JPH0658805U - 化粧用コンパクト容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 閉蓋時の蓋体と容器本体の衝突音を小さくし
た化粧用コンパクト容器を提案する。 【構成】 容器本体２前部に形成した凹部７内に前後動
可能に嵌合させた押し釦４を設け、該押し釦４の押し込
み状態で押し釦４両側を凹部７内面に係止可能に構成し
て、閉じ蓋の際に容器本体２のフック15が最初衝突する
部分を極小化して衝突音を小さくし、又、続くフック15
による押し釦４の弾性板部19の摺動押し下げにより最終
的な容器本体周壁上面と蓋体周壁下面との当接を行わせ
る如く構成して衝突速度の低下による衝突音の低下を図
った。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は化粧用コンパクト容器に関する。

【０００２】

【従来の技術】 【考案が解決しようとする課題】

化粧用コンパクト容器として、蝶番によって開閉自在に蝶着された容器本体と 蓋体とからなり、蓋体前部より垂設したフックを容器本体前部に突設した係止突 起に乗り越え係合させて蓋体を容器体に閉蓋状態で係止する如く構成した化粧用 コンパクト容器が一般に知られている（例えば、実公昭63-30322号公報に記載さ れた容器）。

【０００３】 従来のこの種の容器は閉蓋に当たり、容器本体上面周縁部と蓋体下面周縁部と の当接面相互が衝突して大きな音を発するため消費者の商品イメージを害し、商 品の高級感を損なうもととなり、従って、この閉蓋時に発する大きな音の解消が 求められている。

【０００４】 本考案は上記した従来技術の欠点を解消した化粧用コンパクト容器を提案する ことを目的とするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案容器は上記課題を解決するため、周壁６前面を後方へ凹ませて凹部７を 形成するとともに、該凹部奥壁7a前面に係止突起８を突設してなる容器本体２と 、該本体２後部に後部を回動可能に連結して容器本体２上面を開閉可能に設ける とともに、前部下面より垂設したフック15を上記係止突起８に離脱可能に乗り越 え係合させた蓋体３とを有する化粧用コンパクト容器であって、上記凹部７内に 前後にスライド自在に嵌合するとともに、押圧用前壁18裏面中央部より後方へ上 下方向の弾性揺動が可能に突設した弾性板部19を有する押し釦４を設け、上記弾 性板部19後端を上記凹部奥壁7a前面より突設した前方へ下る傾斜面９上に摺動可 能に当接させるとともに、傾斜面９上の摺動上昇によりフック15と係止突起８の 係合を解除する如く構成し、且つ上記弾性板部19後端が傾斜面９上部に摺動移動 した釦押し込み状態で押し釦４両側を上記凹部７両側内面に係止可能に構成した 。

【０００６】

【作用】

図１の状態から押し釦４を押し込むと、弾性板部19が傾斜面９上を案内されて 上昇し、フック15下面を押し上げてフック15と係止突起８との係合を外し蓋体３ が開く。この際、両側の弾性係合片20が各々凹部７両側の縦突条11に乗り越え係 合して図２に示す如く弾性板部19が傾斜面９上昇位置の釦押し込み状態に於いて 係止される。内容物使用後蓋体３を閉じると最初フック15が係止突起８及び／又 は弾性板部19に衝突当接するが、極小面積での衝突のため小さな衝突音しか発し ない。次いでフック15により弾性板部19を傾斜面９上に沿って押し下げることに より各弾性係合片20の係合を解除するとともに、押し釦４を図１の元の状態に戻 す。この際、同時にフック15と係止突起８とが係合する。従って、最初のフック 15の衝突後はゆっくりと閉蓋されて容器体周壁６上面と蓋体周壁14下面とが当接 する際も両者は非常に低速で衝突するため、衝突音は小さい。

【０００７】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面を参照して説明する。

【０００８】 図１〜図４は本考案の一実施例を示すもので、図中１は化粧用コンパクト容器 を示す。該容器１は容器本体２と、蓋体３と、押し釦４とを主要部材として構成 している。

【０００９】 容器本体２は、底壁５周縁より周壁６を立設するとともに、前部中央にはその 部分の周壁６を後方へ凹ませて形成した上面及び前面開口の凹部７を設けている 。又、上記凹部７の奥壁7a前面上部中央には蓋体係止用の係止突起８を突設し、 該突起８下方に上面が前方へ下る上向きの傾斜面９をなす板状突起10を突設して いる。更に、凹部７の両側壁7b，7c内面後部所定位置には押し釦４を押し込み状 態で係止するための縦突条11を各々突設している。又、凹部底壁7d両端奥部に押 し釦４の前方への抜け出しを防止するために使用する凹み12を各々設けている。 又、この容器本体２内には、中枠21を介して内部に化粧品を収納したドラム（図 示せず）を着脱自在に嵌合させて使用する。

【００１０】 蓋体３は、頂壁13周縁より周壁14を垂設するとともに、後端部を公知構成の連 結機構により容器本体２後部に回動可能に連結して容器本体２上面を開閉可能に 構成している。又、前部下面中央部よりフック15を垂設し、該フック15を容器本 体２の上記係止突起８に乗り越え係合させて閉じ蓋状態を維持可能に構成してい る。

【００１１】 押し釦４は、後端面及び上面後端中央部開口の中空箱型をなし、上記凹部７内 に略ピッタリ収納可能な横幅を有し、凹部７内を前後動可能に嵌合させている。 又、底壁16下面の左右所定位置に突設した突起17を上記凹み12の前端段部に係止 して抜け出し不能に凹部７内に嵌合させている。又、前壁18後面上下方向中央部 より後方へ、基端部を薄肉に構成して上下に弾性変形可能に弾性板部19を突設し 、該板部19自由端下部を上記板状突起10の傾斜面９上に摺動可能に当接させて構 成している。又、前壁18両側端より後方ヘ左右方向への弾性的な揺動が可能で、 且つ後端外面に係止突部を突設した弾性係合片20を各々突設している。そして、 押し釦４を押し込むことで、上記弾性板部19が傾斜面９に案内されて弾性変形し つつ上方へ移動しフック15下面を上方へ押し上げてフック15と係止突起８との係 合が外れる如く構成するとともに、その位置で上記各弾性係合片20が上記２各縦 突条11と係合しその状態を維持可能に構成している。

【００１２】 尚、上記各部材は特に断りのない限り合成樹脂により形成する。

【００１３】

【考案の効果】

以上説明した如く本考案容器は既述構成としたことにより、押し釦を押し込ん で蓋体を開いた際に、各弾性係合片の係合により押し釦の弾性板部が傾斜面を上 昇した釦押し込み状態で維持されるため、蓋体を閉じる際に、最初蓋体のフック が弾性板部及び／又は係止突起と衝突するため、極小面積での衝突となりここで の衝突音を極めて小さいものとすることができる。更に蓋体を押し下げるとフッ クが傾斜面上の弾性板部を摺動下降させるため、最終的な蓋体周壁下面と容器本 体周壁上面との衝突も速度の極めて遅いものとなり、ここでの衝突音も極めて小 さいものとなる。いずれにしろ、従来のこの種容器の如く閉蓋時に大きな音を発 することはない。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案容器の一実施例を示す要部縦断面図で
ある。

【図２】 同実施例の押し釦押し込み時の要部縦断面図
である。

【図３】 同実施例の容器本体前部の要部分解斜視図で
ある。

【図４】 同実施例の押し釦の作動を説明する説明図で
ある。

【符号の説明】

２…容器本体，３…蓋体，４…押し釦，６…容器本体周
壁，７…凹部，８…係止突起，９…傾斜面，15…フッ
ク，18…押し釦前壁，19…弾性板部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 周壁６前面を後方へ凹ませて凹部７を形
   成するとともに、該凹部奥壁7a前面に係止突起８を突設
   してなる容器本体２と、該本体２後部に後部を回動可能
   に連結して容器本体２上面を開閉可能に設けるととも
   に、前部下面より垂設したフック15を上記係止突起８に
   離脱可能に乗り越え係合させた蓋体３とを有する化粧用
   コンパクト容器に於いて、上記凹部７内に前後にスライ
   ド自在に嵌合するとともに、押圧用前壁18裏面中央部よ
   り後方へ上下方向の弾性揺動が可能に突設した弾性板部
   19を有する押し釦４を設け、上記弾性板部19後端を上記
   凹部奥壁7a前面より突設した前方へ下る傾斜面９上に摺
   動可能に当接させるとともに、傾斜面９上の摺動上昇に
   よりフック15と係止突起８の係合を解除する如く構成
   し、且つ上記弾性板部19後端が傾斜面９上部に摺動移動
   した釦押し込み状態で押し釦４両側を上記凹部７両側内
   面に係止可能に構成したことを特徴とする化粧用コンパ
   クト容器。