶
液(不揮発分80wt%、三井東圧化学「ユーラミンT−
34」)24.4部を加えたのち、系を60℃に昇温して2
時間縮合させ冷却してマイクロカプセル化を終えた。
本例のマイクロカプセルスラリーは、63wt%の非常に
高い固型分を有し25℃に於ける粘度320cpsであつた。
残存ホルムアルデヒドを除去するために28%アンモニ
ア水を加えてpH8.5としたところホルマリン臭は消失
し、凝集傾向のない、290cpsの良好なマイクロカプセル
が得られた。
実施例−2 実施例−1で得られたマイクロカプセルスラリーを水で
希釈して、固型分と粘度の関係を調べた。粘度はいずれ
も25℃に於いてB型粘度計を用いて調べた。
実施例−3 実施例−1で作成したアニオン性水溶性高分子20%水
溶液(A)36部を水84部で希釈してpHを4.1に調節し
た。ここに80%不揮発分のメチル化メチロールメラミ
ン水溶液36部を加え、攪拌して均一水溶液を作成し
た。該水溶液中に、3−ジエチルアミノ−6−メチル−
7−アニリノフルオラン4.0重量%およびクリルタルバ
イオレツトラクトン0.5重量%を溶解したフエニルキシ
リルエタン(日本石油化学「ハイゾールSAS-296」)144
部を加え、ホモミキサー11000rpmで乳化したところ、3
分間で平均粒子径3.5μの安定なO/W型エマルジヨンが得
られた。該エマルジヨンは低粘度であり、非常に乳化安
定性にすぐれたものであつた。
以上の段階は系の温度25℃で実施した。
つづいてホモミキーをとり除き、ゆつくりした攪拌下
に、系をゆつくり70℃迄昇温させ、70℃で1時間カ
プセル壁の形成を行なつた。つづいて50%酢酸を加え
えてpHを4.5に調節したのち更に1時間反応を行なつ
た。その後冷却して、マイクロカプセル化を終えた。本
例のマイクロカプセルスラリーは、60wt%の高固型分
を有し、90cpsの低粘度であつた。このようにして得た
マイクロカプセルスラリー100部を取り、そのなかに使
用されたメチル化メチロールメラミンの1/10量の尿素を
加え、酢酸でpHを3.0としたのち昇温し、70℃で1時
間反応させて残存ホルムアルデヒドの除去を行ない最後
に20%水溶液でpHを9.5迄上昇させて、ホルマリン臭
のないマイクロカプセルスラリーを得た。ホルマリン除
去工程に於いても増粘凝集傾向はまつたく認められなか
つた。
実施例−4 実施例−1のアニオン性水溶性高分子の製法に準じて、
アクリル酸60mo%、メタクリロニトリル30mo
%、および2−アクリルアミド−2−メチルプロパン
スルホン酸10mo%のモノマー構成を有するアニオ
ン性水溶性高分子の20%水溶液(B)を得た。該水溶液
は25℃に於いて130cpsの粘度を有していた。
上記水溶液50部と水156部の混合物の溶液を調製し、
20%水溶液を添加してpH4.5に上げる。この溶液中に
実施例−1と同じ芯物質200gを添加し、ホモミキサー
で15分間乳化して、平均粒子径2.8μの安定なO/W型エ
マルジヨンを得た。ここに37%ホルムアルデヒド26.5
部とメラミン20部の混合物を予め加熱溶解して調製さ
れたメラミン樹脂前駆体水溶液をここに加えて、攪拌下
に60℃で3時間反応させてマイクロカプセル化を終え
た。本例のマイクロカプセルは53wt%の固型分を有
し、50cps25(25℃)の粘度を示した。
実施例−5 アクリル酸のスルホプロピルエステルの50%水溶液
(大阪有機製)及びメタアクリル酸、アクリロニトリル
を用いて、実施例−1に記載の方法に準じて、アクリル
酸のスルホプロピルエステル15mo%、メタアクリ
ル酸50mo%、アクリロニトリル35mo%のモ
ノマー組成を有するアニオン性共重合体の20%水溶液
(C)を得た。該水溶液はpH4.0,25℃に於いて240cpsの
粘度を有していた。
該共重合体の20%水溶液20%水溶液(B)50部を水1
62部に攪拌混合し、pHを4.3に調節した。芯物質として
クリスタルバイオレツトラクトンを3.5重量%溶解した
部分水素化ターフエニル(モンサント「HB-40」)260部を
加え、ホモミキサーで20分間乳化して平均粒子径4.2
μのO/W型エマルジヨンを得た。該エマルジヨンにメチ
ル化メチロールメラミンの水溶液(三井東圧化
学....「ユーラミンP−6100」)208部を添加し、
系の温度を55℃に上げて、3時間縮合させ、更に50
%酢酸を少量添加して2時間縮合を継続してマイクロカ
プセル化を終えた。
本例のマイクロカプセルは55wt%の固型分を有してお
り、25℃で75cpsの低い粘度を有していた。
比較例−1 エチレン無水マレイン酸共重合体50部を水450部に加
熱溶解して10%水溶液〔D〕を得た。該水溶液〔D〕
100部および水200部を混合し、10%NaOH水溶液でpHを
4.0迄上昇させた。このなかに、実施例1と同じ芯物質2
00部をホモミキサーで乳化し、安定なO/W型エマルジヨ
ンを得た。
ここに攪拌下に固型分50%メチル化メチロールメラミ
ン(三井東圧「ユーラミンT−530」)60部を加えて
2時間55℃に保温攪拌してマイクロカプセル化を終え
る。
本例のマイクロカプセル液は42.9wt%の固型分濃度を有
するが、メラミンホルムアルデヒド初期縮合物の縮合に
よる壁膜形成と共に系の粘度が著しく上昇し、膜形成終
了後、冷却して得たマイクロカプセル液は凝集傾向はな
いが7400cpsの高い粘度を示しほとんど流動性を失なつ
た。
比較例−2 出来上りマイクロカプセル液の固型分を35wt%になる
ように水分を調節した以外は比較例−1と同様にして、
マイクロカプセル化を終えた。
本例のマイクロカプセル液は、冷却後、pH4.8で250cpの
粘度を示した。
残存ホルマリンを除去するために28%アンモニア水を
加えてpHを8.5に調節したところホルムアルデヒド臭は
完全に消失したが、カプセル液は増粘して670cpsの粘度
を示し、大きな粘度−pH依存性が認められコーテイング
作業時にはpH管理に充分注意が必要なものであつた。
比較例−3 スチレン無水マレイン酸共重合体(モンサント「スクリ
プセツト−520」)2.5部と酢ビ無水マレイン酸共重合体
(日本乳化剤「DisrolH−12未中和物」)2.5部希NaO
H水溶液を用いてpHを5.0に調節しながら加温溶解して水
溶液100部とした。完全に溶解する迄に90℃加熱で4
時間を要した。以下55℃の恆温水槽中でマイクロカプ
セル化を行なつた。
該スチレンマレイン酸共重合体および酢ビマレイン酸の
水溶液100部および水溶液17.5部を混合したものに実施
例−1で用いたと同じ芯物質100部をホモミキサーで乳
化分散させたのち、メチル化メチロールメラミン80%
水溶液(ユーラミンT−33)12.5部を加え、2時間縮
合させたのち冷却してカプセル膜形成を終えた。本例の
マイクロカプセル液は50wt%の固型分を有し、620cp
の低い粘度を有していた。
残存ホルマリンを除去するため、再び60℃に加温し4
0wt%の尿素水溶液を3部加え、酢酸でpHを4.0に調節
したところ、全体が増粘して攪拌が不可能となり尿素添
加などによる酸性サイドでの残存ホルムアルデヒド除去
方法を用いることはできなかつた。
比較例−4 2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸4
0部を水160部に攪拌溶解したのち、20%NaOH水溶液
でpHを5.0に調節し、過硫酸アンモニウムの10%水溶
液3.7部および10%亜硫酸水素ナトリウム水溶液0.8部
を加えて、断熱条件下で重合させ、25℃に於ける粘度
430cpsのポリ−(2−アクリルアミド−2−メチル−プ
ロパンスルホン酸)のNa塩の20wt%水溶液(D)を得
た。
(4-1)マイクロカプセル化 水溶液(D)25部水85部を攪拌混合し、酢酸にてpHを
4.0に調整した。該系に実施例−1と同じ芯物質100部を
加え、ホモミキサーで20分間、60℃で乳化分散させ
た。本例のO/W型エマルジヨンは乳化安定性が悪く、攪
拌を停止するとただちに油滴の合一化がおきるため、微
小油滴に維持するためには、たえず強いせん断力を与え
ておく必要があり、かつ乳化液滴のサイズコントロール
は非常に難しかつた。強攪拌下に、メチル化メチロール
メラミンの50%水溶液(三井東圧化学製...「ユー
ラミンP−6100」)30部を加えたところ、系が急激に
増粘し5分後に全体が凝集ゲル化してしまつた。
(4-2) (3-1)と同一組成であるが強攪拌下にメチル化メチロー
ルメラミン(ユーラミンP−6100)を系のゲル化がおき
ないように2時間を要して、慎重に滴下したのち、2時
間更に反応を行ないカプセル化を終えた。オイルに対す
る乳化安定性が悪いために、出来上あがつたマイクロカ
プセルには粗大粒子および凝集粒子が多数見られるふる
いを通して過しなければ、感圧複写紙用途には不都合
であつた。
なお平均粒子径は7.4μであり、50wt%の固型分濃度
を有し、350cpsの低い粘度を示していた。
比較例−5 スチレンスルホン酸ナトリウム塩(東洋曹達「スピノマ
ーSS」)(純度85%)8.4部を水161.3部に溶解した
のち98%アクリル酸29.9部およびヒドロキシエチルメ
タアクリレート(HEMA)6.5部を加え、攪拌して均一水溶
液とし、40℃に保温した。過硫酸アンモニウムの10
%水溶液12.9部および亜硫酸水素ナトリウム塩10%水
溶液4.0部を加えてラジカル重合を開始したところ30
分で内温が65℃迄昇温した。更に70℃に30分保温
して重合を終え、固型分20wt%のアニオン性水溶性高
分子水溶液(E)を得た。このものの粘度は25℃で4800c
psであつた。
(5-1) 高分子水溶液〔E〕32.5部を水125.1部と攪拌混合し、
10%NaOH水溶液でpHを2.4から4.0に上昇させた。実施
例−1で用いたと同じ芯材料130部を加え、ホモミキサ
ーで20分間60℃で乳化、O/W型のエマルジヨンを得
た。乳化安定性は、やや不足でそのまま静置すると油滴
の合一化により、液滴サイズが大きくなる傾向を有す
る。攪拌下にメチル化メチロールメラミン80%水溶液
(ユーラミンP−6300)16.25部を加えて、60℃で縮
合を行なつたところ、10分後に系全体がゲル化し、マ
イクロカプセルは得られなかつた。
(5-2) 高分子水溶液〔E〕19.88部を138.23部と攪拌混合し、
尿素6.63部レゾルシン0.93部を添加溶解し、10%NaOH
水溶液でpHを2.75から3.40に上げた。このなかに実施例
−2で用いたと同じ芯物質117部を加え、ホモミキサー
で20分間、60℃で乳化したところ顕微鏡観察で約4
μの平均粒径を有するO/W型のエマルジヨンが得られた
が、酸性が強いためエマルジヨンは濃い赤紫色に着色し
ていた攪拌下に37%ホルマリン17.2部を加えて、60
℃で3時間反応を行ないマイクロカプセル化を終え冷却
した。該マイクロカプセル液は45wt%の固型分を有
し、250cpsの粘度を有していた。
しかしながら、液の赤紫色の着色が著しく、NaOH等でア
ルカリ性にしても着色は消えず、該カプセルを塗布した
感圧紙面も着色が大きく実用的ではなかつた。
比較例6および7 下記のモノマー構成を有する20wt%の高分子界面活性
剤水溶液69部にイオン交換水199部を加え、さらにこ
の混合液を10%の苛性ソーダ水溶液を用いてpH4.0に
調節した。
比較例6:アクリル酸90モル%および2−アクリルア
ミド−2−メチルプロパンスルホン酸(AMPS)10
モル%、 比較例7:アクリル酸60モル%およびアクリロニトリ
ル40モル%、 尚、20%水溶液の粘度は各々1900、2300cpsであつた。
ついで、芯物質として、クリスタルバイオレツトラクト
ンを3.0wt%溶解したフエニルキシルエタン270部を加
え、ホモミキサーにより30分間乳化した。これにメチ
ル化メチロールメラミン80%水溶液(ユーラミンP63
00)を67.5部を加えたのち、系を60℃に昇温して、2
時間縮合させて、冷却しマイクロカプセル化を終えた。
それぞれ、固型分55wt%のマイクロカプセルスラリー
を得た。
その性状は次の通りであつた。
比較例6:乳化安定性が悪く、且つ縮合開始5分後に増
粘、ゲル化。
比較例7:乳化安定性が良いが、縮合開始後増粘、ゲル
化。
実施例−6 実施例−1で得た、アニオン性水溶性高分子の20%水
溶液40部およびジエチレントリアミンペンタ酢酸Na
塩40%水溶液(キレスト化学「キレスト−P」)2.1
部を水98部に攪拌混合し酢酸を加えてpHを4.1とし
た。
これに4,4′,4″−トリス−ジメチルアミノ−トリ
フエニルメタン2.5wt%および4,4′−ビス−ジメチ
ルアミノ−3′−メチル−4″−エトキシ−トリフエニ
ルメタン0.7wt%を溶解したジオクチルフタレート130部
を加えホモミキサーで乳化して平均粒子径約4μの安定
なO/W型エマルジヨンを得た。攪拌下に20wt%の固型
分を有するメラミンホルムアルデヒド初期縮合物(住友
化学「スミレツクレジン#613」)32.5部を加え、55
℃で4時間加熱縮合させた。該マイクロカプセル液を2
8%アンモニア水をpH8.0になる迄加えホルマリンの除
去を行なつたのち、更にトリエタノールアミン6部を加
えて、マイクロカプセル化を終えた。
本例のマイクロカプセルは55wt%の固型分濃度を有
し、180cpsの粘度を有していた。
以上の実施例および比較例のうち感圧複写紙用の芯物質
のマイクロカプセルの例について、次のように感圧記録
紙用材料としての評価を行ない、その結果を表−2にま
とめて示す。
(A)感圧複写紙の作成 得られたマイクロカプセル固型分100部あたり、小麦粉
澱粉50部(平均粒子径18μ)、リン酸エステル化澱
粉の20%水溶液(にたもの...アベベ製「ニールガ
ムA−55」)70部をよく混合しNaOH水溶液でpHを9.
0とし水で希釈して30wt%固型分の水性塗料を得た。
該水性塗料を50g/m2の坪量の感圧原紙に乾燥塗布量
が4.0g/m2となるように塗布乾燥して感圧複写紙CB紙
を得た。
(B)加圧汚染性の測定 上記のCB紙のフエノール樹脂系顕色剤を用いた市販の
感圧複写紙CF紙(十條製紙製「レジンCCP-W-50BR」)
と重ね合わせ、鋼板上でミユーレン破裂度試験機により
10kg/cm2の圧力で30秒間加圧し、試験前後のCF紙
面の着色の程度をハンター比色計(アンバーフイルター
使用)を用いて、反射率として求めた。試験前後の反射
率の差が小さい程、弱い静圧(積み重ね自重など)に対
する耐性にすぐれている。
(C)膜の緻密性 (A)で作成したCB紙を105℃のオーブン中に20時間放
置し、その後前述のCF紙(十條製紙「W-50BR」)と重
ね合わせ、電動タイプライタ−(ヘルメス808型)を用
いて一定打圧で打圧発色させた発色像濃度を1時間後に
ハンター比色計(アンバーフイルター)により反射率と
して測定した。別に、オーブン処理しないCB紙と前述
のCF紙との組合せてタイプライタ−発色させたものを
測色した。オーブン処理品使用の発色濃度と、未処理品
使用の発色濃度の差が小さい程マイクロカプセル膜の緻
密性にすぐれ、高温保存下でも内容物の放出の程度が小
さい。
(D)耐水性 実施例あるいは比較例のマイクロカプセルスラリー10
部をP−フエニルフエノールレジンの40%分散液(三
井東圧化学製「RBE−40」...感圧複写紙用顕色
剤として実用化されているもの)を2倍の水で希釈した
もの50部と混合し、1時間後の液の着色の程度を肉眼
で判定した。耐水性の悪いマイクロカプセルは、液中で
顕色剤と接触して、発色をおこしてしまい、とりわけ、
色素マイクロカプセルと顕色剤を支持体の同一面に重ね
あるいは混合して塗布されるセルフコンテインド型感圧
複写紙の製造には大きな制約がともなう。
前記、実施例および比較例より明らかなように、本発明
の方法によるマイクロカプセルは (1)極めて高濃度かつ低粘度であり、 (2)耐水性にすぐれ、 (3)すぐれた緻密な膜を有し、 (4)乳化安定性が良いため、粒子径の制御が容易であ
り、 (5)酸性からアルカリ性の広いpH範囲に於いて安定した
粘度、分散安定性を有し、種々のホルムアルデヒド除去
方法の応用が可能である、 (6)マイクロカプセル化工程が他の方法に比し、きわめ
てシンプルである、 などの製法面、物性面のすぐれた特徴を有するに加え工
業的にも (1)生産コスト輸送コストの大幅低減を可能とし、 (2)感圧複写紙に応用した場合、高濃度塗工が可能とな
るため塗工生産性の向上(塗工速度のアツプ)および塗
工エネルギーコストの大幅低減により、大きなコストメ
リツトを得ることが可能となる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】メラミン−ホルムアルデヒド、メチロール
    メラミン単量体またはその低分子量重合体、アルキル化
    メチロールメラミン単量体またはその低分子重合体およ
    びこれらの組合せからなる群から選ばれた1種またはそ
    れ以上の水溶性カプセル膜先駆物質を、 (A)アクリル酸とメタクリロニトリルとアクリルアミ
    ドアルキルスルホン酸および/またはアクリル酸のスル
    ホアルキルエステル、または、 (B)メタクリル酸とアクリロニトリルとアクリルアミ
    ドアルキルスルホン酸および/またはアクリル酸のスル
    ホアルキルエステル からなる単量体を共重合して得たいずれかのアニオン性
    の水溶性高分子界面活性剤の存在下に、芯物質の周囲に
    カプセル壁物質を形成させることを特徴とするマイクロ
    カプセルの製造方法。
  2. 【請求項2】アニオン性の水溶性高分子界面活性剤が、 (A)アクリル酸20−70モル%、メタクリロニトリ
    ル20−70モル%、アクリルアミドアルキルスルホン
    酸および/またはアクリル酸のスルホアルキルエステル
    0.5−20モル%、 または、(B)メタクリル酸20−70モル%、アクリ
    ロニトリル20−70モル%、アクリルアミドアルキル
    スルホン酸および/またはアクリル酸のスルホアルキル
    エステル0.5−20モル%のいずれかの単量体構成を
    有する共重合体またはその塩である特許請求の範囲第1
    項記載の方法。
  3. 【請求項3】アニオン性の水溶性高分子界面活性剤が、
    固形分20wt%の水溶液で、pH4.0、25℃におい
    て、3−100,000cpsの粘度のものである特許請
    求の範囲第1項記載の方法。
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