JPH0659387B2 - 排ガスの浄化方法 - Google Patents

排ガスの浄化方法

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JPH0659387B2
JPH0659387B2 JP2339679A JP33967990A JPH0659387B2 JP H0659387 B2 JPH0659387 B2 JP H0659387B2 JP 2339679 A JP2339679 A JP 2339679A JP 33967990 A JP33967990 A JP 33967990A JP H0659387 B2 JPH0659387 B2 JP H0659387B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、焼却炉等から排出された排ガス中に含有さ
れている、窒素酸化物、および、ポリ塩化ジベンゾタイ
オキシン、ポリ塩化ジベンゾフラン等の有機塩素化合
物、ならびに、アンモニアを除去して、排ガスを浄化す
るための方法に関するものである。
〔従来の技術〕
産業廃棄物や都市ごみを処理するための焼却炉等から発
生する排ガス中には、窒素酸化物(NOx)と共に微量では
あるが極めて毒性の強いポリ塩化ジベンゾダイオキシン
(PCDDs)、ポリ塩化ジベンゾフラン(PCDFs)等の有機塩素
化合物が含有されている。このような有害な窒素酸化物
および有機塩素化合物の、排ガス中からの除去は、公害
防止上極めて重要である。
排ガス中からの窒素酸化物の除去方法として、例えば、
特公昭54-29419号公報には、排ガス中に還元剤としての
アンモニアを添加し、このようにアンモニアが添加され
た排ガスを、窒素酸化物還元用触媒に接触させることに
より、排ガス中の窒素酸化物を還元して除去する方法が
開示されている。
排ガス中からの有機塩素化合物の除去方法として、例え
ば、特開昭63-290314 号公報には、排ガスを、セラミッ
ク担体に担持させた白金等の酸化用触媒と300 〜900 ℃
の温度で接触させることにより、排ガス中の有機塩素化
合物を酸化させて除去する方法が開示されている。
また、特開昭62-65721号公報には、排ガス中にアンモニ
アを添加し、このようにアンモニアが添加された排ガス
を窒素酸化物還元用触媒に接触させ、排ガス中の窒素酸
化物を還元して除去し、次いで、窒素酸化物が除去され
た排ガスを酸化用触媒に接触させて、排ガス中に含有さ
れている一酸化炭素、炭化水素および含酸素有機化合物
を酸化させて除去する方法が開示されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
上述した特公昭54-29419号公報に開示された方法によれ
ば、排ガス中から窒素酸化物のみを除去することがで
き、また、特開昭63-290314 号公報に開示された方法に
よれば、排ガス中から有機塩素化合物のみを除去するこ
とはできる。しかしながら、上記何れの方法も、窒素酸
化物および有機塩素化合物の両者を共に排ガス中から除
去することはできない。更に、焼却炉等から排出される
排ガス中には、アンモニア(NH3 )が含有されているが、
上述した方法では、このようなアンモニアを窒素酸化物
および有機塩素化合物と共に除去することはできない。
また、特開昭62-65721号公報に開示された方法によれ
ば、排ガス中から、窒素酸化物、一酸化炭素、炭化水素
および含酸素有機化合物の除去はできるが、排ガス中に
含有されている有機塩素化合物を除去することはできな
い。
従って、この発明の目的は、焼却炉等から排出された排
ガス中に含有されている、有害な、窒素酸化物、有機塩
素化合物およびアンモニアを効率的に除去して、排ガス
を浄化するための方法を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者等は、上述した問題を解決すべく鋭意研究を重
ねた。その結果、排ガスを、アンモニアの存在下におい
て窒素酸化物還元用触媒と接触させて排ガス中の窒素酸
化物を還元し、次いで、有機塩素化合物酸化用触媒と接
触させて排ガス中の有機塩素化合物を酸化させれば、排
ガス中から、窒素酸化物、有機塩素化合物およびアンモ
ニアを高い効率で除去し得ることを知見した。
この発明は、上記知見に基づいてなされたものであっ
て、この発明の方法は、焼却炉等から排出された、窒素
酸化物、および、ポリ塩化ジベンゾダイオキシン、ポリ
塩化ジベンゾフラン等の有機塩素化合物、ならびに、ア
ンモニアを含有する排ガス中に還元剤としてのアンモニ
アを連続的または間欠的にに添加し、このようにアンモ
ニアが添加された排ガスを、200 〜500 ℃の温度で窒素
酸化物還元用触媒に接触させることにより、前記排ガス
中に含有されている前記窒素酸化物を還元して除去し、
次いで、窒素酸化物が除去された排ガスを、200 〜500
℃の温度で、有機塩素化合物酸化用触媒と接触させるこ
とにより、前記排ガス中に含有されている前記有機塩素
化合物を酸化して除去し、且つ、前記排ガス中に含有さ
れているアンモニアを分解して除去することに特徴を有
する。
〔作用〕
この発明においては、先ず、排ガス中に還元剤としての
アンモニアを添加し、このようなアンモニアが添加され
た排ガスを窒素酸化物還元用触媒に接触させることによ
り、排ガス中に含有されている窒素酸化物を還元して除
去し、次いで、窒素酸化物が除去された排ガスを有機塩
素化合物酸化用触媒と接触させることにより、排ガス中
に含有されているアンモニアを酸化して除去する。
従って、窒素酸化物の除去効率を高めるために、NH3/NO
x(モル比)が1以上となるように、排ガス中にアンモ
ニアを添加しても、排ガス中の未反応のアンモニアは、
有機塩素化合物除去用反応器において殆ど除去されるの
で、問題が生ずることはない。
有機塩素化合物酸化用触媒として、Ti,Si,AlおよびZrか
らなる群から選択された少なくとも1種の金属の酸化物
からなる基体の表面上に、Pt,Pd,Ru,Mn,Cu,Cr およびFe
からなる群から選択された少なくとも1種の金属または
その酸化物を担持させた触媒を使用することにより、NO
x,SOx,HCl,COおよびハロゲンガス等の存在する環境下に
おいて、ポリ塩化ジベンゾダイオキシン、ポリ塩化ジベ
ンゾフラン等の毒性を有する有機塩素化合物を、長期に
わたり効率よく分解して除去することができる。
また、1つの反応器内に、窒素酸化物還元用触媒と有機
塩素化合物酸化用触媒とを積層して設けることができ、
これによって装置をコンパクト化することが可能にな
る。
次に、この発明を、図面を参照しながら説明する。第1
図は、この発明方法の1実施態様を示す工程図である。
第1図に示すように、この発明の方法においては、先
ず、混合室1において、排ガス中に、アンモニア(NH3)
を、連続的または間欠的に添加しそして混合する。そし
て、このようにアンモニアが添加された排ガスを、200
〜500 ℃の温度で、窒素酸化物還元用触媒が設けられた
脱硝用反応器2に導く。この結果、排ガス中の窒素酸化
物(NOx)は、脱硝用反応器2において、窒素酸化物還元
用触媒と接触しそして還元され、選択的に除去さる。
このようにして、脱硝用反応器2において窒素酸化物が
除去された排ガスを、200 〜500 ℃の温度で、有機塩素
化合物酸化用触媒が設けられた有機塩素化合物除去用反
応器3に導く。この結果、排ガス中の有機塩素化合物
は、有機塩素化合物除去用反応器3において、有機塩素
化合物酸化用触媒と接触しそして酸化され、除去され
る。
上述した、脱硝用反応器2によって、窒素酸化物が選択
的に除去された後の排ガス中に残存するアンモニアは、
その量が過多(約50ppm以上)でない限り、有機塩素化
合物除去用反応器3において、窒素と水とに分解しそし
て除去される。
排ガスの温度は、200 〜500 ℃の範囲内であることが必
要である。排ガスの温度が200 ℃未満では、脱硝用反応
器2における窒素酸化物の還元反応、および、有機塩素
化合物除去用反応器3における有機塩素化合物の酸化反
応が不十分となり、窒素酸化物および有機塩素化合物
を、排ガス中から効率的に除去することができない。一
方、排ガスの温度が500 ℃を超えると、有機塩素化合物
除去用反応器3において、排ガス中に残存する微量のア
ンモニアが窒素と水とに分解されず、逆に、窒素酸化物
になる問題が生ずる。
脱硝用反応器2における窒素酸化物の除去効率を高める
ためには、NH3/NOx(モル比)が1以上となるように、
排ガス中にアンモニアを添加することが望ましい。この
ような割合で排ガス中にアンモニアを添加しても、排ガ
ス中の未反応のアンモニアは、前述したように、有機塩
素化合物除去用反応器3において殆ど除去されるので、
問題が生ずることはない。
脱硝用反応器2および有機塩素化合物除去用反応器3を
別個に設けることなく、1つの反応器となし、この1つ
の反応器内に、窒素酸化物還元用触媒と有機塩素化合物
酸化用触媒とを積層して設けてもよい。このようにすれ
ば、装置をコンパクト化することができる。
排ガス中へのアンモニアの添加は、連続的でも間欠的で
もよい。排ガス中へのアンモニアの添加を間欠的に行っ
ても、脱硝用反応器2内の窒素酸化物還元用触媒に付着
したアンモニアによって、排ガス中に含有されている窒
素酸化物の還元が行われる。
排ガス中へのアンモニアの添加量を制御するために、第
2図に示すように、有機塩素化合物除去用反応器3の出
側に窒素酸化物濃度測定器4を設置し、窒素酸化物濃度
測定器4によって測定された、排ガス中の窒素酸化物の
濃度によって、混合室1における排ガス中へのアンモニ
ア添加量を制御することが望ましい。
第3図は、このようなアンモニアの添加量の制御を自動
的に行うための工程図である。第3図に示すように、有
機塩素化合物除去用反応器3の出側に第1窒素酸化物濃
度測定器4が設けられ、そして、混合室1の入側に第2
窒素酸化物濃度測定器5が設けられている。6は演算器
である。第2窒素酸化物濃度測定器5によって測定され
た、処理前の排ガス中の窒素酸化物の濃度、および、有
機塩素化合物除去用反応器3の出側の第1窒素酸化物濃
度測定器4によって測定された、処理後の排ガス中の窒
素酸化物の濃度は、演算器6に送られ、演算器6によっ
て、両者の差が演算される。このようにして、演算され
た窒素酸化物の濃度差に基づいて、適切な量のアンモニ
アが、混合室1において排ガス中に添加される。
窒素酸化物還元用触媒としては、市販の触媒、例えば、
チタンを含有する酸化物からなる基体の表面上に、バナ
ジウム、タングステン等を担持させてなる触媒等を使用
することができる。
有機塩素化合物酸化用触媒としては、Ti,Si,Al およびZ
rからなる群から選択された少なくとも1種の金属の酸
化物からなる基体の表面上に、Pt,Pd,Ru,Mn,Cu,Cr およ
びFeからなる群から選択された少なくとも1種の金属ま
たはその酸化物を担持させた触媒を使用することが好ま
しい。
特に、好ましい触媒は、TiO2-SiO2 またはTiO2-ZrO2
2元系複合酸化物、3Al2O3・2SiO2 を含有する酸化物の
表面上にTiO2が被覆された酸化物、または、TiO2-SiO2-
Al2O3 、TiO2-SiO2-ZrO2の3元系複合酸化物を基体と
し、この基体の表面上に、上述した、Pt,Pd,Ru,Mn,Cu,
CrおよびFeからなる群から選択された少なくとも1種の
金属またはその酸化物を担持させた触媒である。
このような触媒は、NOx,SOx,HCl,COおよびハロゲンガス
等の存在する環境下において、ポリ塩化ジベンゾダイオ
キシン、ポリ塩化ジベンゾフラン等の有機塩素化合物
を、長期にわたり、効率よく分解して除去することがで
きる。
特に、基体を、3Al2O3・2SiO2 即ちムライトを含有する
酸化物の表面上にTiO2が被覆された構造とすれば、ムラ
イトの表面上に被覆されたTiO2により、基体の表面に微
細の凹凸が形成されるので、Pt等の触媒成分を担持させ
て高活性を得るのに必要な表面積を十分に確保すること
ができ、且つ、ムライトの表面上を被覆するTiO2によっ
て、優れた耐酸性が付与される。
窒素酸化物還元用触媒および有機塩素化合物酸化用触媒
の形状は、円柱状、円筒状、板状、リボン状、ハニカム
状、ペレット状等、一体成形された任意の形状のものを
選ぶことができる。特に、第5図に断面図で示すよう
な、断面が格子状のハニカム構造体A、または、第6図
に断面図で示すような、断面がコルゲート状のハニカム
構造体Bからなる触媒が好ましい。触媒をこのようなハ
ニカム構造体によって構成すれば、排ガス中に存在する
ダストが触媒に付着することはなく、従って、ダストの
付着による圧力損失の増大や性能の低下等が生ぜずに、
安定した操業を行うことができる。
第4図は、比較のための、この発明の範囲外の方法の一
例を示す工程図である。第4図に示す例においては、排
ガスは、先ず、有機塩素化合物酸化用触媒が設けられた
有機塩素化合物除去用反応器3に導かれ、排ガス中の有
機塩素化合物が酸化、除去される。次いで、有機塩素化
合物が除去された排ガス中に、混合室1においてアンモ
ニアが添加、混合される。このようにアンモニアが添加
された排ガスは、窒素酸化物還元用触媒が設けられた脱
硝用反応器2に導かれ、排ガス中の窒素酸化物が還元、
除去される。
上述した方法の場合には、次に述べるような問題が生ず
る。
有機塩素化合物が除去された後の排ガス中にアンモ
ニアが添加されるために、アンモニアを排ガス中に十分
に分散及び混合させる必要上、混合室1と脱硝用反応器
2との間に十分な距離をおく必要があり、且つ、有機塩
素化合物除去用反応器3と脱硝用反応器2とを1つの反
応器にコンパクトにまとめることができず、装置が大型
化する。
排ガス中に含有されているアンモニアは、有機塩素
化合物除去用反応器3において酸化され、窒素酸化物に
なる。この結果、有機塩素化合物除去用反応器3の出側
における排ガス中の窒素酸化物の量が増加する。このよ
うに増加した窒素酸化物を除去するためには、混合室1
において、排ガス中に多量のアンモニアを添加すること
が必要になる。
窒素酸化物の除去効率を高めるため、特に上記に
述べた理由によって、排ガス中へのアンモニアの添加量
を、NH3/NOx(モル比)が1以上となるように、多くし
なければならない。しかしながら、このように多量のア
ンモニアを排ガス中に添加すると、処理後の排ガス中に
未反応のアンモニアが残る。このような未反応のアンモ
ニアは、脱硝用反応器2内またはその出側において、排
ガス中のSOx と反応して、酸性硫安等の硫安化合物にな
り、脱硝用反応器2より下流側の機器に付着する。この
結果、上記機器の腐食を招く。
上述した排ガス中の未反応のアンモニアによる問題
を防止するためには、排ガス中へのアンモニアの添加量
を、NH3/NOx(モル比)が1未満例えば0.7〜0.9
位となし、排ガス中に未反応のアンモニアが残存しない
ようにすることが必要である。しかしながら、排ガス中
へのアンモニアの添加量を上記のように減らすと、排ガ
ス中からの窒素酸化物の除去率が、約70%程度にまで減
少する。
次に、この発明を、実施例により比較例と対比しながら
更に詳細に説明する。
〔実施例1〕 窒素酸化物還元用触媒として、酸化チタニウムからなる
基体にバナジウムを担持させた、第5図に示す、断面が
格子状のハニカム構造体からなる、目開き:6mm、壁厚:1
mmの触媒を使用した。有機塩素化合物酸化用触媒とし
て、Ti:Si = 8.5:1.5 (モル比)であるTiO2-SiO2
合酸化物からなる基体にPt(1.5g/触媒 1)を担持さ
せた、第5図に示す断面が格子状のハニカム構造体から
なる、目開き:3.2mm、壁厚:0.5mmの触媒を使用した。
なお、上記窒素酸化物還元用触媒が設けられた脱硝用反
応器の空間速度(SV)は5000hr-1であり、そして、上記有
機塩素化合物酸化用触媒が設けられた有機塩素化合物除
去用反応器の空間速度(SV)は2000hr-1である。
上述した触媒を使用し、第1図に示した工程図に従っ
て、この発明の方法により、NOx,PCDDs およびNH3 を下
記のように含有する排ガス中から、窒素酸化物(NOx)、
ポリ塩化ジベンゾダイオキシン(PCDDs)およびアンモニ
ア(NH3)を除去した。
NOx 含有量 : 130〜 1800ppm PCDDs 含有量:2000〜4000ng/Nm3 NH3 含有量: 30〜 50ppm 第1表に、排ガス温度、還元剤としてのアンモニアの添
加量〔NH3/NOx(モル比)〕、NOx 除去率、PCDDs 除去
率および処理排ガス中の残留NH3 濃度を示す。
〔比較例1〕 第4図の、比較のための方法を示す工程図に従い、有機
塩素化合物除去用反応器において排ガス中から有機塩素
化合物を除去し、次いで、有機塩素化合物が除去された
排ガス中にアンモニアを添加した上、脱硝用反応器にお
いて排ガス中から窒素酸化物を除去することからなる方
法により、実施例1と同じ触媒を使用し、実施例1と同
じ量のNOx,PCDDs およびNH3 を含有する排ガス中から、
窒素酸化物(NOx)、ポリ塩化ジベンゾダイオキシン(PCDD
s)およびアンモニア(NH3)を除去した。
第2表に、排ガス温度、還元剤としてのアンモニアの添
加量〔NH3/NOx(モル比)〕、NOx 除去率、PCDDs 除去
率および処理排ガス中の残留NH3 濃度を示す。
実施例1の結果を示す第1表と、比較例1の結果を示す
第2表とを比較すれば明らかなように、この発明の方法
によれば、排ガス中から、窒素酸化物(NOx)およびポリ
塩化ジベンゾダイオキシン(PCDDs)を、高い効率で除去
することができ、処理後の排ガス中の残留アンモニア量
は、1.0ppm以下であって極めて微量であった。
〔実施例2〕 窒素酸化物還元用触媒として、酸化チタニウムからなる
基体にバナジウムを担持させた、第5図に示す断面が格
子状のハニカム構造体からなる、目開き:6mm、壁厚:1mm
の触媒を使用した。有機塩素化合物酸化用触媒として、
ムライトを含む酸化物の表面にTiO2が被覆された、TiO2
の含有量が60wt% である基体に、Pt(2.0g/触媒1)
を担持させた、第6図に示す断面がコルゲート状のハニ
カム構造体からなる触媒を使用した。触媒の各部の寸法
は、次の通りである。
幅方向ピッチ(a) : 3.7mm 長さ方向ピッチ(b) : 7.5mm 波状壁の厚さ(c) : 0.4mm 側壁の厚さ(d) : 0.5mm なお、上記窒素酸化物還元用触媒が設けられた脱硝用反
応器の空間速度(SV)、および、上記有機塩素化合物酸化
用触媒が設けられた有機塩素化合物除去用反応器の空間
速度(SV)は、何れも、5000hr-1である。
上述した触媒を使用し、第1図に示した工程図に従っ
て、この発明の方法により、実施例1と同じ量のNOx,PC
DDs およびNH3 を含有する排ガス中から、窒素酸化物(N
Ox)、ポリ塩化ジベンゾダイオキシン(PCDDs)およびアン
モニア(NH3)を除去した。排ガス中への還元剤としての
アンモニアの添加量は、NH3/NOx(モル比)で、0.9
とした。
第3表に、排ガス温度、NOx 除去率、PCDDs 除去率およ
び処理排ガス中の残留NH3 濃度を示す。
〔比較例2〕 第4図の、比較のための方法を示す工程図に従い、有機
塩素化合物除去用反応器において排ガス中から有機塩素
化合物を除去し、次いで、有機塩素化合物が除去された
排ガス中にアンモニアを添加した上、脱硝用反応器にお
いて排ガス中から窒素酸化物を除去することからなる方
法により、実施例2と同じ触媒を使用し、実施例1と同
じ量のNOx,PCDDs およびNH3 を含有する排ガス中から、
窒素酸化物(NOx)、ポリ塩化ジベンゾダイオキシン(PCDD
s)およびアンモニア(NH3)を除去した。第4表に、排ガ
ス温度、NOx 除去率、PCDDs 除去率および処理排ガス中
の残留NH3 濃度を示す。
実施例2の結果を示す第3表と、比較例2の結果を示す
第4表とを比較すれば明らかなように、この発明の方法
によれば、排ガス中から、窒素酸化物(NOx)およびポリ
塩化ベンゾダイオキシン(PCDDs)を、高い効率で除去す
ることができ、処理後の排ガス中の残留アンモニア量
は、1.0ppm以下であって極めて微量であった。
〔発明の効果〕
以上述べたように、この発明によれば、焼却炉から排出
された排ガス中に含有されている、窒素酸化物、およ
び、ポリ塩化ジベンゾダイオキシン、ポリ塩化ジベンゾ
フラン等の有機塩素化合物、ならびに、アンモニアを、
排ガス中から高い効率で除去して、排ガスを浄化するこ
とができ、しかも、装置をコンパクト化することができ
る等、多くの工業上有用な効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、この発明方法の1実施態様を示す工程図、第
2図および第3図は、この発明方法の他の実施態様を示
す工程図、第4図は、比較のための、この発明の範囲外
の方法の一例を示す工程図、第5図および第6図は、こ
の発明方法に使用される触媒の形状の一例を示す断面図
である。 図面において、 1……混合室、2……脱硝用反応器、 3……有機塩素化合物除去用反応器、 4、5……窒素酸化物濃度測定器、 6……演算器、 A,B……触媒。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坪井 晴人 東京都千代田区丸の内1丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 能登 隆 東京都千代田区丸の内1丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 山岸 三樹 東京都千代田区丸の内1丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 横山 隆 東京都千代田区丸の内1丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 鈴木 康夫 東京都千代田区丸の内1丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 井元 義訓 愛知県名古屋市千種区西崎町2丁目57番地 (72)発明者 石川 理 愛知県半田市新宮町1丁目106番地 日本 碍子株式会社新宮社宅107号 (72)発明者 徳倉 勝浩 愛知県半田市青山町7丁目83番地 日本碍 子株式会社青山寮

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】焼却炉等から排出された、窒素酸化物、お
    よび、ポリ塩化ジベンゾダイオキシン、ポリ塩化ジベン
    ゾフラン等の有機塩素化合物、ならびに、アンモニアを
    含有する排ガス中に、還元剤としてのアンモニアを連続
    的または間欠的に添加し、このようにアンモニアが添加
    された排ガスを、200 〜500 ℃の温度で、窒素酸化物還
    元用触媒に接触させることにより、前記排ガス中に含有
    されている前記窒素酸化物を還元して除去し、次いで、
    窒素酸化物が除去された排ガスを、200 〜500 ℃の温度
    で、有機塩素化合物酸化用触媒と接触させることによ
    り、前記排ガス中に含有されている前記有機塩素化合物
    を酸化して除去し、且つ、前記排ガス中に含有されてい
    るアンモニアを分解して除去することを特徴とする排ガ
    スの浄化方法。
  2. 【請求項2】前記有機塩素化合物酸化用触媒と接触させ
    て、前記排ガス中に含有されている前記有機塩素化合物
    および前記アンモニアを除去した後の、前記排ガス中の
    窒素酸化物の濃度を測定し、得られた窒素酸化物の濃度
    に基づいて、前記還元剤としてのアンモニアの前記排ガ
    ス中への添加量を制御する、請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】前記有機塩素化合物酸化用触媒として、T
    i,Si,Al およびZrからなる群から選択された少なくとも
    1種の金属の酸化物からなる基体の表面上に、Pt,Pd,R
    u,Mn,Cu,Cr およびFeからなる群から選択された少なく
    とも1種の金属またはその酸化物を担持させた触媒を使
    用する、請求項1または2記載の方法。
  4. 【請求項4】前記有機塩素化合物酸化用触媒の前記基体
    が、3Al2O3・2SiO2を含有する酸化物の表面上にTiO2
    被覆された酸化物からなっている、請求項3記載の方
    法。
  5. 【請求項5】前記有機塩素化合物酸化用触媒の前記基体
    が、TiO2-SiO2、TiO2-ZrO2、TiO2-SiO2-Al2O3およびTiO
    2-SiO2-ZrO2のうちの何れか1つの複合酸化物からなっ
    ている、請求項3記載の方法。
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